神様から授かった能力 ~スタンド使いが幻想入り~ 不定期更新   作:薬売り

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やっばいな、投稿遅くなりました。申し訳ありません。


魂魄妖夢は動けない(怪我的に)

「妖夢が迷惑かけました」

 

「いえいえ、そんな」

 

俺は今、白玉楼の中、魂魄妖夢が仕える主人の『西行寺幽々子』の屋敷にて、その西行寺幽々子とパルスィと俺で鼎談している。

妖夢?彼女はミイラみたいに包帯巻いて、隣の部屋で寝ているよ。

 

「彼女…妖夢に『遺体』とやらを授かってから、とても被害妄想をするようになってたの。誰かが私を殺しに来る、とか」

 

「ふむ…」

 

妖夢は恐らく、俺や今まで遺体を持っていた人達に比べて、信頼できる人はこの人だけだった。しかし、彼女はこの人に仕える身として、相談などがてきなかったのだろう。

 

「その、突然遺体を手に入れましたか?」

 

「え?」

 

この質問は今まで持っている人達にはしていなかったのだが、大体は異変時に手に入れていた。いや、言い方に語弊がある。異変時には、絶対的に遺体を持っている人がいたのだ。

もしかしたら、遺体を手に入れるキッカケがあるのかもしれない。

 

「そうねぇ……特にないかしら。紫が遊びに来た程度よ」

 

「…なるほど」

 

紫はこっちサイドの者だからあまり関係はないだろう。友人の家に行くのも何ら不思議ではない。

やはり、ただの偶然か。

 

「ありがとうございます、俺らはこれで失礼させていただきます」

 

「えぇ、お気を付けて」

 

「あ、そうだ」

 

俺は妖夢が寝ている部屋へ入り、腕を『クレイジー・ダイヤモンド』にして、彼女に触れる。

するといつものように傷は直ぐに治っていき、目こそ覚ましはしないが、表情は憑き物が取れたかのような、清々しいものとなった。

 

「妖夢に言っておいてください。俺は君の敵ではない、とね」

 

 

「といった感じだった」

 

「なるほどなぁ…妖夢も遺体を持ってたのは驚いたぜ」

 

「本当、いつも慌ててるような、あの妖夢がね」

 

俺は博麗神社で霊夢と魔理沙に、白玉楼での出来事を話していた。

彼女と一緒に。

 

「あの妖夢ってなんですか!?私だって、少なくとも貴女達よりはちゃんとしてますよ!!」

 

魂魄妖夢と。

 

「ハイハイ、寝言は寝てから言ってね」

 

「んなッ!?」

 

「落ち着けって、怪我は治ってても貧血気味なんだから」

 

「誰の所為だと思ってるんですか!?貴方ですよ貴方!!」

 

誰だ?俺の方角を指差すので、俺は後ろを振り向く。

 

「樹条浄夜だってんですよォォォォォッ!!」

 

「オレェ?正当防衛だろ」

 

「傷を治してからまたぶん殴るのッ!!どこがッ!!正当防衛なんですかァァァァァッ!!」

 

見ての通り、すっかりと元気になったようだった。あれからずっと心配だったんだよ。チルノの遊びで凍らされる蛙の次に心配だった。

 

「落ち着けって、お前にも非がある。命を取られそうになったのに、お前は生きてる。全然責められないな」

 

「うぅぅぅぅ!!許しませんからね!?」

 

「結構だ」

 

さてと、無駄話は置いておき、本題に入るとしよう。

 

「妖夢、お前が遺体を手にしたとき、遺体はお前に何を囁いた?」

 

「えっと…地面に地図が浮かび上がった後に、ストーンフリーが『 Tu es gratis(トゥ アス グラティース)』って言ってました」

 

「とーあすぐらてえす?」

 

「またラテン語か…恐らく『君は自由だ』って意味だ。全く自由じゃなかったがな」

 

「へぇー、よくラテン語とやらを知ってるわね」

 

「あれ?そういやなんでだ?」

 

何故、俺はラテン語を知っているんだ?分からないな…

どうでも良いか。別に気にする程のものでもない。

 

「その、地図が浮かび上がったって言ってたな?どこを指していたか、分かるか?」

 

「確か…妖怪の山だったはず。守矢の西側」

 

「え、マジ?」

 

灯台もと暗しとはまさにこの事だ。住所のすぐ近くにあるじゃあないか。

 

「あの地図ってなんなんですか?」

 

「次の遺体の場所だよ」

 

「なるほど…」

 

「細かい位置とか分からんし、案内してくれないか?もしかしたら、闘うことになるかもしれないが…」

 

「構いませんよ、私に斬れないものなどあんまりありませんから」

 

あんまり、なんだ…

少し不安になったんだが、大丈夫だろうか?


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