うまく進められるか少し不安ではありますが、すろーぺーすで頑張ります。
それではどうぞ!
何一つない枯れた大地、その上に少女が立っていた。
土をすくって、落とす。何回も何回も繰り返し、やがて止めた。
やがて、何かを呟き始めた。ブツブツと小さな声で何度も繰り返している。私の場所が遠いので、何をいっているかは全くわからない。
何度も呟いているうちに、少女の表情は変わっていき、最後には笑っているかのように見えた。
少女が虚空に向かって両手を伸ばすと、そこに大きな時計が現れる。少女の笑みは更に深いものへと変わり、狂気すら垣間見える。
そのまま腕を前へと伸ばし、見えない壁のようなものを突き破り、少女は無理矢理時計の針を掴む。そして、その針を無理矢理動かす………
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「……っていう夢を見たんだけど、慧音はどう思う?」
「出会い頭に夢の話をされた私はどういう反応をすればいいのだ?」
笑っていればいいと思う、なんてね。慧音ならわかると思ったんだけどな~
「そんな『慧音は天才だからなにも言わなくてもわかるだろう』みたいな顔はやめてくれ」
「あ、やっぱりわからない?もしかしたら私の過去に関係あるのかなと思ったの、だから慧音なら~って考えたわけ」
「鈴姉の過去は私もわからない、って随分前に言ったぞ」
わからないとは…残念。
さて、今更だけど自己紹介の時間だ。今、青の生地に木の葉を刺繍した着物を着ているのが私。私の名前は『
このあだ名、好きなんだけど、慧音や妹紅、里の大人たちから言われると少しむず痒い。あなたたちの方が歳上でしょうに。年齢?それは秘密。
私はかなり前からこの里に来ている。気がついたらこの里の近くにいて、そこから里の警護や頼み事を請け負って生活している。
「今すぐに知りたいって訳でもないから、いつかわかればいいな~と思ってるだけですよ?」
慧音に向かって笑顔で言ってあげる。そのついでに傘を回す。これが意外と楽しい。
「はあ、しっかりしてくれよ鈴姉」
「私はしっかりしているつもりですよ?」
それでも、話をしっかり聞いてくれる慧音、私は大好きです。あれ?でも……
「慧音、寺子屋は?」
「ああ、今日は休みなんだ」
「そーなんだ。てっきりズル休みしてるのかと」
「先生はそんなことしない。というか、ズル休みをするのは生徒だけだ。まあ、そんなこと私がさせないがな」
慧音がちょっと怖い。生徒のこととなったらこうなる慧音、とても優しくて素晴らしい人です。
「ほらー!二人ともはやく~!」
「はやいよチルノちゃん!」
「本当にそうっスよ!もう少し遅くてもいいじゃないっスか~!」
この声は、チルノと大ちゃんだ。いつも通りに元気な声、子供っていいな~。あと一人の声は聞いたことないけど、一体誰なんだ………ッ!
黒傘「防視の傘」
傘の色を黒に変えて、三人から見えないようにする。ああやばい、こんなタイミングでくるとは思わなかった。
「……?どうした鈴姉、まさか頭が痛いのか?」
「…………!」コクコク
私の持病みたいなもの、それが頭痛。なぜかたまに発作のように突然頭が痛くなる。普通ぐらいなら耐えれるのだが、かなり酷く痛いので立つだけで精一杯の症状である。
雨の日になれば一番酷くなるけど、今日は晴れだったので油断していた。私は頭に大きな古傷がありそうだ。取り敢えず傘を使って、私の様子を見えないようにする応急措置、どうしようか。
(鉢巻ならあるが、必要か)
「……!!」コクコク
慧音からもらった鉢巻を装備。助かった、これで少しは我慢できる。あとは適当に用事をこじつけて、逃げさせてもらおう。
「?鈴さんどうかしましたか?」
「そうだ、さっきまで傘の色が黒かったぞ!」
「まあまあ、何かあったんスよ。あまり気にしちゃだめっス」
最後に『っス』って言っている人は初めて見る人、それより身長が高い、私より少し高い。
「やあ、チルノに大妖精。そちらは?」
「おはようございます、慧音先生この人は」
「
子孤膝丸か、ならあだ名は子孤さんだね。それより頭痛い。
「私は上白沢慧音だ。こちらは鈴姉」
「どーも鈴姉だよ!」
やばいやばい頭痛い、変なこと言ってないか心配だけど頭が回らない。しかも少し汗が出てきた気がする。ばれないように笑顔に、ばれないように笑顔に。
「それで、何しに来たんだ?」
「皆で遊ぼうと思って、けーねなら楽しい遊び知ってそうだから」
「成る程な……」
慧音がこっちをちらっと見る。今のうちに逃げろということか。そうさせてもらおう、というより頭痛がやばい。
「鈴姉は「私は用事があるから、四人で遊んでなよ」……そうか、なら頑張ってくれよ」
「バイバ~イ鈴姉!」
「さようならです、鈴さん」
「またいつか会おうっス!」
「じゃ~ね~!」
またいつか、か。あんまり会いたくないです。頭痛くなるのは勘弁して欲しい。
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チルノたちから逃げて数分、頭痛は収まり少し楽になった。ただ、元気がなくなった。なくなった元気はおよそ八割、かなりの重症。誰か~私に元気を~
なんて考えてもなにも起こらない。なので適当に歩いてみる。そうすればいいことはきっと……
「あ!鈴姉さん!」
後ろから私を呼ぶ声。この声は……
「鈴ちゃ~ん!」
私は後ろを振り返ると同時にその場にしゃがみ、鈴ちゃんは逆に伸び上がる。そしてお互いに元の体勢に戻りながら手を合わせる。
「「いぇい!」」
そのままさっきと逆の体勢になり、再び同じ事をする。もちろんさっきと立場は逆。
「「いぇい!!」」
今度は二人とも手を上げる。それから同時に……
「「いぇ~い!!!」」
両手を合わせる。これが私と鈴ちゃんの挨拶、楽しいよ!
ああ、鈴ちゃんに会えるとは……タイミングが素晴らしい。これで元気は完全回復した。
「それで、今日は何かあったの?」
「えへへ、実はね蓮にお蕎麦を奢ってもらったんです!しかもあのお店で!」
鈴ちゃんが指差すのはいたって普通の蕎麦屋。だが侮ることなかれ、あの蕎麦屋は私が一番美味しいと思う蕎麦屋なのだ。
「本当に!?羨ましいな~。私もまた行こうかな?」
「その時は私もついていっていいです?」
「もちろん!私からお願いしたいくらいだよ!」
うーん!楽しい!回復するのが一周するぐらい楽しい!あれ?一周したらだめなんじゃ?まあいいや。
「それじゃあまたいつか」
「はい!またいつか!」
うむ、楽しかった。もう少し喋りたかったけど、鈴ちゃんもお店があるのでさよなら。また明日かな?
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なんて事があったから、もう驚くことはない。そう思って歩いていました。それから数時間後、驚くことがありました。
道の真ん中で、倒れている少女。これはまだ普通。しかし、服はボロボロで髪はボサボサ、家のないように見えてしまう。これももしかしたら普通かもしれない。ただ、一番の問題は───
───倒れている場所が、血溜まりであるということ。
私は思わず膝をついてしまう。
殺人現場、ああやってしまった。この人を殺したのは私なのかも、おそらく凶器はネギ。これから私は犯人として容疑をかけられてしまうのか……そして、やっていないと証明できる物がないので、そのまま死刑になってしまう。ああ、もう少し生きたかったな……
なんて冗談はなかった事にしよう。普通に脈はあるし呼吸もしている。さて、どうしようか?
この人の家を知っていたら送るけれど、あいにく私は知らない。他に知ってそうな人は……
「とりあえず困ったら慧音に頼る」
うむ、これでいこう。ちなみにこれは慧音が言ったことだ、決して私が勝手に言ってる訳ではない。知らなくても対処法を教えてくれる、だからこそ慧音は皆に愛されるのだ。
蒼傘「濡防の傘」
これで私は血で濡れない。普通に彼女を抱き抱えて運ぶ。ちなみに傘の色は変わらない、蒼は気分なのです。水色って青だよね?
とりあえず慧音のところへ急ごう。
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寺子屋の前に慧音は立ってました。チルノちゃんたちとお別れするときだね。
「バイバ~イ!」
「ああ、さよなら。さて、少し休む「慧音~!ちょっといい~?」そろそろ日が沈むのに、今さらなんのようだ、鈴姉?」
「鉢巻返すのと、この人の家を知らない?」
よいしょ、なんて呟きながらおろす。全く重くないんだけどね?言った方が言いかと思って。
「ん?ああ、
「おお?知り合いですか?」
「そうだ、この人は『
ほほう、なら家の場所も知ってそう。私が送ってしんぜよう。
「とりあえず家まで送りたいから、後で慧音もお見舞いに来てあげてね」
「もちろんそうするよ。ところで気になったんだが……」
「どうしたの慧音?」
「そのネギは一体どうしたのだ?かなり赤く見えるのだが」
「気にしたら負けだよ、慧音」
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人里から少し離れた場所、そこに朱恋さんの家はあった。こんなところにあったとは、ここも巡回ルートに加える事にしよう。
「おじゃまします」
誰も聞いていなくても、挨拶はしないといけない。そうしないと慧音から怒られるからね。頭突きは怖い。
適当に布団を探しあて、適当に敷いて適当に寝かせる。服は血で真っ赤に染まってる上にボロボロだったので、私の家─私がいることはほとんどないので、倉庫みたいに扱っている─によって、体を濡らした布で拭き、浴衣を着せてあげた。ちなみに色は赤、私はあまり着ない色なので、盗まれたとしても気にしない。
と、いろいろやってあげたが、もしかしたら迷惑なのかもしれない。しかし、そんなことお構い無くやってあげるのが私だ。恨むならあなたを恨みなさい。
「ん~!っと、結構暗くなってきたね~」
さあ、仕事の始まりだ。私は持っていたネギを布団に添えて、朱恋さんの家から出て……ひょこっと戻る。大切な一言を忘れていた。
「それじゃあ朱恋さん、お休みなさい。いい夢を」
はい、今回はここまでです。
誤字は……あったら教えて下さい。
それではまた次回!