我が道を行く自由人   作:オカタヌキ

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猫と顔

 

「おはようございます、メル並びにドラゴントライブの皆さん。今日は6thバトル!よく進みましたね。」

 

「それでは、ステージとメンバーの人数を決めさせて頂きます。」

 

ポズンは赤(人数)と白(フィールド)の二つのダイスを投げる。出た目は赤が5、白が2。

 

「出ました!キノコフィールド、人数は5対5!誰が出ますか!?」

 

メルから名乗りを挙げたのは、ギンタ、スノウ姫、ドロシー。俺たち龍の紡ぐ絆からは木場、そして……

 

「そしてオレ様だ!フフフ……」

 

珍しくアランのやつが名乗り出た。

「オッサンが出るの久しぶりだなぁ」

 

「たまには体動かさねぇとなまっちまうからな」

まーこの余裕ムカつく。おもいっきりアホな負け方すればいいのに……

 

「ではこの五人を…『アンダータ』!!!」

 

 

◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

いや~まさか願いが通じるとは、世の中何があるかわかんねぇや。

 

「だぁ~ッッひゃっひゃっひゃっひゃっひゃっ!!!」

 

「あ、アニキ、流石に笑っちゃ悪いぜ…プッ!」プルプル

 

「いやだってよ!あっひゃひゃひゃひゃ!!!腹痛てぇ~~~!!」

 

第1戦目から意気揚々と出場したアラン。それに対してチェスの兵隊から出てきたビショップ三人衆の最後の一人、シャトン。

 

『ニャーーーン!!!あちしがシャトンちゃんだにゃん!!』

 

『おい、誰か代わってくれ』

 

それがなんと、猫耳の獣人娘だったのだ!

 

そう、何を隠そうアランは猫アレルギーなのである!!

 

それでこのシャトン、まあなんつーか元気いっぱいっ娘でアランは翻弄されまくり。

アランは近寄れず『エアハンマー』撃ち込めば泣き出されるは、ネイチャーARM『ネコジャラシ』で無理やり近づけられて麻痺爪『パラクロー』で動きを封じられてタコ殴り。(倒れてるところに口にチューされてもんどり打ってるところは爆笑した)

 

挙げ句の果てにカルデアや俺の渡したARMを忘れるという体たらく。

 

『おい!あのオッサンARM忘れてるぞ!!』

 

『いやアンタなにやってんの!!?』

 

『バカー!アランーー!!』

 

『死ね!!そのまま死ねぇ!!』

 

いや…もう、お前ホントに氏ねや。

 

で、シャトンの止めとして繰り出したブルドッグ(土佐犬?)のガーディアン『ブルル』をこれ見よがしに撃破したはいいが、ブルルを囮に接近したシャトンのゼロ距離からの『ニャンニャン波』でノックアウト。結局実力の1割も出せずに負けやがった。

 

「アホかーーー!!なにやってんだオッサンこらぁ!!!」

 

「私と同じ家に長年居候してるんだからいい加減慣れとけにゃーー!!」

 

「期待して損したわ!!」

 

「しょっぱなから黒星飾りやがってマダオ2号が!!」

 

会場からもブーイングの嵐である。ま、仕方ないよね☆

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

続く第2戦、連合からは龍の紡ぐ絆『航空騎兵』木場裕斗。チェスの兵隊からはゾディアックのナイトの一人、コウガ。奇して『ナイト』同士の戦いとなった。

 

 

「ウェポンARM『十文字』!!!いくぜぇ!」

 

先に仕掛けたのはコウガ。巨大な十字手裏剣を構え木場に踊り掛かる。

「ふっ」

木場はコウガの振るう十文字を軽々とかわし、『魔剣創造』によって一本の剣を精製。コウガの十文字を弾き飛ばす。木場はコウガを真っ直ぐに見据える。

 

「ああ、そのツラ……気に入らねぇ!!ディメンジョンARM『砂地獄』!!!」

 

コウガは次のARMを発動する。すると、木場の足元が部分的に砂地となり、流砂が発生する。

 

「なっ!?(体が…流砂に飲まれる!)」

 

流砂は木場を徐々に飲み込んでゆき、やがて膝まで沈んだところで止まった。

 

「その辺で止めといてやるぜ。全部潜らせちまったら楽しみがなくなっちまう。

ウェポンARM『百足』!!!」

 

現れたのは、肩から手の先まで覆った百足を模した巨大な腕甲。コウガが百足を振るうと、蛇腹状になった間接部が伸び木場に襲いかかる。木場は何度も打ちのめされる。

 

「俺様はお前みたいな美少年ぶってるやつが大嫌いなんだ!理由を教えてやる」

 

そう言ってコウガは仮面を外す。現れたのは、眉間によったシワ、隈の深い細い目、傷の入った団子鼻と、お世辞にもキレイとは言えない顔だった。

 

「見ろ、このツラを。俺は醜い。この顔を理由に昔から俺はバカにされ、突っ掛かられてきた。」

 

「………」

 

「同情を求めてる訳じゃねぇぞ。俺は確かに醜い。だが、俺には力がある!俺は俺をバカにする奴らを全員ぶちのめして来た。言わばこの顔は、『強い男の証』と言えるものだ!」

 

コウガは打って変わり、自分の顔のことを誇らし気に語る。その顔はより醜悪に歪んでいた。

 

「……だからなぁ、お前のように小綺麗にまとまった野郎を見ると、今まで俺をバカにしたやつらのようにズタズタにしてやりたくなるのよ!!」

 

木場はそれまで表情を崩さずにコウガの言い分を聞いていたが、ふっと口角を上げる。

 

「……確かに、醜いね。その顔も……そして中身も。」

 

「ーーッ!!減らず口をぉ!!」

 

コウガは再び百足を伸ばす。

 

「『爆雷剣(エクスプロード・ショック)』!!!」

 

それに対し、木場は一瞬にして精製した剣を百足へと投げつける。剣は百足の頭部を貫いた瞬間に爆発を起こし、百足は粉々に弾け飛ぶ。

 

「なっ!?俺の百足がっ!!」

 

コウガが怯んでいる中、木場は二対四枚の蜻蛉の羽を出し流砂から脱出する。

 

「出ようと思えばいつでも出られたんだ。君との実力差がどの程度なのか様子を見ていたんだ。

結論として、君はナイトの中でも下位程度。あのラプンツェル以下だ。僕で十分対処出来る。」

「ぐ…このぉ…ぶっ殺してやるチビーー!!ネイチャーARM『煙幕』!!!」

 

木場の言葉に激昂したコウガは、印を結び息を吹くと、吹いた息は白煙となって辺りを包む。

 

「あれは白音の使った…!」

 

『俺様が何処にいるか見えないだらう!?この煙幕は魔力も消すぜ!!どうする色男!?』

 

木場は何も答えずその場に立ち尽くす。コウガは四方八方からその太い腕で木場を殴りつける。

 

『撤回しろ!!俺を弱いと言ったことを!!』

 

『そして死ね!!死にやがれガキが!!』

 

 

「……死なないし、撤回もしない。何故なら、君は僕の次の一手で敗れるからだ。」

 

「……ほう、おも知れえ。」

徐々に煙幕が晴れる。煙が晴れると、コウガは赤茶色のドジョウ髭を生やした巨大なカエルの頭に乗っていた。

 

「ガーディアンARM『クンフーフロッグ』!!!こいつを出しちまった俺様に同じ事が言えるかな!?」

クンフーフロッグは前足をヒュンヒュンと動かし唸り声をあげる。

「クンフーフロッグはクンフーの達人!お前なんか殴り殺してやるってよぉーー!!」

 

クンフーフロッグはその巨体に似合わなず、素早い身のこなしで跳躍し、木場に襲いかかる。木場はそれをさらに高く飛び上がることで回避する。

 

「ちっ!ハエみたいにチョロチョロしやがって!降りて来やがれ腰抜け野郎!!」

「焦ることはないよ。言ったろう?次で終らす」

 

木場は大きく息を吸い、右手を天に突き出す。

 

「……すぅぅう…ふぅう…【禁手化】、『双覇の聖魔剣(ソードオブビトレイヤー)』!!!」

 

光と闇が混ざり絡み合い混沌となる。渦巻く混沌は瞬く間に天を貫かんがごとく伸び上がり、鐵となり刃を形造る。鐵は熱く煮えたぎる溶岩のごとき熱波を放ち、燃えたぎる炎は龍の爪となり得物を支える。

 

「『轟斬 ガルガンチュア・パニッシャー』!!!」

現れたのは、山をも斬り裂かんが如く巨大で、海を蒸発させんが如く煮えたぎる紅蓮の刃。

 

「な、なんだそりゃあ!!?そんなのありかよ!!?」

 

その規格外の大きさ、そしてそれから放たれる凄まじい威圧感に、コウガは冷や汗を流して狼狽える。彼を乗せたクンフーフロッグも、口をあんぐりと開けて唖然とそれを見る。

 

「……さて、言い残すことはあるかい?」

 

大気が歪むほどの熱波と裏腹に、木場は底冷えするかのような冷徹な眼差しでコウガを見下す。

 

「ちょ、ちょっと待て!!美少年はもっと優しくするもんだぜ兄ちゃん!?」

 

「悪いけど、僕は見た目はそんなに気を使ってないんだ。呆気ない最後だったね」

 

「そ、そんなぁ…アワワワ」

 

コウガの説得に耳を貸さず、木場は真っ赤に熱を帯びた大剣を降り下ろす。

 

「『轟斬‼ガルガンチュア・パニッシャーーー』!!!」

 

 

ドガァアアアアアアアアアアン!!!!

 

 

 

「ウッッギャアァァァァァァァァァァァァ!!!」

 

刀身が地に触れた瞬間、辺りを炎が包む。吹き荒ぶ熱波は周囲を焼け野原にし、五頭龍を象った火柱が立ち上がった。

 

炎が消えると、服は焼け落ち焼け焦げたコウガが倒れていた。体が痙攣している辺りまだ息はあるようだ。

 

「勝者、ドラゴントライブ!ユウト!!」

 

「殺しはしない、君にはその価値すらないよ」

 

木場は踵を返して自陣へと飛んで戻って行った。

 

「な、なんだ今の……」

 

唖然とするギンタにアランが解説する。

 

「イッセーやヴァーリの持つ『神器』ってのは前話したろ?木場の神器、魔剣を造り出す『魔剣創造』、その力を極限まで引き出し、数百本分の力を圧縮きたのがアレだ。前使った時はまともに立ってられないくらいに消耗してたが……」

 

そこに、昆虫独特の羽音が近づき、見ると木場が羽をはためかせて戻って来た。

 

「やあ、勝ってきたよ」

 

「…全然、平気だね……」

 

「うん……」

 

いつもと変わらぬ爽やかな笑顔でVサインをする木場に、ギンタとスノウは唖然とする。こうして、6thバトル第2戦は連合軍側の勝ち星となった。

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