ニジイロ方程式  ―スキマに仕えた九尾のお話   作:花市 匁

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この度はこの小説に少しでも興味を持って下さり、ありがとうございます。

この小説は東方project様の二次創作です。
原作と異なる所が多々ありますので、あらかじめご了承ください。

題名からもわかる通り、今回のは紫が書いた日記、ということになっております。恐らく前回をお読み頂かないとご理解しち難しい点があると存じます。

厚かましいとは思いますがぜひ、前話をお読みいただくことを勧めます。



まだまだ至らぬ文章ですが、すこしでもお楽しみいただけたら幸いです。




(……道路標識を見るとゆかりんが現れそうな気がして、つい異次元空間を探したくなるのは私だけじゃないよね)



エピローグ 「紫の日記」

「紫の日記」

 

 

 

 

 

十月二十六日 〔月齢十三 中潮〕     天気(晴れのち曇り)

 

 

 

 

 

 

 

今日は少し特別なことを書きたくなった。

 

 

 

 

 

 

 

 

私と藍が出会ってから長い月日が経ち、幻想郷なるものが生まれた。

 

文明の発展とともに妖怪などは迷信のようなものとされ、しだいに忘れられていった。

人の欲は計り知れない。文明の発達は人間という生き物には付き物だ。しかし、このままだと妖怪自身の存在が危ない。人の心から怪異を恐れる心がなくなれば、妖怪の存在意義はどうなってしまうのか。

 

そんなわけで私、八雲紫(やくもゆかり)は幻想となったモノの行き着く場、それでいてそれらのをつくったのだ。

 

そしていま、私の式神、玉藻(たまも)もとい八雲藍(やくもらん)は自分の式である橙を撫でているところだ。

藍のひざの上ですやすやと眠る猫。と、いうその絵面を私は前に見たことがある気がする。

 

この地に合わせて言うのなら既視感、というやつだろう。この境界をへだてた向こうにある、コンクリートと三原色の世界では俗に「デジャヴ」というのだが。

 

で、目の前の狐は(ちぇん)を撫でながら何か考えごとをしているようだ。こんどは地獄の釜が煮えたたせるために必要な熱量でも計算するつもりなのだろうか。

まあ、主の私には大体想像がつく。

 

「ちょっと、藍。ぼーとしちゃって。もしかしてアレ?昔のことでも思い出していた?」

 

いきなりの声に藍はビクゥ!と、驚いた。大きな尻尾が逆立つ。

 

「ゆゆゆ紫さまぁ!?ななな何で私の考えていることがわかったのですか!?」

 

「ふふ、そりゃあ式のことだもん。いやあ、あのころの藍はホンとに『従順』って言葉の化身みたいだったわねえ」

 

「いや、今でも私は超真面目ですよ?はは、ははは」

 

私から不自然に視線をそらす藍の琥珀色の瞳。最近藍が外の世界の影響されてきている。とは言っても「超」は最近聞かなくなった。「激」とか「めっちゃ」があちらでは流行のようだ。

 

「ふうん、まあいいわ。ところで橙は何で寝ているの?」

 

「いやあ、なんか話が難しかったようで………話し始めてからすぐ夢の世界へ出かけちゃいました……ま、私はそれで良かったですけどね」

 

「まだまだ橙も子供ねえ、そうだ!そんな子猫にいい言葉をプレゼントしてあげる」

 

そのまま私は橙の耳元にささやいた。

 

「少年追い易く胸なり難し、一寸の光陰も軽んずべから………」

 

「ちょちょちょ紫さまぁ!?年増様!!橙に何教えているんですか!今「胸」っていいましたよね?不健全なモノを教え込まないでください!」

 

まさかここまで言われるとは。ところどころ「年増」だとかという言葉が聞こえたのは気のせいだろう。畜生め。

 

私はよく命令に従わないのを叱る。けれども本当にそうは思っていない。主である私に疑問を持ち、反発する、今私が式神に求めていることだ。主が私だしバグで従わなくなることはまず無い。方程式を超えた式を自らの手で作り上げてほしい。まあ要するに「指示待ち式神」はやめろということだ。プラスαを試行錯誤して提案してほしい。ただし「ババア」と言うのはそれにはあてはまらない。

 

 

「はあ………なにやっているんですかもう、って橙、おお、おはよう!」

 

「ふ、ふあああ、ら、藍しゃま、……あれっ、もしかして私寝ちゃってましたか!?」

 

「いやあ、それはもう可愛い寝顔だったぞ!」

 

せっかく話してくださったのにごめんなさい、と落ち込む橙を、でれえ、とした顔でなぐさめる藍。

 

二匹の獣は今日も楽しそうだ。住処は異なるが同じ畜生、どこかで繋がる何かがあるのかもしれない。

 

今日はそんなところで筆をおこうと思う。

しかし、昔にくらべて私の書く文も程度がずいぶん低くなったと思う。というより軽くなった。それほど今が平和であるからだろう。

スペルカードというこの戦い方、これほどすばらしいものは他になかろう。あちらの世界で繰り広げられている利益と鋼と血の戦いよりもずっと。

 

話しは変わるがこの家の前庭の奥らへんには、小さな墓がある。ミカンの木の下にある「」の墓だ。

 

墓といえば外の世界では、墓場が不足していると聞いた。最近幻想郷に無縁仏が流れ出こんでくるのはそのせいか。あそこの経済は金で成り立っているのだからから仕方ないことか。

 

しかし、藍が物思いにふけているのを私ははじめて見た。いいことだ。昔を忘れないでほしい。これからも続くであろう幻想郷での記憶で、今に至るまでの過去を失わないでほしい。昔を偲んでからこそ発見があり、感動があり、楽しみがあり、成長がある。特に永くを生きる妖怪は。

 

……いつか私の式の式、橙の話にも触れようと思う。彼女に「八雲」の姓を与えるのはまだ先のことだが。

 

この日記、外の世界で本として売れば、印税生活ができるのかもしれない。

どのみち私は幻想郷で生きるから、興味はほとんど無いが。

 

でも、あちらの方で秋原葉なるところに行くと、やたら男性から声をかけられる。外界で私は超美人枠なのかもと思うと悪い気はしない。うーん、なにかを間違ってる気がする。もしかして秋葉原だっけ?どうでもいいけど。

 

 

 

それはさておき、私と藍が出会ったとき、すなわちはるか昔に九尾の狐が私の式になったころ、私は一句詠んだ気がする。

たしか、

 

―麦秋や 金の麦穂を みにまとふ 九尾の狐は 式にてわが子

 

だった気がする。うむ、我ながら今じゃこんなこと言わないわね。よく言えもんだ。

 

うふふ、「式にてわが子」あのころの私は母親気取りだったのだろうか。訂正しよう。あくまで主と式の関係だ。けど、一概にそうとは言い切れない……もっと、こう……なんというか他の式とちがって藍は特別な何かなのだ。

金の麦穂は我ながらあれの特徴をとらえられているな。あのしっぽ、冬はよくても夏は、あの陽だまりの香りともふもふは見ているだけでアイスクリームが食べたくなる。幻想郷ではかき氷か。

 

まあ、いつかこの駄作が幻想郷なんとか~ってかんじで載るかもしれない。練習として専門家っぽく真面目に解説してみよう。

 

―君とあってから月日はすぎて、初夏になった。麦の色は金色にかがやき、まるでそれを身にまとったような九尾の狐の君は私の式神だ。それでいてわが子のよう、母として、師として私もしっかりしなくては。

 

………穴があったら入りたい。そして私の腹筋が壊れてしまう。なんだこれは。駄作でケッサクだ。でも、これから先の藍の成長を願ってこれくらいの愛情はある。しかし、母親なんて甘ったるいもんじゃなく主として師として、藍を影から見守っていきたい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

それでは、もう手が疲れてきたし、本当に終わりにしよう。

 

しかし、最初はせめて随筆のでもなると思っていたのに、おどろくおどめちゃくちゃでさっぱりわからない文になった。日記は書き流すものだから当たり前か。「特別なことry」は無かったことに。ふふっ。「ry」使ってみたけどカッコいい。

 

 

 

 

 

ではでは、この日記がいつか見つかってしまうことを願って。

 

 

 

 

 

そして、この幸せがいつまでも、幻想郷で続くことを願って。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

                                           





この作品に最後までお付き合いいただき、ありがとうございます。
お楽しみいただければ嬉しいです。


ああ、やっと完結した………のかな?

まあ、玉藻さんこと藍さまの件はこれで終わりでいっか。
やはり、八雲家は良いですね……。大妖怪に、最強の式神、癒し系の化け猫、三人の同居が公式になってほしいです。

遅まきになるとは思いますが、橙のストーリもいずれ上げます。

やっぱ、藍さまが一番!そして橙がうらやましいです!

そして、朱熹さん、本当にごめんなさい。自分の詩をあんなふうにされたらいやですよね。でも橙は可能性は大きいだろうなあ……藍と紫がまあ、つまりはその、いろいろすごいもん。


それでは、拙い文章にここまでお付き合いくださった皆様に、あらためて感謝もうしあげます。


ご評価、ご感想のほど、いただけたら嬉しいです。


どうか、よろしくおねがいいたします。
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