銀魂 真選組の新隊員   作:残月

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刹那の新たな武器

 

 

目を覚ましてから刹那はもう一眠りをしてから真選組の制服に着替えた。

刹那が目を覚ましたと聞いた隊士達は刹那の部屋に押しかけ、刹那の様子を見に来ていた。

もみくちゃにされた刹那だがこれだけの人間が心配する事が刹那が真選組に馴染んだ証拠だろう。一方隊士達も刹那は真選組唯一の華である刹那が居なくなればまたむさ苦しい集団と化す事を恐れていたりする。

 

隊士達との顔合わせを終えた刹那は近藤に呼び出された。

そして告げられたのは今日は近藤達とは別行動を取れとの事だった。

 

近藤達はこれから高杉一派の潜んで居るであろう場所に趣くのだと言う。しかし病み上がりの刹那を連れて行くのは忍びない為に刹那には別命が命じられた。

先日の鍛冶屋に趣き、武器の大半を駄目にしてしまった事への謝罪である。

 

本当なら似蔵へのリベンジをしたい刹那だが心配させたばかりで無理は言えないと肯くしかなかった。

 

 

そして近藤達と別行動を取った刹那は鍛冶屋に趣き武器の件の謝罪をした。すると店主は武器の至らなさで刹那が苦戦したことを謝りに来たのだ。

刹那が寝込んだ間にも武器の製造をしていたらしく刹那に改めて刀と槍と斧が進呈された。

 

刹那はそれぞれの武器を受け取ると真選組屯所への道を歩き始める。

前回と違い、昼間だから人通りも多く、辻斬りの出る雰囲気は無かったが刹那の心は晴れなかった。

 

前回、負けてしまった事もそうだが真選組として犯罪者を止められなかった事が刹那の心に影を落としていた。

 

 

「…………新八?」

 

 

俯いた顔を上げた時、視界に入ったのは何処かへ焦った様子で走って行く新八の姿だった。

 

 

「…………気になる」

 

 

新八の様子が気になった刹那は後を追う事にした。

その行き先が高杉一派の潜む港だとも知らずに。

 

 

そこから刹那は新八の後ろを気配を消して追っていた。

新八は攘夷志士達の後を追い、港まで来ていた。その最中、怪しげなペンギンの様な何かが攘夷志士達に喧嘩を売っていた。新八は何故か焦った顔で怪しげなペンギンを助けようとしたが事態は一変する。

 

なんとペンギンの口から大砲が伸び、船に向けて発砲したのだ。その後、ペンギンは新八に刀を投げ渡す。

 

 

「エ、エリザベス先輩ぃぃぃぃぃぃぃぃぃっ!!」

 

 

すると新八は涙を流しながら先程、ペンギン改めエリザベスが大砲を直撃させた船へと走っていった。

 

 

「ん……こっちもほっとけないけど……」

 

 

エリザベスを一人残すのも問題だが新八一人であの船に行かせる方が問題だ。

そう思った刹那は既に走り出していた。

 

エリザベスの前に立つ攘夷志士の頭を踏み台に跳躍すると新八に迫る。

 

 

「新八」

「うわぁっ!?って刹那ちゃん!?なんで此処に……」

 

 

刹那が新八の肩に手を置いて名を呼ぶと新八は飛び上がるくらいにビビったが相手が刹那だと分かると安心したのか溜息を吐いた。

 

 

「それはこっちのセリフ。何してるの」

「神楽ちゃんが昨日から帰ってきてないんだ。定春だけが帰ってきたんだけどメモを咥えてて……その場所があの船なんだ。それに桂さんも……って、あ」

 

 

此処に居る説明をしていた新八だが刹那がジーッと見ている事に自分が迂闊な発言をしたと気付く。

桂と真選組とは宿敵同士の関係。それを刹那の前で彼処に獲物が居ると話せばどうなるか……それに気付き気まずい表情になるが刹那はフゥと小さく溜息を溢すと船に視線を移した。

 

 

「神楽が迷子になってるなら一緒に捜してあげる。迷子を家に届けるのも警察の仕事」

 

 

刹那はスッと前に出ると振り返る。

 

 

「私も桂に用事が有る。捕まえるとかじゃ無くて野暮用くらいだから心配しなくて良い」

「……刹那ちゃん」

 

 

刹那の意図を察したのか新八の表情が明るくなり、二人は並んで高杉一派の船へと潜入するのだった。

 

 

 

一方の神楽は船の先端に貼り付けにされていた。

高杉一派の船を他の攘夷志士達が襲撃に来たのだが神楽を仲間と思い込んだ来島また子や武市変平太によっては人質にされていた。

しかし当然の事ながら神楽は攘夷志士などでは無いので全くの無駄。

高杉一派の船は砲弾の雨に見舞われた。

 

 

「話が違うじゃ無いッスか武市先輩!」

「予想が外れましたね。まあ、砲弾も外れたから良しとしましょう」

 

 

等と頭のネジが外れた会話をしていた。

 

 

「ブハハハハッ!あいつ等なんかと私、関係ないもんね!勘違いしてやがんの。プププ、恥ーずかしい」

「何浮かれてんの!?お前が一番危機的状況なんだよ!」

 

 

武市達の目論見が外れた事を笑う神楽だが本人が一番危機的状況に陥っていた。

そして更に降り注ぐ砲弾の雨に武市やまた子は逃げ出すが神楽は置き去りにされ、砲弾の雨に曝された。

 

爆風が舞い、視界が悪くなる。また子は神楽が何の役にも立たなかったと舌打ちをする。

 

そして煙が晴れた時、状況は変わっていた。神楽は新八の手により救出されていたのだ。

 

 

「何者ッスか!お前達、奴等を捕らえ……」

「……もう終わった」

 

 

また子が部下に新八を捕らえよと命令をしようと振り返ると其処には刹那によって倒された部下達の姿が。

 

 

「ふむふむ、その美しい髪、適度によって育った体。素晴らしい」

「………」

 

 

武市は刹那の体を舐め回す様な視線で見ていた。刹那はその視線に手で体を隠すようにする。少し嫌だった様だ。

 

 

「先輩、何時までフェミニストやってんスか!」

「フェミニストじゃありません、ロリコンで…あ、間違った、フェミニストでいいんだ」

 

 

また子は武市の趣味である小さな子を愛でるフェミニストと怒る。否定しようとした武市だが本音がポロッと出ていた。

 

 

「新八、神楽。下がってて、コイツは私が滅する」

 

 

そう言うと刹那は布に巻かれた長物を取り出す。布を取ると中から古めかしい槍が姿を現す。槍の切っ先に備え付けられた赤い飾り布が風に揺らめいていた。

刹那は中腰になりながら、槍を構える。

 

 

「この槍はケダモノを退治する槍『ケダモノの槍』」

「下がって下さい武市変態。先輩があんなのに刺されたら一発昇天させられますよ」

「変態じゃなくて先輩だから。それと違うって言ってるじゃん。ロリコンじゃなくてフェミニストです」

 

 

槍の効果を聞いた、また子は武市に下がる様に告げる。

真偽は兎も角、槍の効果が本物なら武市は一撃で死ぬと思ったからだ。

武市はロリコンを否定するが先程の発言から説得力ゼロである。

 

 

「つーか、それジャンプじゃなくてサンデーだろ!色んな意味で危ない物だすな!」

 

 

場の雰囲気に飲まれ、影が薄くなっていた新八のツッコミが漸く炸裂した。

 

 

「新八、お前の方が先に助けに来たのに刹那と比べてやっぱり地味アル。華が有る奴には勝てないネ、お前は世界一有名な配管工の地味な弟と傷の舐めあいでもしてろヨ」

「んだとコラァァァ!健気に兄を支え続ける頼れるルイージを舐めてんのかァァァ!」

 

 

助けに来た筈なのにあんまりな待遇に新八のツッコミが再度響き渡った。




タイトルで『新たな武器』と記しましたが刀は別に用意してます
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