あと、よかったら感想とか、出して欲しいキャラクター(ウルトラマンに限りますが...)とかあったら知らせてください。
「約束したのに...明日の試合は僕が投げるんだよ」
「シン、お前が明日の試合に行かなければ皆が困るように、父さんが行くのを皆待ってる。わかるな?」
「うん...その代わり、帰ってきたら野球で勝負して」
「勝負?」
「父さんが負けたら、一日僕の言うことを聞くんだ。仕事もみんな休んで」
「ああ、男の約束だ...父さんはすぐに帰ってくる」
「うん!」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
アスカ「はっ!」
アスカ「夢か.....」
いい夢ではなかった。親父と交わした最後の会話。あのあと親父は行方不明になった。
とにかく、嫌な夢だった。
アスカ「...もう一回寝るか」
____________________________________________________________
アスカ「あーー!やっぱりうめー!」モグモグ
箒・セシリア・鈴「・・・・・・・・・・・」
朝食の時間、いつものように四人で食っている。
夢はどうなったか?朝飯一口食ったらどうでもよくなったよ。
箒「おいアスカ.....」
アスカ「な、なんだよ」モグモグ
箒「いい加減にしろよ?」
アスカ「何が?」モグモグ
鈴「『何が?』じゃないわよ!あんたそれで何杯目よ!」
何杯って....えーと
アスカ「五杯目だな」モグモグ
鈴「知ってるわよ!」
じゃあなんで聞いたんだよ。
セシリア「それに納豆なんてよく食べられますわね.....」
箒「納豆は別にいいが生卵を入れて食うのはちょっとな....」
アスカ「おい、納豆+葱+辛子+生卵のコンボを馬鹿にするなよ」モグモグ
これは本当にうまい。納豆自体嫌いな奴もそうだが、葱と辛子と醤油だけで満足している奴ももったいない。
アスカ「なんなら食ってみるか?」モグモグ
箒・セシリア・鈴「「「遠慮します」」」
アスカ「うまいのにな~」モグモグ
朝の何気ない光景だ。
朝食を済ませ(ちなみに時間的に七杯が限界だった)教室でハネジローの朝飯(購買で買ったあんぱん¥90)に付き合っていると
「やっぱりハヅキ社製のがいいなぁ」「え?そう?ハヅキのってデザインだけって感じしない?」「そのデザインがいいの!」「私は性能的に見てミューレイのものがいいかなぁ。特にスムーズモデル」「あー、あれねー。モノはいいけど高いじゃん」
クラス中の女子がわいわいと賑やかにカタログ片手に意見交換会をしている。
「そういえばアスカ君のISスーツってどこのやつなの?見たことない型だけど」
アスカ「あー、あれ厳密にはISスーツじゃないんだよ」
「え、そうなの?」
アスカ「ああ、一年くらい前に所属してた組織の物で、機動性も防御性にも優れてるから作る必要もねぇかってことであれ使ってんだ。」
「へー。あ、でも専用機君はどう思っているのかなー?」
ガッツイーグル「私もアスカにISスーツは使って欲しくないな」
「なんで?」
ガッツイーグル「今まで以上にアスカの身体に密着しないといけないだろ。考えただけで.....うぅ、ぞっとするな...」
アスカ「おい!そんなこと言うんじゃわざと攻撃するぞ!」
ガッツイーグル「すまない...スクラップは嫌だ」
普通のISはスーツなしだと反応速度が鈍るらしい。何でだっけ....?
山田「ISスーツは肌表面の微弱な電位差を検知することによって、操縦者の動きをダイレクトに各部位へと伝達、ISはそこで必要な動きを行います。またこのスーツは耐久性にも優れ、一般的な小口径拳銃の銃弾程度なら完全に受け止めることができます。あ、衝撃は消えませんのであしからず」
すらすらと説明しながら現れたのは山田先生だった。
ガッツイーグル「ちなみにわたしはアスカの動き、思考を完全に読み取って最適な行動をとる進化したISだ」
聞いてねぇよ。
「山ちゃん詳しい!」
山田「一応先生ですから。....って、や、山ちゃん?」
「山ぴー見直した!」
山田「今日が皆さん専用のスーツの申し込み開始日ですからね。ちゃんと予習してきてあるんです。えへん。.....って山ぴー?」
入学から二ヶ月。山田先生には8つくらい愛称がついていた。慕われている証拠だ。多分。
千冬「諸君、おはよう」
「お、おはようござます」
アスカ「お、ハネジロー食い終わったか、うまかったか?」
ハネジロー「パムー」
アスカ「そうか、よかっ痛てっ!!!」バシン
ハネジロー「パム!?」
千冬「挨拶はどうした、アスカ・シン」
アスカ「おはようございます。織斑先生.....」
千冬「おはよう、ハネジロー」ナデナデ
無視すんなよ暴力教師!
ガン!
得意の読心術を使われたのか、二度目の鉄拳制裁を食らった。
――― 口は災いのもと、さわらぬ神に祟りなし、だ ―――
山田「ええと...今日はなんと転校生を紹介します!しかも二名です!」
「「「ええええええええええええっ!?」」」
三度の飯より噂好きの十代女子の情報網をかいくぐって、いきなり転校生が現れたことによりざわめきが生まれる。
アスカ(ていうか、ふつう転校生って分散させないか?)
そんなどうでもいいことを考えていると教室のドアが開いた。
?「失礼します」
?「・・・・・・・・」
クラスに入ってきたふたりの転校生を見て、ざわめきがぴたりと止まる。
そりゃそうだ。
だって、そのうちのひとりが―――――――男子だったんだから。
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「シャルル・デュノアです。フランスから来ました。この国では不慣れなことも多いかと思いますが、みなさんよろしくお願いします」
転校生の一人、シャルルはにこやかな顔でそう告げて一礼する。
あっけにとられたのは俺を含めてクラス全員だろう。
「お、男....?」
誰かがそうつぶやく。
「はい。こちらに僕と同じ境遇の方がいると聞いて本国より転入を――――」
人懐っこそうな顔。礼儀の正しい立ち居振る舞いと中性的に整った顔立ち。髪は濃い金髪。それを首の後ろで丁寧に束ねている。身体はともすれば華奢に思えるくらいスマートで、しゅっと伸びた脚が格好いい。
あとちょっと可愛いと思ってしまった。
もう一人は、輝くような銀髪。ともすれば白に近いそれを腰近くまで長くおろしている。整えている風はなく、伸ばしっぱなしという印象だ。そして左目にガチな黒眼帯。養成所のすっげぇ怖い教官がしていたアレ。
アスカ(あのオッサンまだ教官やってんのかな)
印象はいうまでもなく『軍人』。身長はシャルルと比べて明らかに小さいが、その全身から放つ冷たく鋭い気配がまるで同じ背丈であるかのように見るものに感じさせていた。
ちなみにシャルルは男にしては小柄な方だが、もう一人の転校生は女子の中でも若干背が低い部類だろう。
千冬「挨拶をしろ、ラウラ」
ラウラ「はい、教官」
千冬「ここでは織斑先生と呼べ」
ラウラ「了解しました」
ラウラ「ラウラ・ボーデウィッヒだ」
「.............」
クラスメイト達の沈黙。続く言葉を待っているのだが、名前を口にしたらまた貝のように口を閉ざしてしまった。
山田「あ、あの、以上...ですか?」
ラウラ「以上だ」
空気にいたたまれなくなった山田先生が出来る限りの笑顔でラウラに聞くが、返ってきたのは無慈悲な即答だけだった。
おい、先生をいじめんじゃねぇよ。今にも泣きそうな顔をしてんじゃねぇか。
そんなことを考えていたせいか、ラウラとばっちり目があう。
アスカ「よう、よろしくな」
ラウラ「! 貴様....」
うん?なんだ?つかつかとこっちにやってくるぞ。
手を差し出している。友好の握手かな?
そう思っていると、
バシンッ!
アスカ「うぇ?」
いきなり殴られた。それも無駄のない平手打ち。――――は?
ラウラ「私は認めない。最強のISを所有するのは貴様ではない」
え?なんで俺殴られたの?たしかコイツ最強とか言ってたよな。だから殴られたの?だったら迷惑な話だ。一体誰がそんな噂を...って、んなこと考えてる場合か!
アスカ「いきなり何しやがる!」
ラウラ「ふん....」
来たとき同様すたすたと俺の前から立ち去るラウラ。空いている席に座ると腕を組んで目を閉じ、微動だにしなくなる。
うわぁ、無視しやがった。
千冬「あー.....ではHRを終わる。各人はすぐに着替えて第二グラウンドに集合。今日は二組と合同でIS模擬戦闘を行う。解散!」
ぱんぱんと手を叩いて千冬が行動を促す。
俺は無茶苦茶腹が立っていたがそうも言ってられない。
このままクラスにいると女子と一緒に着替えなければならない。それは非常に困る。
なので俺は急いでクラスから移動しなければならない。
千冬「おいアスカ。デュノアの面倒を見てやれ。同じ男子だろう」
おっとそうだった。
シャルル「君がアスカ君?初めまして僕は―――」
アスカ「ああ、いいから。とにかく今は移動が先だ。さぁ行くぞ!」
シャルル「え?」
アスカ「走れ!」
シャルル「ちょっと...」
俺はシャルルの手を取ってアリーナ更衣室に向かう。
アスカ「これから実習のたびにこの移動だから、早めに慣れてくれよ」
シャルル「う、うん」
なんだ?さっきまでとは違って妙に落ち着かなそうだな。
アスカ「トイレか?」
シャルル「トイ...っ違うよ!」
アスカ「そうか。それは何よりだよ」
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アスカ「ふぅ~なんとか逃げ切ったな~」
言うまでもなく各学年各クラスからの情報先取のための尖兵からだ。
あれに捕まったら最後、質問攻めの挙句授業に遅刻、鬼教師の地獄メニューが待っている。絶対にそうなるわけにはいかん。
シャルル「速すぎるよ...少しスピード緩めてくれても....」
アスカ「え?結構抑えたつもりなんだけど?」
シャルル「嘘!?」
アスカ「シャルルはもう少し体力つけた方がいいな」
シャルル「アスカ君が速すぎるだけなんじゃ....」
アスカ「よし決めた!今日、放課後キャッチボールしようぜ!」
シャルル「え?キャッチボール...?」
アスカ「やったことぐらいあんだろ?今まで頼んできたのに誰も引き受けてくれなくてさー」
シャルル「....うん、いいよ!やろうキャッチボール」
アスカ「おお!サンキュー!あと俺のことは『アスカ』って呼んでくれ」
シャルル「うん、アスカ。これからよろしくね」
アスカ「おう!よろしくな!」
そんな話をしている内に更衣室に到着した。
アスカ「うわ!時間ヤバイな!すぐに着替えちまおうぜ」
そう言いながら俺は制服を脱ぎ捨てた。
シャルル「わあ!?」
アスカ「?....どうした?荷物でも忘れたか?って、なんで着替えないんだ?さっさとしないと遅れるぞ。あの鬼教官は容赦しないからな」
シャルル「う、うんっ? き、着替えるよ? でも、その、あっち向いてて....ね?」
アスア「ああ、別に男の着替えをジロジロ見る気はないが....ってシャルルはジロジロ見てるな?」
別に制服を脱いでガッツアーマーに袖を通すだけだから問題ないが。
シャルル「み、見てない!別に見てないよ!?」
なんでこいつこんなに反応するんだ?不思議なやつだなぁ。
そのあいだに俺は上着に袖を通して着替え完了!
アスカ「シャルル?」
気になって視線を向けると既にISスーツに着替え終わっていた。
アスカ「うわ、着替えるの超早いな。なんかコツでもあんの?」
シャルル「い、いや、別に....ってアスカ、なにその格好?」
アスカ「これが俺のISスーツみたいなもんだ」
シャルル「これが?」
アスカ「すげぇぞこれ。火炎、冷気、加圧、銃弾、光弾、放射線とか全てに耐性持ってんだぞ?そんじゃそこらのISスーツより遥かにいいだろ?」
シャルル「へー!すごいね!」
アスカ「シャルルのスーツは着やすそうだな。どこの?」
シャルル「あ、うん。デュノア社製のオリジナルだよ。ベースはファランクスだけど、ほとんどフルオーダー品」
アスカ「デュノア?デュノアってどこかで聞いたような...」
シャルル「うん。僕の家だよ。父がね、社長をしているんだ。一応フランスで一番大きいIS関係の企業だと思う」
アスカ「へえ!じゃあシャルルって社長の息子なのか。道理で」
シャルル「道理って?」
アスカ「いや、気品っていうか、いいところの育ちって感じがするじゃん。野球で毎日泥と傷だらけだった俺とは違うなーって」
シャルル「いいところ.....ね」
ふと、シャルルが視線を逸らす。それは何か触れられたくないところだったんだろうか。複雑な表情を浮かべている。
シャルル「それよりアスカのほうがすごいよ。聞いたよ?生身でISに勝っちゃったんでしょ?」
アスカ「あれは武器が良かったんだよ」
シャルル「いや、ISの速度についてくだけでも凄いのにさ―――――」
アスカ「ってやべぇ!時間過ぎてんじゃねぇか!」
ついトークに夢中になってしまった。本日二度目のダッシュだ。
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千冬「遅い!」
アスカ「痛っ」
ったくこの女、顔合わせる度に暴力振るってくるな....
千冬「下らんことを考えていないでさっさと列に並べ!」
ばしーん!
また叩いたよこの人。
俺とシャルルは一組整列の一番端に加わる。
セシリア「ずいぶんゆっくりでしたわね」
なんでセシリアは四月の代表決定戦以降、やたら構ってくるんだろ?
セシリア「そのスーツに袖を通すだけでどうしてこんなに時間がかかるのかしら?」
ちなみにISスーツは一般的には女性用なので、見た目はワンピース水着やレオタードに近い。
部分的に肌の露出があるのは動きやすいように考慮されてのことらしい。
実際、防御に関してはISのシールドバリアーがあるのでスーツ面積が少なくても問題はないらしい。
ところがシャルルのISスーツは違う。全身すっぽり、首のところまである。露出しているのは頭と手と足くらいだ(俺に至っては頭だけだが)
アスカ「道が混んでいたんだよ」
セシリア「ウソおっしゃい。いつも間に合うくせに」
アスカ「話し込んでたら時間が過ぎてたんだよ」
セシリア「そうですかそうですか」
なんでセシリアの言葉の端々に棘があるんだろう?
千冬「それではこれから八人グループになって実習を行う。各グループリーダーは専用機持ちがやること。いいな?では分かれろ」
千冬が言い終わるや否や、俺とシャルルに一気に二クラス分の女子が詰め寄ってくる。
「アスカ君、一緒にがんばろう!」「わかんないとこ教えて~」「デュノア君の操縦技術を見たいなぁ」「ね、ね、私もいいよね?同じグループにいれて!」
千冬「この馬鹿者どもが....。出席番号順に一人づつ各グループに入れ!順番はさっき言った通り。次にもたつくようなら今日はISを背負ってグラウンド百周させるからな!」
あれすごくきついんだよなぁ....
鶴の一声というやつだろうか。それまでわらわらと蟻のように群がっていた女子達は、蜘蛛の子を散らすように移動して、それぞれの専用機持ちグループは二分とかからず出来上がった。
千冬「最初からそうしろ。馬鹿者どもが」
ふうっとため息を漏らす千冬。それにバレないようにしながら、各班の女子はぼそぼそとおしゃべりをしていた。
少しは反省しろよ
「・・・やったぁアスカ君と同じ班っ。名字のおかげね・・・」「・・・セシリアかぁ...大丈夫かな・・・」「・・・凰さん、よろしくね。あとでアスカ君の話聞かせてよ・・・」「・・・デュノア君!わからないことがあったらなんでも聞いてね!ちなみに私はフリーだよ!・・・」「・・・・・・・・・・・」
ちなみに唯一おしゃべりがないのが例のドイツ転校生ラウラ・ボーデヴィッヒの班である。
張り詰めた雰囲気。人とのコミュニケーションを拒むオーラ。生徒たちへの軽視を込めた冷たい眼差し。さっきから一度も開くことのない口。
そんなラウラの鉄壁城壁には話しかけようがないらしく、みんなちょっとうつむき加減で押し黙っている。
うわーすっげぇ可哀想.....
山田「いいですかーみなさん。これから訓練機を一班一体取りに来てください。数は『打鉄』《うちがね》が三機、『リヴァイヴ』が二機です。好きな方を班で決めてくださいね。早い者勝ちですよー」
こりゃあ驚きだ。山田先生がいつもの五倍くらいしっかりしている。いつ元気づいたかは知らんが、その姿は堂々としたもので、眼鏡を外すとそれだけで『仕事のできるオンナ』に見えそうだ。
しかし堂々はいいが、どうも癖であるらしい眼鏡を直す動作にあわせて山田先生の豊満な乳房がぷるんっと揺れている。
アスカ(うわぁ....)
ギュムッ!
アスカ「いってえっ!なんだよ!」
いきなりかかとで思いっきり足を踏まれた。
全体重をかけた攻撃はポイント、角度ともに絶妙で思わず声をあげてしまった。
誰だこんなことをするやつは...って、一人しかいないか。
アスカ「ひどいじゃねぇかよ、箒!」
箒「....エロ野球馬鹿」
アスカ「ひっでぇ渾名だな!」
箒「文句があるのか?」
うっ、かなりご立腹の様子。
てか同じ班だったのか。だったら酷い渾名を撤回していただかなければ。
そう思って話しかけようと思った矢先、
「アスカ君、ISの操縦教えてっ」「ああーん、このIS重ーい。私箸より重いもの持ったことなーい」「実戦訓練の基本はツーマンセルよね。じゃあアスカ君、組みましょう」「ねえねえ専用機ってやっぱりいい感じ?いいなー、うらやましいなー」
箒に声をかけようとするがそれより早く同じ班の女子に取り囲まれてしまう。
しかも俺が班長なので適当にあしらうこともできない。
アスカ「えーっと....」
山田『各班長は訓練機の装着を手伝ってあげてください。全員にやってもらうので、設定でフィッティングとパーソナライズは切ってあります。とりあえず午前中は動かすところまでやってくださいね』
ガッツイーグル「わかったか、アスカ?」
ISのオープンチャンネルで山田先生が連絡してくる。お節介なISもついでに確認してくる。
ガッツイーグル「君の思考とリンクしているんだから考えていることはわかるんだぞ!」
アスカ「へいへい、それじゃあ始めるか」
ガッツイーグル「無視をするな!....もう怒ったぞ!」
――― 展開!スタンドモード! ―――
俺の手首から離れたガッツイーグルは自立型ロボットのような姿をして現れた。
アスカ「おいこら!勝手に変なことするんじゃねぇよ!」
ガッツイーグル「しばらく私はこのままでいるぞ。君に直接やり返せるこの姿でな」
うっぜえぇぇぇ!
アスカ「お前がその気ならこっちだって考えがある」
ガッツイーグル「聞いてみようか?」
アスカ「今度、待機状態のときに俺のパンツと一緒に洗濯機にぶち込んでやる!」
ガッツイーグル「くっ、....ならこっちだって!」
アスカ「な、なんだよ」
ガッツイーグル「シャワーからサラダ油しか出ないように改造してやる!」
アスカ「俺よりも質が悪いじゃねえかよ!」
ガッツイーグル「君が何もしなければ私だって何もしないさ。何 も し な け れ ば な ?」
ブチッ
アスカ「てめえスクラップにしてやる!」
カチッ
ガッツイーグル「望むところ!蜂の巣にしてくれる!」
千冬「何をしている!」
アスカ・イーグル「「あ?......あああぁ...」」
千冬「授業をすっぽかして喧嘩とはいい度胸だな?私も混ぜてもらおうか」
アスカ「あ、いや、あの...お、織斑先生が加わるまでもありませんよ。ほら!俺たちもう仲直り!な?」
ガッツイーグル「おおおお、おう!そうとも!なにせ私たちは死線をくぐり抜けてきた大親友だもんな?ハハハハ」
アスカ「ハハハハハハハハ......駄目すか?」
千冬「真面目にやれ!」ドカッ!「うぇっ!」ドカッ!「ウグッ!」
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アスカ「みんな、出席番号順にISの装着と起動、そのあとの歩行までやろう。」
くそっ、殴られたところがまだ痛い...
「はいはーい!出席番号一番!相川清香!ハンドボール部!趣味はスポーツ観戦とジョギングだよ!」
アスカ「お、おう。じゃあはじめよう。相川さん、ISには何回か乗ったよな?」
相川「あ、うん。授業でだけだけど」
アスカ「じゃあ大丈夫。とりあえず歩行までやっちまおう。放課後居残りなんて御免だからな」
相川「そ、それはまずいわね!よし、真面目にやろう!」
今までは真面目ではなかったかのような発言だが、一旦スルーしておこう。
というわけで一人目は問題なく進んで、二人目の岸里さんへ突入―――
――――のはずだったのだがちょっとした問題が発生した。
岸里「いや、、あのさ、コックピットに届かないんだけど....」
アスカ「あ! あぁ.....」
しまった。自分が専用機持ちだからすっかり忘れていたが、訓練機を使う場合は装着解除時にしゃがまないといけないのだ。立ったままISの装着解除をすると当然だがISは立ったままの状態になる。
アスカ「あ~、しゃーない、俺がコックピットまで運ぶよ」
岸里「えええ~っ、超ラッキー!」
箒「おいアスカ!なんでだっこの必要がある。お前が踏み台になれば済む話だろう!」
アスカ「おいおい踏み台はねぇよ。そんな面倒くさいことしなくても、運べば安全も確保できて効率的じゃないか」
箒「っ―――好きにしろ!」
また怒らせちゃったよ...
アスカ「ガッツイーグル、来い」
――― ノーマルモード ―――
自立型ロボットの姿から、いつもの展開状態になる。
アスカ「せーの」
岸里「ひゃあ!?」
岸里さんを抱きかかえたのはいいが、いきなり変な声を出されてちょっとビビった―――うん、おかしなところはどこも触ってないぞ。
岸里「アスカ君って強引ね...」
時間押してるからな。てかなんで女子ってこんなに軽いんだろ ――――― って、どうでもいいか。
アスカ「ちゃんと掴まっていてくれよ。落ちるから」
岸里「う、うん」
上昇する高さは一メートルといえども、背中から乗る構造上、この高さでも十分危険なのだ。
アスカ「よーし、乗れたな。じゃあ動かしてみて ―――――――」
さてと次はだれなのかな?
箒「アスカ、私を運べ。言っておくが安全面を考慮した上で仕方なく出した決断だからな」
君か.....
アスカ「はいはい」
箒の身体を抱きかかえると
箒「きゃっ―――ゴホンゴホン!」
アスカ(なんかかわいい声が聞こえたような...)
――― 空耳だろう ―――
空耳か。
アスカ「どうした?」
箒「! い、いや!なんでもない!」
箒(なんか妙に手馴れているな...)
アスカ「しっかり掴まってろよ。落ちるから」
箒「う、うむ...落ちるといけないから掴まるのは仕方がないな」
箒はさらに「仕方がない」を三回くらい繰り返してから、俺に掴まった。
アスカ「ほいっと」
箒「・・・・・・」
アスカ「おい、おーい。篠ノ之箒さーん」
箒「はっ!な、なんだ!?」
アスカ「いや、なんだじゃなくてさ、ISに移らないと実習が進まないだろ。居残りは御免だぜ?」
箒「そ、そんなことぐらいわかっている!」
アスカ「よーし、じゃあ起動と歩行までやって交代な」
箒「アスカ」
アスカ「ん?何?」
箒「そ、その、だな。今日の昼は予定があったりするのか?」
なんかいつもより声が高くないかな?
アスカ「いや、特には」
箒「で、では、たまには昼食を一緒に取るとしよう。それがいい」
アスカ「おお、いいなそれ、高校生らしくて」
こんな話をしながらも箒の歩行には一切無駄がない。余程訓練をしたのだろう。
アスカ「問題ないな。さすが箒。じゃあ″しゃがんで″降りろよ?」
箒「・・・・・・・・・・・・・・・・」
アスカ「っておい!俺の話聞いてなかったのかよ!なんでISを立たせたまま降りるんだよ!」
その後もISを立たせて降りる者が続出し、アスカは持ち上げては運ぶ作業に徹していたことは言うまでもあるまい。
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千冬「では午前の実習はここまでだ。午後は今日使った訓練機の整備を行うので、各人格納庫で判別に集合すること。専用機持ちは訓練機と自機の両方を見るように」
アスカ(整備くらい自分で出来るよな?ガッツイーグル)
――― 当たり前だ。わたしに任せろ ―――
千冬「ガッツイーグルの整備はアスカ自身ですること。違反行為をした場合はわかってるな?」
アスカ「は、はい!わかっておりますっ!」
怖えええええええええ
千冬「では解散!」
さあ、お片付けの時間だ。
訓練機を背中に担いで一歩一歩足を出していく
アスカ「はぁ、はぁ、はぁ.....誰か手伝ってくれよ~」
俺の心の叫びは無情にも誰の耳にも届いていない。
力仕事は男がして当然だと思っているらしい。まあ、俺もそう思うし、自分は何もせずにただ女子に運ばせるわけにもいかないがこれは重すぎる。
アスカ「ああああああああ重い!!!!!」ドシン
もう二度とやりたくない仕事の一つだな。
ちなみにシャルルの班は「デュノア君にそんなことさせられない!」と数人の体育会系女子が訓練機を運んでいた。なんだこの扱いの差は。
アスカ「まあ、いいや。シャルル、着替えに行こうぜ」
シャルル「え、えぇと....僕はちょっと機体の微調整をしてからいくから、先に行って着替えててよ。時間がかかるかもしれないから、待ってなくていいからね」
アスカ「いや、別に待ってても平気だぞ?」
シャルル「いいからいいから僕が平気じゃないから!ね?先に教室に戻っててね?」
アスカ「お、おう」
妙な気迫に押されて、ついついうなづいてしまった。しかしコイツはなぜそこまで必死なのだろう。
しかし本人もそう言ってることだし、待っていても仕方がないのでさっさと更衣室へと向かった。
アスカ(ガッツアーマーって防御性や機動性は優れてるけど、通気性は最悪だな)
シャワーを浴びながらそんなことを考え、とっとと着替えて更衣室を後にした。
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箒「....どういうことだ」
アスカ「ん?」
昼休み、俺たちは屋上にいた。いつも賑わっているが、今日はシャルル目当てで学食に向かったんだろう。貸し切り状態だぜ。
アスカ「天気がいいから屋上で食べるって話だったろ?」
箒「そうではなくてだな....!」
アスカ「せっかくの昼飯だし、大勢で食った方がうまいだろ。それにシャルルは転校したばっかりで右も左もわからないだろうし」
箒「それはそうだが....」
そんな箒の手元には手作りの弁当があった。なんと俺の分まで作ってくれているらしい。なんと素晴らしいことだろう。
鈴「はいアスカ。アンタの分」
アスカ「うあっと!」
こら鈴、食べ物を投げるな。
アスカ「おお、酢豚じゃん!」
鈴「そ、今朝作ったのよ。アンタ前に食べたいって言ってたでしょ」
そういやそんな話しったけ? してないっけ? まあいいや。
セシリア「コホンコホン。――――アスカさん、わたくしも今朝はたまたま偶然何の因果か早く目が覚めまして、こういうものを用意してみましましたの。よろしければおひとつどうぞ」
アスカ「う、うん。あ、あとでいただくよ...」
なんで俺の返事は引き気味なのかって?
はっきり言おう。このイギリス代表候補性セシリア・オルコットは、とてつもない味の錬金術師なのだ。見た目はすごくきれいなんだけど、味がこの世の物とは思えないほどだ。
鈴「はっきり言わないからずるずるいっちゃうのよ。バーカ」
そう言うけどせっかくの手料理にまずいとは言いたくない。気持ちだけでも十分にありがたい。
でも嘘をついているのに変わりはないんだよなぁ...
シャルル「ええと、本当に僕が同席してよかったのかな?」
俺の隣でシャルルがそんなことを言う。さっきもそうだったが、とんでもなく遠慮深くて逆に困るくらいだ。
実を言うと二人目の男子争奪戦とばかりに一年一組には女子が大挙して押し寄せたのだが、ブロンドの貴公子、丁重に丁寧を二乗したような対応でお引き取り願っていた。
何せ言った台詞が
『僕のような者のために咲き誇る花の一時を奪うことはできません。こうして甘い芳香に包まれているだけで、もうすでに酔ってしまいそうなのですから』だってさ。
俺が言っても確実に引かれるだけの台詞なのに、シャルルだと嫌味くさくない。
まあ、そんなこんなで女子が引き上げたので俺が誘ったというわけだ。
アスカ「いやいや、男子同士仲良くしようぜ。色々不便もあるだろうが、協力してやっていこう。わからないことがあったら何でも聞いてくれ。―――IS以外で」
鈴「アンタはもうちょっと勉強しなさいよ」
アスカ「してるって。ただ覚えることが多すぎるんだよ。そのかわり普通教科は優秀だぞ」
鈴「本当なのがなんかムカつく....」
セシリア「適正検査を受けた時期にもよりますが、遅くてもみんなジュニアスクールのうちに専門の学習を始めますわね」
そういうことらしい。
ちなみに模擬戦でのトータル勝率は鈴が一位、セシリアが二位、箒が三位で俺が四位。かなり情けない結果だ。ガッツイーグル単体で戦ったら負けなしなのに、俺が操縦すると急に弱くなる。
シャルル「ありがとう。アスカって優しいね」
ドキッ
あれ?なんで男相手にドキッとしてんだ俺... でも素敵な笑顔だった....って!シャルルは男だぞ!? 落ち着け俺...
アスカ「い、いや、まあ、これからルームメイトにもなるだろうし、約束も取り付けてくれたから.....ついでだよ、ついで」
セシリア「アスカさん、約束とは?」
アスカ「シャルルとキャッチボールする約束だよ」
シャルル「そういえばそんな約束したっけね」
アスカ「忘れたてのかよ~」
シャルル「あははははごめん」
アスカ「あ~でもシャルルが来てくれて助かったよ」
シャルル「なんで?」
アスカ「キャッチボールに付き合ってくれるし、風呂も使えるようになるし、いい話し相手にもなると思うし、いいことづくめだ。本当に、男同士っていいな」
シャルル「そ、そう? よくわからないけど、アスカがいいなら良かったよ」
照れているんだろうか、シャルルの言葉がぎこちない。
鈴「・・・・男同士がいいって何よ・・・・」
セシリア「・・・・不健全ですわ・・・・」
箒「・・・・灯台もと暗しに気づかぬ愚か者め・・・・」
なにやら三人ともぶつぶつ言っているが、聞かない方が身のためだろう。
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~放課後~
アスカ「やったぜ!放課後だぁぁぁ!」
シャルル「アスカ~、待ってよ~....」
ダッシュで寮へ向かう俺とシャルル。
ん? 何故かって? 知ってる癖に。キャッチボールだよ、キャッチボール!
遂に念願の相手が見つかったんだ。もう壁相手に投げる必要はない。
アスカ「準備完了!シャルルは終わったか?」
俺は部屋で鞄を放り投げ、ボールとグローブを持つ。
シャルル「う、うん、終わったよ」
アスカ「なら寮前の広場へGOだ!」
・・・・・・・・・・・そして・・・・・・・・・・・
アスカ「よーし、じゃあいくぜー!」
シャルル「う、うん、い、いいよ~」
最初は軽~く投げて肩を温めるか。
アスカ「ほいっと」ポイッ
シャルル「うわっ、きゃ!」 ポトッ
アスカ「え....?」
嘘だろ?あれ捕れないのか?
アスカ「シャルル....こっちに投げてくれるか?」
シャルル「う、うん。いくよ?」
シャルル「えいっ」ポイ
アスカ「うあっと!」
シャルルの球は俺の頭の遥か上を通っていく。
シャルル「ご、ごめん」
アスカ「シャルルってさあ....もしかしてキャッチボールをいや、ボールすら触ったことないんじゃ」
シャルル「だ、大正解....」
アスカ「やっぱり....最初からなんかそんな雰囲気があったんだよ」
シャルル「ほ、本当にぬか喜びさせてごめんね」
アスカ「もういいよ、そのかわり....」
シャルル「そのかわり....?」
アスカ「俺が教えてやるから今日は俺に付き合え!」
シャルル「う、うん!ありがとうアスカ、本当に優しいね」
ドキッ
う...またこれだ。なんで男ってわかってんのにドキッとするんだろ?
アスカ「よ~し!まずは投げ方だ。まずボールはこう持って―――――」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
アスカ「大分うまくなったじゃん」ピュッ
シャルル「うん、アスカのおかげだね!(まだちょっと手が痛いな)」バシッ!ヒュッ
アスカ「投げ方も良くなってるな」パシッ
シャルル「先生がいいんだよ」
アスカ「なんか照れるな...」
ああ、楽しい、こんな楽しい時間がいつまでも続けばいいのに....
「ヒカリ、キエロ」
って世の中こんなに甘くないか。でも、でも今こなくてもいいじゃんかよ。
アスカ「・・・・・また邪魔しに来たのかよ.....スフィア!」
シャルル「え? アスカ何を言って.... !」
アスカ「お前だけは許せねえ!」
シャルル「許せないって...どうし―――」
スフィア「ケケケケケケケケ」グニャアアアア
アスカ「気を付けろ!」
シャルル「何が起こってるの....?」
スフィア「ギャオオオオオオオオオ!」
アスカ「また厄介な奴になりやがって!」
スフィアが変化した姿は、肉食地底怪獣ダイゲルンだった。
ダイゲルンを撃破したダイナ。しかし寮に戻ると全裸の金髪美少女が!明かされるシャルルの過去、そしてその裏で指導した侵略のプロジェクト! 今、守るべきものとは?
次回「僕のヒーロー」 シャルル「アスカ、約束したでしょ?...」