ソードアート・オンライン~死神と呼ばれた剣士~   作:畜生ペンギン

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今回はいよいよテツヤとデスガンが激突する!

勝つのは一体どちらか!!!

それではどうぞ!!!


Part123 死闘~この身消えるその時~

~シノン side~

 

あれから私とテツヤは作戦通りに動き、テツヤは囮を引き受け 私がテツヤを狙撃するであろうデスガンを狙い撃てる位置に待機していた。

 

テツヤとは大分離れてはいるけど スコープでテツヤのことを確認すると凄くリラックスした状態で準備運動を行っていた。

 

テツヤならきっと大丈夫。貴方には予測線を予測してしまう程の腕を持っている。貴方ならデスガンの狙撃を必ず避けることが出来ると信じてる。

 

貴方の言う死線を超えた先の強さ もう一度私に見せて欲しい。

 

テツヤだけじゃない。私だってこの狙撃は絶対成功しなくちゃならない。

 

闇風を狙う私の狙撃が外れたらテツヤはデスガンと闇風に挟み撃ちにされる。流石のテツヤもそんな状況では生き残れる可能性は0に近い。そうなるとデスガンは私のことを狙ってくるはず・・・・・・そうなれば私の命は・・・・・・

 

私のこの狙撃は ただの一発の弾丸なんかじゃない。私の命 そして未来を賭けた弾丸。

 

へカート・・・・・・あの時は手放してごめんなさい・・・・・・もし許してくれるというのなら・・・・・・弱い私にもう一度力を貸して欲しい・・・・・・!!

 

晴れやかな空の下で、彼のように笑って歩きたいから・・・・・・!!!!

 

シノン「貴女の力無しでは太刀打ちは出来ない・・・・・・だからへカート・・・・・・お願い・・・・・・!」

 

私は深呼吸をし、もう一度スコープを覗き込むとテツヤがこちらを見てにっこりと笑って、親指を立ててきた。

 

シノン「テツヤ・・・・・・」

 

テツヤは今例えるなら四方八方を囲まれた中で敵の攻撃を避けようとしている。万人は無理と言うかもしれないけど、それすらをまるで楽しんでいるかのようにリラックスしているテツヤの自信と力には脱帽する。

 

テツヤの自信を壊さない為にも・・・・・・絶対に闇風は狙い撃ってみせる・・・・・・だから貴方も頑張って・・・・・・テツヤ・・・・・・!!!!

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

テツヤ「さーてと・・・・・・どっから来るんだい・・・・・・敵さんよぉ・・・・・・」

 

テツヤは今準備運動をしながら、敵がいつ来ても良いように感覚を研ぎ澄ましている。

 

彼がデスガンの弾丸を避けられなければシノンは死んでしまう。絶対に避ける以外にシノンを救う方法は無い。

 

テツヤは待機しているシノンの方へ向き、笑顔で親指を立てて少しでもシノンを安心させようとした。

 

テツヤ「シノン・・・・・・お前の狙撃もクリア出来なきゃ今回の作戦が全部狂っちまう・・・・・・頼むぜ・・・・・・」

 

テツヤはシノンへの期待を胸に 目を閉じながら感覚を最高潮に高めると、南西の方角から砂漠を駆ける足音をテツヤは感じ取った。

 

テツヤ(闇風はシノンが殺ってくれる・・・・・・今はメインであるデスガンに狙いを定めるんだ・・・・・・!)

 

闇風のことも気に止めながら、テツヤは本来のターゲットであるデスガンがどこにいるかを探った。

 

テツヤが今まで戦ってきた中で、一番憎悪と殺気で満ちていたのは あの血の惨劇の舞台だ。

 

あの感覚を掴めばそこにデスガンがいるはず。そう思ったテツヤはあの時感じた憎悪を探していた。

 

自身の感覚に全神経を研ぎ澄ましていると、テツヤの背後から何かゾワッとする気持ちの悪い感覚が溢れ出てきた。それはテツヤが血の惨劇の舞台で味わった凄まじい殺気だった。

 

テツヤ「後ろか!?」

 

背後を振り向き、目を凝らすと 数十メートル先から発砲したと見られる小さな光が見える。

 

テツヤはその光を目処に身体を横に大きく逸らした。すると一発の弾丸は目先で通過していき、通過した弾丸は大きな崩れた建物に当たると、その建物はまるで切断されたかのように崩れ落ちていった。

 

テツヤ「う、嘘だろ・・・・・・!?あんな対人兵器あっていいのかよ・・・・・・!?」

 

恐ろしい破壊力だ。あんなの食らったら洒落にならない。

 

一発の弾丸を避けたことで彼に向けられた弾道予測線が現れた。闇風が背後にいる今この予測線は絶対にデスガンの物だとテツヤは確信した。

 

テツヤ「見つけたぜぇ!!!この野郎が!!!!」

 

テツヤは両手にスラッシュエッジを構えながら、デスガンの元まで走り出した。

 

走ってる途中に放たれる弾丸はスラッシュエッジの刃で確実に処理し、一撃も当たらないようにした。

 

そして、テツヤがデスガンの元に向かってる最中に、シノンは闇風を狙おうとしていた。

 

闇風はたった今デスガンの放った弾丸によって壊れた建物に隠れ様子を伺っていた。先程からちょこまかと動いていた闇風にシノンは悪戦苦闘していたが標的が止まっているのならばそんなのはシノンにとって朝飯前の敵だった。

 

シノン「頂き・・・!!!」

 

シノンは闇風に狙いを済まし、バレットサークルが闇風に留まった所で引き金を引くと、その弾丸は闇風の心臓部分に直撃した。そして心臓部分に風穴が空いた闇風の頭上にDeadの文字が。シノンは見事一撃で闇風を倒すことに成功したのだった。

 

シノン「闇風デリート完了・・・・・・テツヤ!!!」

 

シノンはすぐ様デスガンの元へ走るテツヤの方へ向いた。スラッシュエッジの小さな刃で弾丸を切り落とす離れ業を披露しているテツヤの先にスコープを向けると、そこには伏せた状態でテツヤを狙撃しているデスガンの姿があった。

 

シノン「その首貰うわよ・・・・・・!」

 

シノンはデスガンに狙いを定めるが シノンも一発放った影響により弾道予測線が現れてしまっていたため、その予測線でデスガンに位置がバレてしまい デスガンもシノンに狙いを定めた。

 

狙いを定められたことで一瞬だけ怯んでしまったシノンだが、今度はしっかりとその指で引き金を引くことが出来た。だがそれと同時にデスガンも引き金を引いた。

 

互いの弾丸が横ですれ違うと、デスガンの放った弾丸はへカートの装備されていたスコープに直撃し破壊されてしまったが、 シノンの放った弾丸はデスガンの所持するスナイパーライフルである サイレントアサシンに直撃し見事破壊することに成功した。

 

シノン「スコープが・・・・・・でもあっちももうスナイパーは使えない・・・・・・後は託したわ・・・・・・テツヤ・・・・・・!」

 

スコープを持たぬ今シノンがテツヤを援護することは難しい。よってこの勝負の命運は完全にテツヤに託されたと言って良いだろう。

 

テツヤ「サンキューシノン・・・・・・最高の援護射撃だ・・・・・・!!!!後は俺があの野郎を潰す・・・・・・!!!」

 

スナイパーライフルを失ったことで狙撃することを諦めたデスガンに向け、テツヤは持っていた2つのスラッシュエッジを同時に投擲した。

 

スラッシュエッジは大きく円を描くように左右に展開した。並大抵のプレイヤーならばどう処理していいか分からずモタモタしてる内にその刃で倒されていたことだろう。

 

だが、相手はテツヤ同様のSAOサバイバー。その場から瞬時に動きテツヤに近づくと、何か細身の物でテツヤに攻撃をしていた。

 

テツヤ「何っ!?」

 

その細身の物の正体は弾丸でもなんでもなく、キリトがテツヤに託した光剣に類似した物だった。いや、光剣と言うよりかはそれはSAOやALOに存在する金属で出来た剣だった。

 

死銃「馬鹿め・・・・・・スナイパーを失ったことで俺の力が落ちたとでも思ったのか・・・・・・?浅はかなやつだ・・・・・・」

 

テツヤ「なるほど・・・・・・お前もこの世界で剣を使ってたってわけか・・・・・・随分と鋭利なことで・・・・・・」

 

テツヤが攻撃されたのは左肩。そこには防護用の小さなシールドが付いていたがデスガンの持つ剣はそれすらも穿ったのだ。これと言ったダメージにはなってはいないがあの鋭利さはかなり危険な物だ。

 

死銃「ただの剣ではない・・・・・・こいつは俺が作った専用でな。素材はこ→

のゲームにおける最高級の金属。宇宙戦艦の装甲板と言われている。」

 

テツヤ「宇宙戦艦・・・・・・?よく分からねぇがそりゃ最高級と言われるのに相応しいだろうな・・・・・・まぁ、んなもん俺の相棒に比べたらゴミカスだろうけどな。」

 

死銃「未だにあの剣・・・・・・天鎖斬月を使っているのか・・・・・・?ワンパターンな男だ・・・・・・」

 

テツヤ「ワンパターンだと?だとしたらテメェはなんなんだ?いつまでも人殺しの過去の栄光に縋りやがって・・・・・・何がデスガンだ・・・・・・未だにだっせぇマークを腕に巻いてる包帯の奥に隠しやがってこのサイコパス野郎が・・・・・・!!!!!!」

 

デスガンが腕に巻いている包帯が風でなびくと、その隙間からチラチラとあの棺桶のマーク・・・・・・すなわちラフィン・コフィンのマークが見えていた。

 

死銃「この名を愚弄するか・・・・・・いや、あの死神と呼ばれたお前にとっては邪魔な存在なのかもしれんな この俺がな。」

 

テツヤ「お呼びじゃねぇんだよ今の時代にテメェのようなゴミクズはな!!!時代は変わった!!!とっととそのサイコパス気取りも止めにしやがれ!!!!!!」

 

死銃「サイコパス・・・・・・?ならば貴様はなんなんだ?我らの仲間を殺し 脳天気に生きている貴様は・・・・・・?」

 

デスガンはそう言いながら所持する剣、エストックをテツヤに向けた。

 

死銃「貴様は考えもせず我らの仲間を殺した 5人 いや、後から聞いた話では追加で30人も殺したらしいな?計35人は俺が殺したのと同等の人数だ 要は貴様と俺は同じ穴のムジナだ。」

 

テツヤ「ふざけるな!!!テメェの殺しと一緒にすんじゃねぇ!!!!!俺がもしあの35人を殺していなければ、攻略組はテメェらに八つ裂きにされ、未だにSAOは続き ラフィン・コフィンが支配する絶望の世界になっていたかもしれない!!!俺はそれを未然に防いだんだ!!!それに!俺があの35人を殺したことで救えた命が幾つあると思ってんだ!!!!それに比べテメェらはただ快楽のため、愉悦のために罪もないプレイヤーを殺し続けてきた!!!人としてゴミ同然のテメェらと少なからず殺したことで多くの命を救えた俺を一緒にすんじゃねぇ!!!!!!!!!」

 

死銃「命を救う?何を言っている。お前も俺も 死の名を冠しているのだぞ?貴様は死神だ。死神が人を救う訳がなかろう そして俺のデスガン この名は最高の名にして 多くの人を殺める名となるだろう。」

 

テツヤ「とっくにテメェの殺しのネタは上がってんだよ!!!何がデスガンだ!!!他人と協力することでしか人を殺せない人任せのクズ野郎が!!!お前のそのハンドガンも!!!お前のそのアバター自身も!!!人を直接殺したことは一度もないパチモンの集大成だ!!!!!!!」

 

死銃「ほぉう 面白い。そのネタとやらを言ってもらおうか?」

 

テツヤ「テメェはそのミラーステルスマントを使い、総督府に侵入。BOB参加者の住所を片っ端から盗み見ることでその住所先に共犯者を侵入させる。お前のハンドガンの銃撃に合わせて薬品を投与 それが心不全による死の原因だ。俺の知り合いに総務省のお偉いさんがいてなぁ?総務省にはSAO時代のプレイヤーネームと本名のデータやらが全部保存されてるらしい。お前の名前が分かれば全てのデータが明らかになる 本名 住所 テメェの殺しの手口もな。」

 

死銃「・・・・・・・・・・・・・・・」

 

テツヤ「どうした?図星をつかれて何も言えませんって面だな?おっと、お前はだっせぇマスクで顔を覆ってたんだな 悪いな そのマスクの奥は今頃脂汗で滲みまくってんのか?」

 

死銃「何・・・・・・面白い想像だと思っただけさ・・・・・・少し惜しいな・・・・・・お前じゃ俺を止めることは出来ない・・・・・・何故か分かるか?それは貴様が俺のSAO時代の名を思い出すことが不可能だからだ。」

 

テツヤ「大層な自信だな。その根拠がどっから出てくるんだ?」

 

死銃「何故か?簡単だ あの血の惨劇で俺とお前は対話をしている。だが、その時俺は貴様に名を名乗ったと思うか?」

 

テツヤ「っ・・・・・・」

 

そう、この2人はたった1度きり あの血の惨劇の舞台で数秒程度だが対話していた。だがその内容は余りにシンプルなものだ。

 

血の惨劇によって囚われたデスガンがテツヤの元を通り過ぎる際 名を名乗ろうとしたがその時のテツヤは苛立っていた為デスガンにただ『消えろクズ野郎』と胸ぐらを掴み、恐ろしい声で言っただけだったのだ。

 

死銃「思い出す?そもそも貴様は俺の名を知らない。よって俺の正体を明かすことなんて不可能。貴様はこの俺に殺され 女神が俺の手によって殺される瞬間を指を咥えて見る以外に無い。」

 

テツヤ「そうかい・・・・・・なら直接聞いてやるぜ・・・・・・お前が恐怖に戦いた時にな・・・・・・!!!」

 

そう言ってテツヤは腰部に装備していたキリトから託された切り札である光剣を取りだし、残り半分のエネルギー量である光の剣を出した。

 

死銃「ふん・・・・・・あの時は油断したが今度はやられはしない・・・・・・」

 

テツヤ「抜かせ お前はどっちにしろ俺の怒りを買った キリトを倒し そしてシノンを泣かせたお前は・・・・・・絶対に許さねぇ・・・・・・!!!」

 

死銃「なら貴様の怒り 味あわせてもらう!!!」

 

デスガンはそう言い、高速でテツヤに攻撃を仕掛けた。だが テツヤはスピードに関しては右に出る者は居ないほどのプレイヤーだ。デスガンの攻撃をエストックを持つ手を掴むことで簡単に防いでみせた。

 

テツヤ「お前の攻撃が俺に通ると思ったら大間違いなんだよ!!!!!!」

 

死銃「ちっ・・・・・・やはり素早さは今でも健在のようだな・・・・・・!だがこれはどうかな?」

 

デスガンは一度テツヤから離れると黒星を手に持ちシノンのいる場所に向け構えた。

 

テツヤ「何っ!?んな事させるか!!!」

 

テツヤは黒星の弾丸からシノンを守ろうと、その銃口の目の前に立った。だが、それはデスガンの狙い通り。

 

死銃「やはり甘いな!死神!!!!!!」

 

テツヤ「っ!?」

 

デスガンは無防備状態だったテツヤに向け超速度での連撃を繰り出した。

 

デスガンの持つエストックは言った通りGGO世界における最高級の素材で作られており、その鋭利さは折り紙付きだ。次々とテツヤの身体に赤い傷が付いていく。

 

テツヤ「ちっ!!!離れやがれ!!!」

 

テツヤはそう言いデスガンの足を薙ぎ払おうとしたが 女の身であったテツヤの足はいつもの長さではなくなっていた為空振りしたに過ぎなかった。

 

テツヤ「何っ!?」

 

死銃「貰った!!」

 

デスガンはテツヤの首元へ向け、エストックを突き刺そうとしたがテツヤはそれを転がることで間一髪で防いだ。

 

テツヤは首跳ね起きで立ち上がるが、デスガンはすぐ様間合いを詰め更なる攻撃をテツヤに仕掛けた。

 

光剣で防ぎたいところではあるが実体剣とレーザー剣で鍔迫り合いを起こすことは不可能なため、テツヤは仕掛けられた攻撃を避けるか食らうかの二択しか無かった。

 

テツヤ「ちっ・・・・・!!!この身体じゃ・・・・・・!!!」

 

小さな身で巨体のデスガンに立ち向かうのはテツヤでも厳しく、窮地に陥ってしまったテツヤだったが デスガンの顔に向けた弾道予測線が現れた。

 

死銃「っ・・・・・・!?」

 

デスガンは急な予測線に怯み、攻撃を止めた。

 

テツヤ「っ!!!しめた!!!!!!」

 

テツヤはその隙を付き今度こそデスガンの足を薙ぎ払い、姿勢を崩させた所でテツヤは一旦距離を取った。

 

テツヤ「あの予測線・・・・・・」

 

テツヤはシノンの方角を見ると、シノンはスコープを付けない状態でデスガンのことを狙っていたのだった。

 

テツヤ「やっぱりお前か・・・・・・サンキューなシノン・・・・・・」

 

テツヤがそう言うと、予めシノンがテツヤに渡していた通信機からシノンからの通信が入った。

 

シノン『テツヤ!私も援護に行く!今その身でデスガンと戦うのは無謀すぎる!』

 

テツヤ「馬鹿野郎!!!アイツの狙いはお前だ!!!そう簡単に狙われに来るな!!!」

 

シノン『でも・・・・・・だからって貴方がやられたら私は・・・・・・!!!』

 

テツヤ「大丈夫さ!ちょっとばかし油断しただけさ!」

 

シノン『油断って何考えてるのよ!?相手はデスガンなのよ!?』

 

テツヤ「女の身じゃ身体が言うことを聞いてくれなくてな!こっからはそれも踏まえて立ち回るから平気だ!とにかくシノンはそこにいろ!分かったな!?」

 

シノン『分かったわよ・・・・・・でもまた危ないと思ったら遠慮なく援護しに行くからね!』

 

テツヤ「それでいい。最高の援護ありがとな シノン。」

 

テツヤは通信を一旦閉じ、再びデスガンの方を向いた。

 

死銃「くっ・・・・・・あの距離で照準を合わせてくるとはな・・・・・・」

 

テツヤ「さしずめファントムバレット(幻影の弾丸)ってとこだな。 危うく殺られちまうとこだったぜ。」

 

死銃「ふっ。あれだけ強気でいてそのザマとはな?貴様こそもう過去の人物だ。俺に勝つことは出来ない。」

 

テツヤ「・・・・・・確かにそうかもしれないな・・・・・・」

 

死銃「ほぉう 認めるか。ならば・・・・・・」

 

テツヤ「誰が認めたなんて言ったかよ・・・・・・俺はかもしれないと言ったんだ・・・・・・」

 

死銃「何?」

 

テツヤ「いいか・・・・・・今は確かに形勢的にもこの身からして俺が完全に不利だ・・・・・・だがな!!!!!!"この身が消えた時"がテメェの最期だ!!!!!!!!!」

 

死銃「笑わせるな それは貴様が死ぬ時俺も死ぬということか?」

 

テツヤ「それは後からのお楽しみだ!!!!!!」

 

そう言ってテツヤは攻撃をしかけた。

 

テツヤ(クソっ・・・・・・まだなのかよ・・・・・・!!!!!!一体何してんだよサポートの人達は・・・・・・!!!!!!)

 

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 

GGOでテツヤがデスガンと死闘を演じている最中、ALOからログアウトした木綿季はタクシーを飛ばしてもらい御茶ノ水の病院に着き、そこで哲也の病室を聞いた木綿季は哲也の病室に向かっていた。

 

木綿季「ユキ・・・哲也は大丈夫かな・・・」

 

現在木綿季は携帯とアミュスフィアを通じユキとの連絡を取っていた。無論バッテリーに限界時間があるために長時間の接続は無理ではあるが哲也が勝ち残るその時まで連絡を取り合うのは十分に可能だ。

 

ユキ『きっと大丈夫!姿が今まで見れてないのは不安だけど、絶対絶対お父さんなら勝てるよ!だってユキのお父さんだもん!』

 

木綿季「そうだよね・・・哲也ならきっと倒してくれるよね・・・」

 

ユキは思ったままに哲也の無事を確信していたが、それでも木綿季は不安だった。

 

菊岡が幾ら安全と言えどこの世界では何が起こるかわかったものでは無い。もしかしたら本当に哲也がデスガンに倒された影響で死んでしまうのかもしれない不安で胸が張り裂けそうになっていた。

 

木綿季は急ぎ足で哲也の病室に向かい、哲也の病室前に着くとノックをして入室した。

 

木綿季「詩織さん!哲也は!?」

 

詩織「ゆ、木綿季!?どうしてお前が!?」

 

木綿季「今の哲也の様子がどうしても心配で来ちゃったんです!哲也は!?」

 

詩織「そういう事か・・・少し前までは安静を保ってたが急に心拍数が膨れ上がってな・・・」

 

木綿季「な、何で!?」

 

詩織「哲也を見てみろ 呼吸がかなり乱れてる。」

 

木綿季が哲也の傍に近づくと、確かに哲也の呼吸はまるで全速力で走った後のような呼吸をしていた。

 

詩織「身体に危険は無いんだがな・・・ログインした先で何かあった可能性が高い・・・」

 

木綿季「なんでこんなことに・・・・・・まさか本当に哲也は・・・・・・」

 

ユキ『お母さん!病室のモニターをMMOストリームに繋ぐよ!そうすればBOB本戦が見られるはず!』

 

木綿季「うん!お願い!」

 

ユキは病室のモニターをMMOストリームに繋ぎ、本戦のLIVE映像を映し出した。

 

そこには、デスガンと戦う1人の少女が映っていた。

 

詩織「な、なんだ!?これが哲也がログインしてるゲームなのか!?」

 

木綿季「はい・・・・・・でもやっぱり哲也は・・・・・・」

 

ユキ『お、お母さん!?あの女の人の足元に出てる名前見て!!!』

 

木綿季「へ?」

 

木綿季はユキに言われた通りに 少女の足元を見ると、そこには哲也の名が映し出されていた。

 

木綿季「なっ!?哲也!?」

 

詩織「どういうことだ!?聞いた話ではこの世界で哲也が女の子になることは不可能だってあのお偉いさんが言ってたぞ!?」

 

ユキ『バグか何かで女の子になっちゃったのかな・・・・・・でもまさかめちゃくちゃに強い女の人がお父さんだったなんて・・・・・・』

 

木綿季「でも哲也の心拍数が上がってるのは今戦っているからってことはわかった。でも慣れない身体でデスガンと戦うなんて・・・」

 

木綿季は哲也のアバターからデスガンへと目を移した。そして木綿季はデスガンの所持している武器がエストックであることに気づいた。

 

木綿季「エストック・・・・・・?あれって確かレイピアと似たタイプの・・・・・・そう言えばラフィン・コフィンにいたはず・・・・・・エストックの達人と呼ばれたプレイヤーが・・・・・・名前は・・・・・・」

 

木綿季はデスガンの名を確かめようと足元に目を移した。するとそこにはsterbenと表記されていた。

 

詩織「なんだコイツ?ドイツ語なんか使いやがって。」

 

木綿季「ど、ドイツ語?」

 

詩織「そうだ。医療関係の用語でな 読み方はスティーブンでは無く《ステルベン》って言うんだ。」

 

木綿季「すてるべん・・・・・・?どういう意味なんですか・・・・・・?」

 

詩織「その意味は《死》だ。病院だと患者さん達が亡くなってしまった時に使う用語なんだ。」

 

木綿季「死を意味するって・・・・・・それじゃあ・・・・・・」

 

死。それは木綿季にとっての最愛の人物に訪れてしまった全てを無に帰す悪魔の言葉。

 

そんな悪魔の言葉を冠するプレイヤーと今なお戦っている哲也が木綿季は心配で仕方がなかった。

 

詩織「おいおい 怖いのは分かるが彼女のお前が哲也を信頼しないでどうするんだ?大丈夫さ 哲也はなんて言ったって皆の英雄だからな。」

 

ユキ『そうだよ!死の名を冠するのはたった一人!お父さんだけで充分だよ!!!あんなプレイヤーお父さんがボッコボコにしてくれるよ!』

 

木綿季「二人とも・・・・・・」

 

二人の言葉で木綿季は気付かされた。今木綿季は物理的には何も出来ないが哲也の無事を祈ることはできる。そしてその祈りは他の誰よりも効果のある祈りだ。

 

木綿季「哲也・・・・・・今こそSAO時代を・・・・・・死神と呼ばれた剣士の力を思い出して・・・・・・!!!」

 

木綿季は哲也の右手を両手で優しく握り、哲也の勝利とその身の無事を強く強く祈った。




デスガンとの決着をつけるべく交戦したテツヤだが、女の身であることが災いし形勢は明らかに不利。

シノンのファントムバレットによる援護で事なきを得たが一体テツヤはどう勝機を見出すのか?

そして、テツヤの身体は本当に男になることはあるのか?

次回でいよいよ長い闘いに終止符が打たれる!最後に立っているのは一体どちらか!?

次回もお楽しみに!

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