ーキリトsideー
俺は今、リエに誘われ狩りに来ていたのだが…
誘った本人が、一時的ではあるが消えた。
まぁ、そこは良いとして…
何故か投擲スキルに新しいスキルが出現していた。
見たことも聞いたこともないスキルなので使ってない。
出現方法が示されていない…だからユニークスキルでは、
と疑いはしたがユニークスキル自体が珍しいのに
一人に二つ…というのは不自然だ。
アスナ達に言おうと思っても確信が無いから言えない。
そういえばリエはスキルに異変がある…とか言って消えた。
もしかするとリエも俺と同じ状況なのかもしれない。
俺はダッシュでリエの消えた方向ーリエのホームへと向かう。
「リエ…ちょっと良いか…??」
「えぇ。良いわよ。開けれるから入って。」
そう言われ部屋に入る。
リエは今まで持っていただろう武器を…いや、<エリュシオン>をしまった。
「リエ…相談があるんだが…」
「相談って??」
「実は…俺のスキルの中にこんなのが…」
そう言って俺はウィンドウに《射撃》を表示させ、
リエに見せた。
「え…《射撃》…!?
どうしてキリトが…??いや、それはどうでもいい。
キリトにも二つ目のユニークスキルが出現したんだ…」
「も??お前もなのか??」
「えぇ。
両手斧の…《残影斧》が出てきた。
つくづく、趣味の悪いものばかりだわ…」
リエは暗黒に残影で暗いものが揃っていた。
俺は何か意外な…いや、俺がひたすら上げてきたものだった。
「リエはβの時は斧だったもんな。
まぁ、馴染みがあるんじゃないか??」
「もちろん…斧には文句無いわよ…
どうして私にはこんな悪趣味なネーミングなの!?」
「それは…分からない。というかフォロー出来ない。」
「はぁ…相変わらず素直ね…
隠し事しているこっちとてもつらいわ…」
「隠し事??何を隠してるんだ??」
それを問うとリエは俯くきながらこたえる。
「…それは言えない。あなた達に支障をもたらすから。」
「なら、アオイにも言ってないんだな。」
「もちろん…アオイ君は一番信頼している。
だからこそ言えないの。こんなこと…」
そうか…リエは自身の隠し事が皆に影響があるから隠してるんだ。そうじゃなかったらリエが言わないはずがない。
「わかった。辛い思いをさせたな。今度、奢るよ。」
「奢るのはいらない…けど、1つだけお願いさせて」
「あぁ。いいぞ」
リエが奢るぞって言ってこんな反応をとるとは思わなかった。というかお願いってなんだ??
「明日…一緒に狩りに行こう??」
「えーっと、それは…二人で??」
「うん。この《残影斧》、他の人に見せたくない。」
「わかった。じゃあ、51層の転移門前で。
この後はどうする??」
「皆と合流する。二人でいるとあの二人に誤解されそう」
キリトはリエに言われたことを想像する…
が、怖くて途中で終了する。
「じゃあ、バラバラに行くか。」
「お先にどうぞ」
「じゃあお言葉に甘えて。じゃあまた後で」
「うん。」
ー翌日ー
リエが、時間に厳しいあのリエが遅れるなんてあり得ない。
何かがあったか!?いや、リエの強さを俺は知っている。
負けるはずがないのだが…
キリトがここまで考えると、転移門から人が勢いよく出てきた。
「リエ‼遅かっ…」「しっ‼」
リエはキリトの背後に隠れた。
キリトは訳もわからず、転移門の方を眺めていた。
すると見慣れた服装の男が一人、こっちに来た。
「リエさん…お逃げにならずとも…」
「いやっ‼こないで‼」
「おい、クラディール、嫌がっている。やめてやれ」
見慣れた服装の男は結盟騎士団のクラディールだった。
何が目的でリエを追いかけてきたのは知らないが、
邪魔させてもらおう、と心の中で言うと
「貴様、退けっ
私はリエさんに用があるのだ‼」
「クラディール、リエはうちのギルドの者だ。
誰であろうと団長である俺を通してもらう。
用とはなんだ??クラディール。」
「くっ‼
俺は、リエさんを結盟騎士団にスカウトしに来たんだよ」
「だからさっきから言ってるじゃない‼
私は黒龍閃騎士団の副団長だから、
何があろうとも結盟騎士団には関わらないと‼」
どうやらクラディールはリエを結盟騎士団にいれようと追いかけてきたらしい。だが…
「おい、クラディール。どこから追いかけてきたんだ??」
「キリト…家の前に、朝からいたの‼
もう、アオイ君に斬ってもらおうかと思ったわ‼」
「はぁ…なぁリエ。俺が斬ってもいいか??」
「え、えぇ。でも良いの??」
「あぁ。家の前に居るってことは…
怒るだろ!?誰でも‼ヒースクリフには話つけてくれるか??」
「もちろん‼やっちゃって‼キリト」
「貴様はセコいビーター。
貴様ごときに負ける鍛え方はしていない‼
後悔させてやる‼」
「あんたね‼
さっきから言わせてみれば‼
キリトはこんななりだけど黒龍閃騎士団の団長なのよ!?
それを承知でしているなら、
レッドになってでも貴方のことkillするわ」
キリトは背中にかけていた<エリュシデータ>を取り出した。
ー黒龍閃騎士団のキリトと結盟騎士団のヤツがデュエルだってよ‼
ー黒の剣士、がんばれー‼
「キリト、コソコソ」
「あぁ。わかった。その手で行こう。」
キリトは上位スキル<ホリゾンタルスクエア>のモーションに入った。クラディールが発動するスキルに合わせてキリトは剣を振る。すると、クラディールの剣は折れ、青いポリゴンと化していた。武器破壊だ。
「剣を替えても良いけど…もういいよな」
キリトがそう言い捨てるとクラディールは、ウィンドウから剣を取り出しキリトを襲う、がー
ーキン
クラディールの剣が空中を舞う。
「もう負けを認めなさい。
攻略組の最高指揮官として命じます。帰りなさい」
「くっ‼覚えてろよ‼」
クラディールは転移をして消える。
「じゃあ、行くか。」
「うん。行きましょ。
じゃないと日が暮れちゃう」
俺たちは塔の中に入り、狩る準備をしていた。
「スキル、セットできた??」
「あぁ。もう狩れるぞ。」
ーside outー
ーリエsideー
「レッツゴー‼」
私は斧を振り回してmobを蹴散らしていた。
後ろではサポートで投擲をしまくるキリトがいた。
キリトは策敵スキルをかなりあげているはずだから
後ろからの敵2体に気付いてるはず。
投擲で倒すなら先に投げる方が早いのにまだ投げていない。
ということは何か秘策があるのかな。
この前から何かを隠してる気はしてたから知りたい。
わざと放っておくか。
「キリト、一体蹴散らすね‼」
「あぁ。こっちは大丈夫だ」
キリトは後ろを向き投擲を止め、《水月》を発動。
「…やっぱりエクストラスキル隠してた。
私の予想通りだった。何で隠してたの??」
「それは…この《体術》を取るには結構過酷な道のりでして…オススメしませんよ??」
「そんなの過酷な道のりじゃなきゃエクストラスキルじゃないじゃない」
「そうか…なら教える。
《体術》は2層の圏外のおじいさんから習得するんだ
これ以上はアルゴに聞いてくれ」
「わかった。アルゴに聞けば良いのね。」
ー数時間後ー
「ここら辺で終わりにしましょうか」
「あぁ。練度も400を越えたし、満足だ。」
「じゃあまた今度ね」
お互い練度に満足し、ホームに帰る。
その道中にリエはアルゴにメールを送る。
『明日のお昼ごろ会えるかしら??』
そう送り、20層に転移したときにメールが届いた。
『あぁ。良いゾ。では明日のお昼にカフェでナ』
ー翌日のカフェー
「あ、アルゴー‼」
「ヨッ‼姫さん」
アルゴが私のことを姫と呼んだ。
「アルゴ‼ここはSAOの中なのよ!?
リアルでの…ううん。姫はやめてって言ったでしょ!?」
「ごめんごめん。許してヨ。
それよりも今日はどんな情報を売れバ??」
アルゴはリアルでリエこと織田麻結と会っている。
正確には顔を合わせ、SAOがどういう流れで、
どんなスピードで進められているか、を。
リエは僅か15歳でSAOの製作チームに所属しているだけではなく、そのチームの副リーダーであり茅場の右腕と呼ばれる。
そのチーム内には30代半ばが多いが一人だけ10代がいた。それがリエ。そのチームの中で一番若く貴重な存在なので『姫』と呼ばれていた。
「もう…思い出したくなかったのに…」