シリアルに生きたい   作:ゴーイングマイペース

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 予約投稿しようとしたら間違えてそのまま投稿してしまう痛恨のミスに慌てて削除。やっぱ真夜中に執筆はやめた方がいいのだろうか……。
 ご迷惑をおかけしました皆様、申し訳ございませんでした。



 隙あらばヒロインキャラを無理やりにでも捻じ込んでいくスタイル。


26時間目 : 最近の魔法少女モノとかのマスコットキャラってなんかろくでもないヤツ多くね?

 姉ちゃんとネギが戦った夜が明け、翌朝。勤労学生である俺は今日も今日とて朝の新聞配達である。

 つまり、同じように新聞配達をやっているアイツと遭遇することになるわけで。

 

「あ、やっと来たわね世界! さあ、昨日の夜は何がどうしてあんなことになってたのかキリキリ吐いてもらうわよ!!」

 

「わかった、わかったからもう少しボリューム落とせよ。ほら、向こうの犬の散歩してる爺ちゃんとかこっちガン見してきてるし」

 

「あ、ご、ごめんなさい!」

 

 そんな会話を交わしつつ、新聞屋のおっちゃんおばちゃんから自分の担当分の新聞を受け取るべく新聞屋の入り口をくぐる。

 

「あら、おはよう2人とも! ねえねえ、盗み聞きしたつもりは無かったんだけどさっきの聴こえちゃってね? 昨日の夜にどうこうってことは、もしかしてとうとう幼馴染から進んじゃったりしたの!?」

 

「「違います、誰がこんなヤツと」」

 

 なんてやり取りを明日菜とメンチを切り合いながらおばちゃんと交わしつつ、新聞を受け取って今朝の新聞配達スタートである。

 

「まったくおばちゃんてばいつもいつも。で、もっかい聞くけどなんでネギとエヴァンジェリンちゃん達があんなとこで魔法使って戦ってたってのよ」

 

「あー、それはいいんだけどな。そもそもお前こそなんで女子寮の屋根の上なんかに来たんだよ」

 

 そうして始まる情報交換。俺からは2人が戦っていた理由を、明日菜からはなぜあの場所に現れ最終的にネギとコタの2人に飛び蹴りをかましたのかの説明を受ける。

 まあ俺の方は特に隠す理由もないので姉ちゃんがやっていた吸血行為について説明し、それに対してネギが姉ちゃんに仕掛けたという説明をし、明日菜からは昨日あの場所に現れるまでの顛末を聞き出す。

 その話によると、どうやら1人で寮に帰っていくのどかを心配して共に帰るべく追いつこうとしたところ、遠目に白煙が見え、その中で姉ちゃんが何者かに襲われているのが見え慌てて後を追いかけたらしい。そうしてみたら今まさにクラスメイトが変質者に襲われる、という場面に遭遇したため慌てて助けるべく跳び蹴りをかましたという。

 流石にこのままネギが変質者扱いでは不憫に過ぎるので、一応フォローの為に昨日あの後ネギから話を聞いた話を聞かせておくことにした。

 それによると、ネギはのどかを襲おうとしていた姉ちゃんを発見し先んじて『戒めの風矢(アエール・カプトゥーラエ)』を使ったということだった。恐らく白煙というのはそれらの戦闘行動の際に発生したものであり、それに視界が遮られしまい、オマケに確実に先制攻撃をして捕縛を成功させるために物陰から魔法を使ったとのことだったので、明日菜は姉ちゃんに攻撃をした人間がネギだと気付かなかったのだろう。

 

「それじゃあ、私の勘違いだったってことか。ネギには悪いことしちゃったわね、あとでちゃんと謝らないと……」

 

「そうしてくれ。ていうか明日菜、お前正義感が強いのは良いことだけど、もうちょっと考えてから行動しろっていつも言われてるだろ」

 

「う、うっさいわねー。悪かったって言ってるでしょ。それにネギもネギよ。別に悪い事してたわけじゃないんだから、コソコソしないで正々堂々と『悪いことするなー』ってエヴァンジェリンちゃんに言ってやればよかったのに」

 

「…そ、そうだな……」

 

「…? 急に反対側向いてどうしたのよアンタ」

 

 言えない、あんな歳に見合わないくらい警戒心が高くなったのは俺のせいだなんて……。

 

 

 

 ○ △ □ ☆

 

 

 

「――世界、キサマ、あの小僧共にどれだけ余計なことを仕込んだ……!?」

 

「わざわざ女子中等部校舎に呼び出しといて聞くことかそれ」

 

 新聞配達はとっくに終了し放課後。今度は、あの後ろくに会話も交わさぬまま捨て台詞を残しその場を去った姉ちゃんから呼び出され現在女子中等部校舎屋上にいる。

 ちなみに、女子校エリアにはほぼ顔パスで入ることができてしまった。いくら前学期まで出入りしていたとはいえ、すんなりと通す警備員たちに恐らく千雨ならまた頭を抱えることだろう麻帆良クオリティを感じ流石に戦慄を隠しきれなかった。そんな警備意識で大丈夫か。

 

「当たり前だろうがッ!? お前が余計なマネをしていなければ私は今頃『闇の福音(ダーク・エヴァンジェル)』とも恐れられた夜の女王に返り咲いていたというのに!」

 

「まあ正直昨日は『闇の福音(笑)』って感じだったしなー」

 

 昨日のあの10歳のガキにいいようにやられそうになっていた現場を見て、まさか今俺の目の前で騒ぎ立ててる見た目幼女が世界最強クラスの魔法使いだと思うヤツはいないだろうなー。

 

「うるさいわッ! いいから私の質問に答えんか!」

 

「…あー、直接戦闘を仕込んだりはしてない。せいぜいダンジョンに潜るための心構えとか、攻略の為のアドバイスとかそれくらい?」

 

「…()()ダンジョンに日常的に潜っている、ということか……?」

 

「うん、許可しない理由も特にないし普通に挑戦させてるな。え? なんかマズかった?」

 

「十分以上にマズ過ぎるわこのバカ弟子がーッ!」

 

 あれぇおっかしいなぁ。サイキョーのまほー使い様が何をそんなにあわててるのかなぁー。

 

「…おい、何をニヤニヤしている世界」

 

「べっつにィー? 今までさんざん苛めてられてきた姉貴の大慌てしてる姿に愉悦なんか感じてないしィー?」

 

「殺す……!」

 

 正直、姉ちゃんのこの表情を見れただけでもネギ達にあのダンジョンを使わせた甲斐があったなんて考えている自分がいる。いいぞネギもっとやれ。

 

「……いいか、世界。いかにこの私が最強の魔法使いにして吸血鬼の真祖だとしてもだ。今の最弱状態では、ネギ(ぼうや)1人ならまだしも、もう1人あの小太郎とかいうガキまで加われば流石に手が付けられん」

 

「それを俺に言ってどうしろってんだよ」

 

「あのガキがあんな戦い方をするようになったのはお前のせいだろうが! いいからつべこべ言わずに責任を取るんだよ!!」

 

「ええ……」

 

 たぶん関係はあっても責任は無いと思うんですがそれは。

 

「御託は聞かんぞ。いいか、さっさと――む」

 

「――ん? 何かが学園結界を抜けた? この感じ……妖精か?」

 

 そんな話をしている内に、何かが学園結界を抜けて学園都市内に入り込んできた感覚を捉えた。どうやら姉ちゃんも同じものを感じ取ったらしく、その表情を苦々しげなモノに変え、そして面倒そうに息を吐き出した。

 

「チッ、しょうがない。この話はひとまずここまでだ」

 

「手伝おうか?」

 

「いらん、私と茶々丸で十分だ。それよりいいか世界、今度の修行を100倍厳しいメニューにされたくなかったら私がこの忌々しい呪いを解くための策を考えておけよ」

 

「はいよー」

 

 

 

 ○ △ □ ☆

 

 

 

「本当にエヴァンジェリンさんと屋上で淫行に及んでいたわけではないのですわね?」

 

「よりによってあやか(ショタコン)にそんな疑い持たれるとか名誉棄損もいいとこなんだけど」

 

「女子校舎に入るだけならまだしも屋上で女生徒と二人きりの密会を行うような男にそんなことを言う資格などないと知りなさい」

 

「そこまで来ると言いがかりもいいとこなんだけど!?」

 

 姉ちゃんが立ち去ったからにはもうこれ以上ここに留まる理由も無い、と屋上を出たところで、今度は俺を目撃したという話を聞き屋上にやって来たというあやかに遭遇した。そこで冒頭の言いがかりである。ショタコンにロリコン呼ばわりされるとかこれはもう戦争ですよ……。

 

「もう、本当に少し目を離すとこれですわね、アナタは」

 

「別に俺がどこで誰といようといいだろ。で? わざわざいつも通りの御小言を俺にくれる為だけにここまで来たのか?」

 

「流石にこんなことの為に時間を無駄に使うほど私も暇ではありませんわ。ネギ先生のことなのですけれど、同居しているアナタに少しお聞きしたいことがありまして」

 

「え? なんだ、もしかして落ち込んでたりでもしたのかアイツ」

 

 最弱状態なうえに油断しまくり舐めまくりだったとはいえ、あの姉ちゃん相手をあそこまで追い詰めたんだから原作みたいに落ち込む要素なんか欠片もないハズなんだが。

 

「落ち込む……? ネギ先生に何かあったのですかっ?」

 

「あ、いや、心当たりが無いならいい。それなら俺の勘違いだろうからな。で? ネギのヤツがどうしたって?」

 

「……まあそういうならいいのですけれど。いえ、朝から何やら偶に思い悩む表情をお見せになっていたものですから、いったいどうされたのかと思いまして」

 

「ああ、そういうことか。んー……、いくつか心当たりはある。けど、特に心配することもないと思うし、放っといても問題ないぞ」

 

 恐らく、姉ちゃんが次襲ってきたときのことを考えていたのだと思われる。まあ一応帰ったら話を聞いてみようとは思うが、恐らく間違ってはいないだろう。姉ちゃんも逃げる前に「覚えておけよ」とか言ってたしな。

 

「……わかりましたわ。お時間をとらせて申し訳ありませんでした、世界さん」

 

「なんだ、美少年のことなのにもういいのか?」

 

「茶化さないでくださいまし。ただ単に、私よりも生活を共にしているアナタの方がネギ先生のことをよく理解しているだろうというだけのことですわ」

 

「お前俺のこと信頼してるのか信頼してないのかどっちだよ」

 

「先ほどのようなこと以外は信頼していますわよ」

 

 そういって綺麗な笑顔を見せるあやか。その美少女っぷりに一瞬騙されそうになったがスグに冒頭の言いがかりと普段のショタコンっぷりを思い返し落ち着いた。本当にショタコン以外はスペック高いんだけどなーコイツ。

 

「ところで、アナタもこれから部活へ行くのでしょう? 私もこれから華道部へ行こうと思っていたところなのです。ちょうどいいから送っていってくださいまし」

 

「えー……。まあいいけどさ、じゃあ途中でなんか摘まめるもん奢ってくれよ」

 

「まあ、買い食いだなんて。まったく……しょうがない人ですわね」

 

 だからお前(ショタコン)にしょうがない人とか言われたくないんだけど。

 

 

 

 ○ △ □ ☆

 

 

 

「誰かーッ! 助けてーッ!! たーべーらーれーるーッ!!!?」

 

「ホラ静かにしなさい。誰も好き好んでアンタみたいな小汚い野鼠なんか食べやしないわよ」

 

「じゃあなんでこっちの黒いのは俺っちを咥えたまんま離さないんだよーッ!?」

 

「アンタがギャンギャン吠えてこっちの話を聞こうともせずに逃げ回るからでしょう。まったく……レン」

 

「……………………(ガブッ」

 

「ギャー!!!!!?」

 

 色々あった1日を終えて我が家へと帰ってきたら、門前で我がペット2匹が大声で助けを呼ぶオコジョ妖精を咥えながら会話をしていた。

 

 …あー、そりゃネギが住んでるのはここなんだからここに来るよなー……。

 




・新聞屋のおばちゃん
 原作4話で2コマだけ登場したおばちゃん。半オリキャラ。


・女子中の警備ゆる過ぎない?
 原作最終巻で普通に佐々木まき絵の弟が女子校に入り込んでいたことから、なんらかの理由があれば簡単に入り込めるくらいには緩いと想像。
 …そ、創作にリアリティを求め過ぎると逆につまらなくなるってそれ一番言われてるから(震え声)


・闇の福音(笑)
 い、色々と悪いことが重なっただけだから……(目逸らし)


・最強の魔法使いすらも慄くあのダンジョンとは
 正直詳しい描写をする予定は今のところないです(オイ


・幼馴染の間を隔てる深い溝。
 全部、ショタコンなのが悪いんや……でも書いててホント面白いわこの子。



 え? 進みが遅い? 大丈夫、原作とペースは同じだから!

 さあ皆、読み終わったらもう少し画面下に向かってスクロールして感想を書いていってね!(露骨すぎる誘導)

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