if~城下町の転生者~   作:猫舌

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~櫻田家兄弟の刹那に対する感情~


葵:自慢の弟,最近刹那を見るとドキドキする

修:自慢の弟,兄としての威厳に危機感

奏:自慢の弟,※自主規制※

茜:自慢の兄,最近気付けば目で追ってる

岬:自慢の兄,理想の男性

遥:自慢の兄,何時か刹那に追いつきたい

光:自慢の兄,大・大・大好き♡

輝:自慢の兄,最近刹那の何気ない仕草にドキッとする

栞:自慢の兄,兄様、光源氏って知ってる?


第8話

刹那サイド

 

 

ある日の事、自転車がパンクした為に久しぶりに歩いて学校へ向かっていると我が家の次女様と三女様が全力ダッシュしているのが見えた。何やってるのかと呆れながら追いかけて行くと、茜がいきなり道路に飛び出した。道路の中心に居た猫を救おうとした様で、猫を抱えて安心している茜に叫ぶ。

 

 

「茜!早くこっちに!」

 

「あ、せっちゃん!」

 

 

僕の体は無意識に動いていた。能力で茜の前まで移動する。茜を転移させようとしたが、"目の前に迫ってきているトラック"の距離からして間に合わない。だから僕は能力をもう一つ使う。

 

 

「《重力操作・Ⅱ(セカンドシフト)》!」

 

 

右手を前に押し出す。するとトラックが僕のスレスレの所で止まった。僕は皆の能力を自分なりに強化させて創った。茜の場合は触れた物の重力操作だけでなく、左手は引力、右手は斥力を操作できる様になっている。それが長距離にある物であろうとだ。一度だけ実験したことがあるが、本気で左手を宙に向けたら隕石が落ちて来た。僕目掛けて。慌てて右手で返したが、その際に衛星を一つ壊してしまった事は苦い思い出だ。

 

 

「茜、大丈夫?」

 

「う、うん・・・」

 

 

茜は猫を抱えたまま震えていた。僕は茜を抱きしめて頭を撫でる。昔はよくこうやって茜を慰めたり寝かし付けてたっけ・・・。茜を撫でていると、トラックの運転手が怒りの表情で降りてきた。

 

 

「おいクソガキ!危ねえだr・・・ゲッ!?櫻田家の次男と三女!」

 

「・・・お前」

 

「お、お前って何だ!大人に向かっt「黙れ」ひっ!?」

 

「誰の許可を得て口を開いている"雑種"」

 

「・・・せっ・・・ちゃん・・・?」

 

 

茜から離れて立ち上がり、目の前の不快な存在に向かう。

 

 

「確かに道路を飛び出したのは茜だ。だが、この道路は本来トラックは通行禁止だ」

 

「うっ!?」

 

「それだけじゃない。法定速度を破って走行の上に余所見運転とはいい度胸だ」

 

「そ、それh「喋るな」」

 

 

雑種の言葉を遮り、僕は続ける。

 

 

「極めつけには謝罪ではなく僕らに対する罵倒・・・巫山戯るな!」

 

「刹那、そこまでよ!」

 

 

かな姉に止められ、僕は深呼吸をしながら一歩下がる。すると雑種が此方を睨みつけながら吐き捨てた。

 

 

「親の七光りの癖に偉そうな事言うなクソガキが!」

 

 

その言葉のすぐ後に小さな破裂音の様な物が鳴り響いた。茜が雑s・・・運転手を引っぱたいた音だった。

 

 

「謝れ・・・今すぐせっちゃんに謝れ!」

 

「な、何を・・・」

 

「せっちゃんが七光り?せっちゃんは何時だって私達の為に必死になってた!常に努力を怠らなかった!私達の誇りだ!」

 

 

運転手を睨みつけながら茜が叫ぶ。僕とかな姉はポカンと固まっていた。

 

 

「せっちゃんは貴方より何倍も努力して、苦しんで!それでも家族を、国民を守ろうとしてる!」

 

「あ・・・あ・・・」

 

「・・・本当はもう一度殴りたいけど、貴方を裁くのは私じゃない。法だよ・・・」

 

 

そう茜は吐き捨てて携帯で連絡を始める。あんなに人前で堂々とした茜は初めてだ。

 

 

「何か・・・成長したね、茜」

 

「そうね・・・嬉しいような寂しいような」

 

 

遠い目で見ていると、直様警察王宮の部隊が到着し、事情聴取の後学校へと送ってもらった。僕の能力については運転手が余所見をしていた件が幸をなし、茜が咄嗟に能力を使ったのと、僕の風が止めたと言う事になった。今日はリヴェータも出張で不在の為、一人で帰ろうとしていると、目の前で茜が立っていた。

 

 

「その・・・一緒に帰ろ?」

 

「良いけど、かな姉達・・・ああ、生徒会」

 

 

僕が言うと、茜は頷いた。

 

 

「じゃあ、行こうか」

 

「うん・・・」

 

 

僕と茜は二人で帰路に着き始めた。二人共無言で歩く。

 

 

「「(き、気まずい・・・)」」

 

 

朝の事もあり、無言のままが続く。そんな中、茜が遂に口を開いた。

 

 

「あ、あのね・・・今朝はゴメンね。私の所為で・・・」

 

「別に茜の所為って訳じゃないでしょ」

 

「ううん。だって私が飛び出さなければあんな事にはならなかったし」

 

「でも、茜がいたからあの猫は助かったんだよ」

 

「それは・・・そうだけど・・・」

 

 

俯く茜の頭に手を置いて撫でる。

 

 

「茜、良いかい。その言葉はあの猫に対して僕の為に死ねと言っているのと同じだよ」

 

「あ・・・」

 

「だから謝るのは止めなさい」

 

「ごめんなさい・・・」

 

「・・・できれば違う言葉が聞きたいかなって・・・」

 

「あぅ・・・ありがとう・・・」

 

「うん、どういたしまして」

 

 

涙を流す茜を慰めながら僕は家へと向かって行った。

 

 

 

 

 

~帰宅後~

 

 

『ご覧下さい!茜様が堂々と叫んでいます!』

 

「な、何コレぇ!?」

 

「ああ、そう云えばあったね。カメラ」

 

 

テレビを見て茜が叫ぶ。周りでは修兄達が感慨深い表情をしていた。

 

 

「よく言った茜。それでこそ俺の妹だ」

 

「駄兄は黙ってどうぞ」

 

 

修兄への辛口は健在の様だ。テレビを見る限り僕の能力の事は伏せてある様で、ちゃんと茜の能力と僕の風で止めたとなっている。見えない力で良かった・・・。そう思っていると、僕の服を栞がクイクイと引っ張った。

 

 

「何?」

 

「兄様、身体大丈夫?」

 

「ありがと、大丈夫だよ」

 

「兄様は、何時も頑張りすぎちゃうから・・・」

 

 

栞が心配そうに僕を見上げる。僕は栞を撫でた。なんか今日撫でてばかりだな・・・。

 

 

「心配してくれてありがとう。でも本当に大丈夫だから」

 

「分かった・・・」

 

 

渋々といった表情で栞は下がる。その後、何気ない会話をして食事をし、部屋に戻る。この前買ったミステリー小説を読んでいると、携帯が鳴る。どうやらメールの様だ。それはかな姉からのメールで、部屋に来て欲しいと書いてあった。

 

 

「・・・行きますか」

 

 

そう思って部屋を出てかな姉の部屋へ向かうと、部屋の前に茜が立っていた。

 

 

「あ、せっちゃんも呼ばれたんだ」

 

「まあね。それじゃ、入ろうか」

 

 

僕はドアをノックしてかな姉に入室の許可をもらった。部屋に入ると、暗い顔をしたかな姉がベッドに座っていた。僕達は座布団に座る。するとかな姉が立ち上がって僕達に頭を下げてきた。

 

 

「ごめんなさい!」

 

「え、何で?」

 

「そ、そうだよかなちゃん」

 

「私はあの時何も出来なかった。刹那が馬鹿にされた時も体が動かなくて・・・それで・・・ごめんなさい!」

 

 

かな姉はそう言って蹲って泣き始める。正直、かな姉の反応が普通だ。目の前で人が轢かれそうになれば誰だってフリーズする。単に僕は死と隣り合わせの状況に慣れた所為で行動が早かっただけにすぎない。茜の方もかな姉の立場を分かってる様で、気にしてないと言った。

 

 

「ほら、顔上げて。かな姉は気にする事ないんだって」

 

「でも・・・でもぉ・・・」

 

 

ガチ泣きですやん・・・。僕は泣きじゃくるかな姉の両頬をグニグニと弄り回す。

 

 

「何時までも泣き言言うのはこの口か~」

 

「ひゃ、ひゃめへ・・・」

 

「やっと泣き止んだか。さっきから気にしすぎなんだよかな姉は」

 

「そうだよ。私は兎も角せっちゃんはちょっとやそっとじゃビクともしないんだから」

 

「フォローになってないぞ妹よ。痛くないって訳じゃ無いんだから・・・」

 

「そ、そうだよね・・・せっちゃんは昔から痛い思いばかりで・・・!」

 

「やべ、地雷踏んだ」

 

 

かな姉がまたも泣き始める。かな姉を慰めるのに結局30分掛かった。結局この日は何故か三人で寝る事になった。昔良く茜を挟んで川の字になって寝たっけな。懐かしいな・・・そして何故僕が真ん中なのかな?普通かな姉じゃ無いの?そう思ってる内に僕の意識は微睡みの中へと沈んでいった・・・。

 

 

刹那サイド終了

 

 

三人称サイド

 

 

~櫻田家[父・母]の部屋~

 

 

櫻田家の両親の寝室。そこで二人はある一枚の写真を見ていた。

 

 

「もう十年以上経つのか。早いな・・・」

 

「元気に育ってくれましたね」

 

「ああ。少し無茶が過ぎるけど・・・」

 

「そうですね・・・。今日はもう寝ましょうか」

 

「そうだね。おやすみなさい」

 

「はい、おやすみなさい」

 

 

総一郎は写真をテーブルに置いて、妻と軽くキスをしてから眠りへと落ちた。暗い部屋の中、月の光に照らされた写真には、"白髪の赤ん坊"を抱いた"白髪の女性"が写っていた・・・。

 

 

三人称サイド終了

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