その日の夜。俺の携帯がヴヴッと震えた。
Bismarck『明日、暇よね?』
思わずうえっとなってしまった。なにこの文章……。人の未来を勝手に決めつけちゃってるよ……。いや実際暇だけども。バイトもないし。
ヒロ『暇だけど?』
Bismarck『プリンツと3人で遊びに行きましょう』
………ドイツの女っていうのはドイツもコイツもガードが甘いんじゃないか?ドイツだけに。なんでそんな異性をポンポン遊びに誘えるの?
Bismarck『いいわよね?』
Bismarck『いいんでしょ?』
Bismarck『いいって言いなさいよ』
Bismarck『返事しなさいよ』
Bismarck『既読付いてんの分かってんのよ』
しかもウザい……。連投しすぎでしょう……。あの年齢でカマチョなのかあの人……いや実際何歳だか知らんけど。
ヒロ『分かったよ。どこ行きたいの?』
Bismarck『任せる』
コノヤロウ……。何なんだドイツの女は……。
ヒロ『どこに待ち合わせ?』
Bismarck『行く場所によるんじゃない?』
「さっきから返信早くね⁉︎」
とうとう声に出してしまった。
ヒロ『とにかく、12時に駅前でどうだ?』
Bismarck『駅で何すんのよ』
ヒロ『日本の高校生は駅に行きゃとりあえず遊べるんだよ』
ヒロ『何でもあるし』
Bismarck『そう、分かったわ』
よし、ここでLINEは切れるだろう。そう思い、俺は携帯をそっと机の上に置いた。直後、またヴヴッと震えた。
Bismarck『楽しみにしてるから』
思わずドキッとしてしまった。本当にドイツの女ってのは日本の男には毒である。
*
〜ビスマルクside〜
翌日、私はプリンツと共に待ち合わせ場所の駅前に向かった。駅前、と一言で言われても広いだろうに……しばらくヒロの姿を探す為にキョロキョロしてると、「おーい」と声をかけられた。
「あら、ヒロ」
「よう。見つけた」
「あっ、ヒロ。こんにちは」
「よく分かったわね。ここにいるって」
「そりゃ、目立つからな……」
「なんか言った?」
「何でもない。それより、何処か行ってみたいところとかあるか?」
「それより、何か言うことないの?私服なのよ?今日の私たち」
今日は別に鎮守府の仕事があるわけではないから私服だ。あんまり目立ちたくないし。
「お、おう……そーだな。俺も私服だけど」
「はぁ……あんたねぇ。普通はそこで女の子の私服を褒める所なのよ」
「何、褒めて欲しかったの?」
このクソガキ……しかも真顔だし……本気でスッとぼけてるみたいね……。
「………まぁいいわ。それで、どこ行くの?」
「うーん……あそこにカラオケ、あっちにゲーセン、少し歩けばデパートあるけどどこ行きたい?」
「そうね……プリンツはどうしたい?」
「私はビスマルク姉様にお任せします」
「そう?じゃあ……とりあえずあのゲーセンってのに行ってみたいわ」
「OK。じゃあ行こうか」
そんなわけで、お出掛けである。