我が道を行く自由人   作:オカタヌキ

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朝礼と新兵器

 

翌朝、リアス眷属+α、『龍の紡ぐ絆』A・Bチームはグレモリー家の中庭に整列していた。

 

「よし、みんなそろったな?昨日も言ったが、これから修行期間である一週間、俺はソーナ嬢とその眷属たちの監督に着く。その間お前らの修行の監督に着くのが、知っての通りそこのアザゼルだ。」

 

「おう、よろしく」

 

全員の視線がアザゼルに向き、アザゼルが軽く挨拶をするが、その顔は方頬が痛々しく腫れ上がっており、メンバーは必死に笑いをこらえていた。

「俺が提示するトレーニングメニューは各々の将来的なものを見据えた上でのものだ。当然、効果を実感できるやつは一人一人違うだろう。……だが、あせるな。今日より明日、明日より明後日、どれ程歩みが遅くても、歩み続ける事が大事だと胸に刻め。お前らは若い。若いからこそ未熟だ。だからこそ、これからどんどん成長していく事ができるはずだ。」

 

『・・・・・・・・・・・・・・』

 

「アザゼル、カッコいいこと言ってるけどその顔で全部台無しだぞ」

 

『『『『『ブッ!!?アッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!』』』』』

 

ヴァーリのその一言で、周囲はたちまち笑いの渦に飲まれた。

 

「アーーーハハハハハハハハハッ!!ヴァーリ!おま!このタイミングでそりゃねぇだろ!」

 

「クハハハハハ!!ひっ必死でこらえてたのにどうしてくれるんだヴァーリ!?クァーーハハハハハハハ!!」

 

「アハハハハハ!もうっ!ヴァーリさん!?」

 

「ハハハハハハハハ!!ごめんごめ……ブッ!アッハハハハハ!!」

 

「アッハハハハハハ!!かはっ!?…コヒュー…コヒュー……」

 

「ケハハハハハハハッ!!ぅおい木場ちん!?過呼吸起こしてんじゃん!どんだけツボってんだよ!?ケァーーハハハハ!!ケッゲハッ!?ゲホッ!?おぇ……」

 

「いやお前もえずくほどにツボってるじゃねぇかフリード!?アッハハハハハハハ!!」

 

『『『『『アッハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!!!』』』』』

 

笑いが笑いを呼び、リアクションが更なるリアクションと笑いを呼び、鎮火したのはかれこれ30分後の事だった。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

「はぁ……はぁ……や、やっと治まった……」

 

「ふ、腹筋が……腹筋が踊ってる……」

 

「これ、ある意味もうすでに修行だろ……」

 

約30分笑いに笑った一同はすでにグロッキー状態となっていた。

 

「ゴホッゴホッ……き、気を取り直して、各々のトレーニングメニューを……って、あれ?アザゼルは?」

「あ、そういやいつの間にかいない……」

 

「あ、あそこ」

 

イリナが指差す方を見てみると、アザゼルは木陰で体育座りしていた。

 

「アザゼルさーん、いい加減機嫌直して下さいよー!」

 

「おーい父さん、笑って悪かったてば」

 

「アザゼル様ー?」

 

「いいんだいいんだどうせ俺なんていいんだいいんだどうせ俺なんていいんだいいんだどうせ俺なんていいんだいいんだどうせ俺なんていいんだいいんだどうせ俺なんていいんだいいんだどうせ俺なんて…………」

 

この後、アザゼルを宥めるのにさらに30分かかった。

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

「さて、早速我々恒例のカオス状態に陥ってぐだついてしまったが、改めて各々のトレーニングメニューを提示するぞ。」

『『『『『了解!!!』』』』』

 

「よーしその意気…っと、その前にお前ら、特にリアスチーム、わかってると思うが、相手が格下だからと言って決して手ぇ抜いたりなめてかかるような真似はするなよ。ゼファードル・グラシャラボラス、シークヴァイラ・アガレス、そして最近だがディオドラのやつには俺の魔法を授けてある。さらにソーナ嬢とその眷属たちはこの俺直々に鍛えるんだからな?

さらにあのサイラオーグ・バアルという男、あいつは間違いなく強い。恐らく若手悪魔の中でもトップクラスだろう。」

 

その言葉に一同に緊張が走る。竜也のその言葉はイッセーたちが気を引き締めるに十分な言葉であった。

 

「さて、それじゃ最初に……イッセー!ヴァーリ!」

 

「「おう!!」」

 

竜也の呼び掛けにイッセーとヴァーリは前に出る。

 

「お前たちには特別メニュー、さらに特別講師を用意しておいた。」

 

「特別講師?」

 

「うむ、それじゃあおいでませ!」

 

竜也が空に向かって呼び掛け、イッセーたちもまた空を見上げる。“それ”が現れたのはそのほぼ同時であった。地面に降り立つとその衝撃で大地は震動し強風が起こる。二本足でそびえ立つ巨大な体躯、鋭い牙の生え揃った口、巨大な翼、そして身を包む赤紫の鱗。

 

「………ドラゴン」

 

「アザゼルよ、よくもまあ悪魔の領土に堂々と入り込めたものだな」

 

「お、心配してくれるのか?安心しろ、ちゃんと魔王様には許可をもらってるからよ。文句はないだろタンニーン?」

 

「ふん、抜かせ。さっきまでいじけて体育座りしてた癖に」

 

「ぅおい何で知ってんだ!?さては見てやがったなてめぇ!!」

 

「やかましい!キサマが無駄に時間をとるせいで俺は一時間も待機する羽目になったのだぞ!」

 

軽いやりとりのつもりが口論に発展する一人と一頭を呆然と見つめる一同。

 

「なあアニキ、このドラゴンは?」

「ああ、こいつの名は『魔龍聖』タンニーン。聖書にも記された龍であり、かつて『五大龍王』は彼を入れた『六大龍王』であったらしい。今は転生悪魔であり、その中でもトップに位置する最上級悪魔だ。」

 

「りっ龍王の転生悪魔ぁ!?」

 

イッセーは度肝を抜かれたように驚き、他の面々もタンニーンのことを知らなかった者たちは皆驚いていた。

 

「しかし兄さん、いつそんなヤツと知り合いになったんだ?」

 

「ああ、一昨日の打ち合わせの時にサーゼクスさんに聞いて会いに行ったんだ。で、『俺の力を借りたければその力を見せてみろ』って言われたから、ぶちのめした☆」

 

∑「んな!?おい!お前!軽々しく口にするなと言っただろうが!!!」

 

「プーー!だっせwww」

 

「黙れこの体育座り総督が!!!」

 

「んだこらてめぇやんのかあぁ!?」

 

「止めなさいってあれ?みんなあんまり驚かないのな?」

 

リアクションが薄いことに疑問を持つ竜也

 

「はっ、これまで散々兄さんの規格外っぷりを目の当たりにしてきて、今さらそれぐらいじゃもう驚かないっての」

『『『『『うんうん』』』』』

 

「あ、そう……ま、そういう訳で、特別講師ことタンニーンとあとは……じゃん!」

 

竜也はそう言うと左手の袖を捲る。そこには青い腕時計のような物が取り付けられていた。

 

「おっ!兄さん、ついにそれを使うんだな!」

 

「クックック、ついにこいつのお披露目か」

 

「?アニキ、何だそれ?」

 

竜也のそれを見て興奮するヴァーリとアザゼルを見てイッセーが尋ねる。

 

「こいつは俺と、ヴァーリ、アザゼルで共同開発した人工神器、『友情の腕時計(トライバル・ウォッチ)《プロトタイプ》』。契約した相手を呼び出す事ができるのさ。」

 

「へぇ、すげぇな、どうやるんだ?」

 

「ふふん、イッセー、ちょっと握り拳出してみな」

「へ?こ、こうか?」

 

イッセーが言われた通りに握り拳をつき出すと竜也もまた握り拳を出してイッセーの拳と重ねる。すると二人の拳から魔方陣が発生し、中央から一枚のメダルが飛び出した。

 

「これが契約の証、『トライブメダル』。お互いがある一定以上の信頼関係を築いている状態で発生し、これを『友情の腕時計』に差し込むことで契約した相手を召喚することができる。ちなみにみんなはもうメダルを出してるぞ。」

 

「え!?マジで!?何で言ってくれないの!?」

 

「いや、こういう時イッセーが一番いいリアクションしてくれるからさぁ」

 

「ひっでぇ……」

 

「あっはっは~、それじゃあいってみよう!メダルセットオン!」

 

ガシャン!!《♪~レディースエーンドジェントルメーン!ニョロロン族~♪》

 

「は?」

 

竜也がメダルを差し込むと『友情の腕時計』から魔方陣が発生し、メロディーが流れ出す。

 

♪~~♪《ニョロロンニョロロンニョロロンローン♪ニョロロンニョロロンニョロロンローン♪》♪~~♪

 

「ティアマット!」

 

メロディーが終わると同時に魔方陣から人の姿のティアマットが現れた。

「竜也、人工神器の実験はどうやら成功のようだな」

 

「!?お前ティアマットか?人間の使い魔になったというのは本当だったのか?」

 

「おお、タンニーンか、久しぶりだな。いかにも、私は今や竜也の使い魔だ。こいつといると毎日が飽きない、このような楽しい日々は初めてだ。」

 

「…………なあアニキ、何だ今の曲?姉御、魔方陣の中で踊ってたし」

 

「ああ、今の?俺の趣味」

 

「……………姉御、いいんすかこれ?」

 

「ああ、それ何だかな……踊ってる時、結構気持ちよかったんだ!」

 

「あ、そうなんすか……」

 

「で、話は戻るけど、お前らはこれから一週間このタンニーンとティアに徹底的に鍛えてもらうから」

 

「「は?」」

 

「竜也、要するにこの前のようにこの二人をタンニーンと共に一週間いじめぬけと言うことか?」

 

「うん、まあそう言うこと」

 

「「いやいやいやいやいやいやいやいやいやまてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!」」

 

「毎度毎度俺たちだけ扱いが酷過ぎるだろ!!!」

 

「いっくら何でも龍王二人掛かりは洒落にならないって!!!」

 

「心得た、ではリアス嬢。あそこに見える山を貸して頂けないか?修行の場にしたいのだが」

 

「ええ、存分に使って鍛えて上げてちょうだい」

 

「部長ぉぉぉぉぉぉぉ!!?」

 

「あ、それと今回は回復役のアーシアは同行できねぇから、死ぬなよ?」

 

「うおぉぉぉぉぉぉぉい!!?それはマジで洒落にならないからぁぁぁぁぁぁぁ!!」

 

「イッセーさん、ヴァーリさん、ファイトです!」

 

「アーシアァァァァァァ!!!ちょっ!?まっ!?止めて放してあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」

 

問答無用と言わんばかりにイッセーとヴァーリはそれぞれタンニーンとティアマットに連れ去られる。

 

「「誰かぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!助けてぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!」」

 

二人の叫びは虚しく、二体の龍はどんどん小さくなって行く。

 

「んじゃ、俺はシトリー領に行くから」

 

『『『『『いってらっしゃーい』』』』』

 

そうして竜也はグレモリー家を後にした。

 




『友情の腕時計』のモデルは言うまでもなく『妖怪ウォッチ』です。ちなみにUプロトタイプの方です。
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