ヴァーリがグレゴリに身を置いてからかれこれ半年がたった。あの後、グレゴリに所属しても別に通学は続けていいらしく、学校で会って拍子抜けしたのはイッセーの談だ。そして深夜俺の夢の中で俺は久しぶりにオオクニヌシ様に再会した。
「いやいや、遅くなってしまいすまんのう。ちと時間はかかったが、無事わざぼーは治ったぞ。」
そう言うとオオクニヌシ様は俺にわざぼーを手渡す。
「よう、久しぶり」
わざぼーは以前と変わらず無駄に渋い声で俺に話しかける。
「いや~久しぶりに見ると本当にブッサイクな顔してんなお前」
「再会の第一声がそれか!!!?」
「ハハハ、冗談冗談、また会えて嬉しいよわざぼー。」
俺たちはそんな軽口をたたき合う。良かった。本当に。
「オオクニヌシ様、わざぼーを治していただき、ありがとうございました。」
「いやいや、これぐらい儂のお主にしでかしたことに比べれば大したことではないよ。それと、わざぼーを治している時、他の神にどやされてのう。世界観を壊しかねないものを持たすなとな。そういう訳でわざぼーにはいくつかの制限がかかってしまった。すまないのう。」
「いえいえそんな、治していただいただけでもありがたいことですから。それで制限とは?」
「うむ、まず世界を壊しかねないような技は使えない、次に生命の創造や死者の蘇生などの生命の理に反することもできん、そして最後に1日に創造できる技は10までじゃ。」
「なるほど、わかりました。それと、わざぼーが治ったということは、修練の門は返却するべきでしょうか?」
「いや、わざぼーの力をだいぶ削ったのでな、そのまま持っていてかまわんよ。」
すごいなこの人(人じゃないけど)サービスし過ぎじゃありませんかね?
「いやいや、前にもゆうたが儂はお主のことを気に入っているでな、これぐらい軽い軽い。」
「いや、さらっと心読まないでくださいよ。……ともかく、ありがとうございました。」
「かっかっかっ、気にするな。さて、そろそろ目覚めるころじゃろう。ではまたな。」
そう言うとオオクニヌシ様は光の中に消えて行き、俺は目が覚めた。そして手にはわざぼーが握られていた。
◆◆◆◆◆◆◆◆
『へぇ~、良かったじゃないか。』
その後、学校も終わり俺は家でヴァーリに定期通信という名の情報の横流しをしている。しかしアザぜルは本当に研究三昧なんだな。部下の苦労が目に見える。
「それで、どうなんだそっちは?」
『まあ悪くはないよ。みんないい人?だし、アザぜルも不器用ながら良くしてもらってるし、まるで二人目の父さんみたいで……これって浮気かなぁ?』
「お止め、…まぁ案外楽しそうで良かったよ。じゃあまたな。」
『ああ、また電話するよ。』
そして俺は電話を切る。さて、これから何をするかなぁ。部活も終わったし…ちなみに俺は料理部をやっている。
「……コンビニでなんか買うかな。」
そうして俺はコンビニに歩く。入るとちょうど中華まんの100円セールがしていたので、肉まんを10個ほど買って行った。そして家に帰る途中……
「お前、何?」
いきなりである。目の前に幼女が現れた。ゴスロリのような服を着ているがこの服、前が全開で胸には×印のテープが貼っているだけという、なんとも卑猥な格好だった。そして今の季節は冬、見てるこっちが寒い。俺は自分の着ているコートを彼女にかけた。
「何?」
「いや、見てて居たたまれなくなったから、温かいだろう?」
「ん、温かい。」
彼女はそう言ってコートにくるまる。しかし、この子は一体?
『おっお前は!?』
「アジ・ダハーカ久しい。」
「?ダハーカ、この子を知ってるのか?」
『ああ、こいつの名はオーフィス、無限の龍神(ウロボロスドラゴン)だ。』
無限の龍神、この世界の頂点グレートレッドの次に強いという……というか俺、最近原作知識薄くなってきたな。まあ、といってもアニメとWi○i○ed○aだけなんだけど……
「……とりあえず、そこのベンチに座ろうか?」
「ん、わかった。」
俺たちはベンチに腰掛ける。見るとオーフィスは俺の肉まんの袋を興味深そうに見ている。
「食べるか?はい。」
「ん、モキュモキュモキュ、ゴクン……美味。」
「それは良かった。そういえば自己紹介がまだだったな。俺は雷門竜也。少し規格外な一応人間だよ。」
『相棒は少しではすまないだろうに…』
「我オーフィス、無限の龍神、我、竜也から不思議な力感じた。我の無限にも似た力、我その力借りたい。」
「俺の力を借りて何がしたいんだ?」
「我、次元の狭間で静寂を得たい。だけど次元の狭間にはグレートレッドいる。我、グレートレッド倒して静寂を得たい。」
「それで?静寂を得たら何をするんだ?」
「何もしない。眠るだけ。」
「ふ~ん、それはもったいない。」
「?」
「いいかオーフィス、世界には色んな楽しいことや美味しいものがある。それを知らずにただ眠るだけなんてもったいないだろう?」
「?…我、わからない。」
「ならオーフィス、俺と一緒にいるかい?俺と一緒に居れば楽しいことや美味しいものをたくさん味合わせてやるぞ?」
「我、竜也と一緒に居れば、楽しいことや美味しいもの味わえる?」
「ああ、もちろん。」
「わかった、我、竜也と一緒にいる。」
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「という訳で連れて来た。」
「我、おかわり。」
「はいはい、たくさん食べてね、オーフィスちゃん。」
「ハッハッハッハッ、まさか無限の龍神を拾ってくるとは、さすが我が息子!」
「へえ、こいつがねえ。」
「……流石ご主人様、規格外すぎるにゃ。」
こうして、我が家に新たに無限の龍神が加わった。