ソードアートオンライン~空間と剣技の支配者~   作:刃零

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サブタイトルは同じですが、内容は結構違います


始まりの日 Side:Aria

  私はアリア。

  当然これは私の本当の名前ではない。

  だが、この世界では間違いなく私の名前だ。

  容姿は寸分違わず私の姿であるが。

  つい、数分前この世界は一万人が楽しむゲームから一万人を囚人としたデスゲームへと変わった。

  まあ、彼ならこれくらいの事をしてもおかしくはない。

  むしろそんな予感すらあったほどだ。

  しかし、容姿が現実のものに変えられるとは思ってはいなかったが。

  私の容姿はロングの黒髪に、周囲に近寄りがたさまで与えると言われたほどのクールさを持っているらしい顔。

  そして顔に併せて美しさと近寄りがたさを際立てる赤い眼。

  世辞でなければ相当美人と周囲から言われている。

  だが、赤い眼だけは今でも好きにはなれない。

  別に病気でも、色素不足でも無いらしいので原因は不明だが、この眼の色のせいで、友人を作るのには人一倍苦労した。

  それはさておき、今私はある少女と行動を共にしている。

  名はユウキという。

  彼女は恐らく私より年下だ。

  デスゲームとなる前から共に行動をしている。

  理由は私が元〈βテスター〉である為、不馴れな自分にレクチャーをしてほしいとのことだった。

  だが、基本を教えると、とてつもない強さだった。

  レベルがどうとか、筋力値がどうとかそういう次元ではない。

  何より反応速度が桁違いなのだ。

  私も結構速い方だと思っていたがその考えは簡単に打ち砕かれた。

  そして今私たちは《ホルンカの村》というところを目指して進んでいた。

  すると、目の前には異様なものがあった。

 

「ねえ、アリア。あそこにいるの見える?」

 

「うん、どうやら〈ネームドモンスター〉のようね」

 

  そこには、妖精のような羽の生えた人型モンスターが全身に純白の鎧を纏い立っていた。

  名は《The Ruler of Sword Art》。

  つまり《剣技の支配者》。

  デスゲームとなった今、できれば強敵との戦闘は避けたいところだが、そのモンスターは私たちが進もうとしている道を遮るように立っているため、避けては通れない。

 

「こんなのβテストの時にはいなかったはずなんだけど・・・」

 

  私が呟くとユウキが、

 

「戦うしか進む道はないよね・・・ボクは準備できてるよ・・・!」

 

  私の考えていた事を先取りするように言った。

 

「分かった、じゃあ行こう。危なくなったらすぐに下がって回復して」

 

「了解」

 

  短いやり取りのあと、私たちは同時に駆け出した。

  そして私は細剣の基本スキル〈リニアー〉を、ユウキは片手剣基本スキル〈スラント〉を、それぞれ妖精の頭と胸に放った。

  相手のHPは二割ほど削られた。

  固そうな装備の割にはそこまで防御力は高くは無いようだ。

  だが、その妖精は私たちから攻撃を受けた直後、すでに攻撃のモーションをしていた。

  そしてその剣は光を帯びた。

  そこから放たれたのは・・・。

  両手剣基本スキル〈アバランシュ〉。

  なんとこのモンスターはソードスキルを放ったのだ。

  こんな低層のフィールドでだ。

  私たちは咄嗟に避けようとしたが時すでに遅く私とユウキのHPゲージは三割ほど持っていかれた。

 

「こんな低層にここまでのモンスターを出すなんて・・・やっぱりあの男はどうかしてる・・・!」

 

  私は茅場に文句を言いつつ、また突っ込んでいった。

  ユウキも私の後ろから追随してきた。

  そして私は鎧の隙間を〈リニアー〉で突き刺した。

  すると、妖精のHPは一気にレッドゾーンまで削られた。

 

「よしっ!」

 

  そう言って下がり、ユウキと場所を入れ替わった。

  そして立て続けにユウキがスキルを放つ・・・ことはなかった。

 

「うわぁぁぁ!!!」

 

  その代わり、ユウキは私の背後へ悲鳴をあげつつ飛ばされた。

 

「あれは・・・一体・・・」

 

  私は目を疑った。

  なんと妖精はその手に片手剣を持っていた。

 〈両手〉にだ。

  いわゆる二刀流というやつだ。

  だが、そんなスキルはないし、そもそも両手に武器なんて持てばエラーが起き、ソードスキルは発動できない。

  なのになぜ?

  ともかく、今はユウキだ。

  下がってもらって回復を待とう。

  そうした瞬間妖精は二本の剣を持ってユウキに突進し始めたのだ。

 

「ユウキ!!危ない!!」

 

  だが、避けられるはずがない。

  私は咄嗟にユウキと妖精の間に入り妖精の剣を受け止めた。

  だが、受け止めなかったもう一方で私は切りつけられた。

  私のHPは一気にレッドへ突入した。

  私は死ぬのだろうか。

  こんなでたらめな世界で。

  意味もなく。

 

「そんなの・・・絶対にイヤ!!!」

 

  私は叫び、自分でも驚くほどの速さで妖精の首の隙間に細剣を突き刺した。

  何度も何度も。

  スキルは使っていない。

  妖精は攻撃をしようとはしてこなかった。

  だが、逃げようとはしていた。必死に必死に。

  まるで私たちと同じようにたった一度きりの命を落とすものかとそう訴えるかのように。

  だが、私は手を止めなかった。

  無限とも思える時間の中、ついに妖精は青色の結晶となり、四散した。

 

「ハァハァ」

 

  恐らく実際は数秒の出来事であったのだろう。

  だが、私には今でもこの世界での大部分はあの妖精の首を突き刺し続けていたかのような感覚だ。

  虚ろな気持ちになり、倒れそうになると、ユウキが駆けつけて体を支えてくれた。

 

「ユウキ・・・大丈夫だった?ちゃんと回復した?」

 

「アリアこそ大丈夫なの?なんだかとっても顔色が悪いよ?」

 

  このゲームはそんなところまで再現しているのか。

  私は今も重たく感じる体をふらつきながらも持ち上げて、立ち上がった。

 

「私は大丈夫。そろそろ先に進みましょう」

 

  ユウキはしばらく心配そうな顔をしていたが、すぐにいつもの明るい顔に戻った。

 

「そうだ!ボク、レベルが6になったよ!アリアは?」

 

「私は7だよ。あと、なぜか全種類の武器も。ってこれ全部重量が0だって。強さは初期装備と変わらないけど。」

 

「すごいね!でも何でだろ?全部のスキルの熟練度が上がってるとか?」

 

  ユウキは冗談めかして言った。

 

「そんなわけないでしょ~」

 

  そう言いながらも私はスキルの確認をした。

  すると、見覚えのないスキルが現れていた。

 

「《技の支配者》?こんなスキルあったっけ?」

 

  そう思いながらそのスキルを《細剣》から《技の支配者》へと変更した。

  すると、そこには各種武器スキルが並んでいた。

  また、見たことも聞いたこともないスキルまでもがそこに名を連ねていた。

  例えば、《カタナ》や恐らくさっき倒した妖精が使っていたであろう《二刀流》まで現れたのだ。

  そして更に《スキル作成》というものまで存在した。

 

「なにこれ・・・?」

 

  呆然としているとユウキが見せてほしいと言ってきたのでメニューを可視化して見せてあげた。

  すると、ユウキは中々鋭い事を言ってきた。

 

「さっきのモンスターのラストアタックボーナスみたいなものじゃないかな?一緒に戦ったけどボクには経験値とコルしか加算されてないし。そして、そのスキルはきっとどのスキルも自由に使えるんじゃないかな。で、《スキル作成》っていうのは自分だけのスキルが作れるとか。あくまで予想だけどね」

 

「なるほどね・・・」

 

  恐らくそれで間違いないだろう。

 

「じゃあ試しにこの《スキル作成》使ってみようかな」

 

  そう言って私は《スキル作成》を選択した。

  すると、どの武器で作るかを選ぶこととなった。

 

「とりあえず、《細剣》にしてみよう」

 

  次に、技の内容の設定を行うことになった。

  私は特に考えず、今出来る最大の連撃数だった、10連続の突き技を選んだ。

  威力も今出来る最大の威力にした。

 

「名前は・・・」

 

  簡単に10の突きという意味の〈ディエーチスピンタ〉にした。

 

「作成完了っと」

 

「出来たんだね!」

 

  ユウキが目を輝かせて言ったので、私は

 

「ちょっと試してみるね」

 

  そう言って手近な木に向かって剣を向ける。

  そして、剣を引き絞ると、緑色の光を帯びた。

 

「行くよ・・・」

 

  そして私はソードスキルを放った。

  その剣はとてつもない力で木を揺らした。

  しかし、五連撃目を放った直後木の揺れは止んだ。

 

「えっ・・・」

 

  違和感を覚え、目線を腕に移すとなんとそこには剣はおろか、腕も肘を境に無くなっていた。

  そういえば、作成終了後にとてつもない数値の《欲求筋力値》が書いてあったことを思い出した。

  つまり、作成したスキルにも武器や防具と同じように《欲求筋力値》があり、それをクリアしないとスキルは使えるが、こういったふうに腕がちぎれたりという何かしらのデメリットが与えられるということだ。

 

「何でやめなかったんだろ・・・気づいてたのに」

 

  私は一人でうちひしがれていた。

  “一人”で?

  ユウキがいないのだ。

 

「ユウキ!どこにいるの!」

 

  そう叫ぶとすぐに返事は帰って来た。

 

「いるよ!アリアの武器を取りに行ってたんだ!ボクがさせたようなもんだし・・・」

 

  なんていい子なんだユウキは・・・。

 

「ごめんねユウキ。わざわざ取りに行ってもらって」

 

「いいんだよ。さっきも言ったけどボクがやらせたようなもんだからこれくらいは当然だよ!それにしてもずいぶん飛んでいったね~。でもしばらくはそのソードスキル使えそうにないね」

 

「そうね。頑張って使えるようにならないといけないわね」

 

「とりあえず、行こっか。その腕だと不便でしょ?」

 

「ええ、じゃあちょっと急いで《ホルンカの村》に行きましょう」

 

  そうして私とユウキは《ホルンカの村》へと再び進み始めた。

 

 

 

 

 

 

 




前話に比べるとずいぶん文字数が減ってしまいました。皆さんどちらの方が読みやすいですか?コメントお待ちしてます。
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