その日の夕方、正装に着替えた俺は集合場所の客間へと向かっていた途中、ソーナ嬢と遭遇した。
「あら、竜也さん。また会ってしまいましたね」
ソーナ嬢は華やかなドレスに身を包んでおり、俺を見つけると口元を緩めて言った。
「だな、せっかく景気付けに俺の特別フルコースをご馳走してやったのに。あんなボロボロ泣いて喜んで貰えるとは思わなかったけどな」
「~~~//////っもう!それは言わないでください!」
俺がからかうように言うと、ソーナ嬢は顔を真っ赤にして両手で隠す。
「ハハハハ、ごめんごめん。で、何でここに?」
「こほん、パーティー会場にはリアスと入る予定ですので。ところで、リアスはどこか知りませんか?」
「悪いが俺も今部屋から出たばかりでな、何か用でも?」
「ええ、宣戦布告を。今回の勝負、私たちは夢のために彼女たちに全力で立ち向かいます。」
ソーナ嬢は真っ直ぐな目でそう言った。ソーナ嬢の夢……誰もが通える学校を冥界に作る…か
「そうかい、まぁ応援してるぜ」
するとソーナ嬢はポカンと目を丸くする。
「………どうした?」
「い、いえ、リアス側のあなたに応援されるとは思わなかったので……」
ああ、そういう事ね
「確かにリアスは俺の未来の嫁で、あいつらは俺の自慢の仲間だが……別にそれがソーナ嬢の夢を応援しない理由にはならないだろ?それを言うなら、ソーナ嬢は俺の未来の親戚で、お前たちは俺の弟子だろうが。……それに、俺はソーナ嬢の夢は割りと気に入ってるんだ。言ったろ?もう実現したら支援してやってもいいって。」
俺はソーナ嬢の肩に手を置く。
「自信を持てよ、自分の夢に。少なくともここにお前の夢を肯定するやつがいるんだからな?」
「………竜也さんは八方美人ですね」
「レディはソフトに扱うのが俺のポリシーだからな?」
ソーナ嬢がいたずらっぽく言うので俺もそう返す。
「ありがとうございます、竜也さん。私はこれまで、なんと言われようと、自分の夢は曲げないつもりでした。けど、誰かに応援される事が、こんなにも心強いとは思いませんでした。」
「お役に立てたのなら結構。手が借りたきゃいつでも言いな。悪知恵と汚い手なら誰にも負けないよ。」
「ふふっ、ならなるべく手を借りずに済むようにしないと」
「ああ、それでいいのさ」
「「……………ははっ!」」
俺とソーナ嬢は顔を見合わせて笑い合った。
「さて、あんまりレディを引き留めるものじゃないな。んじゃ、またあとでな、ソーナ嬢」
「………あの、竜也さん」
立ち去ろうとする俺をソーナ嬢が引き留める。
「ん、どうしたソーナ嬢?」
「その……ソーナ嬢ではなく…ソーナ、と呼んで頂けませんか?いつまでもソーナ嬢では他人行儀でしょう?」
「ああ、なるほど……なら…また後でな、ソーナ」
「!!?……は、はい、また後で」
そうして俺はその場を後にした。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
ソーナと別れてから数分後、俺たち男性陣は先に客間で待機していたところ、ドレスアップしたリアスたちがやってきた。
「ごめんなさいタツヤ、待たせちゃって」
「ねぇねぇだぁりん。どう?私のドレス姿。似合ってるかにゃ?」
「竜也君、アーシアちゃん今回は張り切ったんですよ。ね、アーシアちゃん♪」
「はぅ!……あ、あの、どう……ですか?竜也さん」
思わず見とれていると、リアスたちが感想を求めてきた。
「ああ、リアスはまさしくお嬢様って感じで板についてる。朱乃ちゃんと黒歌は普段は和服なイメージだから新鮮な感じだな。アーシアは…なんかもう、あれだ、まさしく天使だな。ま、何が言いたいかって言うと、みんなマジで似合ってる。超可愛い、超ビューティフル、もう今すぐでも結婚したいくらい」
「!!?やっやだもう、タツヤったら//////」
「あらあらもう、竜也君はお上手ですわ////」
「んもう、だぁりんったら正直なんだからぁ……大好き♡」
「はうぅ!しょっ!しょんにゃ!……ぷ、ぷぅ……」
(((((あ、ヤバい)))))
「ふむぅっ!!」
「「「「「耐えた!!?」」」」」
いつものごとく盛大に鼻血を吹くかと思われたアーシアだが、なんと自ら踏みとどまり噴射を抑えた。
「ふぅ、ふぅ……せ、せっかくの晴れ着を台無しには出来ませんから」
「すごいじゃないかアーシア!」ポン!!
「ぅひゅう!!?」
「え?」
「「「「あ」」」」
「ぷ、ぷわっはぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」
ブシャァァァァァァァァァァァァ!!!
一旦溜めた分その噴射の勢いや凄まじく、頭から被った俺は再び着替え直すことになりましたヽ( ̄▽ ̄)ノ
その頃、他の面々では
「よし、ちゃんとドレスでなくスーツで来たな」
「ううぅ~~だってヴァーリ兄様がスーツ着て来ないとレバー山盛り食べさせるって言うから~~」
「どうかな?イッセー君」
「私、こんなドレスなんて着たことないんだけど……似合ってる?」
「………はっ!う、美し過ぎて一瞬意識が飛んでたぜ……二人ともマジで似合ってるよ!!流石は俺の女神!!」
「や、やだもう!////」
「そ、そんな……女神なんて/////」
「い、いかがでしょうか、裕斗様。や、やはり私にドレスなんて……」
「ううん、そんなことない。綺麗だよ、カーラマインさん」
「ふぇ!?は、はひぃ、ありがとうございますぅ/////」
そんなやり取りがあったそうな。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
さて、早速ひと悶着あったわけだか、やっと落ち着いたというところで庭に何やら大きな音がした。それから数秒して、執事の一人がやって来た。
「タンニーン様とその眷属の皆様がご到着なされました。」
全員が急いで庭にでると、タンニーンと複数のドラゴンたちの姿があった。
「タンニーンのおっさん!来てくれたのか!」
「約束だからな」
「どういうことだ?」
「おっさんが俺たちをパーティー会場まで乗せて行ってくれるって約束してたんだよ。修行を頑張ったご褒美にって!」
「そういう事だ。予定よりも人数が多いようだが……かまわん、全員きっちり運んでやろう。」
「竜也、お前は私が運んでやるからな」
龍の姿に変わったティアが言う。
「おう、それじゃひとっ飛び頼むわ」
俺はそう言ってティアの背中に飛び乗った。
「全員乗ったな?では出発しよう」
そうしてドラゴン一行は会場へ直行した。