我が道を行く自由人   作:オカタヌキ

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前半ってかほぼ全部ネタ回です。終盤少し真面目になります。それではどうぞ


文学少女と接点

タンニーン率いるドラゴン一行に乗せてもらって約一時間後、パーティー会場のどでかい建物に着いた俺たち。そんな俺は現在……

「ち、ちかれたぁ………」

 

グロッキー状態で椅子に項垂れている。ついて早々セラたんに捕まって演説紛いのことさせられてその上貴族の人たちに質問責めにされて、一に酔うわアドリブで緊張しまくるわで……もう限界

 

「大丈夫か兄さん?」

 

「大丈夫に見えるか弟よ?」

 

「いや、ぜんぜん」

 

「竜也さん、お水、持って来ましょうか?」

 

「うん、お願いアーシア」

 

「はい!」

 

そう言ってアーシアはトテトテと早歩きでその場を後にした。

「あらら、ダンナ完全にグロッキーじゃん」

 

「なんか新鮮ですね」

「タツヤも人の子なのね」

 

もの珍しそうに言うフリード、白音、リアス

 

「アニキって意外と緊張しいだからな」

「緊張しいなんじゃなくてアドリブに弱いんだよ………」

 

「うふふ、そう言えば小学校の時の選手宣誓の時も」

 

「ああ、あったにゃそんなこと。だぁりんったら宣誓の内容忘れちゃって」

 

「なんとかアニキのアドリブで事なきを得たんだけど……」

 

「そのあと、裏で吐いたんだよな、兄さん」

 

『『『『『ええっ!!!?』』』』』

 

ちょっ!?こいつら俺がデカイ声出せないのをいいことに何人の黒歴史を!!?

 

「ちょっと!本当なのそれ!?」

 

リアスが声を荒げて聞く。

 

「本当ですよ。それでその様子を見た先生も怒るに怒れなくて」

 

「はぁ~~おれっちてっきりダンナは何でもござれの完璧超人かと」

「意外な一面ですね」

 

「お前ら………ってか、来てるんなら水ちょうだいよアーシア」

 

「はひ、ごめんなさいです。はい、どうぞ」

 

「おう、サンキュ。ゴクゴクゴク…ぷはっ!……はぁ、幾分かましになったな。ちゅうかお前らぁ…」

 

「悪かったって兄さーー!?悪いちょっと用事思い出した」

 

「は?おっおいヴァーリ!?」

 

俺の呼び掛けにも応じず、ヴァーリはそそくさとその場を後にした。

 

「あら、皆さん。」

 

「あ、生徒会副会長の真羅椿姫。」

 

ヴァーリと入れ違いでやって来た真羅にイッセーが反応する。

 

「すみません、ヴァーリ君はいらっしゃいませんか?」

「ヴァーリならあっちに行ったぞ。」

「わかりました、では」

 

「ふかーー!!」

 

そう言って真羅椿姫は指差した方に向かった。白音は終始真羅に威嚇していた。

 

「ねえ竜也君、生徒会の真羅さんとヴァーリ君ってどういう関係なのかしら?」

 

「あ、私も気になるにゃん」

 

朱乃ちゃんが質問して黒歌もそれに乗っかる。

 

「ああ、そう言えば二人は知らなかったな。あれは確か俺が中二、イッセーたちが中一くらいの時ーーーー

 

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

5年前

 

夕焼けの河川敷の道を真羅椿姫は歩いていた。ふと土手の芝生を見ると銀髪の少年が寝転んで本を読んでいる。中一のヴァーリである。一見河原で黄昏て本を読む美少年の図だが、当の本人は

 

(……風が強くてまったく読めねぇ。はぁ、失敗したなぁ……河原で本なんか読むんじゃなかった)

 

とか思っていた。本をたたんで帰ろうとしたその時、椿姫はヴァーリの斜め後ろに腰を下ろした。それに気づいて一旦停止するヴァーリ。一見動じていないように見えるが

 

(……き、気まずい!な、なんだ?誰だこの子!?何で無言なんだ!?このクソ広い河原で俺の隣にわざわざ座っといて!)

 

内心めっちゃ動揺していた。

 

(何の用か知らんが、やっぱり俺から声をかけるべきだろうか?いや、でもなんで?)

 

(何か気の効いたセリフ…… 『夕焼けが綺麗ですね』。いやいや、そんなありきたりなセリフこの状況に合わない。そう、この状況。夕日に染まる河原で孤独に本を読む美少年(当社比)と出会う幻想的なシチュエーション。多分この人、ロマンチックで非現実的なボーイミーツガールを期待しているのでは……)

 

そう思いヴァーリが振り替えると、椿姫はそわそわとやや落ち着きのない様子でいた。

 

(……どうもそんな感じだな。となるとイカした一言だな…ってか、そもそも俺は兄と友人が部活で遅くなって暇だから一人で読書していただけなんだが……まあいい、とにかく彼女の期待を裏切る訳にはいかんな。飛ばすぞ、すかした言葉

を!)

 

「……今日は……風が騒がしいな…」

 

(あれぇ?なんか死にたくなってきたよ!?なんだこりゃ?恥ずかしいとかそういうのではなく、なんかこう……死にたい)

 

ヴァーリは平静を装っているが、内心言い様のない羞恥に悶えていた。今の彼の心はコキュートスよりも冷えきっているだろう。

 

(……引かれたか?)

そう思い後ろを横目で見ると、椿姫は顔を赤くして必死に笑いを堪えていた。

 

(いや、なんか嬉しそうだ!よし、少々精神が氷河期に入りかけたが言ったぞ!さぁ、どうする!?)

 

すると椿姫は立ち上がり口を開いた

 

「でも少し、この風……泣いてます」

 

(あっはははははははははははは!!面白いわこの子!)

 

もはややけくそであった。

 

『・・・・・・・・・・・・』

 

そしてそのまま静寂が訪れ風の音のみが響く。

 

(……いや、もう勘弁してください。もう……限界です)

 

もはやヴァーリのメンタルは限界であった。

 

(すまない、どうやら俺には空想力というものがないらしい。もうこの空間には耐えられそうにない。ゆえに既に呼ばせてもらった。二人の救助隊を)

 

沈黙の中、ヴァーリは密かに携帯を使って竜也とイッセーに急かす主旨のメールを送信していた。 一刻も早くこの空間から抜け出す為に

 

(さあ、来い戦士たちよ!一刻も早くこの結界を破壊してくれ)

 

「………………」ザン

 

するとそこに土手の上から竜也が現れた。

 

(来たッ!早いな……)

 

ヴァーリは喜んだ、あとは『早く行こうぜ』とでも声をかけて貰えばこの空間から抜け出せる。

 

「急ぐぞ弟よ、どうやら風が街に良くないものを運んで来ちまったようだ」

 

(なんで今日に限ってテンションたっけぇんだお前はあああああああああ!!?)

 

ヴァーリの思惑は偶然テンションの高かった竜也の言葉で脆くも崩れ落ちた。心の中で絶叫するヴァーリ。

 

「あ」

 

竜也はここで椿姫の存在に気づいた。

 

「~~~~///////」カァァァ

 

(いやカァァァじゃねぇよ!?この愚兄!死ね!!)

 

ヴァーリはあくまで無表情をキープして椿姫の方に視線を向ける。椿姫はさらに顔を赤くして息を荒くし胸を片手で押さえていた。

 

(うわっ!?めっちゃ嬉しそうだよ!もう嫌だ!河原で一人黄昏れる少年に声をかけたいという願望はもう十分にかなっただろう!?こうなれば俺自らこの空間をぶち抜いて帰らせて貰おう。現実的な一言でな!)

 

「急ごう、風が止む前に」

 

(何を言ってんだ俺はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!?)

 

もうヴァーリ自身、テンパってワケわからなくなっていた。

 

(もういいよ畜生!こうなったら行けるところまで行ってやる!)

もはややけくそである。

 

「まて!」

 

すると正面から呼び止める声がする。顔を上げるとイッセーが夕日をバックに佇んでいた。

 

(お前はもう一人の救助隊、イッセー!)

 

「……おいヤベーって!そこのコンビニポテト半額だよ!早く行こうぜ!!」

 

(空気読めやお前はぁ!!いや読んでるけど!)

 

「ふん!」バキッ!!

 

「なぶで!?」

 

すると椿姫は凄まじい速さでイッセーに接近して渾身のアッパーカットを炸裂させる。

 

「あ!お!ぎゃ!?ちょっ!?止め!」

 

椿姫はそのままマウントポジションをとりイッセーをボコボコにする。そんなに空気壊されたことが許せないのか

 

「ん、なんだこれ?」

 

するとヴァーリは椿姫の持っていたカバンから紙の束がはみ出ているのを見つける。見てみるとそれは原稿用紙であった。

 

「ほぉ、自作小説か」

 

「!!?」

椿姫は慌てて取り返そうとするがヴァーリはそれをひょいひょいと避けながら見る。

 

(なるほど、少年と少女が河原で出会うラブストーリーか)

 

「主人公は風の能力使い」

 

ちゃっかり竜也も読んでいた。

 

(びっくりするほどこの状況と一致している。恐らくこの子は自分の憧れを実現させたくて、俺を物語の主人公に見立てて隣に座ったと……いや、別にそれはいいんだが……ただ問題なのはこの主人公、特徴的な設定をしているな。すなわちこれは……)

 

「俺が孤独で根暗なオタクに見えたという事かあああああああああああああああああ!!!?」

 

「別にいいじゃん」

 

◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆

 

 

「…………と、まあ最初の出会いはそんな感じでな、それからもちょくちょく絡む事があって、言わば彼女はヴァーリの数少ない天敵みたいなものなんだ。高校進学を期に距離を置いていたようだが………」

 

「ヴァーリくーーん♪」

 

「コナイデェェェェェェェェェェェ!!!」

 

見るとヴァーリが真羅椿姫に追いかけられていた。

「はははははは、……………うん?」

 

すると、何処からか……パーティー会場の外から妙な気配を感じた。

 

「アニキ、これって……」

 

どうやらイッセーたちも気がついたらしい。

 

「リアス」

 

「わかってるわ」

リアスはそう言うと【探索】を発動する。

 

「出たわ。会場から50mの茂みから生体反応。人間が3人にこれは……妖怪が一人。一人は魔力が頭一つ抜けて高いことから恐らく魔法使い。それとこれは……一人の全能力が飛び抜けて高いわ。他の面々も上級悪魔クラスよ」

 

「わかった、気づいているのは?」

 

「今ここにいるメンバーですわ」

 

「了解。それじゃ、俺、イッセー、リアス、黒歌、フリードで行くぞ。朱乃ちゃん、アーシア、白音はここに待機、ヴァーリたち他のメンバーにも知らせて警戒に当たれ。」

 

『『『『了解』』』』

 

「よし、行くぞ」

 

そうして俺たちは早速行動に移った。

 

 




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