魔法少女リリカルなのは~心の剣と小さな奇跡~ 作:ディアズ・R
なんだか、今回の話の出来に納得がいかない自分がいる。
とりあえず、お待たせしました!
もうちょっと早く投稿したかったな。
はやてが解放される数分前。
夜空と銀髪が向かい合い、夜空は歌う。
[紅き情熱の唄]、魔力を強化する唄。
唄を歌いながら、夜空は願う。
銀髪はディバインバスターを放つが、夜空の前の空間が砕けて黒い裂け目が現れる。
魔法が黒い裂け目に呑まれ、何事も無かったかの様に元に戻った。
「なんだ!?どういうことだ!?」
夜空の予想外の防ぎ方に慌てる銀髪。
夜空は歌いつつゆっくりと近づく。
そんな夜空に対して銀髪は、何十何百という魔法を放つ。
しかし、全てが裂け目に呑まれて夜空も裂け目に入っていく。
裂け目が閉じ、夜空が完全に消える。
ただ、歌だけは空に響いてる。
警戒する銀髪の目の前に裂け目が現れ、眼と鼻の先に夜空が現れた。
そのまま赤い何かを銀髪の口に突っ込む。
「むぐ!?ッ!?」
口を押えて悶えはじめる銀髪。
ニコニコしつつも歌いながらその様を眺める夜空。
銀髪に食べさせたパンは、普段なら絶対にしない魔力でのパン作成による一品。
素材は全て魔力で出来ているが、味や見た目はいつも通りの赤いパンである。
トリニダード・スコーピオン・ブッチ・テイラー。
もっと分かり易く言うと、世界一辛いトウガラシ。
それがパンの中に入っており、パンの周りにはジョロキアが大量に塗られてある。
それだけなら銀髪は味覚を遮断できた。
しかし、魔力で出来た赤いパンは魔力を強化する[紅き情熱の唄]によって、ノータイムで強制的に味覚を刺激するほどの辛味に変質していた。
「ッ!?ッッッ!?」
銀髪は悶え苦しみ、徐々に姿が変化する。
色が黒く染まっていき、徐々に球体になっていく。
完全に球体になる前に小さな光の球が出て来て、夜空の目の前ではやてと夜天の書になる。
夜空は唄うのをやめ、はやてを歓迎する。
「ん、元気か?」
「当たり前やろ?」
「そっか……まあ、おかえり」
「えへへ……ただいま、や♪」
はやては何時もの様に笑い、夜空はいつもより優しく微笑んだ。
もうすぐ、長い一日が終わりを迎える。
◇◇◇◇◇
「おいで、私の守護騎士達」
俺の隣ではやてがそう言うと、夜天の書から光が五つ出ていく。
そして、人型をとった。
守護騎士達と銀髪だ。
「我ら、夜天の主の元に集いし騎士」
「主ある限り、我らの魂尽きる事なし」
「この身に命がある限り、我らは御身の元にあり」
「我らが主、夜天の王、八神はやての名の元に」
騎士の礼でそう言う守護騎士達。
銀髪が続いて言う。
「主はやてが願い、正しく叶えましょう」
はやてはそれを聞いて嬉しそうに笑いながら、両手を広げて答えた。
「おかえり」
それを聞いた守護騎士+αは、笑顔で頷いた。
なんか俺、解説ばっかしてるけど、銀髪は敵じゃなくなったのか?
正直、パン食わせたらこうなったから、意味が分からん。
自分でやっといてなんだけど。
「そうや!夜空!こっちの銀髪のべっぴんさんな、リインフォースって名前なんや!仲良くしてね♪」
「キモイ」
「ガーン!!」
こいつは、何時も通りだな。
お前等、苦笑してんじゃないよ。
そんなことをしている俺達の近くに、なのは達が転移してきた。
「はやてちゃん!夜空君!大丈夫!?」
「すまない……俺はもう、無理だ」
「えぇ!?」
「という訳でそろそろ帰るわ」
ばっさばっさ翼を羽ばたかせ、戦線離脱しようとした。
その場にいた全員にしがみ付かれた。
そういえば、空気を読んでるのかまったく喋らないな、ジェシーの奴。
「まだ終わってないの!」なのは
「まだ終わってないよ!」フェイト
「これからがヤバいんや!」はやて
「主戦力が帰ろうとしない!」リニス
「このタイミングで帰んなよ!?」劉
「あんた一番強いでしょ!」ホタル
「行かないでください!」姫
「ここまでやったんだから手伝ってくれ!!」クロノ
「行かないでよ!」ユーノ
「まだまだ余裕だろうが!」アルフ
「悔しいが私達では力不足だ、手伝ってくれ」シグナム
「お、お前でもいないよりはマシなんだよ!」ヴィータ
「お前は必要だ!」ザフィーラ
「お願いですから行かないで!」シャマル
「……もう少し、助けてくれないか?」リイン
《You!もう諦めちゃいなYO!》ジェシー
どんだけ俺に期待してるんだか。
勘弁してほしいな。
まあ、元々帰るつもりなんてなかったんだけどさ。
放置すると、地球ヤバそうだし。
「わかったわかった、離してくれ。それで、どうするんだ?」
そう言うと、全員離れていく。
数名ほど渋々感が凄かったが。
状況説明と黒い球体について簡潔に説明がされた。
闇の書の闇、通称ナハトヴァール。
夜天の書の歴代の主達の欲望の結晶。
このまま放置すれば、地球は間違いなく滅ぶとのこと。
しかし、倒そうにも対魔法や対物理なんかの四層の防御結界を張ってあるようで、かなり大変そうだ。
ただ、管理局側からアースラの主砲アルカンシェルでの消滅が可能らしい。
で、現在作戦会議中。
俺は黒い球体がボコボコなって、なんか凄そうな化物に変化しているのを眺めてる。
今近づくと摂り込まれるらしい。
「ラスボスっぽいな」
「……水無月夜空」
銀髪ことリインフォースが話しかけてきた。
チラッとはやて達の方を見ると、一斉に目を逸らされた。
リインフォースと視線を合わせてみる。
赤い目が不安そうに揺れている。
「何か用か?」
「その……すまなかった」
「なにが?」
「……殺そうと、したことだ」
「あぁ、気にするな」
「そんなの無理だ!」
何故俺は怒られた?
「じゃあ、どうすれば気が晴れるんだ?」
「……全てが終わったら、私を消してほしい」
「は?」
「私が残っていると、ナハトヴァールが再生され、また暴走する……だから!」
「……話はそれだけか?なら、そろそろ準備しとけ」
俺は返事を聞かずに、はやて達の方へ向かう。
自分を犠牲に、そう言うのは、嫌いだな。
◇◇◇◇◇
作戦が決まった。
防御結界を皆で破壊し、俺・なのは・フェイト・はやての四人で大技の~ブレイカーの一斉射撃で転移可能な質量にして、補助のペット達とシャマルがアルカンシェルの射線上に転移、消滅させるという作戦らしい。
それにしても、はやてとリインフォースが融合して、茶髪から銀髪になったのには驚いた。
それはどうでもよくて、そろそろ黒い球体も完全に変化し終わるようだ。
ちなみに、俺は自由に攻撃しろとのことだ。
上空で待機していると、通信で攻撃を開始すると言われた。
それと同時に、ナハトヴァールも完全体となった。
ペット勢が拘束系の魔法で攻撃しているのを見ながら、ヴィータの隣に移動してみた。
「んな!?いきなり出てくんじゃねぇよ!!」
「ビビッたか?」
「ビビッてねぇし!!」
なのはがジッと俺のことを見ているが、何も言ってこない。
なんだろう、包丁持って襲いかかってきそうな……まあいいか。
これからなのはとヴィータが攻撃するので、混ざろうと思っている。
ジェシーに心剣士の力の正常化を止めさせ、剣以外も心剣に出来るようにする。
剣だと戦いにくそうだったからだ。
「ヴィータ」
「な、なんだよ……」
「心、借りて良い?」
「む、ぐ……勝手にしろ!!」
顔真っ赤にして可愛い奴だな。
ヴィータの胸元に手をやり、出て来た心器を抜き出す。
「ひぅ!?」
ビクンッ!となったが、無視して心器を確かめる。
一メートル程度の大きさのハンマー、
大きさを自在に変化できるようだ。
軽く振ってると、シャマルから通信がくる。
「なのはちゃん!ヴィータちゃん!お願いします!」シャマル
「……行くぞなのは!」ヴィータ
「あ、うん!」なのは
二人がさっさと行ってしまったので俺も行く。
なのはが大量の触手を撃ち落とすのを見つつ、俺が左からヴィータが右からハンマーを巨大化する。
「剛天爆砕!ギガントォォォシュラァァァク!!」
「潰れろ!!」
『ギィィィィィアァァァァァァァァァァ!!!!!』
左右からの巨大なハンマーが、ナハトヴァールに叩きつけられる。
バリンッ!と一層目の防御結界が砕ける。
ナハトヴァールから距離を取ると、ヴィータから離れすぎたことでヴィータの心器が消える。
ナハトヴァールの攻撃を避けながら、次の攻撃を眺める。
フェイトとシグナムの同時攻撃だ。
フェイトは魔法の大剣、シグナムは弓矢のようだ。
シグナムってさ、剣の騎士なのになんで弓矢が必殺技みたいな感じなんだろう?
そんなことを考えていると、二層目の防御結界が砕けた。
身体の一部が抱懐しているが、まだまだ健在のようで空を飛び始め、防御魔法を発動してきた。
劉、ホタル、姫、ザフィーラが防御魔法をどうにかしようと攻撃し始めが、強度がかなりあるようで壊しきれないようだ。
まあ、ホタルは使える力の都合で防御主体だが。
「劉、ザフィーラ」
「
「でぇぇぇりゃぁぁぁ!!堅いな……なんだ?」
「お前たちの心、借りるぞ」
「ふぉあ!?」
「ぬぐ!?」
俺は劉とザフィーラの心器を取り出す。
二人とも顔を赤くして、俺から距離を取る。
劉から出て来たのは、
ザフィーラから出て来たのは、
右手に剣を左手に盾を持って、早速使ってみる。
「
防御魔法を斬った瞬間、赤いバラの花びらが舞う。
防御魔法に巨大なヒビが入ったので、さらに追撃を仕掛ける準備をする。
「
炎の様な赤い魔力が纏わり付き、力を滾らせる。
ナハトヴァールは、俺を一番危険だと判断したのか全ての攻撃を集中させてくる。
俺は持っていた盾を目の前に投げ、剣を両手で持つ。
ナハトヴァールの攻撃が俺にあたる前に、守護する魂が光の粒子になって俺を守る。
その状態で一気にナハトヴァールに突っ込む。
「
高速の三連撃で切り裂き、防御魔法を破壊する。
「す、凄いです!」姫
「……最初からやりなさいよ」ホタル
「あれ、俺の心剣か?まんま赤の武器じゃん」劉
「……お前達、油断し過ぎだぞ」ザフィーラ
「すまん……しかし、流石夜空だな」オメガモン
ザフィーラとオメガモンが、コッチを見てる三人を守っていた。
なんか、すまんね。
全員がナハトヴァールから離れると、はやての魔法が放たれる。
「《彼方より来たれ、やどりぎの枝。銀月の槍となりて、撃ち貫け。石化の槍、ミストルティン!!》」
空に巨大な魔方陣が現れ、光の槍が放たれる。
全てが命中し、突き刺さったところから石化していく。
完全に石化して海へ落ちて行ったのを見ていると、しぶとく生きているらしくグロイ感じに起き上る。
だが、三層目の防御結界は破壊できたようだ。
そして、俺の知らないところで貰ったらしいデバイス・デュランダルをクロノが使う。
あのデバイスは、エターナルコフィンと呼ばれる広域凍結攻撃魔法が使えるらしく、今それを使っている。
「悠久なる凍土。凍てつく棺のうちにて、永遠の眠りを与えよ……凍てつけ!!」
ナハトヴァールが完全に凍り付き、四層目の防御結界を破壊した。
最後だな。
「全力全開!スターライトォォォ―――」
「雷光一閃!プラズマザンバァァァ―――」
「……ごめんな、おやすみな……響け終焉の笛!ラグナロク―――」
三ヶ所で魔力が集まり、暗い空を照らし出す。
「……ジェシー」
《カートリッジシステムの生成なら、もう完了してますよ~》
「上出来だ。カートリッジ、フルロード!」
両腕の手甲に何時の間にか搭載されていたカートリッジシステムが動く。
両手合わせて12のカートリッジがロードされ、異常な魔力が俺の体を駆け巡る。
それに合わせて白と黒の翼が、魔力の粒子の翼へと変化する。
その粒子が俺の前に集まり、白と黒の魔力の球体を精製する。
それをナハトヴァールに向け、ジェシーが魔法を発動する。
《私の創った、最強魔法!デッド・エンド―――》
そして、四つの閃光が全てを消し去る。
「「「《ブレイカァァァァァ!!!》」」」
尋常でない閃光と爆発音が発生する。
なんで俺が言わなかったのかというと、どんな魔法なのか知らなかったからだ。
ここで言う意味は無かったか?
視界が晴れると、ナハトヴァールのいたところにそれなりの大きさの黒い球体が浮かんでいた。
あれが闇の書の闇ってヤツか。
ペット勢+αが転移の準備を始める。
だが、転移をする瞬間に人影が転移をしようとした奴らを吹き飛ばした。
「主人公の俺が救わなきゃ意味がねぇんだよぉぉぉぉぉ!!!」
リインフォースに瞬殺されたはずの影薄男子の乱入。
ナハトヴァールが再生を始める。
これは、最悪の状況じゃないか?
「御影!!お前何してんだ!!」
「俺が主人公なんだぁ!!お前等じゃねぇんだよぉぉぉぉぉ!!!」
「この、バカヤロォォォォォ!!!」
劉が本気でキレてるな。
全員がナハトヴァールを何とかしようとするが、あの男が転移させない
ように全力で妨害している。
まあ、アイツ何がしたいのか意味わからんからな。
とにかく、どうにかしないとな。
《じゃあ、どうします?》
「そろそろ、自分の心剣使うかな」
《ではではサポートいたします!》
自分の胸元に手を当て、胸元から出て来た柄を握る。
引き抜いた剣は、シンプルで白と黒の透明な長剣。
「悪意無き童心ってなんだ?」
《マスターらしいってことですね!》
まあいい。
裂け目を創り、バカの真後ろに出る。
「ハハハ!!俺が主人公で俺が絶対なんだよぉぉぉぉぉ!!!」
「それは良かったな、てい」
「ぁ―――」
サクッとアホの背中から胸を貫いた。
その瞬間、心剣の力が発動する。
マヌケの身体からガクンッと力が抜け、落下していった。
皆呆然と俺のこと見てる。
シリアスは嫌いなんだわ。
《説明しましょう!マスターの心剣・悪意無き童心の力、それは!傷つけた相手にマスターが興味を持っていることを強制的に体験させる効果を持っているのです!マスターはどうやらパン作りがとても楽しいようでパン関係のことは全て体験する仕様です!簡単に説明するなら、今までのパン被害者さん達の苦痛と絶望を一瞬のうちに体験するというものです!ちなみに、傷は残りませんので精神ダメージのみです!》
『うわぁ……』
なんだその、えげつない事するなって感じの眼差しは。
ナハトヴァールのコアに肉付けが始まっているので、裂け目を利用してさっさとアースラの前に移動させる。
ちなみに、まだうまく力を使いこなせないので、なるべく近づかないと裂け目の利用ができないのだ。
しかも、あまり大きい裂け目を創ると余計なのが入ってしまうので、今までナハトヴァール相手に使っていなかった。
何故今言うのかというと、周りの奴等の視線が微妙に痛いからだ。
ちょっと気まずくて視線を合わせないようにしていると、エイミィから通信が来た。
「皆さん!ナハトヴァールの消滅を確認しました!」
喜ぶべき報告なのに、皆何とも言えない表情でこちらを見てくる。
「ふむ……俺、悪くないよね?」
《マスターは悪くないですよ~》
こうして、最後の最後であっけない終わり方をした、長い一日が終わった。
あとは、リインフォースだな。
皆が笑顔でいられる未来は夢物語か、悲しい運命は現実か……もうちょっと頑張りますか。
最後がなんでこうなったのか……
一応夜空君の心剣は、進化予定があるということだけ言っておこう。
あ、もう一個、次回でa´s編終了だと思います。
マテリアルズも一緒やっちゃうか、別枠で長めにやるか……
勢いで頑張ろう!
次回はもうちょっと早く投稿できるように頑張ります!