白猫と怪盗   作:un

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四話 花の乙女と温泉郷 1

 

 「てぁ、はぁ!!」

 

 雪が積もる庭にて、一人の侍が刀を振るい薪を割っていた。刀の達人である男がどんどん薪を切りやがて山のように大量に薪が積まれていく。

 

 「おぉ、五右衛門!! ここにいたか!!」

 「むぅ? アキヒコか」

 

 このアオイの島で生まれ育った少年アキヒコが五右衛門に近づき山のように積まれた薪を見て驚く。

 

 「すげぇ!! これ一人でやったのか?」

 

 五右衛門は黙って頷く。と、また一人。今度は簪をつけた少女が姿を表した。

 

 「おぉ!! 五右衛門はん、清がでますな!! これだけ薪があれば、温泉や暖で皆助かります」

 

 「いえ、拙者はセオリどのや長老どのに世話になった身。恩を返さねばならぬので...」

 

 セオリと呼ばれた少女は「関心やな~~」と言い、五右衛門は刀を。愛刀の斬鉄剣を腰に携え、山のように詰んだ薪を運んでいく。

 

 「そういえば五右衛門はんが来てもう一週間ぐらいか...」

 

 「あぁ、そういえば...いろいろ大変だったからね...」

 

 セオリとアキヒコは、二人して言い。今から少し前のことを思い出すーー

 

 

 

 「...むぅ、ここはどこだ?」

 

 白猫の涙から出た光に包まれて五右衛門は雪が積もる平地にいた。傍にいたはずのルパンや次元の姿がなくあたりを見渡すと、遠いところに村らしくものが見え五右衛門はそっちの方に足を運ぶ。

 

 「へっくしゅん!!」

 

 時折寒さでくしゃみをしながら、寒い中やっと辿りつくと。そこは和風の家や店があった。道を通る人間も五右衛門と同じような和服を着ており昔の日本のような風景に足を止めていると

 

 「ちょっと、あんた!! 邪魔よ!!」

 「む? これは、すまない」

 

 背後から声をかけられ、振り向くとシスターのような少女がチラシらしき物を持っていた。

 

 「つかぬことを聞くが、ここはどこだかわかるか?」

 「はぁ? ここはアオイの国よ」

 「アオイの国...聞いたことはないでござるな...ヘックシュ!! ...すまない、休める場所はないか?」

 

 シスターの少女から宿の場所を聞き、五右衛門は礼を言って道を進み。やがて温泉宿に辿りつき部屋を一つ借りる。

 

 「...まったく、摩訶不思議なことだ...」

 

 暖を前に五右衛門は考えこみ、これから先どうするか、そしてどうやって仲間達と合流するか考えるが答えがでず仕方なく温泉に行くことにした。

 脱衣所で着物を脱ぎ、持ち物をカゴに入れいざ入ろうとした時、ふと何かの気配を感じそっと風呂を覗くと。

 

 「ふふ~~ふん!! 一番風呂はぁ~~俺の物!!」

 

 顔に歌舞伎役者のようなメイクをし、半裸の男が湯船にご機嫌そうに入っていた。単なる客だと思えば無視はできそうだが、しかしその男が入っている風呂が何故か徐々に濁ってしまっていた。

 

 「ん!! なんだ貴様は!? 残念だが、ここの風呂に一番はこの俺様がもらった!! ふははは!!」

 「な、何者だ、貴様!?」

 「俺様は...」

 

 奇妙な男は風呂から出て、茹でて赤くなった体を見せびらかせて

 

 「俺様の名は、温泉怪盗ゴエモン!! 全ての一番風呂は俺様の物だ!!」

 「温泉、怪盗だと?」

 

 自分と同じような名前、そして同じ怪盗と聞き顔を歪ませる五右衛門。そして、自称温泉怪盗は高笑いをしてどこかに消えてしまう。

 

 「...これでは入れぬな」

 

 濁ってしまった温泉を見て服を着る。せっかくの温泉が台無しだと思いながら脱衣所を出ようとすると

 

 「ちょっとはいるで!!」

 

 簪をつけた少女が慌てた様子で、しかも男湯に入りこみ少女が濁ってしまった湯を見て

 

 「あぁぁ!! またや!! また出てもうた!!」

 

 と、声を荒げ。次の瞬間男湯に突然雷が降るのであったーー

 

 

 

  

 

 

 

 

 

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