神様から授かった能力 ~スタンド使いが幻想入り~ 不定期更新   作:薬売り

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君の意見を聞こう

「そうだったんですか……あの藻部さんが、スタンド使い……つまり、灰の支配下に生きていたってことですか」

 

文は座布団の上で膝を折り、翼を畳んでいつになく真剣な表情を見せる。まぁ、それもそのはずだ。上司が自身の売っていた新聞の売り上げやこれからの人気を阻礙をしていたのだから。

 

「いや、断言はできない。顔が潰れて、本当に灰があったのかは分からないんだ」

 

「え、スタンドって灰か遺体がないと出てこないんじゃ?」

 

そう勘違いしても無理はないか。この際、文だけではなくて、この異変に関わっている、若しくは関わるであろう人達に話すか。

 

「文、頼み事だが……」

 

「なんですか?」

 

「俺がメモに書いた人達をここに呼んでほしい。俺は地底の人達を呼んでくるから」

 

 

「急に呼び出してどうしたの、浄夜?」

 

「あぁ、集まってもらってすまない。文もありがとう」

 

「いえいえ、それで……どういったお話しなんですか?」

 

文は謙虚に「これしきのことは」と、手を小さく横に振る。そして、俺が話すよう促した。

ここにいるのは、守矢組、天狗組、地霊組、永遠組、紅魔組、命蓮組、八雲組、霊夢、遺体を持っている者と灰を持っていた者。

こんなにも多く居たのかと、少し感心してしまった。いや、関係者が増えるのは良くないが……

 

「話というのはな、この異変についてだ」

 

「異変って……『灰』のこと?」

 

霊夢の質問に俺は頷く。

さて……俺はまず始めにスタンドの説明をした。その次に今の現状、そして、神様の存在。

 

「神様から授かった能力、ですか……」

 

さとりは神奈子をチラと見ると、見られた本人は気まずそうな顔をする。

お空は、訳もわからないと頓狂な顔だがな。

 

「俺は確か……この異変の真相に気付いていたんだ」

 

「なッ!?どういう、異変なの」

 

「それがだが……だな。何て言うかなァ……忘れたんだ」

 

ここにいる全員が「は?」と疑問を投げ掛けながら俺を睨んだ。

 

「俺がスタンドを使って、わざと記憶から除外したんだ」

 

「な、なんで!?どうしてそんな頭のおかしな行動をするんだァァァッ!?」

 

魔理沙が机を勢いよく叩きながら立ち、俺を指差して、責めるように、否、責めた。しかし……

 

「それも忘れた」

 

「ッ!?バ、バカじゃねえの……私らを揶揄してんのか?」

 

「魔理沙、落ち着きなさい。落ち着きがなければ、彼が話したい事が話せないし、私達が聞くべきものも聞けないわ。そもそも、意図なく彼がそんなのことするなんて、考えられないわ」

 

意外にも紫が俺のフォローに入る。珍しく真剣な顔でそれを言い放ち、魔理沙も少し深呼吸に似た呼吸をし、不貞腐れた顔をしつつも、その場に座り直した。

 

「ありがとう」

 

「えぇ、感謝してほしい限りですわ。今度アイス買って」

 

「お、おう」

 

それで良いのか。

 

「ただの推測になってしまうが……記憶してしまうと自分に不利、及び相手に有利になってしまう可能性があるから」

 

「そんな、どんな不利有利があれば記憶ごと消してしまうのよ……」

 

雛が呟いた言葉がやけに耳に残った。確かに、俺も前の自分が信じられない。あの時、俺が『ビートル』に引きずり込まれたとき、あの話以外に何を話したのか?

 

「まぁ、つまり手がかりがない。だから、何かそれらしい情報を、俺に欲しいんだ」

 

「手がかり、ねぇ……そういえば」

 

「ん、どした紫、心当たりがあるのか」

 

紫がそれっぽい反応をする。これでなにもなかったらスタプラ100連発だ。

 

「私の友人に『西行寺幽々子』っているんだけど、それを慕っている『魂魄妖夢』って娘が最近様子がおかしいらしいのよ」

 

「魂魄妖夢って確か………」

 

「そう、貴方も異世界の方の妖夢には会ってるでしょう?あの娘よ」

 

あの、白く靡く髪が特徴の人だろうか?もし今の話が本当であれば、言い情報だ。

 

「そーいや、最近見ねぇな。人里で会うからよく話すのに」

 

魔理沙の一言で更に信憑性を増す。これは、行くべきだろう。灰は考えにくい、もし持っているのなら自ら遺体の持っている者へと向かうか、自身の方へと来るように促すのだ。しかし、妖夢はそれをしない。

つまり、いや、断言までは流石にしないが、遺体を持っている可能性が高い。

 

今残っている遺体は、ジョナサン・ジョースター、空条承太郎、空条徐輪、ウィル・A・ツェペリ、ジャイロ・ツェペリだ。ジョセフ・ジョースターは『ライフ・ウィル・チェンジ』の奴に取られた為に、ノーカウント。

 

「そうだな……誰か同行してくれる人はいるか?」

 

「私が行くわ」

 

真っ先に手を挙げたのは、パルスィだった。

しかし、灰がなくなってもスタンドは扱えるのか?

 

「と思っているでしょ?」

 

「わおエスパー」

 

「使えたわ、貴方が地上に出た後に試みたらね」

 

こいつは良い、グレートだぜ。

 

「よし、じゃあ明日、その妖夢って奴のところにパルスィと行く。他は情報を集めてくれるとありがたい」

 

全員が頷き、決意が固く結ばれた。この決意は決してほどけはしない。緩みもしない。この中に裏切り者がいない限り……

俺はそれがないよう、深く祈った。

 

「ところで、どこに行けば会えるんだ?」

 

「冥界」

 

「……は?」

 

俺が死なないよう深く祈った。

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