我が道を行く自由人   作:オカタヌキ

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幼なじみとカミングアウト

イッセーside

 

アニキが出て行った後、俺たちは部長から木場の過去を聞かされた。聖剣計画、人を人工的に聖剣を使えるようにする計画で、木場はその被験者だったのだ。だが木場たちは誰も適応できず、適応できないとわかった教会関係者どもは木場たちを処分したのだ。そして木場は瀕死の状態だったところを部長によって悪魔に転生して生き延びた。

 

「……そんな……主に仕える者がそんなことをするなんて……」

 

それを聞いたアーシアはとてもショックを受けていた。

「……アーシアのことといい、教会の連中はどうしてこうも……」

 

「神に仕える者が聞いて呆れるにゃ」

 

「虫酸が走りますわ……本当、潰してやりたいくらいに……」

 

俺たちが感じたのは激しい怒りだった。これが神に支える者のやる諸行か!?夕麻ちゃんたちも声には出さないが、その顔には怒りが浮かんでいた。

《ピリリリリリ》…するとアニキから電話がかかって着た。

 

「もしもしアニキ、どうしたんだ?」

 

『イッセー、悪いがアーシアと黒歌と朱乃ちゃんを連れて家に来てくれ。』

 

「?…わかった。」

 

俺はアーシアたちを連れてアニキの家にやって来た。

 

「久しぶりだね、イッセー君。」

 

「!?イリナ!?」

 

そこには俺たちの幼なじみがいた。そして俺たちはアニキの部屋に向かった。

 

「……全部、竜也君から聞いたよ。ヴァーリ君が半分悪魔だったってこと、朱乃ちゃんが半分堕天使で、黒歌ちゃんが元はぐれ悪魔で、それで、イッセー君が……悪魔に転生したってことも……」

 

イリナは悲痛な顔をしていた。当然だ、信じていた幼なじみたちが自分の敵だったのだから。

 

「……騙しててごめんな、イリナ…だけど……だけどな、俺は君のことを本当に友達だと思っているぞ。」

 

「私も、同じですわ。」

 

「都合いいように聞こえるかもだけどにゃ、だけど本当だにゃ。」

 

「違う、違うの!確かにヴァーリ君たちが人外だったことはショックだけど私にとってもみんなは本当の友達だもの…私が言いたいのはそうじゃなくて……」

 

そう言ってイリナはアーシアに頭を下げた。

 

「アーシアちゃん、ごめんなさい。私は結局あなたを庇ってあげられなかった。教会に何度も異端の取り消しを要請したわ、だけど全く取り合ってくれなくて、ついにはあまりしつこいと私まで異端にすると言われた時は思わず教会を疑ったわ。私は…私は結局自分の保身のためにあなたを……グスッ…ごめんなさいアーシアちゃん、ごめん…なさい……」

 

イリナはポロポロと涙をこぼしてアーシアに何度も謝っていた。アーシアを救えなかったことを彼女はこんなにも後悔していたのか……

 

「…イリナさん、顔を上げてください。わたしはそのお気持ちだけで十分です。それにわたしは今幸せです。竜也さんたちと一緒にいられて、イリナさんのお気持ちを知ることができたのですから……」

 

「アーシアちゃん……うぅ…ありがとぅ… 」

 

イリナはアーシアを抱きしめて再び泣き出した。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~

 

「………ごめんなさい、なんだか私泣いてばっかりね。」

 

「気にすんな、当然と言えば当然だろ。」

 

現在俺はアニキに頼まれて、イリナを泊まっているホテルまで送って行っている。

 

「………ねぇイッセー君、悪魔に転生して後悔してないの?」

 

夜道の中、俺はイリナにそんなことを聞かれた。

 

「………後悔してない訳じゃないよ、現にイリナと敵同士になって凄く悲しいしどうしたらいいかわからない。……だけど、それでも俺は夕麻ちゃんのことを愛しているんだ。」

 

「……本当に好きなんだね、その堕天使のことが…」

 

「ああ、好きだ、愛してる。彼女のためなら俺はなんだってできる。それくらい彼女のことを愛してるんだ。」

 

「……凄いなぁイッセー君は、自分の気持ちを真っ直ぐに伝えられて……」

 

「だって自分の気持ちに嘘はつけないだろう?どんなに取り繕ってもそれが本心なのにはかわりないんだから。」

 

……なんだか自分で言っておいて恥ずかしくなってきた

 

「……それにしても竜也君凄いよね。アーシアちゃんたちだけじゃなくてリアスさんって人…じゃなくて悪魔とも婚約してるんでしょう?」

 

「ああ、俺もそれを聞いた時は驚いたけど、部長曰く、悪魔の社会では一夫多妻は普通なんだってさ、それに何せあのアニキだし」

 

するとイリナは鳩が豆鉄砲を食らったような顔をした。

 

「……そっか、そうなんだ……」

 

「イリナ?」

 

「あのねイッセー君、私…昔から好きだった人がいたの、その人はがんばり屋で優しくて、だけどある日から家の都合でまったく会えなくなっちゃって…」

 

ふむ、イリナにそんな人が…話の内容からして十中八九アニキか……あの人着々とハーレムを築いていってるな………

 

「久しぶりに会ったその人は前とは変わっちゃってて、だけど私わかったの、その人の中身は変わってなんかないんだって。」

 

そう言ってイリナは立ち止まった。

 

「?…イリナ?んむっ!?」

 

イリナの方を振り向くと、唇に柔らかい感触が……へ?これってまさか……

 

「イッセー君、私、紫藤イリナはあなたのことがずっと好きでした!」

 

「………え、え、ええ、え゛え゛ええ゛えええぇえぇえぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!」

 

「ふふふ、ここまで来れば十分よ、ありがとうね、イッセー君♪……その夕麻さんには負けないから」

 

「えっ、ちょっ、ちょっまっ」

 

イリナはそのままスキップしながらホテルに歩いて行き、俺はしばらく立ち尽くしたままだった。




感想等お待ちしております。次回軽く修羅場です。お楽しみに
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