とりあえず、異変スタートの合図です。どうぞ。
【異変のはじめ】
―――どうしてお前は俺を受け入れない?
あなたは私じゃ
―――俺はお前だ。どうしてそれを受け入れない?
私とは全てが違う。そんなやつは私じゃ
―――そうか……でも忘れるなよ?俺はお前だ。いつかお前に会いに行く。その時までに覚悟をしておけ。
覚えたく
―――いや、そんなことは
――――お前自身のためだからな。
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「……なんだっけ?思い出せないな……」
夢の中、私はまたあいつとであった。どんな会話をしたのかも覚えてないけど、とりあえずあったのだ。
「……とりあえず起きようかな。寝間着のままはさすがにあれだし」
『あれってどれだよ』なんてのは飛ばして、寝間着用の着物から、別の着物に着替えることにする。ちなみに、現在は自分の家にいる。物置小屋みたいな扱いだけど、ちゃんと物は整理してある。
引っ張り出してきた着物は、朝顔の柄の物と紫陽花の柄の物。どちらもお気に入りの一品だ。
「今日は……紫陽花かな?」
そう呟きながら、紫陽花の着物に手を伸ばす。
―――ねえ?遊びましょ?
「え?誰?」
不意に響いた声、周りを見ても誰もいない。しかし、声は聞こえたのだ。
「……はあ、今日は忙しくなるのかな…」
少々愚痴をこぼしながら、両方の着物をしまう。それから、戸口の近くに置いてある青地の着物を手にとった。追記をするならば、柄は一切ない。私が戦う時に着る、所謂戦闘服だ。そう、そんな予感がする。まぁそんな事にはなってほしくないけれど。
「とりあえずは慧音のところに行って、連絡しないといけないね」
私のこういう時の勘は本当によく当たる。なので今日のお散歩は無理だって伝えないといけないのだ。
玄関で草履をはき、外へと足を一歩踏み出す。いつものように暖かい日が・・・・・・
「あれ?さしてない?」
夕暮れのように感じる暗さ、何があったのだろうか。上を見上げてみると、いつものように見知った青空ではなく、真っ赤な雲に覆われたいびつな空が広がっていただけだった。
「これは・・・・・・はあ、もともと慧音のところに行かなくちゃダメだったのね。はいはい今から行きますよっと」
もう一本の傘を持って慧音のところへと急ぐ。どうやら今回の仕事は『この超常現象の解明』のようだ。先頭の予感から合わせて考えると、黒幕を倒せばいいみたい。こんなことができるからおそらく相手は人間以外、かなり疲れる予感がする。
「でもまあやるしかないよね・・・」
私はさらに速度を上げた。といっても、目的地は案外近いわけだけど。
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目的は寺子屋、場所を考えているときにはもう着いた。
「慧音~、お~い!」
「ん?ああ、鈴姉か。丁度いいところに来たな」
寺子屋の前には慧音が立っていた。今日はもともと授業の予定だったんだろうね。にしても、慧音も丁度いいってことは多分そういう事かな?
「多分予想が付いてはいるだろうが、私はこれが異変だと思うんだ。それで、人里の代表として「はい待った」・・・・・・どうしたんだ?鈴姉」
「私もこの人里にいるんだよ?この人里を・・・たぶん守ってる。だったら、そんな他人行儀はいらないと思うけど?」
「・・・・・・そうか、そういえば鈴姉はそんな人だったな。訂正しよう。友人の一人として、鈴姉に異変の解決を頼むよ」
「了解!すぐに解決してあげるよ!」
・・・・・・とまあ、いつも通りの茶番は置いといて。次はこっちの本題。まあ一緒かな。
「それじゃあ、次はこっちの番かな?この傘をさしてほしいんだけど・・・・・・」
「ん?ああ、いつものか。また寺子屋の中にさしておくよ」
「はーい、それじゃあいってくるね」
私が慧音に渡した傘には、私の【防ぐ程度の能力】が込められている。この能力を使った傘を開くと、周囲に対して何かを防ぐことができるのだ。今渡した傘の場合、開くと広い範囲(具体的には人里すべて)に【攻撃を防ぐ】ことができる。つまり、人里にいるみんなに危害は及ばないという訳だ。
心配事はもうなくなった、これで心置きなく異変解決に向かうことができる。さあ行こうか。
「よう、鈴姉。元気にしてたか?」
人里の少し外れたところにてすれ違ったのは、赤いモンペを履いた少女。
「久しぶりかもね、もこたん」
「もこたん言うなって」
何だかんだ言ってもそこまで怒ってないもこたん。まあこのままだと失礼なので説明しないとね。
この人は藤原妹紅、通称もこたん。見た目通りの女の子なんだけど、たまに子供達からおにいさんと呼ばれているのも聞いている。慧音の友人の一人で私の友人でもあり、この人里において信頼されている人物のうちの一人でもある。ちなみに一番はもちろん慧音、前にも言った気がするけど大切なことだから仕方ないよね。
普通の人としてもこたんを認識しているけど、実際は違うらしい。いつまでも正体を明かしてくれないけど、私は地味に知っている。ずば抜けた戦闘に関する動きの良さから、実は戦闘のプロなんだと。見た目もかっこいいから、戦っている姿を見せればきっと人気者になるだろう。
そんな人が藤原妹紅、通称もこたんである。皆、かわいくいじってあげるように。
「・・・・・・なんか、すっごいけなされた感じがするんだが・・・・・・」
「気のせいじゃない?私はもこたんのことを考えてただけだし」
「いや、それが原因だと思うよ」
なんとまあ、失礼なもこたんである。今度来た時には髪を結ってあげる必要がありそうだ。やり方は知らないけれども。
「それで?やっぱりもこたんも慧音に呼ばれたの?」
「いや、そう言う訳じゃない。空が赤いのはどうせ異変だろ?鈴姉が行くのは予想がついてたから、その間に変わってるだけさ」
まあ知ってたけど。軽く微笑みながら説明してくれるもこたんはとても美しい。かわいくはないから、凛々しい感じの美しさって言うのかな?
「とりあえず行ってらっしゃいだな。無事に帰って来いよ」
「そりゃもちろん。いつもみたいにやって、すぐに帰って来るよ~」
お互い背を向けて、しかしながら手を振ってお別れをする。すでに信頼しあってる関係みたいで、私は気に入ってる。さてと、頑張りますか。
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さて、人里を出ればそこは妖怪たちの領域。もし私みたいな人間が気づかれれば命はない。なので私は能力を使って進んでいく。【防ぐ程度の能力】は意外と便利であった。
白傘「防影の傘」
私は傘をさす。真っ白な傘だ。周りには変化がないのは普通、じゃあ何が変わったのか。
この傘は、持ち主に関するいろいろな事柄を、外から感知されにくくするものだ。
例えば音。私が今大声で叫んだとしても、周りには一切聞こえない。何かがあってびっくりした時も妖怪が近寄ってくることはない。他にはにおい。人間のにおいに妖怪は敏感。少しでも感じるとすぐによってくる。例えば視覚、私の姿は誰にも見えないのだ。
その他にもいろいろあるけど、要するに隠密行動に適した感じなのだ。
とりあえず原因を探るために遠くを見てみると、森の奥から出ているのが見えた。
「早めに解決したいから、全力で走りますか」
言うが早いか、もうその時に私は走り出している。私は周りのことを考えていない。故に周りの木は折れそうなほどに曲がっている。どうしてこう木が曲がるのかは分からないけれど、見ていて少し心が痛む。とりあえず、この場をすぐに駆け抜けよう。
まあまたそんなことを考えている間には森を抜けている。途中、どこかで見たような人がいたけど、宵闇の妖怪と話していたから多分別人だろう。
森を抜けると、今度こそ異変の原因がわかった。森の奥に湖があって、その奥に見た事がないぐらい紅い屋敷があった。そして、その屋敷から赤い煙・・・異変の原因である紅い霧が出ている。
とまあ、異変の原因がわかったところまではいいんだ。問題はその次、湖をどう越えるかだ。
答えは簡単、飛び越える。それ以外に方法はない。私は空を飛べるわけじゃないんだし、こうするしかないんだ。
という訳で、七歩下がって走る体勢に。自分の中でタイミングをつかんで走り、思いっきり跳躍。
跳躍の時、ボコンという大きな音がした。おそらく穴でも開いてしまったんだろう。帰るときに戻しておこう。とまあ跳ぶときの勢いが強すぎたみたいで、門も跳び越えてしまった。傘は壊れていないので、多分まだ誰も私を認識していないだろう。
館には潜入に成功したので、何も問題はない。とりあえず異変をいち早く解決するために先を急ごう。
次回からは戦闘に入るかも?
質問意見があれば教えてください。