銀魂 真選組の新隊員 作:残月
「では、これより厠革命を行う!」
「おー」
「土方さん、やる気漲ってまさぁ」
「先程の局長と刹那さんの落差を見たからでしょう。それに危機感を待つのも良い事かと」
土方の叫びに刹那は静かに同意し、沖田と清蔵はその様を見て呟いた。
土方は局内の汚れに改めて危機感を抱き、刹那は元々の綺麗好きという事もあり今回の件には乗り気だった。
「近藤は呼ばないの?」
「これから局内を綺麗にしようって時に汚れの塊を召喚してどうすんだ」
「近藤さんには市中見回りに出てもらってる。汚さの化身が居ない隙に片付けちまおぜ」
「ええ、また汚される前に綺麗にしてしまいましょう。刹那さんも局長が帰って来ても手を繋いでは駄目ですよ」
組織のトップに散々な言いようである。だが事実、先程見たタマ菌の量は近藤がトップクラスであり、タマ菌の塊であったのだから仕方ないと言えば仕方ない。
やる気が漲り、局内を綺麗にしようと動いた土方達だったが早くも難航していた。
男子トイレには入らなかった刹那は外から様子を見ていたのだが連れション禁止令を局中法度に加えたり、便器から的を外さない様に工夫を凝らしたのだが……
「はぁはぁ……やるじゃないか……まさか俺が喧嘩に負けるたぁなぁ……」
「ふ……そう言うお前も中々やるじゃなか……」
沖田と清蔵は男子高校生の学ランを着て殴り合った後の様な状態でトイレに倒れていた。
「こんなに空を見上げるなんて……いつぶりだろうなぁ……ぐあっ!?」
「お天道さんが……眩しい……ぜふっ!?」
「小便できるかっ!!」
ミニコントを見届けた土方は寝転んでる沖田と清蔵の腹に飛び降りる形で踏み付けた。
「これなら用を足しても的を外さないでしょう」
「男同士の喧嘩に水を差す奴はいないでしょうぜ」
「上手くねぇんだよ!それよか、お前達は厠に人が来る度にその完成度の低いコントを繰り広げるつもりか!?刹那も乗ろうとするな!」
「しょんぼり」
清蔵と沖田はナイスアイデアとばかりにドヤ顔だったが土方は腹が立つだけだとツッコミを入れ、何故か乗り気で学ランに着替えていた刹那にもツッコミを入れた。
「でしたら、どうでしょう。このベニヤ板に穴を開けて中にナニを入れて用を足すってのは」
「私の穴はもっと大きめにお願いします」
「そんなもん不衛生極まりねぇだろうが!テメェも見栄を張るな!」
沖田はナイスアイデアな案を却下されたので次の案を出したが速攻で土方に却下され、見栄を張った清蔵もツッコミ食らっていた。
「なんだ何だ?皆で厠に集まって何してるんだ?」
「厠革命」
厠に集まっていた刹那、土方、沖田、清蔵に首を傾げたのは市中見回りから戻って来た近藤だった。
「なんだ、厠の清掃を見直そうってか?そりゃいい事だ。身綺麗にしないと駄目だからな」
「うんうん、良い事だ」と近藤は笑みを浮かべたが刹那を除く土方、沖田、清蔵は「お前が言うな」と口には出さなかったものの、その表情は雄弁に語っていた。
「よし、俺も掃除に参加するかな」
「ま、待ってくれ近藤さん…アンタが……」
「近藤、九兵衛が面白いゲームがあるって言ってた。見てみたい」
意気揚々と清掃に参加しようとした近藤に土方は焦った。タマ菌を排除しようとしているのにタマ菌の塊が清掃に参加しては元の木阿弥と化してしまう。
そこで即座に動いたのは刹那だった。刹那は近藤の手を握り出掛けようと提案したのだ。
「お、なんだ刹那がそんな事を言うなんて珍しいな。刹那にはいつも頑張って貰ってるし買ってやるか。トシ、俺は刹那と出掛けるから後は頼んだ」
「あ、ああ……」
刹那と近藤が手を繋ぎながら屯所から出て行くのを土方達は見送った。刹那のファインプレーで更なる被害は抑えられ土方達は本格的に屯所内の改革に勤しむのであった。
◇◆◇◆
それから数日後。刹那は九兵衛に勧められ、近藤に買って貰った大人気オンラインゲームのモンキーハンターをプレイしていた。
そして近藤も刹那との共通の話題になるからとモンキーハンターをプレイしていた。
そんな、ある日の事だった。市中見回りから戻った刹那はモンキーハンターをやろうと自室に戻ろうとして言葉を失った。
「くそっ……ドライバーにされちまったみたいだ」
「……なんで?」
自室に行く道中局長室で何故か巨大なドライバーに体を改造された近藤の姿を見た刹那は何がどうなってドライバーに改造されたのか疑問しか浮かばなかった。