IS~ULTRAMAN-DYNA~     作:素粒子先輩

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ティガすき
ガイアもすき
ダイナだいすき

もう待ちきれないよ!早くTDG主役の映画を作ってくれ!

それかXでもいいから客演しないかな~。見てぇな~俺もな~。



↑深夜のテンションで調子に乗りました。すいませんでした。


僕のヒーロー

 

スフィアダイゲルン「ギャオオオオオオ!」

 

アスカ「シャルル、安全な場所へ避難しろ!」

 

シャルル「アスカはどうするの?」

 

アスカ「決まってんだろ!アイツを倒す!」

 

シャルル「倒すって...無理だよ!あんな大きいのに...勝ち目なんて無いって!」

 

アスカ「へへ、じゃあ尚更行かないとな!ガキの頃から逃げるってのが大嫌いでね!」

 

そのとき今のアスカには何を言っても無駄だとシャルルは悟った。

 

アスカ「こっちだ!スフィア野郎!ぜってぇ負けねえ!」ダダダダダダ

 

シャルル「アスカー!・・・・・行っちゃった....」

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アスカ「こい!ガッツイーグル!」

 

  ――― フライトモード! ―――

 

アスカ「俺もいくぜ!」

 

アスカはリーフラッシャーを高く上げ、光に包まれて変身する。

 

ダイナ「ジュワッ!」

 

シャルル「巨人....?」

 

スフィアダイゲルン「グルルルルルルルガアアアアアア!」ドドドドドドド

 

スフィアの突進をダイナは身軽によける。

 

ダイナ「フンッ!」ドガッ!

 

そしてすかさず背中にエルボを喰らわせる。

 

スフィアダイゲルン「ギャオオオオオオォォォォ....」

 

ダイナ(やっぱり偽物は本物より弱いな!)

 

スフィアダイゲルン「グルルルル」バシュ シュルシュル

 

ダイナ「なッ!?」ギュッ

 

なんとスフィアダイゲルン(Sダイゲルン)は指から触手を伸ばしてダイナから手足の自由を奪った。

 

ダイナ(おいおい、反則だろこれは)

 

Sダイゲルン「ギャアアアア」ガブッ!

 

Sダイゲルンは動けないダイナの腕に容赦なく噛みつく。

 

ダイナ「グオオオオオ!」

 

シャルル「ああ!このままじゃ....」

 

   ――― デラック砲! ―――

 

ドガアアアアアアアアアン!

 

   ――― 少し調子に乗りすぎたな、スフィア ―――

 

ガッツイーグルの放ったデラック砲がSダイルゲンの首を撃ち抜く。

 

ダイナ(喉に風穴が空くとかやっぱり化物みたいな威力だな)ブチッ ブチッ

 

触手を引きちぎりながら、GUTSのオーバーテクノロジーに感心する。

 

Sダイゲルン「カアアアアアア.....」

 

ダイナ「シュワ!(終わりだ!)」シュバァァァァァ!

 

喉に風穴が空き完全にグロッキー状態のSダイゲルンへ、とどめのソルジェント光線が炸裂する。

 

ドガガガガガガガガガガガーン!!!

 

Sダイゲルンは大爆発を起こして跡形もなく消え去った。

 

シャルル「す、すごい.......」

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シャルル「そうだ!アスカのことすっかり忘れた!まさかあの怪獣の下敷きに?」

 

シャルルはオロオロしてアスカ捜す。

 

シャルル「アスカ~! いたら返事をして~!」

 

アスカ「シャールルー!無事だったかー!」

 

シャルル「アスカ!下敷きになってなかったんだね!」

 

アスカ「当たり前だろ?あのISを動かしてたのは俺だぜ?」

 

   ――― そんな嘘をついていいのか? ―――

 

アスカ(誤魔化すために、今は大目に見てよ)

 

シャルル「へー!やっぱりアスカはすごいね!」

 

アスカ「ああ!....あっ痛!」

 

シャルル「え? ってアスカ怪我してるじゃん!しかもこんな深い傷!」

 

俺の腕にはダイルゲンの噛み傷が残っていて、制服の一部を赤く染めていた。

 

アスカ「大したことないって、って痛ッ!」

 

シャルル「駄目だよ!すぐに治療しないと。ほら保健室いこ?」

 

アスカ「あ、ああ。シャルルがそう言うなら....」

 

なんでシャルルに言われると納得してしまう自分がいるんだ?

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保険医「はい、もう無理するんじゃないわよ?」

 

アスカ「はい、すいませんでした」

 

そう言って保健室を出る俺。何度目だここに来たの。

 

そう考えながら一人で寮へ向かう。

 

なんで一人なのかというと治療に時間が掛かるとみたのか、シャルルが『悪いけど先に寮に戻ってるよ』と言ったからだ。

 

   ――― どうした?今日は珍しく苦戦したじゃないか ―――

 

アスカ(苦戦なんていつもしてるだろうが)

 

   ――― いや、今回は別の理由で戦いに集中していなかっただろう? ―――

 

アスカ(うっ....そうなんだよなぁ.....なんかシャルルに違和感があってさー)

 

   ――― 出会って間もないのにもう違和感か ―――

 

アスカ(ああ、なんか偽りっていうか...本当の自分を出してないっていうか....)

   

   ――― その点では君も似たようなものだろ? ―――

 

アスカ(そうなのかな....)

 

   ――― ま、帰ったら本人に、熱いお茶でも飲みながら聞いてみよう ―――

 

アスカ(そうすっか....ってもう部屋着いたのか)

 

近いのか遠いのかよくわからない距離だ。

 

アスカ「ただいま~...っていない?」

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アスカが帰ってくるちょっと前の時間。

 

シャルル「.......はぁっ......」

 

寮の自室へ帰ってきたシャルルは吐き出すようにため息を漏らした。

 

シャルル(なんだったんだろう...あの巨人...)

 

巨大な怪獣に怯まずに、勝利を納めたあの巨人の姿を鮮明に思い出す。

 

シャルル(それに...アスカも)

 

自分の何十倍も大きい怪獣に、臆せず立ち向かっていった。

 

シャルル(もっと早く出会っていたら...僕の運命は変わってたのかな...)

 

そんなことを考えると、ますます落ち込みに拍車がかかる。

 

シャルル(.....。シャワーでも浴びて気分を変えよう)

 

シャルルはクローゼットから着替えを取り出してシャワールームへと向かった。

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アスカ「ただいま~...っていない?」

 

と思ったが、すぐにシャワールームから響く水音に気づく。

 

アスカ「なんだシャワー中か。・・・・そういえばボディーソープ切れてたな」

 

昨日切れたのだが、俺の悪い癖『後でいいや』が発動し、そのまんまだった筈だ。

 

   ――― だからあの時替えておけと.... ―――

 

まさかその翌日に転校生、しかも男が来るとも思わなかったので、『次にシャワー浴びる時でいいや』と考えていたのだ。やっぱりすぐに行動しないとな。

 

アスカ(たぶん今シャルルも困っているよなー。届けてやるか)

 

シャワールームは洗面所兼脱衣所とドアで区切られている。とりあえず脱衣所まで持っていって、そこで声をかけたらいいだろう。

 

そう思って洗面所へと入る。

 

ガチャ

 

―――――ガチャ?

 

ドアはさっき開けて入ったから....あ、シャルルがシャワールームのドアを開けたのか。きっとボディーソープをさがしにきたんだろ。

 

アスカ「ああ、ちょうどよかった。ほら、替えの――――」

 

シャルル「ア、ア、アス....カ....?」

 

アスカ「へ?」

 

シャワールームから出てきたのは、見たことのない『女子』だった。

 

どうして女子だと分かったのか。簡単だ。胸があって、男にあるべきものが無い。

 

濡れた髪はわずかにウェーブがかかったブロンドで、柔らかさとしなやかさを兼ね備えている。すらりとした体は脚が長く、腰のくびれが実質的な大きさ以上に胸を強調して見せている。

 

金髪紫眼という外見から日本人ではないことはすぐにわかる。そのせいか、Cカップくらいのバストが大きさとは関係なく妙に際立っている。水を弾く若々しい肌には珠の雫が乗っっていて、宝石をちりばめたかのように美しい。だが全裸なのだ。毛など生えていない瑞々しい体に、俺の眼は釘付けになってしまっていた。眼が微妙に潤んでいるのが非常にエロい。

 

アスカ「えっとだな、えーと.....」

 

目の前の裸の女子はどこかで見たことある気がするんだがするんだが、混乱していて思考がまとまらない。ええと、ブロンド....ブロンド...

 

?「きゃあっ!?」

 

ガチャ!

 

ハッと我に返った女子が慌てて胸を隠しながらシャワールームに逃げ込む。

 

もう上も下もはっきり見えちゃったな.....ってそうじゃねぇ!

 

アスカ「ぼ、ボディーソープ、ここに置いとくからな....」

 

?「う、うん....」

 

よくわからないやりとりをして、俺はシャワールームのドア前にボトルを置くと脱衣所を出た。

 

アスカ「ああああああああああ!」

 

   ――― うわっ!急にどうしたんだ? ―――

 

何がどうなってんだ? シャワールームにはシャルルがいるはず――――って、さっきのがシャルルなのか!?

 

そう言われてみればシャルルに見えなくもない。普段は縛っている髪をほどくとあんな感じなのだろう。だが問題はそこじゃない。

 

アスカ(なんでシャルルに胸があるんだ? そう、胸――――)

 

さっきのあの姿が目に焼き付いて離れない。

 

アスカ(胸....きれいだったな・・・・ってそうじゃないだろ!)

 

考えるな。考えるな。そう自分に言い聞かせる。

 

ガチャ...

 

アスカ「!?」

 

気持ち控えめに開いた脱衣所のドアが開く音。しかし俺にはなにより大きく聞こえて、体がこわばってしまう。

 

シャルル「あ、上がったよ....」

 

アスカ「お、おう」

 

背中越しに聞く声はやはりシャルルだった。そして振り向くと

 

シャルル「・・・・・・」

 

女子が、そこにいた。

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アスカ「・・・・・・・・・・・・」

 

シャルル「・・・・・・・・・・・・」

 

気まずい、話し合うにも空気が悪すぎる。

 

アスカ「あー、なぁ」

 

らちがあかないので俺から話しかけると、シャルルはびくっと身を震わせる。そんなにびっくりすることないだろ.....?

 

アスカ「お茶でも飲むか?」

 

部屋へ帰る際にガッツイーグルから出た案を実行する。当の本人は何が起こったのかわからず固まっているみたいだけど。

 

シャルル「う、うん。もらおうかな....」

 

お互い、何かしら飲み物があった方が話しやすいと思ったのだろう。ここにきて初めて意見の合致を見た。

 

だがお茶ができるまでの時間がまた沈黙の再来だった。

 

アスカ(はやく混ざれよ、茶葉!)

 

 

アスカ「もう大丈夫だろ。ほら」

 

シャルル「あ、ありがと――――きゃっ」

 

湯飲みを渡すときに指先が触れ合って、シャルルが慌てて手を引っ込める。それで俺は湯飲みを落としそうになり、握りなおした反動で、お茶が手にかかってしまった。

 

アスカ「あちちっ。水水!」

 

水道を全開にして、だーっと流れ出す水で事なきを得た。

 

シャルル「ご、ごめん!大丈夫!?」

 

アスカ「別に大したことじゃねえよ」

 

シャルル「ちょっと見せて。.....ああ、赤くなってる。ゴメンね」

 

軽くパニックになっているのかシャルルは俺の手を強引に取ってお湯のかかった場所を痛々しげな表情で見つめる。

 

シャルル「すぐに氷貰ってくるね!」

 

アスカ「待て待て。その格好で外に出るのはマズイだろ。本当にこんなもんツバつけときゃ治るから」

 

シャルル「でも....」

 

アスカ「それより、さっきから胸が当たってるんだけど....」

 

シャルル「!!!」

 

言われてやっと自分の体勢を理解したのか、シャルルは俺から飛び退くと、胸を隠すように自分の体を抱く。

 

シャルル「・・・・・・・・・・・・」

 

弱々しくではあったが、女子特有の抗議の眼を送ってきた。

 

シャルル「心配しているのに...アスカのえっち....」

 

アスカ「は!?」

 

なんてこった。俺が、ウルトラマンダイナが悪者扱いである。嗚呼なんという冤罪!全国のちびっ子たちは泣き出してしまうぞ!

 

しかし気のせいだろうか、シャルルの眼差しは抗議だけでなく、全体的に恥ずかしそうでそのくせどこかで嬉しそうな表情をしている。

 

ま、俺の気のせいだろう。好きでもない男に触れられて嬉しい女子なんかいないだろ。

 

アスカ「ふぅ、じゃあ改めて、なんで男のフリなんかしていたんだ?」

 

シャルル「それは、その....実家の方からそうしろって言われて....」

 

アスカ「うん?実家っていうと、デュノア社の―――」

 

シャルル「そう。僕の父親がそこの社長。その人からの直接の命令なんだよ」

 

どうにもさっきから妙な違和感がある。特に実家の話をし始めてから、シャルルの顔は曇りだしていた。

 

アスカ「命令って....親だろう? なんでそんな―――」

 

シャルル「僕はね、愛人の子なんだよ」

 

―――――。絶句してしまった。

 

シャルル「引き取られたのが二年前。ちょうどお母さんが亡くなったときにね、父の部下がやってきたの。それで色々と検査をする過程でIS適応が高いことがわかって、デュノア社のテストパイロットをやることになってね」

 

シャルルは、おそらくは言いたくはないであろう話をそれでも健気に喋ってくれた。

 

シャルル「父にあったのは二回くらい。会話は数回くらいかな。普段は別邸で生活をしているんだけど、一度だけ本邸に呼ばれてね。あの時は酷かったなぁ。本妻の人に殴られたよ『この泥棒猫が!』ってね。参るよね。お母さんもちょっとくらい教えてくれたら、あんなに戸惑わなかったのにね」

 

あははと愛想笑いを繋げるシャルルだったがその声は乾いていてちっとも笑ってはいなかった。俺も流石に愛想笑いは返せないし、シャルルも望んでいないだろう。けれども何故だか怒りが沸々と湧いてきて、俺はそれをこらえるために拳をきつく握りしめた。

 

シャルル「それから少し経って、デュノア社は経営危機に陥ったの」

 

アスカ「え?だってデュノア社って量産機ISのシェアが世界三位だろ?」

 

シャルル「そうだけど、結局リヴァイヴは第二世代型なんだよ。ISの開発っていうのはものすごくお金がかかるんだ。ほとんどの企業は国からの支援があってやっと成り立っているところばかりだよ。それでフランスは欧州連合の防衛組織『イグニッション・プラン』から除名されているからね。第三世代型の開発は急務なの。国防のためもあるけど、資本力で負ける国が最初のアドバンテージを取れないと悲惨なことになるんだよ」

 

そういやセシリアが『実稼働データを取るためにIS学園へ来た』って言ってたな。

 

シャルル「話を戻すね。それでデュノア社でも第三世代を開発していたんだけど、元々遅れに遅れての第二世代最後発だからね。圧倒的にデータも時間も不足していて、なかなか形にならなかったんだよ。それで、政府からの通達で予算を大幅にカットされたの。そして、次のトライアルで選ばれなかった場合は援助を全面カット、その上でIS開発許可も剥奪するって流れになったの」

 

アスカ「話はわかったが、それがどうして男装に繋がるんだ?」

 

シャルル「簡単だよ。注目を浴びるための広告塔。それに―――」

 

シャルルは俺から視線を逸らし、どこか苛立ちを含んだ声で続けた。

 

シャルル「同じ男子なら日本で登場した特異ケースと接触しやすい。可能であればその使用機体と本人のデータを取れるだろう......ってね」

 

アスカ「それって、つまりは―――」

 

シャルル「そう、世界で唯一自我を持つISと、それを駆使する人物のデータを盗んで来いって言われているんだよ。あの人にね」

 

話を聞く限り、そいつは一方的にシャルルを利用しているのだろう。たまたまIS適応があった、それなら使おうと、それくらいにしか感じていないんだろう。

 

そしてそれはシャルル自身が俺なんかよりもずっとわかっているんだろう。だから父親のことなのに他人行儀で話すんだ。あれは、父親なんかじゃなく、他人なのだと。自らの中で区別するために。

 

アスカ(ふざけんなっ!)

 

シャルル「とまあ、そんなところかな。でもアスカにばれちゃったし、きっと僕は本国に呼び戻されるだろうね。デュノア社は今までのようにはいかないだろうけど、僕にはどうでもいいことかな」

 

アスカ「・・・・・・・・・・・」

 

シャルル「ああ、なんだか話したら楽になったよ。聞いてくれてありがとう。それと、今までウソをついていてゴメン」

 

アスカ「・・・・・・・・・・・・」

 

シャルル「...はぁ....やっぱりあのお話はおとぎ話だったのかな...」

 

アスカ「.....『あのお話』って...?」

 

シャルル「昔、僕がまだ小さい頃にお母さんがよく話してくれたんだ。とっても格好いいヒーローの話」

 

アスカ「......どんなヒーローなんだ?」

 

シャルル「そのヒーローはね、強くて、大きくて、そしてとっても優しくて、困った人の所へ必ず駆けつけてくれるんだ」

 

アスカ「・・・・・・・・・・・」

 

シャルル「その話を聞いて信じてたんだ。ヒーローは..何処かに...何処かにいてっ....必ずっ...助けに来てくれるっ...てっ...!」

 

話が終わる頃にはシャルルは泣き出していた。その少女の涙を見て決心した。

 

俺がこの子を救うヒーローになる。

 

アスカ「お前の母さんが話してくれたヒーローの名前って『ウルトラマン』じゃないか?」

 

シャルル「えっ....?知ってるの?」

 

アスカ「知ってるもなにも俺がそうだから」

 

シャルル「アスカが....ウルトラマンってこと?」

 

アスカ「そうだ。遠いとこから困ってる人を助けに来たんだ」

 

シャルルの顔に一瞬だけ哀しみが消えるが、すぐにまた、哀しみに包まれた暗い顔になってしまった。

 

シャルル「嘘....そんな都合のいい話、信じられないよ....」

 

アスカ「嘘じゃな『ドガガガガガガガ!』

 

突如、外から爆音が鳴り響く。そしてPCが勝手に起動し、一人の男が映し出される。

 

シャルル「父さん...!」

 

シャルルはそいつのことを恨みをこめた声色でそう呼ぶ

 

アスカ「こいつがシャルルの親父か...」

 

四十代半ばを迎えた中年男性のようだが、全身から放たれる不気味なオーラ、そして全てを飲み込んでしまいそうな邪悪な笑みが特徴的だ。一目見ただけで悪い奴だとわかる。

 

『シャルル・デュノアよ、見ているぞ。正体がばれてしまったようだなぁ...。お前はもう用済みだ。接触対象と仲良くあの世へ逝くんだな』

 

アスカ「てめぇ!自分の娘をなんだと思っていやがる!」

 

『あの女の娘など、私にとっては駒以下の奴隷にすぎん』

 

アスカ「ざけんじゃねえ!」

 

『ふん、うるさい猿は処分しないとな。この強化エボリュウ細胞で私が直々に手を下してくれるわ!』

 

アスカ「っておい!それは使っちゃいけない!やめろ!」

 

『ハハハハハハハハハハ.....ウオオオオッ....ウウウウゥゥガガガガガアアアアアア!!!!』

 

ドッガアアアアアアアアアン!

 

ウオオオオオオオオオ!

 

アスカ「遅かったか....!」

 

ベランダから外を見ると、グラウンドでシャルルの親父、いや理性を失った怪物が暴れていた。

 

シャルル「なんであんな姿に....?」

 

アスカ「あいつが胸に注射したのはエボリュウ細胞といって、人間や動物を怪獣へと変えてしまう恐ろしいものだ」

 

シャルル「じゃあその細胞もきっと僕の体を被検体にして研究されるだろうね....僕なんて...僕なんて」

 

アスカ「シャルル!」

 

俺はシャルルの肩を思い切り掴む。

 

シャルル「は、はい!」

 

アスカ「自分のことをいらないなんて冗談でも思うな!あと.....」

 

シャルル「あと?」

 

アスカ「お前の母さんの話、もう一回信じてみようぜ?」

 

シャルル「それってどういうこと......?」

 

アスカ「こういうことだよ!」

 

リーフラッシャーを取り出す。

 

そして渾身の力を込めて叫ぶ。

 

アスカ「ダイナアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!」

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アスカ「ダイナアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!」

 

シャルル「うっ.....!」

 

アスカの体を包み込んでいる光を感じる。優しくて、とても暖かい光。

 

シャルル「何が.....ってええええええええ!?」

 

シャルルはいつの間にか巨人の手に乗っかっていた。

 

シャルル「もしかして....アスカなの?」

 

巨人は首を縦に振る。

 

ダイナ「シャルル、俺はお前を絶対に守ってやる!たとえ、どんなことが起きてもな!」

 

シャルル「うん...ありがとうアスカ....」

 

ダイナ「ショワァ!」

 

ダイナは闘いへ向かった。

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エボリュノア「グルルルルルオアアアアア!」

 

ダイナ「いくぜ化物野郎ォォォォォォ!」ボガッ

 

怪物(エボリュノア)へ出合い頭に強烈なパンチを食らわせた。

 

エボリュノア「グググググガッガアアアアア!」

 

しかしエボリュノアは大したダメージを食らわず、ダイナを掴んで投げ飛ばしてしまった。

 

ダイナ「グオッォ」

 

エボリュノア「ガアアアアアアアアアアアア!!!!!」ボガッボガッドガッ!

 

エボリュノアは異常に発達した腕と脚を使い、ダイナを攻撃する。そして一気にマウントを取られてしまった。

 

エボリュノア「グゴオオオオオオオ!!」ドカドカドカドカドカ

 

ダイナのボディへラッシュが決まっていく。

 

エボリュノア「グッガッガッガッガッガ」

 

ダイナ「今だ!」ドガッ!

 

ダイナは一瞬の隙を突いて、敵の腹部へキックを決める。見事、脱出に成功した。

 

ダイナ「シュワ!」

 

スパッ! スパッ!

 

そして武器である腕をダイナスラッシュで切り落とし、攻撃を封じた。

 

ダイナ(よし!一気に決めるぜ!)ダン!ダン!ダン!ドカッ!ドガッ!ドシャッ!

 

キックの連撃をエボリュノアに浴びせる。

 

ダイナ(喰らえ!俺のスーパーパンチ!)

 

エボリュノアの胸にパンチを喰らわせようとした瞬間、エボリュノアの口が開き、火炎弾を連射してきた。

 

ドカァァァン!ドカァァァァン!ドッガアアアアアアアアアン!

 

ダイナ「うわっ....くっ....」

 

エボリュノア「巨人、いやアスカ・シンよ!私が意味もなく暴れているとでも思っていたのか?」

 

ダイナ「何!?」

 

エボリュノア「本当の目的を教えてやる!」

 

そこに空を飛んでいたデュノア社のコンテナから、大量の強化エボリュウ細胞がエボリュノアへ向かって降り注いだ。

 

エボリュノア「ふははははははは!!!」」

 

ダイナ(とんでもねぇな...)

 

エボリュノア「この世界は私のものだぁぁぁぁぁ!」

 

ダイナ「まさか...お前の目的って!」

 

エボリュノア「その通り!世界を支配できる力を手に入れることさ!」ビリュウウン ビリュウウン

 

そう言いながら目から光線を出し、ダイナを攻撃する。

 

ダイナ「やはり...そうか!」プシュン! プシュン!

 

ダイナはそれをハンドスラッシュで相殺する。

 

エボリュノア「元々はISを強化し制圧する計画だったが、それすら必要なくなった!見よ!私の進化した姿を!」

 

エボリュノアの体は一回り程大きくなっており、指先に鋭い爪、肩に無数の棘、そして強靭な尻尾が現れた。

 

ダイナ「なんて奴....」

 

エボリュノア「遅いな!」

 

ドカァァァァン!

 

ダイナ「グワアアアアアァァァァ!....」

 

強烈なタックルを食らい跳ね飛ばされてしまった。

 

エボリュノア「まだ死んでもっらっては困るなぁ...」

 

ガシュッ! ガシュッ! ガシュッ! ガシュッ!

 

今度は爪で何度も、ダイナの体を抉るように攻撃する。

 

ダイナ「グワァァァ...!」

 

エボリュノア「ははははは!あ~楽しい楽しい!」

 

バシン!  バシン! バゴッ!  ドゲシャ! ドシャ! ドシャ!

 

追い討ちのように尻尾の攻撃がダイナを苦しめている。

 

ダイナ「うぅ! くっ!」」

 

エボリュノア「はははは....うっ、くっ、あぁ!ガアアアアア!」ドガドガドガドガドガ!!!!

 

しかし、突然苦しみだしたエボリュノアが無差別に破壊活動を始めた。

 

ダイナ「....やっぱり..そうなったか.....。」

______________________________________________________________

 

シャルル「なんで急に破壊活動を...?」

 

「簡単さ。エボリュウ細胞を制御できなかったのさ」

 

シャルル「!   だ、誰!?」

 

シャルルは周囲を見渡すが人影らしきものは見えない。

 

「おっとすまないな。私はガッツイーグル、アスカの専用機だ」

 

シャルル「へ~!自我を持つISってこれか~!」

 

「そんなことより、今はアスカが最優先だ。話は後でな!」

 

     ――― フライトモード! ―――

 

ガッツイーグルは戦闘機の姿になると敵のいるグラウンドへと突入した。

 

シャルル「僕だって.....僕だって!」

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ダイナ(くっ、リミッターが切れたせいで力の調整ができなってるんだよな)

 

ガッツイーグル「こいつ、ミサイルにびくともしないのか!」ドカン!  ドカン!

 

エボリュノア「グアアアアアアアアオオオオオオオオオオオオオ!」

 

ダイナ(今も暴走を続けているアイツを倒せるのか...? シャルルの親父を俺が倒すのか?)

 

エボリュノア「ゴアアアアアアア!」ボウワァァァァ!

 

エボリュノアは口から火炎を吹き、攻撃の手を緩めることはない。

 

エボリュノア「ガァ!」シュルシュル

 

ダイナ「くっ! しまった!」ギュウウウウウ

 

エボリュノアの腕が伸びてダイナを締め付ける。

 

エボリュノア「グ....ははは!苦しめ!苦しめ!」

 

ダイナ「!  自我が戻って..グオオオオ!」

 

腕から強力な電流が流れていて、ダイナの体全体にダメージを与える。それに避けることのできない火炎攻撃でさらにダイナを苦しめる。

 

エボリュノア「ははははハハハ...クルシメ、クルシメ...ソノママジゴクヘオクッテヤル」

 

ダイナ(なんか喋り方が変だ。無意識に言っているのか?)

 

エボリュノア「グガアアアアアアア!!!」バリバリバリ!!!

 

ダイナ「グオオオオオオオ!.....」ピコン ピコン ピコン

 

最大出力の電流を浴び、とうとうダイナのカラータイマーが鳴り始めた。

 

ダイナ(くっ!抜け出そうとしても....力が!)

 

エボリュノア「フフフ、タオス、ケス、コロス!」

 

ダイナ(くそ!もはやこれまでか...?)

 

シャルル「アスカアアアアア!」バギュン  バギュン

 

そのとき、二発の光弾がエボリュノアに命中した。

 

ダイナ「!」

 

エボリュノア「!?」シュウウウ

 

弾の軌道を見返すと、そこにはISを装着したシャルルが立っていた。

 

シャルル「アスカ、約束したでしょ? 僕を守ってくれるって!」

 

ダイナ「勿論だ!ヒーローは約束は破らねぇ!」

 

シャルル「そうだよね。だから...もう一個約束して....?」

 

ダイナ「なんだ?」

 

シャルル「後で僕に怪我の治療をさせて欲しいなぁって...」

 

照れた顔で、でもしっかりとアスカに話す。

 

ダイナ(そうだ。何を迷っていたんだ....俺は、俺はこの子を守るんだろ!)

 

ダイナ「うおおおおおおおおおおおお!!!!!」ピカーン!

 

ダイナの額のクリスタルが赤色に輝く。

 

エボリュノア「グ!?」

 

ダイナ「ダアアアアアアアッ!」ダーン!

 

そして、ダイナは赤いボディに銀色のラインが入った超怪力戦士、【ストロングタイプ】にチェンジした。

 

ダイナ「ドリャアア!」ブヂン!  ブヂン!

 

体に巻き付いていた腕を引きちぎる。

 

エボリュノア「グガアアア!」ブイン!

 

今度は尻尾を振り回す攻撃に出たが、

 

ダイナ「フンッ!」ガシッ!

 

がっちり尻尾をダイナに掴まれる。

 

ダイナ「うおおおおおおお!」ブイン! ブイン! ブイン! ブイン! ブイン!

 

それを思い切りジャイアントスイングし始めた。

 

シャルル「あんな巨体を......凄いなあ」

 

ダイナ「どりゃあああ!」ドッシーン!!!

 

そして投げ飛ばすのではなく、地面に叩き付けた。

 

エボリュノア「グゲアアアアアアア!」ダッダッダッダ

 

しかしエボリュノアはすぐさま起き上がり、ダイナのもとへ駆けてきた。

 

ダイナ「まだやるか!」ダッダッダッダ

 

ダイナも同じく、エボリュノアのもとへ駆けていく。

 

ダイナ「うおおおおおりゃああああああ!!」

 

ドカ!ボカッ!ドス!ドス!ドン!

 

エボリュノアの攻撃をものともせず強烈なパンチを決めていく。

 

エボリュノアも負けじと火炎攻撃を繰り出す。しかし、

 

ダイナ「効かねえよ!!!」ブワッ

 

全て体で受け止めてはね返してしまった。

 

ダイナ「フンッ!」グシャ!

 

口にパンチを突っ込み、火炎機能を破壊した。

 

ダイナ「見たか俺の超ファインプレー!」

 

エボリュノア「グフッ!....グ、ガ....」

 

エボリュノアは満身創痍と化している。

 

ダイナ「これでとどめだああああ!」ボッガーン!

 

体中のエネルギーを込めた本気のアッパーでエボリュノアは空高く打ち上げられた。

 

ピュイイイイン!ボッガアアアアアアアアアン!!!

 

そして大爆発をおこして空の塵となって消えた。

 

ダイナ「ふぅー......勝ったぜ!」b

 

シャルルに向かって大きくサムズアップをする。

 

シャルル「うん!やっぱりヒーローだね!」b

 

シャルルも同じようにダイナへサムズアップをした。

______________________________________________________________

 

ばれないようにそーっと戻ってきて、今は怪我の治療中である。

 

アスカ「痛っ!」

 

シャルル「あ、アスカ動かないでよ~」

 

アスカ「だから大丈夫だって!」

 

シャルル「大丈夫じゃないよ、こんなに怪我して~!それとも約束破るの....?」

 

アスカ「うっ....」

 

反則だろ....あんな顔で迫られたら卒倒ものだろう。

 

アスカ「......おねがいします...」

 

負けた。完敗だ。

 

シャルル「はーい 」

 

妙に上機嫌だな.....

 

アスカ「なあ、シャルル」

 

シャルル「何?」

 

アスカ「これからどうするんだ?」

 

シャルル「どうするって...時間の問題じゃないかな。フランス政府も今回の真相を知ったら黙っていないだろうし、代表候補生をおろされて、よくて牢屋かな」

 

アスカ「それでいいのか?」

 

シャルル「良いも悪いもないよ。僕には選ぶ権利がないからね、仕方がないんだ」

 

アスカ「....だったら、ここにいろよ」

 

シャルル「え?」

 

アスカ スウゥー「特記事項第二一!本学園における生徒はその在学中においてありとあらゆる国家・組織・団体に帰属しない!本人の同意がない場合、それらの外的侵入は原則として許可されない!」

 

腹の底から声を出して特記事項を暗唱した。普段はまったく出てこないのに、今は気持ちの悪いくらいすらすら暗唱できた。

 

アスカ「つまり、この学園にいれば、少なくとも三年間は大丈夫だ。その間に、なんとかなる方法を見つけていけばいいさ。焦る必要もないだろ?」

 

シャルル「へー、よく覚えられたね。特記事項って五十五個もあるのに」

 

アスカ「こうみえても記憶力はいいんだぜ」

 

シャルル「そうらしいね。ふふっ」

 

おお!笑った! 屈託のない、十五歳の女の子の笑顔だ!

 

アスカ(なんか、ドキドキすんなぁ)

 

改めて見ると、シャルルは顔立ちの良さもあるが、何よりも優しい雰囲気がある。それが俺の目にはとても可愛く映ってしまっている。

 

アスカ「と、とにかく決めるのはシャルルなんだから、考えてみてくれ」

 

シャルル「うん。そうするよ」

 

アスカ「へへっ.....」

 

シャルル「どうしたの?急に笑ったりして」

 

アスカ「ん?ああ、親父みたいな上司に言われた言葉を思い出してな」

 

シャルル「ふーん。ちなみにどんな言葉?」

 

アスカ「『ピッチャーは孤独だって言うが、俺はそうは思わねえ!マウンドの中央が高くなっているのは仲間にその背中がようく見えるようにだ!頑張れ!負けるな!そんなみんなの声援が一番届く場所なんだ』って」

 

シャルル「良い言葉だね」

 

アスカ「ああ、俺もそう思うよ」

 




ラウラ「やはり敵ではないな。この私とシュヴァルツェア・レーゲンの前では、貴様も有象無象の一つでしかない....」  暴虐の限りを尽くすラウラ! 傷つけられる鈴とセシリア! アスカの怒りが今、大爆発!

次回「漆黒の凶人」お楽しみに!





予告は勢いでやってるんで、内容と違うかもしれないっす。
本当にすいません。

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