「ただいま」
「ブッ!!あ、アニキィ!?」
カルデアでの仕事をやっと終え、アンダータで城に戻って来たらイッセーに飲み物吹き掛けられた。
「きったねぇな。なにすんだよいきなり」
「いや、あんたこそなに何の脈絡もなく帰ってきてんだよ!!」
「なんだなんだ?」
「あ、だーりん帰って来てるにゃ」
「陛下、お待ちしておりました!」
顔拭いてたら他の連中が集まってきた。
「おーい竜也ぁー!おっす!」
「よおギンタ、その様子じゃバッチリ勝ったみたいだな」
「おう!皆勝ったぜ!」
にかっと笑いVサインを向けるギンタに、こちらも自然と笑みが浮かぶ。やはりこいつに任せて正解だったな。
「帰ったか、兄さん」
「おう、ヴァーリ。お前も踏ん切りはつけれたようだな。」
「ふっ、まぁな。……」
俺の問いにふっと笑みを浮かべるヴァーリ、その顔にもはや影はない。後ろで白音とドロシーが笑ってるのを見るに、こいつはもう大丈夫だろう。
「さて、それはそれとして、兄さん、カルデアに一人で残った理由を教えてもらおうか。」
「あっ俺も知りたい!」
ヴァーリはにやりと笑い、ギンタは興味津々といった顔で尋ねてくる。周りを見ると、皆俺に視線を集めていた。
「ああ、そいつは…これさ」
俺は担いで来た袋をテーブルに置き、中身を見せる。
「これは……ARMか?」
「すっげー!いっぱいだぁ!」
「これだけのARMをどこから……」
皆は袋に詰まっている大量のARMをまじまじと眺める。そんな中、ドロシーが歩みでて袋のARMを手に取る。
「すごい…どれもこれも素晴らしい質。しかも、どれも見たことのない型よ…」
「アニキ…まさか、これだけのARMをかき集めるために、カルデアに残ったのか…!」
「いや、かき集めたってのは少し違う。」
「え?」
俺の答えが以外だったのか、きょとんとするイッセー。俺は袋にボスンと手を置く。
「この袋の中のARMはな、ぜーんぶ俺が創ったのさ」
『『『・・・・・・・・・・・え、え゛え゛え゛え゛ええええええええええええええぇぇぇぇぇぇッッッ!!!!??』』』
一瞬間をおいてから絶叫する一同。うん、いいリアクションをありがとう。
「つ、つつつつくったぁ!?ARMをぉ!!?」
「別にそんな盛大に取り乱すことでもねぇだろ。カルデアの長老も言ってたろ?ARMは魔法使いが自身の魔法を特殊な彫金をしたアクセサリーにダウンロードしたものだって。」
そう、それこそが今回俺が一人(正確にはオーフィスもいたが)カルデアに残った理由である。特殊な彫金をしたアクセサリーに魔法をダウンロードしたのがARMならば、同様の原理で俺自身の創り出した魔法もARMという型に出来るのではと。
そう思った俺は、長老やカルデアの彫金師たちの手に手を借りて、千の魔法を司る龍、アジダハーカの宿る神器、『魔源の三首甲』の禁手化、『魔源の三首鎧』の力によって創造した魔法をダウンロードしまっくったのだ。
「とりあえず、造れたのはウェポン、ネイチャー、ディメンジョン、ゴースト。数も千とはいかず大体二百くらいだ。」
「……それをたったの2日程度で仕上げてくることが異常よ。」
「そうだよ、2日だよ。2日も寝てないんだよ俺は……あ、」
再認したことでどっと眠気が溢れ出てくる。体の支えが効かなくなり、俺はふらっと倒れ、図らずして横にいた朱乃ちゃんの豊満な谷間へと顔を埋める形となった。
「あんっ、もう。竜也君ったらぁ、欲しがりやさん♥」
「ご、ごめん…今はマヂでムリ。寝かして…」
ああ、この柔らかさ。包まれるような暖かみ。も、もう…こ、こ…で………
「あら?竜也君、竜也君?……ホントに寝ちゃってますわ」
「二徹明けっつってたからな。しゃーないだろ」
「てゆーか朱乃!あーた何しれっとだぁりんのこと抱きしめてるにゃ!!」
「あらあら、意図してやったのではありませんわよ?役得役得♪」
「ほら、あなたたち。いいからタツヤをベッドに運ぶわよ。じゃれるのは起きてから。」
『はーい』
◆◆◆◆◆◆◆◆
翌朝、窓から差し込む太陽の光に当てられ、俺は目を覚ました。
「ん……ぁあ゛あぁ~~~ッ!!寝たなぁ~。しっかし、徹夜明けの爆睡は来るものがあるな。身体の節々が痛……え?」
寝起きで固くなった身体を伸ばしたところで、俺は周囲の光景に気がつく。
いつの間にかベッドの中にいたのはまあいい。誰かが運んでくれたのだろう。
服がなくてパンツ一丁になっているのもまだ容認できる。誰かが寝てる間に身体を拭いてくれたのだろう。だけど、だけどだよ?
「くぅ…くぅ…ぅうん……」
「うみゅ…にぁん……」
なぁーんで全裸のリアスと黒歌がボクの布団の中ですやすやと寝息を立てているのかしらん?しかも両側から俺が腕枕する形でぇ…
いかんいかん、気が動転するあまり変な口調になってしまった。いやいやいや、え?てか、え?どういうことなのこれ?え?うそ、ウソだよねこれ。まさか、まさかだよね?え?
「あ、あっははははは……」
思わず変な笑いが出てきた。いや、ない。ないないないないない。いや、だってあれだよ?流石に婚約してるからってなんの脈絡もなくこんな唐突に……
「…ゃあん、もう。タツヤったらぁ…そんなとこさわっちゃいやん♥」
「あぁん…だぁりん……だぁりんのぉ……もっとちょーだいにゃん♥」
………でえええええええええ!!
嘘だよねこれ。俺なーんにも覚えてないよ?だって、え?ウソ……お、俺のはじめてがこんな…
「ノォオオオオオオオオン!!!?」
「ん…んむぅ……あら、起きたのね、タツヤ」
「うみゃぁ……だぁりんおはようにゃん」
ふたりともただでさえ美人でナイスバデェな上に、寝起きの無防備な色っぽい声、しかも全裸でやられたもんだから思わずドキンとしてしまった。
いや、んな男子の健全な欲求はさておき、わたしゃ今のこの状況が理解不能すぎて頭ん中真っ白だよ!!
「あ、あの…お二人さん。この状況は一体……」
「んぅ?……ああ、これね。昨日、あなたがあんまりにもお疲れのようだったから、あなたに疲れを取ってもらうために救急タツヤの添い寝係の選抜が始まったのよ。そして、私たちはそれを勝ち取った」
「は?」
「いや~凄まじい白熱っぷりだったにゃん。朱乃なんて『自分の胸に飛び込んで来たんだから自分が寝かしつけるんだ!!』ってゆずらなくて。後半はほぼ殺しあいみたいになってたにゃ~」
いや、どんな選抜戦?ってか、仮にも戦争の真っ最中になにしてんのあんたら!!?
「いや、それはわかったけど(意味わからんが)……なぜに裸?」
「あら、私が裸じゃないと寝れないのは知ってるでしょう?」
「私はだぁりんが喜んでくれると思ったからにゃん……で、どう?嬉しかった?ドキッてした?」
「え?!いや、その……」
はい、正直めっちゃ嬉しいです。だってしょうがないじゃない!?ただでさえ超絶美少女でスタイル抜群な愛しのマイスイートハニーたちが裸で両側からおはようだなんて……興奮するに決まってるじゃない!男の子だもん!」
おっといかん、また煩悩の海に沈みかけた。………
て、あれ?なんで二人とも頬を桜色にしてポーっとこっちを見てるのでしょうか?
「…愛しのマイスイートハニーって、ハニーって♥」
「もう、だぁりんったらぁ。私のこと大好きなんだからぁ……私も大好きにゃん♥」
リアスは頬に両手を当てて身体をくねくね動かし、黒歌は上体を起こした俺にしなだれかかってくる。
……二人とも、めっちゃエロいです。ってか、俺また声に出してた?
「そっそれよりも!早く起きてみんなのところへ行かないとっ!」
「あら、ダメよ。あなたはまだ疲れてるんだから、ゆっくり休んで。」
「け、けど、これからウォーゲームも大詰めといったところで寝てる訳には……」
「ウォーゲームまではまだ時間はあるわ。あなたはしっかりと身体を休めて」
そう言うと、リアスと黒歌は俺を両側から押し倒す形で俺をベッドに寝転がす。いや、てか!ふ、二人が両側から密着して、は、肌!む胸の感触が!?ダイレクトにににに!??!?
「だ、駄目だって二人とも!ま、まだ結婚式もあげてないのにッ!!」
「あら、先か後かの違いよ。私たちはあなたを癒してあげたいだけ」
「ほら、だぁりん。リラックスして。私たちがス~~ッキリ、させてあげるにゃん♥」
二人はそう言って俺の身体に細くきめ細かい手をつぅーと這わす。だ、だめ、だめなのに…でも、でもぉ…
バタン!!
「「そこまでです/わ!!!」」
その時、勢いよく扉が開かれ、俺の婚約者である朱乃ちゃんとアーシアが颯爽と現れた。
「あまりにも遅いと思って来てみれば…あなたたち!抜け駆けは許しませんわよ!」
「竜也さんはお疲れなんです!あまりハードな行為はお控え下さい!」
うん、二人とも違うよね?そうじゃないよね?ポイントは
「あら、協定ではタツヤがハジメテに誰を選ぶかは恨みっこなしのはずよ。それに、私の場合は『公☆認』だから」
「敗れ去った敗残兵には口を挟む権利はないにゃ~」
ビキッ!!と、何かが軋む音がする。てか、今さらっと変な単語が聞こえたのだけど。協定ってなに?
「…ふ、うふふ、それは昨晩までのことですわぁ。さ、竜也君。そこの『肉布団』は早く畳んで起きて下さいな。」
ビキッ!!と、両側から何かが軋む音が聞こえてくる。直感的にヤバいと思った俺は、ゆっくりと服に手を伸ばすが、その伸ばした腕を朱乃ちゃんとアーシアに捕まれ引き上げられる。
「た、竜也さん!に、肉体の疲労はまだ残っていふと思いますので…わ、私の神器でしっかりとお癒しします!」
「あら、でしたら竜也君。私の電気を竜也君に。ほら、竜也君。ちゅうちゅうしてよろしいのですよ♥」
金緑色の淡い光の灯った手のひらが胸に当てられ、パリパリと電気の流れる細い指が口に侵入する。こんな状況だというのに、身体は残っていた疲労が抜け落ち心地よい感覚に包まれ、細胞はギュンギュンと発電を開始する。
「だぁり~ん、それよりも私の仙術の方がいいにゃん。血行の流れもよくして老廃物もデトックスできちゃうにゃん♪」
「ぐぬぬ……はっ!ねぇタツヤぁ、マッサージはどうかしら?私の『探索』を持ってすれば何処が凝ってるのか的確に揉みほぐしてあげられるわよ♪」
そう言って黒歌とリアスもまた俺の身体に手を這わす。ああ、なんかもう、どうにでもなーれ♥
◆◆◆◆◆◆◆◆◆
数十分後、朝食を終えた俺たちはウォーゲーム会場へと集結していた。
結局あの後、俺の貞操は守られたままであった。ヘタレだって?……ふ、ああそうだよ俺はヘタレだよ!こんな状況下でできるか!
そんな中、アランの野郎がわざとらしく俺に近づき肩に手を置き囁く。
「昨晩はお楽しみでしたなあ、ん?後ろの女どもはなんだ?淫ら体験アンビリーバボゥか?ん?」
「ふん!!」
バキッ!!
「オボァ!!?」
ムカついたのでボディブローを叩き込んでおいた。セクハラしてんじゃねぇよエロオヤジが。
「ってぇな……おい、あいつ自分が女に手ぇだせなかったからってこっちに手ぇ出しやがったぜ」
「え、アニキあんたまさか…」
「どーりでいつまでも進展がないと思ったら」
「…衝撃の真実ですね」
「おいてめぇらぁ!!!」
この日、俺はもう二度と徹夜はしまいと心に誓った。そして神よ、もしこの世界にもいるのなら、あのマダオに罰をお与えください。
散々引っ張った挙げ句にエロ路線……疲れてるのかな、俺……
ナナシ「いや、んなことより!わいとギンタの戦闘シーンはどないなってん!?けっこう重要なシーンやであれ!」
あ、カットで
「「ええっ!!?」」