魔法少女リリカルなのは~心の剣と小さな奇跡~   作:ディアズ・R

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更新、遅くなってすいません。

次回は後半戦!
今回のは、どうしてもやっておかないといけない気がしたの。


第二十六話 力の使い方×名付け

夜空が光に呑まれる少し前。

なのは達は黒グレイと戦っていた。

戦っているのは、なのは、フェイト、クロノ、ユーノ、アルフ、劉の六人だ。

この中でも黒グレイ攻略の要となっているのは劉だった。

 

「攻撃は俺に任せてバインドで足を止めてくれ!」

 

劉以外の全員が足止めに徹し、ベクトル操作の相手に慣れている劉が攻撃をしていた。

ベクトル操作による反射は水すら弾くことができるが、あくまで|向き(ベクトル)を変えるだけである。

足止めをすること自体はそれほど難しくない。

まあ、いくら拘束しようとすぐに破壊してしまうのだが。

今までの劉なら、拘束を破壊する一瞬の隙に気が付くことはなかった。

だが、今の劉は夜空に戦い方というのを教わっていたのである。

その戦い方とは、相手をよく見ること。

動きや目線などの高度なモノではなく、単純に相手の感情を見ろというモノだった。

こちらが何をしたら嫌がるのか、こちらに何をさせないと悔しがるのか、それを見ているのだ。

その結果、黒グレイが拘束を破壊する一瞬のイラつきに気が付く。

このタイミングは避けた方が良い、次は攻撃できる、といったことがわかるようになっていた。

 

「これならいけるの!」なのは

「頑張って!」フェイト

「二人とも油断するな」クロノ

「喋ってないで何か対策考えてよ!?」ユーノ

「てか、アレ硬すぎじゃないかい?」アルフ

「……油断し過ぎじゃありませんか?」リニス

 

そんなことを言いつつも、しっかりとバインドを発動している。

そんな彼女等の声を背中で聞きつつ、黒グレイに近接戦を仕掛け続ける劉。

彼の脳内は「木原神拳使いてぇ!!」だった。

大量の剣を投影しては爆発。

その爆煙に紛れて、黒グレイの身体に剣を当てると同時に引く。

劉の知ってるベクトル操作なら今ので身体が斬り裂かれているが、黒グレイはオンオフが異常に早いからなのか僅かな切り傷を与えるだけに留まっている。

だが、着実にダメージは当たっている。

 

「すべて消し去る、それがオレの存在理由だ!!ガイアフォース!!」

 

いたるところで立ち上がっている火柱から炎を集めて、巨大な炎球を創り出す黒グレイ。

劉は黒グレイの前に行き、一つの短剣を創造する。

 

「それがお前の、切り札だな!斬り抉る戦神の剣(フラガ・ラック)!!」

「な!?」

 

炎球を創り出すのに邪魔だったベクトル操作をオフにしていたようで、短剣が額を貫通する。

放たれようとした炎球が消滅し、黒グレイの体も崩壊する。

 

「……オレの負けか。フンッ精々足掻くことだな」

 

黒グレイは、黒い粒子となって消え去った。

 

「……よっしゃ!って!夜空はどうなった!?」

 

劉がそう言って後ろを振り返ると、銀髪の女がなのはのスターライトブレイカーを夜空に向けて放っていた。

そして、魔砲は夜空を呑みこんだ。

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

夜空は今、暗い闇の中にいる。

魔砲に呑まれ、目を開けると暗い闇、虚数空間の様な場所を漂っていた。

なんだっけ……たしか、あらゆる魔法が削除されて、落ち続けるんだったか。

死んだ、か。

てか、何回目だ?

 

「あの、死んでませんですけど?」

「ん?フレイヤ?」

「はい、フレイヤです!お久しぶりです、夜空さん」

「あぁ、久しぶり。ここは?何時もの不思議空間じゃないけど……」

「次元閉鎖空間、それがここの名前です虚数空間の親戚の様なモノなのです」

「ほう」

 

次元閉鎖空間ね……出れるのか?

あと、なんでフレイヤがいるんだ?

 

「ジュエルシードのジェシーさんも夜空さんも、本来の力の使い方がわかっていないようでしたので、お教えしようかと……やっぱり、いらないですか?」

「ありがたい話だが、いらないな」

「そうですか……あまり干渉し過ぎるのはダメなので、そろそろ失礼するです。でも、一つだけ。この空間は、夜空さんの支配空間でもあり、あらゆる存在の生存が可能な空間でもあるです。あとは、夜空さんなら分かるはずです。頑張ってください!応援してるです!」

「ありがとう」

 

ちょっとだけ顔を赤らめながら言うフレイヤに対して、優しく微笑んだ。

フレイヤが消えて、俺は数秒ジッと空間を見つめる。

ジェシーは何時の間にか解除されているようで、どこにも見当たらない。

 

「……ジェシー、いるか」

「いつもニコニコマスターの全方位に這いよる混沌、ジュエルシードのジェシーちゃんとは、わつぃのことデスネ!」

「壊れたのか?」

「真顔で心配されてしまいました……」

 

何時も通りの妖精ジェシーが、俺の肩に座っていた。

どうやらフレイヤのことは見てもいないし、話を聞いてもいなかったようでボケッとしている。

 

「……ジェシー、もう一度行くぞ」

「YES,My Maste♪」

 

そして、白と黒の奔流が視界を埋め尽くす。

白と黒の翼を羽ばたかせる。

フレイヤが言っていた力の使い方。

ジェシーが創ったと言っていたあの武器、アレは本来の力ではないということだ。

なら、他に何ができるのか?

ジェシーをセットアップ状態では、普段と何が違うのか。

魔力の量?魔法の威力?速度?力?武器の創造?……違う。

フレイヤの言ったヒント。

この空間の在り方。

何故俺だけが支配できると言ったのか、何故他の存在も生存できると言ったのか……ジェシーの、ジュエルシードの力?

歪んだ形で願いを叶える。

ありえない魔力質。

俺が願いを叶えた結果、ジェシーは俺のデバイスとなった。

それも、21個のジュエルシードの結晶、それがジェシー。

……あぁ、つまり、そういうことか。

 

「なるほどな……ジェシー。お前の力の本質、理解したぞ」

「うぇい?何の話ですたい?」

「気にすんな。じゃあ、まぁ、常連客(はやて)でも起こしに行くか」

「なんだかよくわかりませんが、マスターの思うが儘に♪」

 

俺は願う。

ジェシーの本質たる力を使う為に。

ジェシーの本当の力、ほぼ無限の魔力でも、圧倒的な威力の魔法でも、速さや力や武器の創造でもない。

俺の願いを叶える、それがジュエルシードではなくジェシーの本質。

だから、俺はただ信じて願う。

俺とジェシーが、友を救えることを……

 

「……行くぞ」

「何時如何なる時でも準備は万端デスネ!!」

 

俺は魔力を限界まで拳に込めて、目の前の空間を殴る。

俺の願いを叶える様に、光り輝くその拳を振りかぶった。

 

バァァァンッ!!

 

目の前の空間にヒビが入り、砕けてその先を見せる。

銀髪の女が、驚愕の表情を浮かべているのが目に入った。

俺は口の端を吊り上げ、嘲笑う様に告げる。

 

「んじゃま~俺の友人、返してもらうぜ?」

 

そして、夜空は唄を歌う。

昔練習し、成功した歌魔法。

伴奏も何もない、ただ歌声だけを響かせる。

[紅き情熱の唄]が、空へと響き渡る。

それが、大切な友の手助けになると信じ、歌いながら銀髪へと翼をはためかせた。

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

優しくそれでいて温かい、そんな歌声が聞こえた。

それは、随分と聞き慣れた声だ。

毎回自分をからかって、なんだってふざけて解決して、大事な時には何時でも一緒いてくれて、泣きたい時には何も言わずに優しく包んでくれる、私の……大好きな声。

ゆっくりと目を覚ますと、銀髪のベッピンさんがいた。

 

「おわぁ!?なんや!?誰や!?」

「驚かせてしまい申し訳ありません。私は……闇の書(・・・)管理人格(マスタープログラム)です。名称はまだ未設定です」

「お、おぉ……これはご丁寧に、私は八神はやて言います」

 

ここではやてこと私は周囲を見渡し、気が付いた。

自宅であると。

眠る前のことを思い出そうとしたら、銀髪さんが優しく抱きしめた。

 

「な、な、なにを!?」

「大丈夫です。皆、ここにいます。守護騎士も……彼も」

「え?」

 

銀髪さんが離れると、そこには大切な家族がいた。

シグナムも、ヴィータも、シャマルも、ザフィーラも、何時もの様にリビングで寛いでいた。

 

「どうかしたのですか、主?」

「はやて~アイス食っていいか~?」

「洗濯物仕舞っておきますね~」

「……ヴィータ、乗るな」

 

そして、彼も。

 

「はやて」

 

彼は優しく微笑み、手を差し伸べる。

 

「行こう」

 

きっと、その手を取ることが幸せな未来を見せてくれる。

 

「さぁ、一緒に」

 

だから、私はその手を―――

 

「……違う」

 

叩いた。

その瞬間、自宅のリビングの風景がガラスの様に砕け、私と銀髪さんだけを残した暗くて何もない空間に変わる。

 

「我が主よ……何故なのですか?ここなら、この場所なら、辛い現実など関係無く幸せな夢を見続けられるのです。なのに、何故?」

「確かに、幸せかもしれん……現実に戻っても、辛い想いするかもしれん……ここに来る前に、シグナム達が死んだって聞いたんよ。その時、自分でも信じられないくらい何も考えられなくなってな。そんなの、現実じゃないって何度も思ったわ」

「ならば!ここにいることでその願いを叶えてください!」

 

私は、銀髪さんの言葉にゆっくりと首を横に振る。

銀髪さんは本当に、善意で言ってくれているのだ。

私が苦しまない様に、安心できる様にしようとしてくれている。

でも、夢の中では、大事なことが抜けてしまう。

温かな唄が、それを教えてくれた。

 

「ダメなんや。夜空は、そんなんとちゃう。ただ優しいだけなんは、夜空やないんや」

「常に優しく、何時でも味方になり、どんな時でも一緒にいる……それが、理想の水無月夜空の筈です」

「そうや。確かに、そんな夜空は理想や。でもな、やっぱ夜空とは、変なパン作ってもろて、それを私が食べて、どうにかなる……そんな関係が、一番好きなんや。こればっかりは、夢でしかない理想の夜空には不可能なことや。だから、もう守らなくてもええよ」

「ッ!?分かって、いたのですか……」

「なんとなくや。なんとなく、優しい子やって、わかったんや」

「……」

 

私は銀髪さんを胸に抱き、頭を優しく撫でる。

自分は大丈夫、守ってくれてありがとう、そう伝える様に。

 

「貴女は闇に埋もれるべき存在じゃない。だから、夜天の主であり家族として、貴女に新しい名前をあげる……強く支えるもの、幸運の追い風、祝福のエール……リインフォース」

「……はい、夜天の書管理人格正式名称をリインフォースと設定しました。主……ありがとう、ございます」

「ええってことや!さて、そろそろここから出んと、夜空に何されるかわからんで」

「なにか、防御システムが停止するようなことでもあれば、私が主と夜天の書を切り離せるのですが……ッ?!」

「どうしたん……むぐ!?」

「く、くひが……」

「……この感じ、夜空のパンやな!」

「ぁ……ぼうひょしゅしてむがていしゅしたにょうにゃので、いきましゅう……しゅみましぇん」

「あぁ~気にせんでええよ。こればっかりは慣れやからな……」

 

結局、また助けられた。

今回のことが終わったら、家族皆でお返ししないとね!

聞こえる唄が徐々に大きくなる。

唄を歌う彼が、目の前にいた。

 

「ん、元気か?」

「当たり前やろ?」

「そっか……まあ、おかえり」

「えへへ……ただいま、や♪」

 

そして、大事で、大切で、大好きな彼が、夢の様に優しく……微笑んだ。




次回の冒頭あたりで、はやて解放の際に夜空がしたことを書こうと思っていたり。
後、二話ぐらいで終わりそうかな?

そういえば、マテリアルズどうするか決めてたっけ?
決めてなさそうだし、アンケートとろう!
活動報告でアンケートとってます!
見てね♪










あ、別にここまで見ても何もないから。





……暇なの?

じゃあ、あれだ。
ジョジョは何期が好き?
自分は四期が好き。
でも、DIO様の名台詞は群を抜いて好き。
「読者!貴様!ここまで見ているな!」
「ここまで見た読者の人生という名の僅かな時間は、無駄無駄無駄ァ!!」

これ以上書いても、悲しくなる。
というわけで、また次回~
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