俺は現在セラたんの依頼で、ソーナ嬢とその眷属たちを鍛えるためにシトリー領へと赴いていた。シトリー領に着くと、ソーナ嬢が出迎えてくれた。
「こんにちは、竜也さん。この度はよろしくお願いします。」
「おう、こちらこそよろしく。じゃあ早速庭に眷属たちを集めてくれるか」
「わかりました」
そう言ってソーナ嬢は一旦戻り、俺は先にシトリー家の庭に移った。それから少しして、ソーナ嬢が眷属の生徒会メンバーたちを引き連れてやって来た。
「さて、もう知ってると思うが、これから一週間お前たちを鍛える雷門竜也だ。よろしく頼むぜ。」
俺はソーナ嬢たちに軽く挨拶をする。
「最初に言っておく。このゲーム、お前らはこのままでは一欠片も勝ち目はない。」
俺はそう断言すると、生徒会メンバーがざわつく。しかしソーナ嬢はだいたい予想はしていたようで、対して顔色に変化はなかった。
「おい!そんな言い方ないだろうが!」
生徒会メンバーの匙が声を荒げる。
「実際事実だ。相手は一発がほぼ即死級の『消滅の魔力』と『探索』の圧倒的情報収集能力をあわせ持つリアスを筆頭に、灼熱の炎を操る最強の赤龍帝(当社比)、それを支える堕天使弓兵、あらゆる属性を使いこなす『混沌の姫巫女』、圧倒的速度と抜群のコンビネーションを誇る騎兵コンビ、多彩な手数を持つ猫しょう姉妹、著しい成長を見せる時間停止のハーフヴァンパイアだぞ?対してお前らはちょっと前までは一般的だった転生悪魔。結果は火を見るより明らかだろうが。」
俺の言葉に匙は押し黙る。他のメンバーたちも顔を曇らせ目線を伏せている。
「………はぁ、落ち込んでるんじゃないよ。何のために俺がここに来たと思ってるんだ?」
生徒会は顔を上げてこちらを見る。
「俺がお前らを鍛えてやる。ただし半端な内容じゃないぞ。あいつらとお前らとでは質も経験もまったくかなわない。それをなんとか渡り合えるまでに引き上げるんだ。生半可な覚悟じゃつとまらないぞ。それこそ、修行中に死んでも文句は言えないと思え。」
に生徒会メンバーに緊張が走る。そんな中、ソーナ嬢は俺の方に歩みよる。
「………いいんだな?」
「ええ、すでに覚悟はできています。今のリアスと渡り合うにはそれくらいでないと」
「わかった……で、お前たちはどうする?」
俺は生徒会メンバーに向き直る。
「別に強制はしない。別にわざわざ死にに行くような真似をしなくても相応のトレーニングである程度の力は着く。覚悟のあるやつだけ前に出な。」
その場に沈黙が訪れる。少しして、匙が一歩前に出た。
「……俺はやる、やってやる!勝って会長の夢を証明してみせる!」
「元ちゃん……わ、私もやる!会長の夢を叶えたいのは私も同じだもん!」
「私も」
「私もだ」
「私だって」
そうして一人、また一人と前に出て、ついに全員が前に出た。
「いい眷属を持ったじゃないか、ソーナ嬢。」
「……ええ、私の自慢の眷属たちです。」
ソーナ嬢はそう言って頬を綻ばせる。
「よし、それじゃ早速行って見ようか!ディメンジョンARM『修練の門』!!!」
俺はARMを発動させ、ソーナ嬢たちの足元に門が出現する。
『『『キャアァァァァァァァァ!!!?』』』
「ギャアァァァァァァァァァァ!!」
門はバカンと音を立てて開き、ソーナ嬢たちはまっ逆さまに落ちて行った。用意していたメダルを『友情の腕時計』にセットする。
「そんじゃ、メダルセットオン」
《♪~レディースエーンドジェントルメーン!ゴーケツ族/ブキミー族~♪》
♪~~♪《ゴーケツ!ソイヤ!ゴーケツゴーケツ!ソイヤ!》♪~~♪
『アラン!』
♪~~♪《ブ・キ・ミ♪ブ・キ・ミ♪ブキミー♪》♪~~♪
『ベルゼブブ!』
召喚のメロディーが止み、魔方陣からアランとべーやんが出現する。
「で、おまけに……《ブチッ》アテテ……“髪分身の術”!!!」
竜也は髪の毛を引き抜き息を吹き掛けると髪の毛は竜也の姿に変わる。
「んじゃ、あとは頼むわ」
『『『了解!!』』』
「あいよ」
「任されました」
そう言って二人と分身たちは門の中へ入って行った。全員が入ると、門は重い音を立てながら完全に閉じられた。
「………さて、期間はゲーム開催前日の6日後まで、中での時間は約一年。難易度は昔俺が体験したスーパーハード。はてさて、誰がどれだけもつかな?」
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「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉああああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!?」
現在、修練の門をくぐった匙は荒野の中全力疾走していた。
『グルアァァァァァァァァァ!!!』
匙の後方からはブロンズの身体をもつ翼の生えたライオン、ガーディアン『フライングレオ』が5体、牙を剥き出し追いかけている。
「ほれ、逃げてるばっかじゃ話にならねぇぞ~」
空中から見ていた竜也の分身が呑気に言う。
「いや!無理無理無理ぃ!初っぱなからこれは無理だって!物事にはもっと順序ってもんがさぁ!」
「うだうだ言ってないでこの状況をなんとかすることを考えな。あ、一匹増えた」
『『『『『『ゴガアァァァァァァァァァ!!!』』』』』』
「うおぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ!!!」
匙は本気で泣き叫びながら逃げ惑う。
「…………ホントに、これくらい切り抜けられなけりゃとても扱えないんだよ。この魔法はな」
手元で竜也(本体)の生み出した魔力の結晶を眺めながら、竜也(分身)は呟いた。
感想等お待ちしております。次回もお楽しみに