キリト<黒の剣士>の武勇伝   作:櫻庭 琴奏

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最終話,kirito&asuna lier&aoi

ーキリトsideー

 

俺たちは今、85層のボスを攻略している。リエが苦戦しそうなとこにあげていたのもわかる。ガードが一人では出来ず、二人一組でガードしている。ユニークスキル所持者は何とか一人で対処できている。今はダメージディーラーに俺とアスナ、アオイ、クラインが。タンクにイズミ。後衛にリエとカナタ。という形でいる。タンクと後衛には問題はないのだが、ダメージディーラーが人手不足…いや、火力不足だ。全員でスキルを使ってもボスに大ダメージを与えることができない。ダメージディーラーを増やすという手をリエに伝えるしかない…。

 

「リエ、ダメージディーラーを増やしてくれないか??」

 

「あぁ…火力が足りないのね。

 私がダメージディーラーにまわろっか」

 

「大丈夫なのか??後衛が一人で…」

 

「カナタは後衛専門だからね。

 こういう時くらい思いっきりしてもらわないと」

 

「わかった。」

 

「あ、スキル変えるからちょっと待って」

 

「《残影斧》は使わないのか??」

 

「最近は《残影斧》ばっかだったからね

 たまには《暗黒剣》も使わないと。」

 

75層攻略以来《暗黒剣》を使っていなかった。ヒースクリフの一件があるから。俺たちに申し訳なかったのだろう。尊敬していた人がいきなり裏切るようなことをしたのだ。ショックはかなり大きいだろう。

 

「…そうだな。すぐにでも来てくれ」

 

攻略中ということを忘れていた。

 

「わかった」

 

返事を聞き俺は愛用の二振りの剣<エリュシデータ>と<ダークリパルサー>を握りしめ、ボスのもとへと向かう。

 

リエはカナタからの贈り物の斧<エリュシオン>をしまい、愛用の剣<クイーンズナイト・ソード>に変えた。

 

「私の最強を以て貴方を倒します」

 

リエは決意が固まったときに言う決め台詞を言い自分自身に言い聞かせる。

 

「皆、広範囲攻撃‼回避へ移れ‼」

 

リエはそう指示を出す。そしてリエは…

 

「《暗黒剣》上位スキル《ダーク・ホロスコープ》

 システム外スキル《スキルコネクト》

 《暗黒剣》上位スキル《ダーク・ホロスコープ》」

 

キリトが作ったシステム外スキル。リエには1度しか見せていないのに忠実に真似して見せた。流石はリエだということだろうか。

 

「キリト、硬直終わったのなら動きなさいナ」

 

考えていて忘れていた。我に戻ったキリトは硬直が終わっていることに気づきボスに最上位スキルをお見舞いする。

 

「油断は禁物だよ、キリト君」

 

油断なんてしてない…そう言いかけたとき、こうやって考えていることが油断になるのか、と気づく。

 

「ごめん、集中するよ」

 

「団長、そこ危ないですヨー」

 

すれ違い様に言い残して行くのはリエだった。俺とアスナのやり取りを見てわざと話しかけてきた。そしてリエの言う通りボスの攻撃がきた。仕方ないからスキルを使ってボスに攻撃しよう。頭の中で自分に言い訳をして、キリトは《二刀流》上位スキル《スターバースト・ストリーム》を発動する。その攻撃でちょうどボスのHPバーが黄色く染まる。

 

「あと一息です。皆頑張ってください」

 

リエが皆を元気付けに一声かける。

 

「ユニークスキル部隊はダメージディーラーへ

 ラストスパートをかけます‼」

 

リエの指示で皆が動く。キリトもその一人だ、といっても最初からダメージディーラーだが。

 

キリトたちがスキルを使い、ボスの全てのHPを葬った。

 

「キリト、何を考えているのサ」

 

リエが俺に声をかける。

 

「リエがシステム外スキル

 《スキルコネクト》を使ってたからさ

 なんでかなー…と思いまして。

 それよりも口調がアルゴに似てるぞ…??」

 

「そんなの簡単ヨ。

 キリトが使ってたのを見て真似たのヨ。

 口調はわざとですけド??」

 

「見よう見まねってことか!?

 というか1回しか使ってないぞ

 しかもリエってそんとき戦ってなかったか??」

 

「視界にはいってたノ。

 1回見ただけで大体真似出来るワ」

 

…なんだと…??1度見ただけで見よう見まねをして…しかも完璧に…それに使ったときはリエは別のトコロを見ていた…

 

「ありえない‼」

 

「ありえちゃうのヨ。

 現に私が証明したでショ」

 

キリトが混乱してリエのことを考えていたときー

 

「ねぇ、キリト君、話についていけないんだけど…」

「リエ、どういうこと…??」

 

アスナとアオイが、というか皆が話についてこれなかった。

 

「えーっと、どう説明するもんか…」

 

キリトが悩む。横でリエが

 

「この前私がシステム外スキル

 《スキルバースト》を使ったよね」

 

「うん、二倍になるとか…」

 

「そのシステム外スキルっていうのは茅場先生が作っていない、まさにシステムの外にあるスキルっていうことなの。因みに、システム外スキル《武器破壊》と《スキルコネクト》はキリト。《スキルバースト》は私が作ったんだよ」

 

「そんで俺のスキルを

 1回見ただけで真似したんだよ、リエが」

 

「1回見ただけで!?」

 

「うん…」

 

ボスを無事に倒した安堵があり全員でこのやり取りをニマニマしながら聞いていた。リエとアオイがアクティベートしに行くとアスナ以外のメンバーがキリトの周りに群がり、キリトに問い詰めた。

 

ー団長、副団長に惚れたんじゃ…

 

ー流石は団長っス。副団長…餌食となるっス。

 

ー両手に花…

 

ーアオイさんに悪くないですか…

 

メンバーがそう言うとメンバーの背後から凄い視線が来る。アスナからの冷たい視線。

 

「貴方たち、私のキリト君に何を言っているのかしら…??」

 

アスナさん、顔は笑ってるけど目は笑ってないです…

 

「アスナ、そのくらいにしといてやれ…」

 

視線でボコボコにされたメンバーはキリトの一言でアスナから解放されすぐさま逃げていく。

 

「キリト君…」

 

アスナは不安な顔でキリトに迫る。

 

「アスナ、家に帰ろうか。」

 

「うん…」

 

一方リエたちは…

 

ーside outー

 

ーリエsideー

 

86層の転移門前に立つ二人のプレイヤー。86層が花園のようなところだったので、デート気分を味わっていた。

 

「そろそろアクティベートしないとマズイかな…」

 

「そう…だね。アクティベートしようか」

 

リエとアオイはそう言い、転移門の水が張り巡らされているようなところに手を当て、アクティベートをする。

 

「アオイ君、ここに引っ越さない??」

 

「そうだね…ストレアちゃんも喜ぶよ」

 

二人は良い物件を探しに86層を散策する。しばらく歩くと街の外れの周りに建物が無い場所を見つける。さっそく値段を確認し、購入した。

 

「そろそろモンスターの確認をしないとね。ここら辺は圏内だけどちょっと出たら圏外だし」

 

「そうだね。リエはレベルはいくつになったの?」

 

「えっ…と、180くらいかな」

 

86層の新しいホームに入り、ストレアを呼び夕食をとる。そして三人で散歩をする。その道中の出来事。

 

「んーっ、夜の散歩は快適だね」

 

背伸びしながらリエはノンビリとした空気を気持ちよく感じていた。

 

「そうだね…」「うん、快適‼」

 

アオイとストレアは背伸びしているリエを見て微笑んでいた。

 

「そこにいるの、誰??名乗りでなさい」

 

「え??」「お母さん??」

 

リエが纏うオーラが一変した。さっきまでのほんわかしたオーラは消え殺気じみたオーラがにじみ出ている。アオイとストレアは半信半疑でリエが見ている方を向くと、草むらから人が出てきた。

 

「ほほぉ…これを見破りますかぁ…誰かは知らないがぁ…見事な索敵スキルだなぁ…」

 

変な喋り方をする小柄なプレイヤーを始め黒いマントを羽織っている五人組が出てきた。

 

「我々は『笑う棺桶(ラフィン・コフィン)』の弟分。『苦い棺桶(カフィン・コフィン)』っつー者でして」

 

「PKをしに来たって訳ね」

 

「お話しが早くて助かります…では餌食となって頂きましょう」

 

苦い棺桶(カフィン・コフィン)…初めて聞くギルドね。ラフコフの弟分って言ったんだからレッドギルドと見て間違いはないわ。さて、どうしたものかしら…??倒しちゃっても大丈夫よね…

 

私は思考を巡らせ、ある答えまでたどり着いた。それはー

 

「アオイ君、ストレアちゃん。危ないから下がってて」

 

「Oh…ナメテくれんなよ…??」

 

アオイとストレアを下がらせたリエは手慣れた動きで装備を装着する。もちろん、黒龍閃騎士団のユニフォームだ。

 

「Wao!!黒龍閃騎士団じゃねぇか…‼こりゃ楽しめそうだぜ」

 

黒龍閃騎士団ということは分かってるようだが、二王冠《ツートップ》の一角、リエだということは分かっていないようだ。知らぬが仏とはこの事だろう。

 

「俺らは手出ししねぇぜ…やり返しはするがなぁ…‼」

 

ようは俺らをたおしたくば犯罪者《オレンジ》になって倒せよってことか…面白い。受けてたとうじゃない‼

 

「言っとくけど、私はオレンジになっても困らないのよ??」

 

口が先か手が先か。言い終わるころには一人のHPが黄色に染まっていた。

 

「口ほどもないわね。さっさと終わらせてあげるわ」

 

「Oh…かなり強かったりするのか…excellent!!」

 

「あ、あのぉ…あいつってリエなんじゃねぇか??」

 

一人がリエだということに気付いたらしい。黒龍閃騎士団で盾無し片手剣はキリトとリエぐらいだろう。

 

「なわけあるか」

 

だが、リーダー格の奴がそれを否定した。リエは一歩前へ出て背筋を伸ばし、上からモノを言う人の真似をする。

 

「正真正銘、黒龍閃騎士団の副団長兼ユニークスキル部隊長のリエです。因みに最年少でSAO製作チームに入って副リーダーしてました。」

 

短い威厳のこもった声で台詞を読むように動じずに言ってみせた。

 

「お前はレッドになっても良いのかヨ」

 

「えぇ」

 

リエはレッドになっても良いということを言うとカフコフのメンバーは黙る。

 

「じゃあ五人で戦わせてもらう。そっちは一人ダゼ」

 

「わかった。勝つ自信はありますから」

 

リエは1対5でも臆さない。

 

「俺たちはお前を殺す気でいくぞ」

 

「私は貴方たちを牢獄に入れるつもりでいくわ」

 

リエが言い終わると同時にカフコフのメンバーの一人が動き始める。細剣使いだから速さ中心だろう、だがアスナの神速になれているせいか他の武器と変わらない気がしていた。なのでリエは剣でパリィした。パリィした瞬間、両手剣使いが凪ぎ払いしようとしていた。リエの武装は軽装備(ほとんどが布素材)なので跳んで避ける。着地と同時に片手剣使いが下位スキル《スラント》を撃ってくる。流石に跳びながらの回避は不可能なので剣で軌道をずらす。今度は槍使いが上位スキル《ダンシング・スピア》で突いてくる。五回の突きを全て避け終わると刀使いが中位スキル《幻月》で斬る。五人の攻めを全てかわしたリエは暗黒剣の上位スキル《ダーク・ホロスコープ》を使い、五人をスタンさせる。

 

「これで終わり??呆気ないわね。アオイ君、コイツらを牢獄に送ってくるわ」

 

「う、うん」

 

アオイはリエの見事な戦いに驚き、放心状態に近い状態になっていた。ストレアは目を閉じてこう言う。

 

「お母さん、コイツらを牢獄に連れていく前に一言言わせて。カフコフからの恨みを買ってることを忘れないで。お母さんの顔は誰もが知ってるからいつ、どこで襲われるかは分からない。常に武装していて損はないと思う」

 

「ストレアちゃん…ありがとう。だけどね、命の危険があったとしても私は臆病な真似はしないわ。必ず、茅場先生を負かせるの。これだけは譲れない。例えアオイ君でも」

 

リエはカフコフの五人を牢獄へ送りに行く。その後、オレンジからの回復クエストをやってからホームに帰ってきた。流石に疲れたようで、夕食を食べた後はすぐに寝てしまった。翌日、86層が攻略される。86層が攻略されてから2ヶ月たった頃のお話し。

 

ー99層 ボス部屋ー

 

「キリト君、スイッチ‼」

 

「おうっ‼」

 

キリトとアスナは息ぴったりのコンビネーションを披露していた。リエとアオイはというと…

 

「アオイ君、ポット飲んで。黄色くなってるから」

 

「わかった。リエは大丈夫そうだね」

 

ボス攻略中だというのにラブラブしていた。周りからは二組のカップルについては放置されている。

 

「ラストスパートかけるよ‼」

 

ボスは順調に攻略され、とうとう99層のボスまで来た。次は100層、茅場との戦いだ。74層以来、犠牲者が出ていないのはリエからのアドバイスのおかげなのだろう、攻略組の士気は常に高い。ボスは呆気なく倒される。

 

「やっとここまで来たわね…茅場先生、待ってて下さいね」

 

「ここまで来てやったぞ、茅場…‼」

 

リエとキリトは周りとはまた違う理由で100層に辿り着くことを待ちわびていた。100層へのアクティベートはすんなり終わらせ、ボス戦への備えを確実にしていた。

 

「アオイ君、私はここで負ける訳にはいかない。レベリングに協力してくれる??」

 

「もちろんっ‼リエの為なら何でも‼」

 

リエとアオイは100層でレベリングをしていた。明後日には茅場との戦いがある。備えはあるだけ得だ。

 

ー明後日 ボス部屋前ー

 

「皆…ここまで来てやったんだから、茅場先生に勝つわよ‼私の情報はここから通用しない。だから指揮はとるけれど間違っていたら指摘して。それに応じます。皆、勝って。」

 

リエは攻略組メンバーの前で話をする。その後ボス部屋の扉を開ける。

 

「皆さん、ようこそ。私が100層の、アインクラッドのラストボスです。おぉ…リエ君はまだ生きてましたか…あの後からの皆さんの動きは見れませんでしたしね…では戦いを始めましょうか」

 

ここからの戦いは醜いモノだった。タンクが一人で出来ず、潰される者。風圧で壁にぶつかり、HPが無くなる者。どんどん犠牲者がでる。それでも皆は諦めなかった。最上位スキルを撃ちまくって、HPバーを赤く染めた。すると茅場は変形し、HPを減らすことが難しくなった。

 

「茅場先生…変形なんて反則です…‼【スーパーアカウント】の力、使わせてもらいます…‼」

 

リエは【スーパーアカウント】で茅場の動きを止め、残影斧の最上位スキル《シャイニング・スパーク》を《スキルコネクト》しながら《スキルバースト》させた。すると茅場のHPは残るところほんの少しになった。

 

「リエ…最後の攻撃は俺がするよ。流石に茅場をするのは気が引けるだろ…??」

 

「うん…頼むわ…キリト、スキルを発動させる時に《スキルバースト》をして。そしたら倒せるわ。」

 

「わかった…」

 

キリトは茅場の近くへ一気に近づき、《二刀流》の上位スキル《スターバースト・ストリーム》を《スキルバースト》させた。最後の16斬目に茅場のHPを葬った。

 

「キリト…ありがとう…私…私…」

 

リエは泣きながらキリトに感謝をする。

 

「リエ…大丈夫だ。俺は、俺の理由で茅場を倒した。リエは、リエの理由で茅場を倒した。それだけだ。」

 

キリトはリエを慰める。するとアスナとアオイが側にくる。

 

「ねぇ、リアルの名前、教えて。リアルでも会いたい…‼」

 

「キリト…リアルでも会おう。だから名前、教えてくれ」

 

「わかった。俺の名前は、桐ヶ谷和人。」

 

「私は、結城明日菜です」

 

「俺は風間碧。キャラネームまんまだけどな」

 

「知ってると思うけど、織田麻結。皆、東京の近くにいる??」

 

「もちろん」「東京在住だぞ」「大丈夫よ」

 

「じゃあ、リアルに戻ったら私から連絡する。一応、制作チーム所属だから情報は掴めるから。それまで待っててくれる??」

 

リアルネームの紹介、リアルで会うことの約束、いろんなことがあったけれど、SAOにダイブしていて良かったと思う。それはここにいる皆が感じていること。

 

「皆、リアルでね‼」

 

ーTHE ENDー




ありがとうございました!
初めての作品を完結させることができました。
時間があれば、番外編として続きをアップしていきたいと思っております。
こんな私に付き合ってくださり、ありがとうございますm(__)m
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