魔法少女リリカルなのは~心の剣と小さな奇跡~   作:ディアズ・R

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6月に更新したかったけど、無理でした。
というか、もう何が何だか。
頑張ったけど、最後とか今一な気がする。
つまりいつも通り!やっぱり知らない話を無理にやろうとしたのがいけないのか……まあいいか。
とりあえず、GOD編終了です。
感想・誤字報告、待ってます♪


第三十一話 家族×終結

昨日のことがあり、アースラに全員集合して皆でハムチーズサンドを食べている。

 

「もぐもごも」夜空

「ももごもごごも」リニス

「もごもごももも」ジェシー

「もぐもぐもも!」ロード

「も~ぐもも」ヴィヴィオ

「もぐもごももも」アインハルト

「もごも~」リリィ

「もも!ももぐもご!」アリシア

「ももぐも!ももも!」はやて

「主、頬についてますよ」リイン

「リリィ……」トーマ

「相変わらず普通のパンは普通に美味いな」シグナム

「それ以外が酷過ぎんだろ……なんだその赤いパン!?やめろ!?近づくな!!」ヴィータ

「……」クロノ

「……」ユーノ

「……」ザッフィー

「普通に会話してるの……」なのは

「いいな、姉さん……」フェイト

「ピチュる!このままじゃピチュる!」レヴィ

「レヴィ、食事中にゲームはしない」シュテル

「賑やかだね~」エイミィ

「あの、こんなのんびりしてる場合じゃ……」アミティエ

「夜空君達と一緒に行動するなら慣れないとダメよ~」リンディ

「なんだかんだで悪い結果にはならないから大丈夫よ~」プレシア

「夜空君はとっても頼りになりますからね~」シャマル

 

劉達三人は、どこかに行ってしまった幼馴染を探し中らしい。

幼馴染ってのも大変だな。

それはさておき、パッパと進めようぜ。

新作パンが思い浮かんだんだ、早く作りたい!

俺の推測を話し、アミティエの妹キリエを捕獲することになった。

最悪殺してでも……

 

「やめて!?妹だからね!?絶対ダメ!ダメだから!!」

 

殺すのは無しらしい。

別にいいけどな。

砂糖の入ったお茶を啜りながらどうやって誘き出すか考える。

 

「初めて飲んでくれた!」

『……うっ』

 

リンディさんはなんでそんな嬉しそうで、他の奴らはみんな気分悪そうなんだ?

たかが甘い茶だろ?

てか、今はそんなことどうでもいいんだ。

俺の糖尿病を心配する前に、マテリアル達が残る方法を考えないといけないんだから。

こいつら、かなり役に立つんだよ。

 

「で、姉のアミティエ……妹のキリエをどうやって誘い出す?」

「え?えっと、多分、ロードさんかリインフォースさんの魔力を感じたら来る、かな?」

「マスター、コイツ役に立たないっすよ!」

「しょうがないでしょ!?私はキリエを追いかけて来ただけなんだから!!」

「逆ギレプギャー」

「ムカツク!この!この!!」

「フッハッハ!無駄無駄無駄ァ!!」

 

ジェシーとアミティエが追いかけっこを始めたのを眺め、リインとロードに聞いてみる。

 

「かなり広範囲になると思うが、いけそうか?」

「……すまない、今の私では無理だ」

「出来ぬことはないが、力の都合上連続や継続は難しいぞ?」

 

なるほど……はてさてどうしたものか。

誰か意見ある人……はい、はやて。

 

「夜空のパンで探索する!」

「お前は俺のパンをなんだと思ってるんだ?」

「未知の物体?」

『確かに』

「よし、お前達には新作パンをやろう。安心してくれ、後遺症は残らないから♪」

『ごめんなさ―――』

 

ジェシー、レヴィ、シュテル、アミティエ以外全員が口を押えて悶える中、会議を続ける。

俺は悪くない、アイツ等が悪いんだ。

ジェシーも何か意見があるようだな。

 

「最近出番が無い御嬢様なアリサさんとすずかさんの金の力を!」

「そう言えば魔法について知ってるんだっけ?じゃあ、後で電話するか」

「あとは……まあ、マスターと私が本気を出して見つけるぐらいっすかね!」

「それは面倒だな、パスで」

「は~い」

『そこはやろうよ』

 

人間、一度本気を出すとそこが限界になってしまう。

俺はまだ、限界になりたくない!

平凡な俺は限界突破なんてできないのだよ。

そんなことを考えていたら、リニスが言った。

 

「結界張って待ってれば勝手に来るんじゃないですか?」

『それだ!!』

 

というわけで、キリエ捕獲作戦が開始した。

 

 

◇◇◇

 

 

次の日、捕獲した。

 

「……はれ?」

 

転移直後、我らがル・クール面子に捕まったキリエ。

さて、これからどうするよ?

 

「キリエ……」

「お姉ちゃん!?なんでここに!?」

 

ふむ……とりあえず、パンでも食わせるか。

OHANASIはそれからだ。

 

「……ごめん」

「何が!?ちょ!?そのウネウネしてるの持ってなんでこっち来るの!?やめて!!誰かぁぁぁぁぁ!!!」

 

 

~五分後~

 

 

「……」

「うぅ……不甲斐無いお姉ちゃんでごめんね、キリエ」

 

白目剥いてビクビクしてる娘っ子を手際良く縛り上げる。

目隠しもして、結界解除後に結界外で待機していたアリサとすずかのいる車へ。

運転手のアリサの執事さんは明らかな誘拐現場を見ても、我関せず。

多分、アリサにさえ被害が無ければ何も見なかったことにしてくれる。

それはまあ置いといて、全員一緒だと乗れないことはないが流石に車内が狭くなるので、なのは、フェイト、はやて、リイン、シュテル、レヴィ、ロードだけ車に乗る。

他は全員一度帰還し、リニスとジェシーは俺とセットだ。

じゃないとすぐに引き篭もろうとするからな。

 

「並ばれるとホントにそっくりね……」

「双子って言っても通用しそうだよね」

 

そんなこんなで、すずかの家が持っている港の倉庫へと誰にも見つからない様にキリエを運ぶ。

倉庫に入ったら、真上から強力なライトで照らして椅子に固定する。

転移してきたアミティエが、そんなことをしている俺達を見て引いていた。

他の面子は、何が起きてもすぐに対処できるように待機中だ。

 

「なんていうか、手慣れてない?」

『気のせい』

「そ、そうかな?」

 

ここまでの準備に24分か……あと1分ってところだな。

 

「……あと10秒」

「え?何のカウントダウンですか?」

「食わせたパンが爆発するかしないか、9」

「爆!?」

「8、7、6、5、4、3、2、1」

「キリエェェェェェェェェェェ!!!!!」

「0……チッ不発パンだったか。明日のパン生地作りの権利はお前のモノだ、シュテル」

「やりました」

「私の妹で遊ばないでくれますか!?」

『まあまあ』

 

そんなことがあって数分後、キリエを無理矢理起こして小麦粉を頭に振りかける。

 

「「……」」

 

フローリアン姉妹の視線が何とも言えないモノになってる。

俺なんか間違ったことしてる?

いや、材料を無駄にしてる気がするな。

 

「さて……キリエ・フローリアン、三回チャンスをやろう。質問だ……【砕け得ぬ闇】は何処に?」

「答える義理は無いわ」

「じゃあいいや。別の質問、お前がやりたいことは?」

「……」

「ふむ……やめる気は?」

「無いわ」

「そうかい」

 

キリエの頭から水を掛けて、片栗粉を振りかける。

 

『……』

 

なんだよお前等、その「え?何してるの?ていうか何がしたいの?」っていう目は。

良いじゃん適当で、もう面倒なんだよ。

しっかし、マジでどうするか……アリサとすずかの心器、いけるか?

いや、でもな~無理だったら嫌だな~

 

「成せばなる、成さねば成らぬ、ホトトギス、ですよマスター!」

「……なんか違くね?」

「覚えたての言葉を使うからそうなるんですよ~良いですか?今この場で言うべき最適な言葉は、【はい】か【いいえ】のみです!!」

「はぁ?どこのRPGですか?ゲーム脳過ぎるんですけどぉ~バッカじゃなかろうか」

「あ、今ケンカ売りましたよね?買いますよ?利子付けて買ってやりますよ?よろしい、ならば戦争です」

「この●●●●キャットが、調子に乗ってんじゃねぇですよ」

「はいぃ?何か言いましたか●●●●」

「●●●!!」

「●●●●●!!」

「「●●!!!!!」」

「……」

「「あべし!?」」

 

 

頭の上でうるさかったので、地面に叩き落した。

反省も後悔もしていない、むしろ良い仕事したと思ってる。

さて、出来ることをやってみようと思う。

てなわけで―――

 

「アリサ、すずか……二人の心、借りるぞ?」

「か、勝手にすればいいでしょ!?」

「不束者ですが、よろしくお願いします」

 

アリサとすずかに近づいて、胸元に手をかざす。

すずかの胸が大きくて触ってしまいそうだが、周囲のジト目が鬱陶しいので心器を抜けるギリギリの位置に手をかざしている。

出て来たモノを掴み、引き抜く。

 

「ふぁ、んん!!」

「ぁん……」

 

いつも思うんだが、なんでどいつもこいつも顔を赤くして声を出すんだろうか?

わからんな。

 

「んっん!!それがアンタの使う心器ってやつね……何で私の燃えてんのよ?」

「わ、私ってそんなに冷たいかな?」

 

とりあえず、手元の心器を確認。

アリサのは、右手に炎で出来た(・・・・・)槍【 心蝕の炎傷(レバンティン) 】。

すずかのは、左手に氷で出来た(・・・・・)弓【 氷月影弓(アルテミス) 】。

槍の力は心のみを傷付け変質させる力。

弓の力は放ったモノを貫かせる力。

まあ、つまりは弓で槍を放つべし。

 

「弓って初めて使うかもしれないから、外れたらごめんな」

「……ねぇ、それは何処にハズレたときのことを謝ってるのかな?ねぇ……無言で弓を構えるの止めてくれません!?ちょっと!?」

「ふむ……リニス、何か一言」

「覚悟は良いか?オレは出来てる!!」

「ワタシは出来てな───」

 

キリエの言葉を最後まで聞かず槍は放たれ、狙い違わず額に命中。

頭から炎の槍を生やして目を見開いているキリエ。

アミティエ以外はその光景からソッと視線を逸らす。

俺はアミティエにサムズアップ。

 

「キ、キ、キリエェェェェェ!!!」

「大丈夫、峰打ちだ」

「槍だよ!?突き刺さるどころか貫通してるよ!?」

「きっと大丈夫……たぶん」

「嘘だぁ!!!」

 

そんな会話をしていたら、突き刺さった炎の槍がキリエの中へと入って行くように縮んで消える。

焦点の合っていなかったキリエの瞳が意志を取り戻す。

 

「あれ?私は……」

「キリエ!?よ、よかった~頭大丈夫?痛くない?」

 

アミティエがキリエの額をペタペタ触ると、キリエが真っ赤になって怒り出す。

 

「い、いきなり触らないでよ!?それに近いわよ!」

「へ?」

「ア、アミタに心配されるようなことなんてなにもないんだからね!!」

「えっと、夜空、さん?」

 

俺の口から言うべき何だろうか?

ジェシー、頼んだ。

 

「ぶっちゃけますと、あの槍で攻撃された人はツンデレになります!」

『あ~』

「ちょ、ちょっとなによそれ!?それ私がツンデレって言いたいの!?冗談じゃないわよ!!アンタ達も納得するな!!」

 

と言うことだ。

てなわけで、アミティエに言うことを耳打ちする。

キリエに睨まれてるが気にしない。

 

「あ、その、キリエに 【砕け得ぬ闇】をどうにかするのを手伝ってほしいな~ 」

「何で私がそんなことしなきゃいけないんですか~?」

「そ、そうだよね……」

「で、でもまあ、アミタがどうしてもって言うなら、協力しても良いけど」

「ホントに!?」

「し、しょうがなくよ!?今回だけなんだからね!?」

「うん!それでも嬉しいよ♪」

「フンッ」

 

これがツンデレか。

リニスが言うには好感度高め型ツンデレらしいが。

暴力系ツンデレとか低デレツンデレなんて言うのもあるらしい。

奥が深いな、ツンデレ!

 

「納得行かないわ!!私はツンデレじゃない!!!」

 

 

◇◇◇

 

 

アースラに転移し何時ものメンバーと合流後、異常に協力的なキリエからの情報提供によると、紫天の書に直接干渉すれば【砕け得ぬ闇】 が出てくるらしく、永遠結晶【エグザミア】を手に入れて未来の自分達の住む星をどうにかしようとしていたらしい。

アミティエはそれを聞いて怒り出した。

あ、アリサとすずかは帰ったよ。

 

「それって、マテリアルさん達の知り合いを殺すかもしれないってことだよね?そんなの絶対ダメ!!そんな酷いことして星が助かっても、誰も喜ばないよ!!」

「じゃあ、じゃあどうすればいいの!?このまま私達の星が死滅するのを待てって言うの!?」

「そうじゃないよ!みんなで頑張って、みんなでどうにかして、みんなで笑える未来にしないと意味なんかないんだよ!博士だってそう言う!!KKG!気合いと根性で頑張ろう!!」

「アミタはいっつもそう!!気合いと根性で何とかしようとして、それじゃどうにも出来ないから、これ以外に道なんかないのよ!!何もしないで博士が、博士達がいなくなるぐらいなら!!」

 

姉妹喧嘩か……フェイトとアリシアを見る。

プレシアがフェイト、レヴィ、アリシアを並べて写真を撮ってた。

 

「ハァ!ハァ!良い!良いわ!!最高よ三人とも!!このカメラを昨日買っておいて正解だったわ!!」

「母さんが、リニスみたいになってる……」

「うにゃ~!ヒ~マ~!!」

「ポーズはこんな感じかな♪」

 

……喧嘩はなさそうだな。

他の奴等も話してて収拾がつかなくなってきた。

どうするか……よし、ジェシーに任せよう。

 

「マジですか!?面倒事を押し付けられてる気がします!」

「マジだ。面倒事を押し付けてる……行け!ジェシー!」

「私はあんなボールに収まるような存在じゃないもん!!」

 

ニ○生が終わったのか、俺の両肩に転移してきたリニスとジェシー。

文句を言いながらもフワ~っと飛んでいくジェシー。

良い相棒を持ったぜ。

 

「全員注目!とりあえずシステムU-Dを出そう!」

『あ……』

 

全員忘れてたんだな。

まだ会ったことないが、不憫な子だな。

そんなこんなで、管理外の無人世界にやってきました。

ロードとキリエが何やら頑張っている。

他は出てきたのが敵対的だった時の為に、最高威力の魔法準備待機中だ。

最近は準備時間無しで即ボス戦って感じだったから、凄い新鮮だ。

 

「準備完了だ!」

「それじゃあ、システムU-Dを起動するわよ」

 

それを聞いて俺も準備をして待つ。

 

「起動システム正常、リンクユニットフル稼働」

「さぁ!蘇るがいい【砕け得ぬ闇】よ!!」

 

二人の前に黒い球体が現れ、徐々に光り輝いていく。

光が限界まで強まった時、声が聞こえた。

 

「ユニット起動……無限連関機構動作開始。システム【アンブレイカブル・ダーク】正常作動」

 

金髪の幼女が現れた……他にどう言えと?

 

「視界内に夜天の書を確認……防衛プログラム破損、保有者認証、困難……」

 

……なんかヤバそうじゃない?

近づいてみるのがよさそうだな。

ハンドサインで少し待機を指示し、はやてと一緒に幼女に近寄ってみる。

 

「えっと、こんにちは、現在の夜天の書の主八神はやてです」

「パン職人の水無月夜空だ」

「こういう時でもそれなんやな……う~ん、砕け得ぬ闇だから、ヤミちゃんでえぇかな?」

「安直な」

「他にあるか?」

「……ダメです、私は……」

≪主!夜空!その者から離れろ!!≫

 

はやてとユニゾンしているリインの声に何とか反応でき、はやてを皆の方へ投げ飛ばす。

次の瞬間、赤い翼のようなモノが幼女の背中から生え、俺を貫いた。

 

《だがしか~し!私がいるのにその程度の攻撃が効くわけがないのです!!》

 

ジェシーの声と共に、貫かれた俺が掻き消える。

幼女の背後に俺が現れ、幼女の背中に手を触れる。

 

「バインド」

 

掌を中心に、幼女の身体を結晶が覆い拘束する。

自分の背後の空間に亀裂を創って入る。

俺がいなくなった瞬間、全員の最大威力の魔法が幼女を襲う。

俺は亀裂から出て、はやての隣に移動する。

 

「ヤミちゃん、夜空並の魔力やったな~セットアップ前のやけど」

「寝起きだからか、かなり遅い動きだったが……敵って感じはしなかったな」

「あ、夜空も?私もそんな感じしたわ」

≪主、夜空、まだ終わってませんよ≫

「「知ってる」」

≪……≫

《あらリインさんったら恥ずかしい、プ~クスクス》

≪……≫

 

リインが拗ねたがそれは置いといて、あの幼女はどう動くか。

月サイズの星が半壊するレベルの攻撃の煙が晴れ、幼女が姿を現す。

服が白から赤になり、顔に赤い傷の様な刺青が現れていた。

 

「損傷率53%……同等の攻撃を受けると危険と判断……」

 

あれだけ食らって半分か、やるな。

一応、闇の書の闇をアルカンシェル抜きで倒せる威力だったのに。

シュテル、レヴィ、ロードが幼女に近づく。

 

「シュテル……レヴィ……ディアーチェ……」

「もう、やめましょう。私達は、貴女を救いに来ました」

「ボクはよくわかんないけど、君を一人にしちゃダメな気がするんだ」

「フン……戻ってこい」

「ダメです……私は……」

「お前の言う事など知らん!我は王でシュテルとレヴィは我が臣下!お前は我等の仲間!それだけでよい!」

「……違う……私は……私は―――」

 

赤黒い翼が悪魔の腕の様になり三人を襲う瞬間、俺が幼女の身体を蹴り飛ばす。

 

「「「なっ!?」」」

「ウジウジウジウジと鬱陶しいんだよ」

「ぅ、あ、あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!」

 

魔力弾が放たれるが、白の翼で薙ぎ払う。

こいつの生きることを諦めた態度が気に入らない。

それは、闇の書だった頃のリインフォースと同じだからだ。

なにも傷付けたくない、だけど自分にはどうしようもない、だから何もかもを諦める。

 

「ここで消えてしまう方が……痛みも苦しみも、きっと少ない」

 

翼の一部が剣となり襲いかかるが、黒の翼で打ち払う。

今のリインフォースもそうだ、だからこいつにムカついている。

何故助けを求めない?

何故足掻こうとしない?

何故諦められる?

今回のことが終わったら、リインフォースは消えるつもりだろう。

 

「私を消し去ることなどできない……悲しい事だ……とても、とても」

 

剣が消え鎌となって斬りかかってくるが、白と黒の翼で受け止める。

だが、それで何になる?

自分の意志ではないとしても、今までしてきたことを自身の命で償おうとでもいうのか?

バカバカしい……死んだ奴が、何かを出来るわけがない。

本当に償いたいなら、何をしてでも生きなければ意味が無い。

リインフォースも、こいつも、それがわかってない。

傷付けたくないから遠ざけて……

失いたくないから閉じこもって……

見捨てられたくないから何も望まない……

 

「そんなお前に……」

「沈む事なき黒い太陽……影落とす月……ゆえに、決して砕かれぬ闇……だから、私は!!」

「心はあるのか!!」

 

お互いの胸元に手を入れ、俺はそれを―――ただ一本の剣を抜き出す。

同時にそいつが抜き出したのは、翼と同じ赤黒い巨大な剣。

お互いに距離をとり、そいつはその剣を魔力と共に飛ばしてくる。

 

「エンシェントマトリクス!!」

無限剣(エグザミア)

 

放たれた不可視の斬撃が、投げられた剣を透過してそいつに当たる。

そして、投げられた剣を翼で防御しようとしたが、すり抜けるかのように剣が俺の体へと突き刺さる。

瞬間、俺に刺さった剣が爆発。

 

『夜空(君、さん)!?』

 

爆発が終わり、血塗れの状態の俺は浮かび、傷の無いそいつは地面へと落ちる。

外傷は酷いが、内傷は何時の間にか足に引っ付いている存在を忘れかけていた玄ちゃんが保護してくれたらしくギリギリ平気だ。

 

「ぐっ、あ、うあぁぁぁ!!」

「……心、いや、リンカ―コアを武器にする魔法か……使うのは相手のリンカ―コア、つまり魔力……だから、同じ魔力はすり抜ける、か……だがな、それだけじゃ、戦いっていうのは勝てないんだよ」

 

俺は地面に下り、手に持った剣を前に突き出す。

 

「お前の心は、孤独だ……確かに強い力を持ってる、だけどそれだけだ……だから、お前が一人でどうにかしようとしても、無駄なんだよ……」

 

手の剣が消え、俺も立ち続けるのが限界になって膝を折る。

ジェシーがセットアップを解除し、人状態で支える。

 

「シュテル、レヴィ、ロード……あとは、任せる……」

「はい」

「任せて!」

「当然だ!」

 

その返事を聞いて、俺は意識を落とした。

 

 

◇◇◇

 

 

目を覚ますと久遠が俺の上にいた。

 

「くぅ!おはよう、夜空」

「ん……おはよう、久遠」

 

身体を起こして、周囲を見渡す。

どうやら自分の部屋にいるらしい。

久遠を頭の上に乗せ、調理場に移動する。

そこでは、シュテルとロードが砕け得ぬ闇に、ヴィヴィオとアインハルトがアミティエとキリエにパン作りを教えていた。

 

「……何やってんだ?」

『ッ!?』

 

ギギギとゆっくりこちらを向く奴等。

最初に動いたのは、シュテル。

 

「貴方は、自分がどれほど危険な状態だったのかわかって動いているのですか!?」

 

私怒ってますと顔に出しながら、詰め寄ってくる。

危険な状態はこれまでも結構あったしな。

生きてるんだから大丈夫だろ。

 

「貴方という人は……フゥ~まあいいです。ナノハ達に怒られればいいんです」

「そうするよ。で、其処の三人、何故家にいる?」

 

ビクッとする御三方。

砕け得ぬ闇はロードの後ろに隠れてるし、フローリアン姉妹は手を上げて降参のポーズ。

なんだその態度は。

 

「夜空よ、この者はシステムU-Dことユーリ・エーベルヴァインであり、我等マテリアルズの主にして盟主、紫天の主ぞ」

「……よ、よろしくお願いします」

「あぁ、よろしく……なんでそんなにビビってる?」

「あぅ……怒られました」

 

叱られたことないのか?

そうだ、リインにもやっておかないとな。

ボコボコにしてでもはやての所に留めないとな。

 

「そこの姉妹は?」

「いや~このまま未来に帰っても良いんだけど、環境破壊現象の【死蝕】の解決方法が無いから途方に暮れてるんだよね~永遠結晶【エグザミア】を持ってるユーリちゃんは王様と離れたくないみたいだし、王様は夜空と一緒にいるって言うしで、ど~しようって感じ」

「我はそんなこと言っておらんぞ!」

「私は気合いと根性で何とかしようって言ってるんだけど、聞いてくれなくて……いろいろな人に聞いてみたんだけど、夜空さんなら何とかできるかもしれないって聞いて、起きるまで待ってたんです」

「なるほど……ジェシーでも連れてくか?」

「マスターそれは酷いっす!」

 

いや、だってな……こいつなら時間ぐらい余裕で跳んできそうなんだもの。

最悪フローリアン姉妹に転送してもらえばいいだろ。

無理そうなら、自力で時間跳躍位できるようになって来い。

 

「じゃあ借りてきま~す♪」

「ドナドナド~ナ~マスターに売られた~」

「あと、記憶の処理をさせてもらっても良いですか?」

「記憶の処理?」

「はい。未来から来た私達のことを未来ではなく管理外世界から来た、という風にさせてもらいます。他の人達にはすでに処理済ですので、あとはここにいる人達だけです」

「わかった」

「……決断早すぎません?楽でいいですけど」

「そう言えば、お前等以外の未来組はどうすんの?」

「あ、それでしたら私達が責任を持って元の時代に帰します」

 

ならよし。

あ、そう言えば聞きたいことがあったんだった。

 

「二人はどこから来たんだっけ?」

「えっと、【ミッドチルダ】とは別の次元世界の【エルトリア】という星ですけど、それがどうしたんですか?」

「いや、特に理由は無い」

「そうですか?」

 

【エルトリア】ね、憶えとこ。

特に何かするとかは考えてないけど、そのうち何かしよう。

まあ、別の次元世界なんてジェシーがいないとどうしようもないけどな。

 

「未来組が帰るのは明日か?」

「いえ、三日後ですね」

 

三日後か。

ならしばらくは全員働いてもらうか。

手を叩いて全員の注目を集める。

店にパンを並べていた奴等も呼び寄せる。

 

「未来組がいなくなるまでの三日間、フェアをするからしっかり働け」

『了解!』

「それじゃ一時間、フェアの準備をしてからル・クール開店だ」

 

若干身体が痛いが、今日も一日頑張るか。

ちなみに、フェアをやると知り合い全員に連絡したら、開店30分前に集合した。

そのことが嬉しかったのは、俺だけの秘密である。




アリサとすずかの心器はネタかガチかで、ネタを取ってしまいました。
後日談的なのやるかどうか迷い中。
何か、こんな感じにしたら良くなるって言うのがあったら感想ください。

では、また次回。
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