神様から授かった能力 ~スタンド使いが幻想入り~ 不定期更新 作:薬売り
気持ち改めて、また投稿させていただきます。改めついでに書き方も少し変えさせていただきました。名前表記がありません。見辛ければ感想の方に書いていただけると嬉しいです。
それではどうぞ。
すぐに戦闘の態勢をとる。
はたての言う通り、藻部はスタンド使いだった。
「負けることで強くなるスタンドか?」
「アハハハハ…あ………」
「だいぶ逝ってんな」
ロクに会話も出来やしねぇ。負けたても、普通こんなにはならない。
やるか。
「『シルバーチャリオッツ』」
変身した瞬間、すぐに奴の腹を目掛けて突く。
「そりゃ、避けるよな」
案の定、素早く剣を持つ手と逆手の方に避けた。
さてどうするか、と思ったその時、予想だにしないことが起きた。
藻部が剣を片手で掴み、折り曲げたのだ。そして折れた剣を引っ張り、俺を寄せる。殴るのか、拳を構えている。
これは、ヤバイ。俺は直ぐにスタンドを代え、回避。
「『ストーンフリー』!」
腹部だけをそれにし、糸状になる。ついでに糸を絡めてこいつの身動きを止める、つもりだった。
「オラァァァァアア!!」
「んなッ!?」
反射的に腕を引くのが普通だ。しかし!藻部は!逆に!体を腹部へとめり込ませたのだ!
確かにこれでは腕の固定は失敗した。しかも、この距離である以上、避けることもできない。腹部の糸を緩める間もなく奴は攻撃をしてくる!!
「『ラッド・ウィンプス』!!」
魔理沙のスタンド、ラッド・ウィンプスという手袋状のスタンドを手にはめ、液状のマスタースパークを出して奴の拳を止める。
「あづ!?」
「オッラァ!!」
そのまま顔面を殴り、奴は顔を痛みで抑える。その隙に腹部の糸を解き、藻部の抑えている手もろとも顔面を掴み、地面に投げ飛ばす。
「グガァ!?」
「はぁ、はぁ」
焦る。ここまで狂気じみた攻撃をしてくるのは初めてだった。まるで勝つことに必死なよう……
「『ストーンフリー』、奴を拘束しろ」
今度こそ行動不能だ。顔以外を全て糸で拘束、流石に奴の『負け』だ。
「負けたくない」
「まだ言うのか?」
「うるせぇ!!俺ほどの人材が!お前みてぇな能がない底辺の豚畜生に、負ける訳にはいかねぇんだよ!!」
こいつのスタンドを、少し理解した気がする。『プライド』だ。プライドそのものなのだ。『LOSER』は奴のプライドがスタンド化したものなんだ。
「負けたくない負けたくない負けたくない負けたくない負けたくない負けたくない負けたくない負けたくない…」
「諦めて、灰を取られろ……ん?」
奴のスタンドが、奴を見下ろすように現れた。なるほど、その状態で闘うのか。悪あがきだな。
そう思った瞬間、また更に予測できないことが起こった。
「は、はは。戦えよ、俺のスタンドなんだからよ、ほら。早くしろやぁ!!」
「ウルサイ」
『LOSER』が奴の顔面を踏み潰したのだ。しかも、何度も何度も踏みつけ、憎しみを込めて、形も定かでないほど踏みつけた。
お前の所為で、俺の『プライド』が傷付いたと言うように、何度も何度も……自身の宿主を潰したのだ。当たり前だが、もう奴は動かない。
俺は、汗が流れるのを感じた。ヤバイ、こいつの狂気のプライドは、なんでもしでかす。
藻部政義の命は呆気なく、自身のプライドによって消え失せた。
「サテ……」
『LOSER』がこちらを睨む。次は俺のようだ。珍しく俺は恐怖を感じている。俺は汗を拭った。
「『スタープラチナ』『エンペラー』」
両腕を『スタープラチナ』にし、『エンペラー』を左手に持つ。そして構える。奴が動いた瞬間、これを撃ち込む!!
暫時、音がなかった。ただ、風にさざめく葉が静けさを際立たせた。
「シネ」
今だ。俺は奴にエンペラーを撃つ。
「……ッ」
勿論、弾丸は奴の腹部に貫通する。しかし、それでも全速力で向かってくる。予想通り、俺は『スタープラチナ』の拳をぶち込む……
「浄夜さん?……この死体って……?」
「な、文!?」
ハッ!?しま────
「グフゥ!?」
顔面に感じる衝撃。そこから10m程離れた木に体を打つ。
「フン、クソ女カ。オレノホウガ優レテルニモ関ワラズ、人気ヲヨコドリシタ、クズ」
「に、逃げろ……文」
「い、一体どうしたんですか!?」
文は一目散に俺の所へ駆け付ける。
スタンドはスタンド使いにしか見えない。文の、文の命が危うい。『LOSER』がこちらに歩み寄る。
「逃げろ!!」
「何馬鹿なこと言ってるんですか!?一体何から逃げれば良いってんですか!?」
「良いから逃げろっつってんだよ!!」
怒るような口調で逃げるように促した。普段、俺はここまで怒鳴ったりはしない。だから、効果があるかと思ったが、逆効果だった。
「逃げたら、貴方はどうなるんです?」
「ッ!!」
「ここに……何がいるのですね?私に見えない何かが」
自分を呪った。文はスタンドを見ることをできない。そんな文を闘わすハメになった。『LOSER』は、文の目の前にいる。
俺は文の足を蹴り、転ばせる。
「痛ッ!?何するんです……」
瞬間、俺のよし掛かっている木が折れ、ぶっ飛んだ。これで分かってくれたかと文の顔を見るが、そんなわけなかった。
「つまりここにいるのね?」
文は俺が先ほどしたように、『LOSER』に足を払う。奴も予想していなかったのか、避けることなく、情けなく転ぶ。
そう情けなく。プライドは十分傷付いた。
「ブッ殺ス!!」
文に拳を振るう。その拳は文の顔面を────
「文、良くやったよ」
当たらない。俺は文が殴られないように抱き寄せ、奴の拳を受け止める。
「じょ、浄夜さん?」
「『ワンオクロック』。固いシャボンを作り、大きくなればなるほど、割れたときの衝撃は大きくなる」
俺は『LOSER』の拳を離す。すると、奴の拳はシャボンに包まれていた。しかも、かなり大きい。
「同じ視線になってくれたお陰で、テメーの拳を掴むことができた、やれやれだぜ」
呆れたようにため息をつき、指をならす。
すると、シャボンは大きく音を立て、割れた。
「グギャァァァァアアア!!!」
奴の腕は消し飛んだ。痛みに耐えられず、地面を転がり、藻部さんの死体の元へと着いた。
「シャボン繋がりで『ハウンド・ドッグ』」
『ハウンド・ドッグ』を飛ばし、それが奴の体に付いた瞬間、奴は本体だった死体もろとも爆破し、形も残さずこの世から消え失せた。
「ハァ……疲れた」
「あ、あの……」
「ん?」
文は何やら申し訳なさそうにこちらを見詰める。大体予想はつくがな。
「ごめんなさい、私としたことが取り乱してしまいました」
「もういいよ。もう終わったことだし、なんにせよ、文がいたから勝った」
「……私の為に闘っているって、はたてから聞きまして、それでいてもたってもいられなくなって……」
はたて、か……彼女は何者なのか?俺が藻部と戦うことを知っていたようだった。どうにも、それが不思議でしかたがない。
あの娘は、一体何を、どこまで知っているのだろうか?
「ごめんなさい」
「文が無傷なだけ良かったよ」
「でも、浄夜が傷付いた」
「こんなん慣れたよ」
そう言い、立ち上がる。傷を『ゴールド・エクスペリエンス』である程度を治癒する。
「家に帰るか、寄ってくか?少し話したいことがある」
「え、えぇ。勿論です」
その焼け焦げた草や木を置いて、俺らは神社へと足を運ぶ。話はまだ、終われない。