我が道を行く自由人   作:オカタヌキ

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自分自身とゲーム開始

レーティングゲーム開始前日の夜、俺は気分転換に書庫に向かったのだが、

 

「おや?」

 

そこにはメガネをかけたお嬢が、なにやら資料を読みふけっていた。

 

「どうしたんだお嬢、こんな夜更けに。それとメガネなんかかけてたっけ?」

 

「あらタツヤ、レーティングゲームの資料と相手のデータの読み返しをね……まあこんなもの気休め程度だけど。それと、このメガネはただの気分よ。」

 

そう言ってお嬢は本をパタンと閉じる。

 

「………タツヤはこのゲームどうなると思う?」

 

ふと、お嬢が俺に尋ねた。

 

「そうだな、みんなこの10日間……といっても正確には約半年間の修行でかなりの力をつけた。それこそ、ライザーの眷属を完封してライザーを袋にするくらいにな。やつの不死性を考えても全員で当たれば十分に勝てる。自分の成果を信じな。」

 

「……そうね、みんなこの修行で多くを得たわ。みんなあなたのおかげよタツヤ。」

 

「いや、努力して成果を出したのはみんなの功績だ。俺はただその手助けをしたに過ぎない。」

 

「それでもよ。あなたには本当に感謝しているわ。みんなを代表してお礼を言わせてちょうだい。ありがとう、タツヤ♪」

 

そう言ってお嬢は俺の手を握る。……なんだかドキドキしてきたな……

 

「なあお嬢、なぜそこまでライザーとの婚約を嫌がるんだ?確かにあの焼き鳥野郎は気に食わないが、お嬢の性格なら家の都合を優先させると思ったんだが……」

 

「……私は『グレモリー』なの。」

 

お嬢はポツリとそう言う。

 

「?お嬢はリアス・グレモリーなんだろう?」

 

「いいえ、別に名乗り直したわけじゃないの。私にはどうしてもグレモリーの名がついてくる。別に不満なわけじゃなくてむしろ誇りに思っているわ。だけどどうしてもみんな私をグレモリーのリアスとして見る、だから人間界での生活は充実しているわ。みんな私をリアスとして見てくれるから………」

 

そうか、だからお嬢はライザーとの結婚が嫌なんだ。あいつはお嬢をグレモリーの女としか見ていないから……

 

「私は私をグレモリーじゃない、ただのリアスとして見てくれる人と結婚したい。家のことを抜きにして、私自身を愛してくれる人に添い遂げたい。それが私の小さな夢……」

 

「………そんなこと願うまでもない。」

 

「え、タツヤ?」

 

「お嬢、あなたはリアス・グレモリーだ。それ以上でもそれ以下でも、ましてやそれ以外の何者でもない。ただのグレモリーでもただのリアスでもなく、『リアス・グレモリー』というただひとつの存在だ。少なくとも、俺もイッセーたちもあんたをリアス・グレモリーとして見ているよ。そして自分の持てる力のすべてを費やしてでも、あなたの願いを叶える所存だ。」

 

「…………どうしてそこまで私のために全力になってくれるの?イッセーたちは眷属だけど、なぜあなたが……」

 

「てめえの惚れた女に尽くして何かおかしいか?」

 

「なっ!?ほっ!!!?/////」

 

お嬢は顔を真っ赤にして慌てている。

 

「なははは、冗談冗談。お嬢にもなかなかかわいいとこあるじゃないか。」

 

「~~~~!!!?っもう!!!/////」

 

「なははは、だけど気に入ってるって意味じゃあながち間違いでもないぜ?俺は向上心のあるやつは大好きだからな。……さて、もう夜も遅い。俺はもう寝るとするよ。」

 

俺は立ち上がり書庫から出ようと扉へ歩みより、扉の前でお嬢に振り向く。

 

「お嬢、俺から最後のアドバイスだ。自分を信じろ。仲間を信じろ。自分にとって一番大事なものは何か、よく考えろ。あんたはイッセーたちの、ひいては今回の俺たちの王なんだから。」

 

俺はそう言い残し書庫を出た。

 

リアスsaid

 

まだ顔が熱い。彼に言われた言葉のひとつひとつが私の中で反復される。

 

「…………私にとって一番大切なもの」

 

私はこの学園が好き。みんなと一緒にいるこの時間が。私のかわいい下僕たち、最初は警戒していたけど、今ではいつの間にかともにいることが日常となっている夕麻、カラワーナ、ミッテルト、ドーナシークの堕天使たち。今まで信じていたものに突き放され、それでも諦めることなくひたむきに努力して友達が欲しいという夢を叶えたアーシア。……………そしてそんなみんなをつなぎ止めたのがタツヤ。

 

『てめえの惚れた女に尽くして何かおかしいか?』

「~~~~~~!!!?//////」

 

ああ、あの一言を思い出すとまた体が熱くなる。思わず悶えてしまう。こんな感情今までに感じたことがない。これって……ひょっとしてこれが………

 

「………責任はとってもらうわよ、タツヤ。」

 

私は誰にも聞こえない声でそう呟き、書庫をあとにした。

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

 

時は過ぎ、ついにゲーム開始の時が迫ってきた。俺たちは部室に集合し、それぞれ最終調整にかかっている。

 

「おや、アーシアはシスター服にしたのか。」

 

「はい、自分の一番動きやすい服にするように言われたので、わたしにはこの服が一番思い入れがありますから…」

 

「にゃはは、やっぱりアーシアはその服が一番似合ってるにゃ♪」

 

「ありがとうございます、黒歌さんもその和服がとてもお似合いです。」

 

「ありがとうにゃアーシア。だけど本当によかったのかにゃ?アーシアまで出る必要はないにゃ。」

 

「いえ、わたしも皆さんのお力になりたいんです。それに竜也さんのおかげでわたしも皆さんのお役に立てるようになりました。だから大丈夫です!」

 

「その通り、アーシアも立派な戦力だ。期待してるぜアーシア?」

 

「はい、竜也さん!」

 

すると魔方陣が出現し、グレイフィアさんが現れた。

 

「開始十分前です。皆さん準備はお済みになられましたか?」

 

「今回のレーティングゲームはご両家の皆様に中継され魔王ルシファー様もご覧になります、それをお忘れなきように」

 

「お兄様が直接見られるのね……」

 

お嬢がため息混じりに呟く

 

「では皆様魔方陣がの方へ、開始時刻となりましたら異空間の戦闘フィールドへ転送されます。」

 

「どんな派手な事をしても使い捨ての空間ですので思う存分にどうぞ。なお一度あちらへ転送しますとゲーム終了まで魔方陣での転移は不可能となりますので」

 

「かえってくる時には勝敗が決しているってわけか。」

 

イッセーが生唾を飲み込んで呟く。

 

「なははは、上等だ。」

 

そして魔方陣が輝き俺たちは転送される。

「さあ、いよいよ初陣の時だ!お望み通り派手に暴れてやろうじゃないか!いくぞみんなぁ!!!」

 

『『『『『『おお~~!!!』』』』』』

 

ついにゲームの火蓋が切っておとされた




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