また、今回は元々一つの話数に入れるはずだった話を分けてその部分を伸ばした為少し短めになっています。
やはりあれは《エクストラスキル》だろうか。
さっき私が奇襲したときロンドは何もなかったはずの手に次の瞬間には剣を持っていた。
それに今見る限りもどこにも片手剣を差していないし、それを隠せるような場所もない。
まさかあの短時間でアイテムメニューからオブジェクト化させたとも思えない。
ほとんどの片手武器に設定された《クイックチェンジ》というModがあるが、それにしては動作が少ないし、そもそもあそこまで早くは剣を出せない。
例えば何かに例えるなら・・・
何だか柄にもなく興奮する。
何たって好きだった作品の宝具や魔術に似たスキルがあったのだ。
もしかすれば私のスキルを使って再現が出来るかもしれない。
だが、これは聞いてみなければどんなものか分からない。
ロンドとユウキは二人で話している。
ずいぶんと盛り上がっているのでいきなりこんな話をするのもどうかと思うが。
(これもこの先のゲーム攻略のために聞いた方がいいわね)と、自分で自分を納得させて声をかけた。
「ねえ、ロンド、少しいい?」
「うん?どうしたんだ?」
「実はさっき私があなたに襲いかかった時のことなんだけど・・・」
すると、ロンドは少し思案し、突然ハッとして言った。
「あ、ああ、あの事か」
少し動揺している様子だけど話そうとしているかは理解してくれている様なので話を続けた。
「どうしてあのとき貴方はあんなことができたの?普通はできない筈よ、少なくとも私には」
「はい、重々承知しております・・・」
「・・・・?・・・」
何か様子がおかしい。
なるべく自らのスキルの内容は秘匿するべきだから町行く人に聞こえないようにしようと少し抽象的に話したが・・・・。
もしかするとここでは話しにくいということだろうか。
配慮が足りなかったなと少し反省しこう提案した。
「ここでは話しにくいでしょうから、場所を移しましょうか?」
「いや、いい。ここでハッキリさせとかないとな」
何故か神妙な面持ちで私とユウキに向き直った。
「えっと、さっきは悪かった!偶然とはいえ女の子にその・・乗っかかられて・・・その・・・ちょっと・・・体に当たったのに・・・謝らなくて。ユウキ、本当にごめん!」
「「え?」」
「ん?」
なるほど、だからさっき動揺していたのか。
それに関しては全面的にお腹が空いたと言って街中を走っていたユウキに非があると思うけど。
ユウキは顔真っ赤になってるし。
「えっと・・・そうじゃなくて・・・」
「ロ、ロンドは気にしなくて良いよ?ぶつかったのはボクだし・・・その・・・わざとじゃ無いでしょ?」
「あ、ああ断じてわざとなんかじゃないし、やましい気持ちもないよ!」
少女漫画じゃあるまいし、いや、こんな展開も今時そうそうあったもんじゃない。
言いづらいが私も原因だしな~。
「ロンド、その事じゃなくて・・・」
本当のことを話すとロンドの顔まで赤くなった。
ーーーーー
「ああ、それは確かにスキルだよ。キリ、仲間は《エクストラスキル》か《ユニークスキル》だろうって言ってたよ」
やはり読みは合っていたようだ。
「話しにくい話をしてくれてありがとう。お礼というと少し変だけど私も実は変わったスキルを手にいれたの。とある《ネームドモンスター》を倒して手に入ったスキルよ」
「え!?」
「どうかしたの?」
「俺も全く同じだよ。《ネームドモンスター》を倒したらスキル一覧にあったんだよ」
どうやら思いもよらない共通点があったようだ。
「貴方がさっき引き出した剣って《アニールブレード》よね?なら《ホルンカ》には行ったわよね?」
「ああ、少し買い物してからだけどな」
「私がそのネームドモンスターに会ったのは《はじまりの街》から《ホルンカ》へ行く道で出会ったのよ。私たちは《チュートリアル》が終わったあとすぐに町を出たわ。それよりはきっと遅かったはずよね?」
「うん、多分。買い物以外にもちょっと色々あったからな」
「あなたたちはそのモンスターに道で出会わなかったのよね?」
「至って普通のモンスターしかいなかった」
と、なるとこれは《ユニークスキル》である可能性が濃厚だ。
「因みにそのスキルの名前は?」
「《空間支配》だ」
「そう。私は《技の支配者》という名前のスキルなのよ」
「どっちにも名前に《支配》って付いてるね」
「やっぱ何か関係あるよな~」
「まあ、それについては一先ず置いておきましょう。攻略会議まであまり時間が無いわ」
「わあ!ホントだ!急ごっ、ロンド、アリア」
「ええ」
「ああ!」
そうして私たちは広場へ向けて走り出した。