魔法少女リリカルなのは~心の剣と小さな奇跡~   作:ディアズ・R

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第九話・説明×秘密

あの久遠人間化事件の次の日。

昨日の事で、リニスに神社まで引き摺られた。

霞さんがニコニコしながら手を振っていた。

凄いイラッときた。

神社に着いて荒縄でぐるぐる巻きにされた。

さらに俺の上に久遠が乗っかる。

無理に動くと久遠が落ちてしまう。

なんていう完璧な布陣なんだ!

……別に落ちてもよくね?

 

「夜空君。昨日の事、話してもらうからね?」

「さぁ、キリキリ吐きなさい」

「一応自己紹介しておくよ。私は神咲薫。那美の姉でもある。よろしくだ」

「クゥ~イモムシみたい」

 

リニスと那美さんが仁王立ちして俺を見下ろし、薫さんはしゃがんで俺を見つつ、久遠がペシペシ俺の頭を叩く。

久遠は可愛いいな~

そして那美さん、巫女服の隙間からパンツ見えてます。

白いフリフリか……乙女だな。

 

「何が知りたいの?選択肢は三つ。一つ目は那美さんのスリーサイズ。二つ目は俺の作るパンの秘密。三つ目は昨日の力について。どれかね?」

「何で夜空君が知ってるの!?」

「私としては、二つ目が気になりますね」

「いやいや、三つ目に決まってるだろ?」

「久遠は二つ目がいい!でも、一つ目も気になる」

「全部で良いか。那美さんのスリーサイズは―――」

 

頭を踏まれ、地面とキスする。

俺のファーストキスは世界(ガイア)か。

幸せにするぜ?

 

「ハァハァハァ……全員、ふざけるのは止めようね?」

『わかりました』

 

その時の那美さんの背後には、阿修羅がいた。

冗談は一旦止めよう。

 

「夜空君。真面目にやってね?」

「うぃ~アレは心剣……いや、心具か心器って呼び方の方が良いかな?とにかく、俺の心剣士としての力だよ。他者の心を取り出して、使うことが出来るんだ。俺に対する感情次第で、心の形も変わると思うよ」

「えっと、じゃあ、私とリニスさんと久遠から出したのは?」

「那美さんのは【救う者(セイヴァー)】っていう錫杖で、肉体の無いモノを消滅させる力があるよ。でも、那美さんの救いたいって気持ちが無いと、唯の錫杖だけどね。リニスのは【教育者(エデュケーター)】っていう杖で、リニスが誰かに教えたことのある技術を全て使えるっぽい。で、久遠のは【雷切】。文字通り雷を切る刀なんだけど……もう一段上があるっぽい」

 

久しぶりに長く喋ったな。

那美さんに、視線でファ○タを買う様にいう。

何も言わずに買いに行ってくれた。

うむ、板についてきたな。

 

「……那美は置いておくとして。心だったか?随分と人によって変わるのだね。それに、久遠のはもう一段上があると言ったが、どういうことだ?」

「あぁ~つまり、俺がもっと久遠と親しくなって、久遠が今以上に心を開いてくれれば、別の形になるかもって事ですね」

「なるほど。話は変わるけど、君は随分と強いんだね?それにあのスピード、私でも見れなかったよ」

「そう言えば私も気になったのですけど、あの時の石って何所にあるんですか?」

「久遠、遊びに行こうか」

「クオン!」

 

薫さんの目がヤバ目だったのと、リニスの雰囲気が豹変したので逃げることに。

足の力だけで跳んで荒縄を力任せに引き千切り、久遠を抱えて走る。

途中那美さんがいたので、ファ○タグレープを受け取って走る。

林の中に逃げ込み、気配を消して隠れる。

リニスはあの石のことを知ってるみたいだけど、下手に触れてまたあんな事になったら嫌だし。

前と同じく神棚に飾ってあることは、俺しか知らない。

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

久遠を撫でながら木の上で寛いでいると、なのはがいた。

何か探しているようにキョロキョロしているが、何してんだ?

 

「うぅ~昨日は反応があったのに~何所にあるの~」

《The signal is lost, though I think it is around here》(反応が消失していますが、きっとここにあると思います)

「そうだよね。うん!私頑張って探すよ!」

《Let's keep it that way, master》(その意気です、マスター)

 

何で小学生なのに、英語が理解できるんだろうか?

いや、子供の頃から聞かせておけば、普通に会話できるらしいからいいのか?

それに、なんだかんだでなのは頭良いしな。

一部ダメだけど。

だがな、何で宝石が点滅しながら喋る?

ま、まさか、アレがデバイス?

いやいや、そんな訳無いか。

だって、あんな得体の知れないもの持ちたくないよ?

とりあえず、このまま隠れるか。

 

「くぅ~つまんない!」

「あ」

「え?よ、夜空君!?」

 

気付かれた。

久遠、もうちょっと我慢しようよ?

木の上から降りて、なのはの前に立つ。

 

「よう」

「えっと、今の、聞いてた?」

「その宝石が喋ってたことか?それとも、唯の一人芝居だったのか?」

「うぅ、ばれちゃったよ~どうしよう?」

「俺に聞くなよ。まあ、そんな怪しい物は捨てた方がいいぞ?」

 

俺が言えた義理じゃないが。

危ない物神棚に飾ってるし。

 

「レイジングハートは怪しくないよ!」

「そうか、ならいいんじゃないのか?」

「ふぇ?」

「お前が良いなら、何も言わない。でもな、隠し事をするなら、もっと周りを見ろ。アリサ達、心配してたぞ?」

「……うん」

「ま、一人で何でも背負い込むなよ?あいつ等は友達なんだろ?なら、しっかり頼れ。じゃあな」

 

なのはの頭を軽く撫でてやり、その場を離れる。

コレでもダメだったら、まあ、喧嘩でもさせればいいかな?

なんだかんだで、なのはから逃げるように離れる。

そして、神社に戻ったら薫さんに襲われた。

那美さんを生贄に逃走したけど。

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

神社に行くと薫さんに襲われる様になった俺は今、広場に来ている。

士郎さんが率いるチームのサッカー観戦をするらしい。

アリサとはやてに布団から引きずり出された。

 

「えっと、夜空君は、何でパジャマなの?」

「それはな、アリサとはやてに無理矢理……」

「ふ、二人とも、そんなに夜空君のパジャマ姿が……」

「黙りなさいすずか」

「しゃあないやん!出てこないんやもん!」

 

まず、行く事前提なのが可笑しいだろ?

そんな事をしていたら、何時の間にか試合が始まっていた。

パジャマで連れて行かれる俺を心配したのか、リニスが服を持ってきてくれた。

 

「せめて服ぐらい持って行って下さい。外に出るのが面倒なので」

「黙れひきこもり」

 

俺のひきこもり発言に撃沈したリニスを放置して着替える。

着替え終わって戻ると、試合が中断されていた。

なのは達が士郎さんの方にいるので、近くに行くと……

 

「捻ってるな……控えの選手はいないし、どうするか」

 

嫌な予感がするので回れ右して離れ様としたが、止められた。

いつもの4人に。

 

「お父さん!良い助っ人がいるの!」

「ホントにラッキーね。最高の助っ人がいるわ」

「運動神経抜群の助っ人が偶然いますよ♪」

「逃げないで逝ってこいや!」

「見るだけで十分なんだが……」

 

と言う訳で、サッカーをすることになった。

ボールを蹴って、相手のゴールに入れれば良いんだっけ?

ボールが俺の所に転がってきた。

相手の選手が、余裕そうな表情で向かってくる。

なんかうざかったので、魔力で足を強化してボールを蹴ってやった。

 

ドォンッ!!

 

「……ゴ、ゴール」

 

全員が呆然としている。

ゴールが壊れかけてるな。

もうチョイ加減するか。

 

勝った。

0対8で、その内6点は俺が入れた。

所詮、子供の遊戯か……楽しかったけど。

 

「相変わらず夜空は人外やな」

「おい。まだ人だ」

「まだなんだ」

 

何が言いたい?

まったく面倒だ。

 

「俺はこの後用事があるから、じゃあな」

「うん!またね♪」

「また明日」

「バイバイ♪」

「後でパン買いに行くで~」

 

なのは達と別れて神社に向かっていると、一組の男女がいた。

さっき俺の入ったチームのキーパーとマネージャーだ。

これは、告白というやつか?

覗いてる訳じゃない、観察だ。

こういうイベントは、意外と男がミスするもんだ。

しっかりフォローせねば。

……いや、アイツと俺って関係無くね?

……まあ、いいか。

お、男がなんか出した。

プレゼントかな?

どっかで見た事のある、綺麗な石……おい待て。

良い雰囲気の所お邪魔する。

 

「ちょっと失礼」

「な、なんだ!?あぁ、さっきの」

「確か、助っ人さん?」

「そうそう。その石、俺にくれない?代わりにこの指輪をあげよう」

 

俺が持っていたダイヤ付きの指輪(100万相当)を少年に握らせ、石を奪う。

荒稼ぎしたら、価値のある現物に変える。

これが無駄遣いを無くす方法だ。

集めることに拘ると、コレクターになってしまうので注意。

 

「お幸せに!あと少年!将来は君の力で結婚指輪を贈るんだな!その方が彼女さんも嬉しいだろ!じゃ!」

 

文句を言われる前に走って逃げた。

フラフラしてる男は嫌いだが、一途な男は好きだ。

神社に着いたら、薫さんに襲われた。

この人のこと、忘れてたよ。

そろそろ諦めないかな?

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

「俺のパンを食らえ!!」

「なんモガァ!?」

 

はやての口に虹(レインボー)パンを突っ込む。

虹パンとは、何故か虹色に輝いているパンである。

焼く前は普通なのだが、焼きあがると輝く不思議なパンである。

はやては一口食べると、何も言わずに家のトイレに向かっていった。

下痢か?売りには出せなさそうだな。

次はどんなパンを作るか考えていたら、はやてが戻ってきた。

 

「お前は何を食わせてくれとんじゃぁぁぁぁぁ!!!」

「はやてが、立―――」

 

ドロップキックを食らい、店の外に吹き飛んだ。

服がボロボロになったが、普通に立ってはやてを車椅子に戻す。

 

「あんがと」

「気にすんな。それにしても、立ったな」

「クソ不味いけど、立てるんか……クソ不味いけど」

 

二回言うなよ、寂しいだろ?

美味しくないのはわかるがな。

 

「暇だし、夜の散歩でも行くか?」

「おぉ~夜に出歩くの初めてや……コレってデート?」

 

と言う訳で、今日ははやてと散歩することになった。

一人じゃないのは久しぶりだな。

車椅子でも行けるルートを考えないとな。

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

「飛んどるな」

「飛んでるな」

「なのはちゃんやね」

「なのはだな」

「スカートの中見えとるな」

「ガキのパンツに興味は無い」

「もう一人は、スク水やな」

「マニアックな露出狂か……将来が心配だ」

 

適当に歩き回ってたら、スカートの中丸見え少女ことなのはとスクール水着を着たマニアックな露出狂ことフェイトが飛んでいた。

しかも戦闘している。

ピカピカ光ってる。

はやてと二人で観戦してた。

そういえば、何ではやてってなのは達のこと呼び捨てにしたりちゃん付けしたりするんだ?

 

「なのはちゃん、こんな事してたんかいな」

「あ、なのは落ちた。弱いな」

「あっちが強いんとちゃうんか?」

「とりあえず、行って見るか?」

「そやね」

 

はやてと共になのはが落ちた所に向かう。

そこでは、名前を知らない男子二人がフェイトとアルフと戦っていた。

なのはに近づいて声をかける。

 

「死んでるか~?」

「普通生きてるか~やろ?」

「起きないとスカート捲るぞ~?」

「にゃ!?」

「起きよった!?」

 

起きたなのははキョロキョロ周りを見た後、俺とはやてを見る。

スカートを抑えながら顔を青くする。

 

「え、あ、その、え?」

 

なのはは混乱しているようだ。

ドンドン五月蠅いので、男二人を背後から気絶させる事にした。

剣を出してた一人は、簡単に気絶させられた。

素手で戦っていた方は、触れる瞬間嫌な予感がしたので触れた手を引いたら吹き飛んだ。

訳が分からんが、気絶させられたならいいか。

顔も見られてないし。

 

「えっと、助けてくれてありがとう?」

「久しぶりだね夜空!助かったよ」

「久しぶり。五月蠅いから黙らせただけだ。気にすんな」

 

二人は放置して、なのはとはやての方へ戻る。

一緒にフェイトとアルフも着いて来る。

 

「なあ、何で戦ってたんだ?」

「そ、それは……」

「ジュエルシードが欲しかったの……今、夜空が踏んでるやつ」

 

そう言われて、足元を見てみるとあの石があった。

これって、ジュエルシードっていうのか。

拾って掌で転がす。

 

「なんや、綺麗な石やな」

「コレなら俺、四個持ってるな。コレも入れれば五個か。七個集めると願いでも叶うのか?」

「四個も持ってるの!?危ないから私に渡して!」

「夜空!その子より私に頂戴!」

「……断る」

「なんでなの!?」

「そうだよ!なんで!」

「俺は喧嘩するのは良いと思うが、何かを取り合って喧嘩するのは許せないな。とりあえず、自己紹介してお互い謝れ」

 

ちょっと威圧感を込めて言ってみた。

顔が引き攣ってるぞ二人とも。

 

「にゃぁ……高町なのはなの。何を謝ればいいのかわかんないけど、ごめんなさいなの」

「うぅ……フェイト・テスタロッサ。いきなり襲い掛かって、ごめん」

 

モジモジしながら自己紹介して謝る。

なんだ、このピンク色の空気は。

いいぞ、もとやれ。

違うか。

 

「コレは俺が預かる」

「ダ、ダメだよ!それは危険なんだ!」

 

フェレットが喋った。

犬(アルフ)が喋ってるから、別になんとも思わないな。

 

「そんな危険な物を集めさせてるお前は、信用できないな」

「え、あ、ごめんなさい」

 

普通に見ただけなのに、何故か怖がってなのはの後ろに隠れた。

俺の何所が怖いんだ?

……無理矢理パンを食わせたからか?

 

「ユーノが喋ったで!それによく考えたらあの犬も!ファンタジーや!」

「空飛んでる時点で、ファンタジーだろ」

「……それもそうやね」

「所で、二人はどうやってここに来たの?ユーノ君が結界を張ってたと思うんだけど……」

「結界?普通に散歩してたんや」

「……二人で?」

「……………用事を思い出したから、帰るわ」

「はやてちゃん、OHANASIいいかな?」

「いやぁぁあぁあぁぁぁあぁぁあ!!!」

 

結界、ね。

そう言えば、なんか変な感じしたな。

どうでもいいか。

とりあえず、なのはがはやてを連れて行ったので、フェイトとアルフに帰るように言う。

 

「またな」

「えっと、またね?」

「今度、あんたん所のパン屋に寄らせて貰うよ!」

「おう、いいパン買わせてやる」

 

最初だけな。

フェイトとアルフが帰ったので、なのはとはやてを迎えに行く。

男二人が放置されてたけど、まあいいか。

なのはを士郎さんと桃子さんに差し出し、放心状態のはやてを家まで送った。

そう言えば、結局なのはって何者なんだ?

コスプレイヤー?

ふむ、那美さんをちゃんと紹介してみるか。

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