ーリエsideー
リエはヒースクリフ=茅場昌彦だと確証し、
驚きながらも冷静に脳内で考えていた。
「キリト君、お見事だ。
褒美として私とデュエルしないかね。」
ヒースクリフ!?いや、茅場先生、何言ってるの!?
キリト‼そのデュエル、受けないで‼
出ない声で懸命に叫ぶが出ない声では届かない。
「あぁ。わかった。1つ条件がある。
俺がもし、死んだらアスナが死なないように
してくれ。1週間でも良い。」
「わかった。約束しよう。」
「キリト君‼やめて‼」
このやりとりを聞きながらリエはヒースクリフが何をしようとしているのかがわかった。
「ヒースクリフ‼やめなさい‼」
この声は既に遅く、皆は麻痺状態にされた。
【マスターアカウント】の力。
「な、何!?」
驚く声がそこら中から聞こえてくる。
「ヒースクリフ…キリト君、やめてよ‼」
アスナの悲鳴のような叫びが聞こえる中、私は…
「ヒースクリフ…やめなさいよ…」
皆が麻痺状態の中、立ってヒースクリフに頼む。
「リエ…どうして立てるんだ…??」
キリトからの問いに答えたいけど答えれない。
「リエ君…君だったのか…‼」
私は【スーパーアカウント】で麻痺状態を跳ね返した。
「リエちゃん…」
「そうよ。私は…私は…織田麻結‼
このSAO製作チームの副リーダーよ‼」
「リエ君…【スーパーアカウント】を盗っていたのか。
だが、もう遅い‼私とキリト君は戦うのだよ‼」
「いいえ。1つだけ、残ってるわ」
「リエ…どういうことなんだ??俺には分からない」
「キリト…あのね。
SAOの雑誌って見たことある??」
キリトは理解できていない…
というかこの場にいる皆は理解できていない。
「あぁ。見たことある。それがどうしたんだ??」
「茅場先生の写真の近くに私の写真、無かった??」
「え…っと…茅場昌彦の下にあったような…」
「そう。それが私。SAO製作チームの副リーダー。
このアバターと同じ容姿よ。私も手鏡使ったから。」
「にしてはヒースクリフは茅場とは違うぞ」
「それは勿論、
私とバレないよう手鏡を使っていないからだ」
「わかったでしょ。私は…貴方たちの敵なの。」
「それは違う。
リエも俺たちと同じように閉じ込められたんだろ。」
私は恨まれると承知でこの話をした。
だから恨まれていい。
「キリト君、今までのボスとこれからのボス。
クエストの詳細、諸々リエ君が全て決めたんだ。」
「やめてよ‼茅場先生‼」
茅場はリエがSAOのボス、クエストの設定を決めたことを明かす。
「ボスとmobもそうだ。」
そう言い切ったとき。
リエは<クイーンズナイトソード>でヒースクリフを斬った。
「くっ」
「HPが減った!?どうしてだ!?」
リエは右手に剣を持ち、
左手で【スーパーアカウント】の操作をしていた。
「茅場先生。
この【スーパーアカウント】なら、
貴方のHPを減らすことが出来るわ。」
ヒースクリフは残念がる様子もなく、
逆に笑っていた。
「権力では劣りますが、攻撃を通すことなら、
【スーパーアカウント】で出来ます‼
覚悟はよろしいですか!?」
そう言い、リエは《ダークトリーパー》を撃つ。
だが、剣は空を斬る。
「残念だよ、織田君。
ここでは戦うことはやめておこう。
100層の紅玉宮でまた会おう。」
そう言い残し、ヒースクリフは消えた。
リエは怒りで震える体を押さえつけ、こう言い放つ。
「結盟騎士団の団長、ヒースクリフは消えました。
ヒースクリフは100層の紅玉宮のボスになった。
この2つの状況により、
黒龍閃騎士団の副団長、リエ。及び
SAO製作チームの副リーダー、織田麻結として命じます
この場をもって、結盟騎士団は黒龍閃騎士団と
合併し、団長はキリト。副団長はリエとします。
異論はありませんね。」
そう言いながらヒースクリフがした麻痺状態を解除した。リエはヒースクリフが消えたことを明確に伝え、現実を見て、黒龍閃騎士団と結盟騎士団は合併すべきだ、と主張する。もしここで私が批判されても、私が黒龍閃騎士団から抜ければこの場はなんとかなる。そう考え周りをみる。
「リエはん、よろしゅうな」
「結盟騎士団はこの場をもって黒龍閃騎士団と合併す‼」
賛成の意見。これが出てくるとは思わず驚くリエ。
「何を驚いてるんだ。リエが言ったことだろ。」
「だって…私は皆を裏切っていたようなものじゃない」
「そんなことはない。今までお前は精一杯戦ってきた。
これは変えようがない本当のことなんだ。」
「そうだけど…」
「これからのボス攻略ではリエちゃんがたよりだよ。
頑張って私たちにつきあってね。」
アオイとキリト、アスナは批判することもせず、逆にフォローまでしてくれた。
「一先ず、ここは解散とする。」
キリトが解散を言い、皆が帰って行く。アクティベートをしに行くために76層へと向かう。
「ボスが倒されてから1時間経ってるな。
1時間経てば勝手にアクティベートされるけど…」
「76層に行きましょう。気持ちいいよ」
76層は平原のようにひらけている層なので風もあり、気持ちいい。製作者であるリエだからこそ分かる。
「そうだな。ヒースクリフはムカつくな。
だけどリエはムカつかない。
一緒に戦ってくれるしな。」
リエは嬉しくて泣いてしまう。
「ありがとう…私…」
そう言ってリエはウィンドウを開け、メールを打ち始めた。メールはパッド型とキーボード型とあるが、ほとんどというか全員がパッド型を使っている。携帯と似ているから。だが、15歳という若さで携帯を使う年頃なのだが、リエはキーボード型を使用している。
ーピコン♪
メールが三人に届いた。これからのボスとmobについての情報が大まかに記されていた。
「歩きながらちゃんと話すね」
「これからのボス戦で苦労しそうなのは
80層85層90層95層。
そして茅場先生がボスの100層。」
「この情報はアルゴに話してあるの。
かいつまんで攻略本に載せて貰うつもり。」
情報を全て話しきって、頭の中で攻略組の人たちに顔を会わせにくいなーっと考えていたら、
「そういやぁさ。
黒龍閃騎士団に結盟騎士団のフルメンバーが
加わるんだからさ、ギルド変える??」
「いいなっ‼リエ、良いところある!?」
「76層に…ギルド用にって私が設計したところで
1000は入るよ。SAOで一番大きい建物。」
そして立ち止まる。
「ここがその建物。値段はとても高いよ」
値段は…とてもじゃないけどここのメンバー全員の分を合わせても足りないくらい高い。キリトとリエは顔を会わせて言う。
「ちょっと待ってて。稼いでくるから。」