銀魂 真選組の新隊員 作:残月
悲しげな瞳をしたマスコットキャラ『誠ちゃん』を加えた真選組パレードは人気を博していた。
お通ライブをしながらテロ用心のチラシを配ったり、握手会と共に注意を促したり、見回りをしながら市民に注意を呼び掛けたりと警察のイメージとして正しいかは兎も角、注目は集めていた。
因みに刹那はお通の手伝い役兼護衛として常に側に居る状態になっていた。
お通もお通で刹那の可愛さに惹かれ、刹那を妹の様に扱ったりと傍目から見れば仲の良い姉妹となっていた。
一通りパレードを終え、一先ず休憩となった。
近藤はお通と刹那にジュースを手渡すとお通の隣に座った。
すると自然と刹那も近藤の隣に座る。近藤は右手にお通、左に刹那の両手に花状態となった。
その後、お通と真選組イメージアップの話をし続けるか近藤はお通に鼻を伸ばし、お通も意図せずに近藤とイチャつく様な会話をしていたりする。その光景に土方と沖田はイライラし、ぶっ飛ばしたいと思っていた。その時だった。
「テメェ……何、お通ちゃんとイチャついてんだ!」
「ギャァァァァァァァァァッ!?誠ちゃんがぁ!誠ちゃんの中にもう一人の誠ちゃんが!?」
なんと誠ちゃんの下半身の馬の中から手が伸び、近藤の顔面を捕らえたのだ。地獄の底から恨みを持った様な声に近藤は座っていた椅子から転げ落ちる。
「あり、さっきまでの上半身は?」
「刹那ちゃんも居なくなってる?」
沖田は先程までの誠ちゃん上半身を探すが姿は無く、お通もいつの間にか居なくなっていた刹那を探してキョロキョロと辺りを見回した。
すると土方の目に止まったのは一軒の飲み屋。
「あー……やっちゃったなぁ……完全にやっちゃったよぉ……完全に猪かと思ったからなぁ……」
「旦那、何があったか知らねーが、やっちゃったもんはしょうがねーよ。飲んで忘れちまいな」
居酒屋のカウンターで頭を抱えながら酒を飲むマスコット誠ちゃん。
店の店主も酒を振る舞いながら誠ちゃんを慰めた。
「俺もさぁ……つい反射的に矢を射っちまったからなぁ……やっちゃったなぁ……解る、お嬢ちゃん?」
「やっちゃったなら仕方ない……飲んで……」
誠ちゃんは何時の間にか刹那を隣に座らせており、肩に手を回して絡んでいた。刹那も刹那で同情するかの様に誠ちゃんのグラスに酒を注いだ。
「やっちゃったじゃねぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!」
激しい叫びと共に誠ちゃんの頭に土方の踵落としが決まる。
「お前、マスコットだろ!なんでマスコットがこんな所で飲んだくれてセクハラしてんだよ!?」
土方は誠ちゃんから刹那を引き離すと説教をする。誠ちゃんはノロノロと起きあがりながらも土方と刹那に向かい合う。
「やっちゃったなぁ……まさか、あんな森の中で人間が出て来るなんて思わないものなぁ……」
「おい、なんか恐ろしげな事件の全貌が露わに!?」
「だから誠ちゃん、悲しい目をしてる」
誠ちゃんが吐露した言葉に何やら事件性が見え隠れし初め、土方と刹那は若干、驚く。
「誠ちゃん、こっちこっち!早く早く!」
すると店の外からお通が誠ちゃんを呼んでいた。視線の先には子供達の集団下校。
これならば子供達に良い印象を与えると共に親の耳に伝われば噂も広まると考えた様だ。
「子供と言えば可愛い物が大好き……誠ちゃんの出番よ!」
「待て!お前、ソイツがどれだけ重たい過去を背負ってるのか解ってるのか!?」
お通の呼びかけに誠ちゃんは素早く店の外に出るが土方とは誠ちゃんの過去に触れた為に誠ちゃんを止めようとする。
その後は酷い有様となった。
誠ちゃんが下半身と上下逆さまでドッキングをして、見た目は只の化け物と化し、背中に乗っていた死体は独りでに動き、誠ちゃんと共に子供達に恐怖を与える存在となってしまっていた。
更に誠ちゃんをしていたのは万事屋メンバーであった。それに気付いた真選組一同は万事屋に袋叩きを決行する。
途中で新八は「お通ちゃんに頼まれたから」と弁護するが誰一人として聞く者は居らず、袋叩きは続けられた。
一方、真選組が万事屋を袋叩きにしている最中、近くの路地では別の事件も起きていた。
攘夷志士がお通を誘拐しようとしていたのだ。
それに直ぐに気付いた刹那は攘夷志士を叩きのめそうとしたがお通を人質にされ、刹那は無抵抗で攘夷志士に捕らえられてしまった。