キリト<黒の剣士>の武勇伝   作:櫻庭 琴奏

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16,体術とおヒゲ

ーリエsideー

 

私はカフェでアルゴと話している。

 

「で、何の情報がいるんダ??」

 

アルゴは《鼠》と呼ばれる情報屋。

 

「えっと《体術》っていうスキルに関してなんだけど」

 

《体術》これはエクストラスキルといって特別な方法でしか習得できない。

 

「《体術》って…遅くないカ??」

 

《体術》は2層のおじいさんの所で修行すれば習得できる。

 

「ううん。《体術》そのものの情報じゃなくてね」

 

「そのものの情報じゃなかったら何の情報ダ??」

 

「キリトはどれくらいの時間で習得できたの??」

 

キリトが《体術》をとっていると分かったらとりたくなる。

 

「それは…」「2000コルでどう??」

 

アルゴはおそらく『個人情報ダ。』とでも言うだろう。

だから先手としてコルを提示させる。

この手はリアルでも何処でも通用する。

 

「…キー坊に聞いておかないとナ」

 

アルゴはメールを手早く送る。

すると即答‼と、突っ込みたくなる早さで返事がきた。

 

「キー坊は誰が買うかと聞いてきたゾ。

 リエさん、どうするんダ??」

 

「そうね…とあるギルドの副団長、とでも言っといて」

 

「わかった。だが良いのカ??キー坊に…」

 

「良いの。私の正体を知らないんだから…」

 

そのあとアルゴからキリトがどれくらいの時間で習得したかを教えてくれた。三日もかかったそうだ。私はそれを聞いた後、そんなに難易度高かったかな…と考えていた。

 

「じゃあ私は《体術》を習得しに行きます。じゃあね」

 

「あァ。またナ」

 

ー2層のおじいさんの所ー

 

「すみませーん。修行をしたいんですけどー」

 

「あぁ。じゃあ…」

 

ーシャシャッ

 

「よし。そこの岩を割ったらよし。」

 

猫ヒゲを描かれた。

 

「わかりました。見ててください。」

 

NPCに言っても意味は無いのだが雰囲気作りに言ってみた。

 

「えいっ」

 

ーバキッ

 

岩が割れた。

キリトが手こずったのはきっと猫ヒゲがショックで、

手付かずだったのだろう。

というかもし、本当に三日もかかっていたら、

攻略組の先頭に立てるはずがない。

 

「おじいさん、割りましたよ」

 

笑顔で報告し、無事《体術》を習得した。

そもそも岩を割れるのは一部の場所を叩けば

正直割れるようになっている。

 

「さてと、試しに森で狩っていくか」

 

リエは森に入り、片手剣をしまう。

 

「よし、まずは《閃打》から試しますか。」

 

そう言って《閃打》を打ち、目の前にいる敵と戦う。

2層のmob相手なら不足は無い。

 

「よし、問題なし。次は…っと、《弦月》と。

 後ろにいるときはやっぱ便利だ

 さてとここからは真面目に練度上げしよう。

 今は四時だから八時までには500を越えないと…」

 

ー四時間後ー

 

「やった‼500越えたし、家に帰ろう。」

 

ホームに帰る。

そして夕食の準備を終わらせてウィンドウを開ける。

リエのウィンドウではない。

なぜなら右手で開けていないからだ。

左手を振ると見るからに豪華なウィンドウが開く。

 

「よかった。【スーパーアカウント】は正常に作動する。

 どうせならあの情報、今のうちに見とこうかな」

 

【スーパーアカウント】は茅場の【マスターアカウント】には敵わないが、SAO内では2番目の権利がある。

リエはそのアカウントでユニークスキル一覧を見る。

 

「《二刀流》と《射撃》はキリトが。

 《神速》はアスナが。

 《抜刀術》はクラインが。

 《無限槍》はアオイ君が。

 《神聖剣》はヒースクリフが。

 《砲剣》はカナタが。

 《豪剣》はイズミが。

 そして、《暗黒剣》と《残影斧》は私が。

 見事なまでに私の周りにユニークスキル全部が揃ってる。

 ふぅ。やっぱり出現方法は【スーパーアカウント】では見れないか。」

 

リエはユニークスキル一覧からエクストラスキル一覧に切り替えようとしたそのとき。

 

「ただいまー」

 

アオイが帰ってきた。リエは急いでウィンドウを閉じる。

 

「アオイ君、夕食の準備できてるよ。直ぐに食べる?」

 

「うん。食べる。じゃあ着替えてくるよ」

 

「わかった。ストレアちゃーん??夕食だよー」

 

アオイは着替えに別室に行っている。

ストレアは…部屋にいた。

 

「ストレアちゃん…いつからそこに居たの??」

 

「ずっと…お母さんって…何かを隠してるよね。」

 

ストレアちゃん、鋭いんだよね…

この前なんてレアな食べ物買って帰ったとき、

一番最初に気づいてしまう。

 

「えっと…バレちゃしょうがないかな…皆には秘密だよ??」

 

「うん。皆には秘密。」

 

「私のリアルネームは織田麻結。

 リアルではSAO製作チームに入ってた。

 ううん。入ってたんじゃなくて、

 茅場先生の右腕として完成させた。

 副リーダーとしても頑張った。

 私は完成させたSAOをこの目で見るために、

 βテストからSAOには参加してる。

 製品版はチームのだけど…

 【スーパーアカウント】は茅場先生に

 バレないようにダウンロードした。

 この〔リエ〕のアカウントに。」

 

「そうだったんですか…

 だから私たちの存在を創ることができた。

 納得がいきます。」

 

「ユイちゃんには話しても大丈夫。

 だけどアオイ君やキリトには話したらダメ。 

 きっと私を疑う。茅場では、と。」

 

アオイが部屋に戻ってきた。

リエとストレアは席につき、夕食を食べる。

そしてリエとアオイ、ストレアは寝る。

次の日、51層攻略会議が開かれ、

その次の日に攻略される。

 

ー約6ヶ月後ー

 

黒龍閃騎士団は誰一人欠けることなく、

75層まで攻略できていた。

そして75層が今日、攻略されようとしていた。

リエは全体の指揮をとり、

キリトとアスナ、アオイは攻撃をし、

ヒースクリフは守備をして、

ボスを無事に倒すことに成功した。

皆が疲れて座っている中、

唯一HPバーが黄色に染まっていないプレイヤーがいた。

ヒースクリフだ。悠長に立っている。

私は何故黄色に染まらないのだろう、と考え、

ある答えに行き着いた。

ヒースクリフがHPバーを操作している。としたら。

ヒースクリフが実は茅場先生だったら。

今までのことに納得がいく。

私がこの答えまでいったそのとき。

見覚えのある剣<エリュシデータ>が、

ヒースクリフを斬っていた。

HPは減らない。

破壊不能オブジェクトの表記。

 

「キリト!?何をしているの!?」

 

キリトがヒースクリフに剣先を向けていた。

 

「そんなの、こいつが一番知ってるはずだ。

 このヒースクリフ…いや、茅場昌彦が‼」

 

キリトもヒースクリフを茅場先生だと!?

本当にヒースクリフは茅場先生なの!?

 

「キリト君…流石だね。

 そう。私は茅場昌彦。

 ソードアート・オンラインを作った張本人だ‼」

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