我が道を行く自由人   作:オカタヌキ

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趣味と偏愛

プールで約束の翌日、祝日だったこともあり、俺とゼノヴィアは早速趣味探しに近くの玩具屋に向かった。

「どうだゼノヴィア、何か興味を引かれるものは見つかったか?」

 

「申し訳ありません陛下、何分今までこういった娯楽とは無縁だったものでいまいちピンと来なくて……」

 

「ゼノヴィア?」

 

ふと、ゼノヴィアが歩みを止める。ゼノヴィアの目線の先にはガンプラシリーズの棚、ゼノヴィアはそこからストライクガンダムのプラモを手に取る。

 

「……興味が湧いたのか?」

「は、はい、なんとなく目にとまったもので…」

 

「よし、ならこれにするか」

 

俺はガンプラをレジに持って行く。

 

「へ陛下!?目にとまったと言ってもなんとなくですよ!?」

 

「何事もフィーリングが大事なのさ、直感ってのは案外侮れないぜ?」

 

「し、しかし私はプラモデルなど今まで作ったことも触ったことも…」

 

「心配するな、俺もサポートしてやるよ」

こうして俺たちはガンプラ片手に帰路についた。そして帰宅後、早速組み立てに取り掛かった。

 

「陛下、この“ニッパー”というものはどうやって使うのですか?」

 

「ああ、これはな………」

 

「へ、陛下!腕が胴体に付きません!」

 

「バカ!ポリキャップ付け忘れてるよ!」

 

「いいか、シールは慎重に貼れよ。しくじったら取り返しがつかないと思え」

 

「はっはい!……」ドキドキ

 

そんなこんなで30分後

 

「ぜぇぜぇ……完成だな……」

 

俺とゼノヴィアの前にビームサーベルを構えたストライクガンダムが立っている。思いの他時間がかかったがなんとか完成した。

 

「お、おお……おおおぉぉ」

 

見ると、ゼノヴィアはストライクガンダムに目を輝かせ感嘆の声を上げている。

 

「どうだ、感想のほどは?」

 

「は、はい!よくわかりませんが、謎の達成感があります!……それに…」

 

ゼノヴィアは再びストライクガンダムに目を向ける。

 

「……美しい」

 

ポツリとこぼれたその言葉に、俺は今回の計画の成功を感じたのだった。

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

あれから数日後、

 

コンコンッ「お~いゼノヴィア~、ちょっと用事があるんだが」

 

最近あまりゼノヴィアの姿が見えないことで、何かあったのか尋ねようと先ほどからドアをノックしているのだが一向に返事が帰って来ない。

 

「ゼノヴィア~?………開けるぞ」ガチャ

 

俺はゼノヴィアの部屋の光景を見て絶句した。

必要最低限のものしか置かれていなかった部屋に積み上げられたガンプラの箱、いつの間にか運び込まれたショーケースの中に並べられたガンプラ、適当にまとめられたゴミ袋、それとは対象にきちんと整頓された工具一式と着色スプレー等、そして部屋の中心でザクを組み立てるゼノヴィア……

 

「……ゼノヴィア」

 

「はぁぁ素晴らしい、滑らかな中に刺々しさを兼ね備えたこのform……//////」

 

俺の呼び掛けにも反応せず頬を高揚させうっとりと組み立てたザクを眺めるゼノヴィア

 

「ゼノヴィア!」

 

ビクッ「へ、陛下!?いつの間に私の部屋に!!!?」

 

「ついさっきからだ……てか、なんだこの部屋の有り様は」

 

「い、いやぁそれが……あの後、ガンプラを組み立てた時のあの高揚感が忘れられず、一箱、また一箱と組み立てていたらいつの間にかこんなことに……」

 

ゼノヴィアは照れくさそうに人差し指で頭を掻く。

 

「……てか、このショーケースはどこから持ってきた?」

 

「ああ、はい、どうせなら飾る場所も必要かなとヴァーリに頼んで転移魔方陣で部屋に直接運んでもらいました。」

 

「お前……まあいい、とりあえずもう夕飯だからリビングに来い。皆待ってるぞ」

 

「すみません陛下、あと少しで組上がるので今しばらくお待ちいただけませんか?」

 

「いや、あとにしろよ。てかザクならそこに3つもあるじゃないか」

 

「ザクではありません!ガルマ・ザビ専用ザクです!!!それとそちらに飾っているのは左から量産型ザクとシャア専用ザクと宇宙用高機動試験型ザクです!!!」

 

「いや、うん、ごめん、俺進めといて何だけどそんなにガンプラ詳しくないのよ」

 

「なんと!!!?ならば不肖このゼノヴィアが、陛下にガンプラひいてはMSについて一から十まで根掘り葉掘り詳しく…」

 

「いいからとりあえず飯だ飯」ガシッ

 

「あっ!?お待ちください陛下、せめてあともう少しお待ちを!本当あとちょっと何で!あと武器組み立てるだけなので!」ズルズル

 

俺はゼノヴィアを引きずりリビングに向かう。まさかたったの数日でここまでのめり込むとは……

 

ズリズリズリ「……あ、陛下、それはさておき少しご相談が」

 

「何だ?言ってみろ」

 

「……来月分のお小遣いを前借《ゴン!!》アッガイ!!!?」

 

拳骨落とした俺は悪くないと思います。

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