ソードアート・オンライン~死神と呼ばれた剣士~   作:畜生ペンギン

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Part149 合流~待ってました主人公~

「ぬゥ!!!!!!!!」

 

スルムが先程までは使っていなかった斧を用いて戦い、一振一振の影響で強い衝撃波が走る。

 

その目は先程まで青く光っていたが、怒りを表すように赤く光っていた。

 

「く、クライン折角レジェンダリーウェポン手に入れたんだか使いなさいよ!?」

 

「しょうがねぇだろ俺ハンマー録に使えねぇんだから!!!」

 

「アスナ!MP回復はまだかい!?」

 

「もう少しかかっちゃう!」

 

体勢を立て直す前の奇襲のこともあり、皆ソードスキルも魔法も上手く使えず防戦一方だった

 

だが、シノンが的確に頭部を狙い撃ちその反動の隙に何人かが後退しMP回復をする事で徐々にだが体勢を立て直すことができていた。

 

「くっ・・・!」

 

戦闘の最中メダリオンを見るリーファ 以前と数は2のままだったが悠長にしてはいられない

 

「リーファちゃん!合わせ技で行くわよ!」

 

「了解!お兄ちゃんレイさん援護お願いします!」

 

「よし!クラインも行くぞ!」

 

「シリカ!来い!」

 

リナとリーファの2人は互いにスペルを詠唱していく 少々長い物だがその間にもキリト達が足止めをしてくれていた。

 

「あの2人はやらせない!!!!」

 

「ピナ!バブルブレス!」

 

牛型モンスターに使ったピナの泡が襲うが、それはスルムにとっては目潰しにもならなかった。

 

「効かぬわこの羽虫がァ!!!!!!!!」

 

右腕をめいっぱい奮ったその一振はピナを直撃、地面に叩きつけられる前に救いにいったシリカもその衝撃でHPを減らしていた。

 

「1度下がります!リズさん!」

 

「おっけー!いい加減にしろこのおっさん!!!!!!」

 

リズのメイスが膝目掛け振り下ろされるが、確かに当たったはずなのにビクともせず彼女はスルムの膝蹴りで吹き飛ばされていた。

 

「がはっ・・・!」

 

「リズ!!!!!この!!!!」

 

レイが仕返しとばかりに接近する、だが彼女からすると動きの遅い攻撃なんて当たるはずもなかった。

 

「こんな攻撃当たりはしない!」

 

「羽虫が・・・・・・図に乗るな・・・・・・!!!!」

 

右腕を振り下ろしたスルムの攻撃に対し、レイは側転し、足元に来た城の崩れた後を伝って勢いよく飛び跳ねたが、その先にはスルムの左手が。

 

「しまっ・・・・・・!?」

 

空中ではキリト同様身動きが取れず、レイは握りつぶされそうになっていた。

 

「まずは1匹・・・・・・握り潰してくれる・・・・・・!!!!!」

 

握りつぶされそうになったが、レイは短剣を握る指に突き刺すと、まるで熱いものを触ったかのように手を振るいながらレイのことを投げ捨てていた。

 

レイが投げ捨てられたのはアスナの側だったが、城壁に叩きつけられHPはイエローとレッドの境目になっていた。

アスナが心配してレイの元へ駆け寄るが、叩きつけられた影響で上手く立ち上がれないようだった。

 

「レイちゃん!待ってて今回復ポーションを・・・!!!」

 

「僕に構うな!ショウがいない今誰が皆を助けるんだ・・・・・・!!!」

 

「でも!!!」

 

「まだHPは残ってるんだ!早く皆の援護を!」

 

「くっ・・・・・・ショウ君がいてくれれば・・・・・・!」

 

「リナ!リーファ!まだか!?テツヤ達がいない今持たせるのにも限界はあるぞ!?」

 

「あと少し・・・・・・!!!」

 

「ごめん・・・耐えてお兄ちゃんクラインさん・・・・・・!」

 

「こんな時にユウキちゃんがいりゃあ・・・敵を翻弄してくれんのによ!!!」

 

クラインの炎属性を纏った抜刀型ソードスキルをスルムに仕掛けるも、足止めにはならなかった。

 

「う、嘘だろ!?スパアマでも付いてんのかコイツは!?」

 

「なら俺が!!!」

 

キリトは足止めとしての役目を果たすべく、片手で炎属性のスキルを発動せ そのスキルの終わり際にもう片方の剣で雷属性のスキルを発動させた

それを上手く使いこなしていたが、3連撃で終わってしまったが、丁度2人の詠唱が終わったようだ。

 

「よし終わったよ!!!!」

 

「どいてて皆!!!!」

 

リーファが右腕、リナが左腕を振り下ろすと、スルムに対して強大な風が巻き起こる

 

その風は魔法で両名が起こした10層攻略の際に使われた荒れ狂う風、月牙天衝の援護は無いが威力は充分でスルムの身体を包み込んでいた。

 

「羽虫如きの攻撃このワシに食らうわけ・・・・・・」

 

「ふんっ!甘く見てもらっちゃ困るわよ!」

 

「シルフの5本指の内2人が同時に唱えた魔法なんだから!そう簡単に破れるもんですか!さぁ皆!今のうちに体制を!」

 

先程までの攻撃で少しも減ることはなかったHPバーも持続ダメージの影響でじわじわと減っていく、シノンはレイに近寄り、レイにポーションを飲ませていた。

 

「すまないシノン・・・迂闊だった・・・!」

 

「気にしないでレイ、仲間なんだから。」

 

「ありがとう・・・この礼は必ず!」

 

「ったく・・・あのおっさん今度はタダじゃ置かないんだから!」

 

「レイさん!ピナももう大丈夫です!いつでも行けますよ!」

 

「あぁ・・・フィリアがいてくれれば僕とシリカの負担も軽くなるのだが無い物ねだりする暇は無さそうだね・・・・・・!」

 

「シノンちゃん、この前みたいにあの風に対して火矢ぶつけてもらえる?」

 

「了解!」

 

リナの依頼を受け取ってシノンが莫大な突風に向け火矢を5本まとめて放つと、あの時同様巨大な炎へと変わり、スルムを包み込んでいた。

 

「効くでしょ~!名付けて!・・・・・・風炎?」

 

「い、今そんなこと考えてる場合じゃないでしょリナちゃん・・・・・・」

 

「とにかく今のうちに行くわよ!!!レイも行ける!?」

 

「任せろ!」

 

シノンの火矢が次々と大火の中に放り込まれ、その炎は強さをましていく

皆もその風と火を絶やさぬようスルムに向け基本風系のスキルか炎系のスキルで攻撃をしていた

 

目視で確認できるHPバーはたちまちの内に減っていき、1本目のHPバーが底を尽きた。

 

「よし!1本削った!」

 

「この調子で2本目も!」

 

「図に乗るな羽虫ガァ!!!!!!!!!!!」

 

「冷凍ブレス・・・いえ、ビーム来ます!!!!」

 

「え、ちょ、ちょっと待ちなさいよ!?あんなのまた撃たれたら・・・!」

 

「少しでも皆のダメージは減らす・・・・・・!!!!」

 

アスナは氷耐性の魔法を2度がけ3度がけし、これ以上はバフが盛らない状態にしていたが スルムのビームは大火を消し去り、前衛の皆をまた凍らせていた。

 

「今度は足踏みで終わらせるか・・・・・・これで散れ!!!!!!」

 

スルムが斧を地面に叩きつけると、凍っていた皆の氷を剥がすと同時に、剥がれた氷が皆に突き刺さり、アスナのバフの意味が最早無いに等しかった。

 

「そ、そんな!?」

 

「更にこれだけでは終わらんぞ・・・・・・ヌゥん!!!!!」

 

スルムはその場で目を閉じると、幻影のスルムも現れた・・・かと思いきや、幻影は次第に体格を宿していき もう一体のスルムも姿を表した。

 

それは、皆にとっては悪夢のような光景だった。

 

「じょ・・・冗談だろ・・・・・・アイツが2人・・・・・・!?」

 

「わ・・・笑えてくるぜ・・・なぁキリの字よ・・・・・・」

 

「全くだ・・・・・・テツヤの存在が今程恋しいと思ったことはないぜ・・・・・・!」

 

「でもどうするのよ!?さっきのリナとリーファの合体魔法打つまでの時間私達じゃ2人相手には稼げないわよ!?」

 

「私に任せて!!!」

 

シノンはそう言うと火矢を5本打ち出すと、その内の2本、3本をそれぞれのスルムの画面に当てる離れ業を見せた

 

「これくらいなら何とかできるからその内にリナとリーファで!」

 

「わ、わかった!」

 

「シリカ!僕達も片方やるぞ!」

 

「はい!」

 

「なら俺とクラインも続く!」

 

「おうよ!リズ!お前はアイツらの足の間に立ってメイスで叩きまくれ!!!」

 

「了解!ったく人使い荒いんだから!!」

 

「駄目だ・・・MPの消費量と回復量が追いつかない・・・!」

 

現状アスナの回復はMPが無い今期待できない、シノンの目潰しはまさに生命線だった。

 

「くっ・・・・・・キツイ・・・・・・!!!」

 

GGOナンバーワンスナイパーのシノンと言えどALOログインはまだ1ヶ月未満、コントロールを2体ずつ、それに頭部に直撃させ続けるのは至難の業だった。

 

シノンを信じて皆で攻撃を続けるが、弓を打ち続けていた彼女のスタミナが遂に切れてしまった。

 

「シノのん!?大丈夫!?」

 

「ごめん・・・もう指が・・・!」

 

血が出るわけでも無いのに感覚的には右手の指からは血が出続けている感覚で、シノンの行動は止まってしまった。

 

「羽虫・・・・・・今度こそ捻り潰してくれる・・・・・・!」

 

「っ!シリカ!!!!」

 

「れ、レイさん!?」

 

「貴様もだ・・・・・・!!!!」

 

片方のスルムはシリカを狙っていたがレイがシリカを突き飛ばたことで彼女の変わりにレイが捕まり、そしてもう片方のスルムは魔法の詠唱で身動きが取れなかったリナを捕まえていた。

 

「っ!は、離しなさいよこのスケべ!!!!」

 

「また突き刺して離させてやる!!!!」

 

「この羽虫・・・・・・」

 

「身体を潰してくれるわ・・・・・・!!!!!!」

 

レイは先程片手で握られたのである程度の自由も効いたが、、今度は両手でそれをやられ リナもレイも耐え難い悲鳴を上げていた。

 

「や・・・・・・やめろ・・・・・・この・・・・・・ぼ・・・・・・僕に触れるな・・・・・・!!!」

 

「アンタなんか・・・・・・あんたみたいなやつに負けて・・・・・・!!!!」

 

「イキがるなよ・・・・・・そこの羽虫共々散れ!!!!!」

 

そう言って両者がレイ、リナを放り投げたのはバテて身動きが取れなかったシノンに対してだった。

 

「ま、間に合わな・・・!?」

 

普段なら華麗に避けられるシノンも、それを避けられず勢いよく2人に突っ込まれ、3人で地面に突っ伏していた。

 

「皆!?」

 

「お、おいやばいぞ!!早く攻撃止めねぇと!!!」

 

「ユイ!どっちが何してくるかわかるか!?」

 

「情報処理が追いつきません!ユキがいてくれれば・・・!」

 

「す・・・すまないシノン・・・また・・・足手まといになったようだ・・・!」

 

「ごめんねシノンちゃん・・・!」

 

「い・・・良いの・・・早く・・・逃げ・・・」

 

「そう・・・したいが・・・どうやらまたしても身体が動かないようだ・・・」

 

「相当強く叩きつけられたから・・・ノックバック受けちゃったみたいね・・・」

 

「くっ・・・諦めないで・・・諦めちゃ・・・何もかも・・・!」

 

「僕も諦めは悪いが・・・現実はそうはいかないようだ・・・」

 

3人の目前には2人のスルムがいた、周囲を見るとキリトやクライン達はどちらかに壁にぶつけられたようだ。

 

「ここでリタイアかぁ・・・・・・悔しいなぁ・・・・・・」

 

「諦めたくない・・・そんなのまた・・・・・・弱い私に・・・・・・そんなの絶対・・・・・・!」

 

リタイアしたとしても目を閉じたまま死にたくない この場にいる3人は王に立ち向かった果ての名誉の死を遂げたかった。

 

「この雌虫が・・・・・・直ぐに殺してやる・・・・・・!!!!」

 

2人のスルムの斧が振り下ろされ、その影響で城の床が勢いよく削れた

 

「レイさん!!!!!」

 

「リナちゃん!!!!!」

 

「シノン!!!!!俺はまた・・・・・・君を・・・・・・!!!!!」

 

シリカ リーファ キリトの悲痛な叫び だが現実は非情・・・・・・そのはずだった。

 

「よぉ 随分傷だらけじゃねぇか 3人共。」

 

「なっ・・・・・・なんで君が・・・・・・!?」

 

「う、嘘でしょ!?ど、どうして!?」

 

「な・・・・・・なんで・・・・・・なんで貴方がここに・・・・・・"テツヤ"・・・・・・!?」

 

城の床が落ち着いたところで、3人に対して振り下ろされた斧がどうなったかが明白になった。

 

3人は死んではおらず、2本の斧をテツヤが斬月で受け止めていたのだ

テツヤは敵に視界を向けのではなく、傷ついた3人を見守るように斬月を抜刀する要領で2振りの斧を受け止めていた。

 

「すまなかったな、野球部組遅れたが堂々の合流だ。」

 

「や、野球部組ってことは・・・!?」

 

「ボクもいるよキリト!!!」

 

「ユウキ!?」

 

「私もいるよシリカ!レイ!」

 

「フィリアさん!!!!」

 

「やっほーユイ!ユキも来たよー!」

 

「ユキ~!!!!」

 

「すまない!!!アスナ1人に任せてしまって!!!!」

 

「ショウ君!!!!!な、なんで!?今日練習試合で来れないんじゃ・・・・・・!?」

 

「説明は後だ 敵はコイツだろ?ならぶっ倒すだけだ!!!!」

 

テツヤが斬月を振り抜くと同時に、スルムは斧を引いた

 

「この紛らわしい羽虫が4匹も増えたか・・・・・・」

 

「だが、ワシの力を持ってしてみれば・・・・・・!!!!」

 

「俺らを舐めてもらっちゃ困るな、1人欠けているがほぼフルメンバーだ 第1大切な仲間を傷つけた恨みだ・・・最初から全開で行くぜ・・・!!!」

 

テツヤは3人を守るように立つと その場で斬月を構え 左手を右腕に置いた

 

「卍解!!!!!!!!!!」

 

先程の魔法のような風がテツヤを中心に巻き起こる その風が収まると同時に現れたのは 皆が待ち望んでいた死神の姿だった。

 

「天鎖斬月・・・!」

 

「この・・・・・・テツヤ!遅刻とは感心しないぞ!!」

 

「そうよ!どんだけあんたを待ってたと思ってんのよこの馬鹿テツヤ!!」

 

「いつもいつも遅いのよこの男女!!!」

 

「随分な言われようだな・・・しょうがねぇだろ部活だったんだから、エースがサボるわけにゃいかねぇだろ?ショウ。」

 

「了解。」

 

ショウが唱えた魔法で3人のHPも回復していた。

 

「アスナ、ここからはいつも通り回すぞ。」

 

「うん!よろしくショウ君!」

 

「さぁキリト!ボク達でいつも通りやっちゃうよー!」

 

「あぁ!遅刻した分暴れてもらうぞユウキ!」

 

「レイ、立てる?シリカといつものやつやるよ!」

 

「あぁ・・・全く、いつもの3倍は動いてもらうからな、フィリア。」

 

「さて・・・反撃開始だ!!!!!」

 

~~~~~~~~~~

 

「お母さんパンチ5連撃!なるべく地上で避けて!お母さんなら余裕!」

 

「了解ユキ!甘い甘い!ほらほらこっち!」

 

「パパ、斧振り下ろし、2連撃ですがお父さんなら受け止めきれます!」

 

「了解だユイ!良いぞユウキ!お前のお陰でヘイトが薄れる!」

 

前衛であるユウキとキリトの巧みなコンビネーション

 

「さぁ行くよ!遅れた分も取り返させてもらうよ!」

 

フィリアも合流した分、手数が更に増え反撃の隙を与えない短剣組。

 

「アスナ、キリトのバフが切れかかってる 俺はテツヤにバフを回す。」

 

「うん!やっぱり君がいるとやりやすいよショウ君!」

 

「さぁて!俺もやらせてもらおうか!!!」

 

キリトやユウキが敵対するスルムに向け、テツヤは炎属性のソードスキルを放つ、綺麗なライトエフェクトが巻き起こるが、まだテツヤの攻撃は終わらない

 

「もういっちょ!」

 

その硬直を打ち消すように月牙天衝を放ち、相手の体力はみるみる減っていくが、テツヤの天鎖斬月はまた光を灯していた。

 

「ぬぅ!?」

 

「今日の俺は止められねぇぞ!!!!」

 

2度目は氷属性からの月牙天衝、3度目は教科書通りのスラントからの月牙天衝を放ち、4度目は雷属性から月牙天衝と、まるでキリトの教科書のような動きをするテツヤがいた。

 

「す、凄い・・・あれが元祖スキルコネクト・・・お兄ちゃんにも引けを取らない・・・」

 

「ところで、さっき3人をあそこまでやったのはこっちか?」

 

「いや!アイツはリナをやったんだ!」

 

「そうかよ・・・なら姉ちゃんの分!!!!!」

 

特大の月牙天衝はスルムの顔に放たれると、スルムの顔は左右に分かれると同時にHPバーが尽きて消え去って行った。

 

「す、すごい・・・あんな一瞬で・・・!」

 

「さて、残り1匹は皆でタコ殴りに・・・」

 

「い、いや待ってテツヤ君!聞いて!」

 

「タイムリミットのことだろ!」

 

「っ!?な、なんでそこまで・・・」

 

「色々と事情があってな!タコ殴りにしてぇがトドメはコイツで締める!!!!!」

 

テツヤはスルムの顔スレスレに特大の月牙天衝2発を放ったが、月牙天衝が当たることは無かった。

 

「羽虫ガァ!!!!貴様らがこのワシに勝てると思うかァ!!!!!!」

 

「お、おいテツヤよぉ!?お前あんな月牙天衝無駄打ちするなよ!?」

 

「気にすんな、スルム お前ここをこんなだだっ広い天井にしたのが運の尽きだな。」

 

「なにィ・・・・・・?」

 

「っ!お、お前の狙いはまさか!?」

 

「ご名答♪」

 

キリトの問に対するテツヤのその発言と共に何者かの咆哮が皆の耳に入る、すると 天井から姿を表したのは黒龍だった。

 

黒龍はテツヤの後ろに移動すると、その場でも咆哮した。

 

「な、なんだ!?」

 

「な、何したのよ貴方!?」

 

「そういやこれ使うの久方ぶりか こいつは月牙天衝・翔龍双牙 俺の取っておきの技だ。」

 

「えぇ~!?ボクそんなの見た事ないよ~!?」

 

「確かにユウキの前では初お披露目だもんな まぁ話は後だ 行ってこい黒龍 レイとシノンの分もあの薄ぎたねぇ王の首噛みちぎれ!!!!!」

 

テツヤの天鎖斬月が振り下ろされると同時に、黒龍はスルムの身体に巻き付くとその巨大な2本の牙を首筋を狙い、噛みちぎった。

 

胴体と首が離れたスルムだったが 頭部を黒龍に食われた事で先程とは違い発言のチャンスすらなく、その場で黒龍共々消え去っていった。

 

そして、この場にいる全員にスルム討伐を意味するコンフィグも現た

それはスルムが本当に倒れた事を意味していた。

 

「いっちょ上がり!」

 

「全く・・・お前がいてくれたら道中どこまで楽だったか・・・」

 

「そこまで買い被ってくれてありがとよキリト。」

 

「ちょっとテツヤー!」

 

「のわぁ!?」

 

勝利を確信したユウキが駆け寄りテツヤに抱きついていた。

 

「もぉ~ボクにまた隠し事してたな~!?」

 

「ご、ごめんごめん 使い所限られるからあんまし公言したくねぇんだよ。」

 

「ま、今日はテツヤの記念日だから許したげる♪」

 

ユウキはそう言うとテツヤの頬に頬擦りしていた

 

「なんか・・・」

 

「結局、ああなるんだね・・・」

 

何時もの光景を見てリズとリナが呆れてはいたが、それと同時に安堵もしていた。

 

「やっぱり2人より3人ですね、レイさんフィリアさん♪」

 

「ああ、フィリアのありがたみがよくわかったよ。」

 

「えへへ♪そう言ってくれると嬉しいな♪」

 

「ユウキ、助かったよ 今度はスターターとして頼むぜ。」

 

「まっかせてよ!ボクがいれば百人力だよ♪」

 

「ショウ君のお陰で助かったよ・・・やっぱり君がいてくれると動きやすさが違うよ♪」

 

「よしてくれ、俺は指示を出してるだけでアスナの方がすごいんだから。」

 

「さて!これでエクスキャリバーも取れんだろ!ユキ、エクスキャリバーまではどう行くかわかる?」

 

「うん!今アイツの玉座の後ろに階段ができたからそれ降りれば行けるはず!ちょっと長いけど行きの階段よりマシだからラストスパートだよ!」

 

「おし!んじゃ行くぞ!」

 

テツヤの号令に皆が答える、この光景に安堵感を覚えていたのはアスナだった。

 

「やっぱり・・・皆のまとめ約は君が適任だね・・・テツヤ君・・・♪」

 

~~~~~~~~~~

 

その後、階段を降りながら皆は何故野球部組が来たのかを聞いていた。

 

「へっ!?か、完全試合!?アンタが!?」

 

「そっ、それで試合時間が普段より短縮された影響と本来2試合やるはずなのが1試合で済んで 4人で急いで家帰ってALOログインしたんだよ。」

 

「そこからはユキの出番!皆の位置情報を辿ってながーい階段を下って・・・」

 

「で、でもトンキーには私達、トトにはリナやレイがいたから来れないんじゃ・・・」

 

「忘れたのか?俺がこの世界じゃ唯一無二の死神だってことを。」

 

目の前のシノンの肩を借りながらテツヤが1人飛ぶと、その場で浮遊し始めた

 

「後はユウキに抱きついてもらって、ショウとフィリアは両手で抱えてたんだ 重くて大変だった・・・」

 

「ちょっとテツヤ!まるで私が重いみたいじゃん!」

 

「ち、違うよフィリア!アレはその、だって1人で3人運んだんだぜ!?」

 

「でも、なんでテツヤ君はタイムリミットのことを知ってたの?」

 

「あぁ、皆がいるって城まで飛んでた時 ウルズに会ったんだ。」

 

「て、テツヤもなのか!?」

 

「あぁ 急だったからビックリしたぜ・・・」

 

『そこの妖精・・・・・・いや、死神と言うべきでしょうか。』

 

『どわぁ!?び、ビックリした!?ゆ、ユキ!?この人は!?』

 

『NPCだよお父さん 他のNPCと違うのは言語モジュールエンジン使ってる点だね。』

 

『と言うと?』

 

『AIってこと!』

 

『なるほど・・・でも、なんでテツヤを呼び止めたの?』

 

『我が名はウルズ 先に来た妖精達にこのヨツンヘイムの命運を託したのですが・・・貴方の持つその剣はアロンダイトですね?』

 

『あ、あぁ それがどうかしたか?』

 

その時色々と教えられたよ、ヨツンヘイムの過去や現在、そしてトンキートト達の仲間が皆殺しにされてることも、そいつら全員殺されたらウルズの力が無くなるのも その解決策も。

 

『なるほど、んじゃあ先発隊にキャリバーを抜くのを託したんだな。』

 

『えぇ、ですが妙に引っかかるのです 一筋縄では行かないと。』

 

『と言うと?』

 

『エクスキャリバーを抜くのに、貴方の持つアロンダイトが必要な気がしてならないのです。』

 

『エクスキャリバーに?なんで天鎖斬月がそんな役割担ってんだ・・・?』

 

『元々、エクスキャリバーとアロンダイトは兄弟剣なのです アロンダイトが呼応しなければエクスキャリバーは引き抜けない・・・その可能性があります。』

 

『なんだって!?じゃ、じゃあ今日俺達がここにいなかったら・・・』

 

『最悪の運命を辿っていた可能性はあります ですがお会いできてよかった アロンダイトの持ち主に 残る我が眷属は先立って向かった妖精達の友・・・早々にやられることはないでしょうが油断はなりません 呼び止めて申し訳ございません さぁ、あの城へ向かってください妖精達よ そして死神よ。』

 

「ってな訳で、エクスキャリバーに天鎖斬月が必要かも知れねぇって訳よ。」

 

「じゃ、じゃあお前ら野球部組が今日2試合目なんてやってたら・・・」

 

「下手すっとガチで滅亡してたかもな、ALO。」

 

テツヤのその一言に皆の血の気が引いた 改めてテツヤ達の存在に助けられた気がした。

 

「それよりテツヤ 今の話で気になった点があるのと聞きたいことで2つあるのだけど?」

 

「なんだシノン?」

 

「まず、さっき卍解してユウキ達をここに連れてきたって言ったわね?」

 

「あぁ、それが何か?」

 

「助けて貰った身で文句は言いたくないのだけど、なんであの時斬月だったのよ。」

 

「あれは単純に一旦卍解解いたからだよ。」

 

「どうしてそんなことを?」

 

「こうして後から戦闘に参加するのって多分世界樹攻略以来だからさ なんかこう・・・」

 

「カッコつけたかったとか?」

 

「リーファの言う通り ぶっちゃけて言うとそんな感じ。」

 

笑いながらそう言ったテツヤだったが、レイは納得がいかなかった。

 

「君が卍解していればこの城の最深部まですぐだろう!?」

 

「だって皆で移動速度合わせたかったし・・・ほら、4人全員合流の方が良いし、皆が余裕綽々なのに卍解してたらなんかこう、恥ずかしいじゃん?」

 

「君というやつは・・・・・・!」

 

「まぁその話は良いわ、助けて貰ったし許す でも許せないのはもう1つの方よ、あの技は一体何?」

 

「ん?あぁ、翔龍双牙か?」

 

「テツヤ 貴方GGOで最後に決着つける時こう言ってたわよね?

『今俺には天鎖斬月に加え コルトパイソンにスラッシュエッジもある。言うなれば俺の今までの集大成と言ってもいい 手加減しようにも出来ないかもしれねぇ』って。」

 

「よく覚えてるな一言一句 たしかにそんなこと言った気がするがそれが?」

 

「なら、なんであの技使わなかったのよ?」

 

「え、いやそれはその・・・あれ使っちゃまずいかなって・・・GGOの世界とは余りにもかけ離れてるというかファンタジーすぎると言うか・・・」

 

「私は全力の貴方を撃ちたかったの なのに使わなかった・・・・・・つまり手加減したって事ね?」

 

シノンは若干お怒りで、彼女についた耳と尻尾の両方の毛が逆立っていた。

 

「い、いやそんな訳じゃ!?」

 

「じゃあ今すぐ再コンバートしてGGOに天鎖斬月引っさげて戻ってきなさい!私もGGOシノンで本当の本気の貴方に風穴開けてやるから!!!」

 

「ん、んな無理言うなよ!?本来GGOに天鎖斬月は持ち込めねぇんだぞ!?」

 

「うるさい!手加減男!嘘つき!男女!スケべ!!!」

 

「このっ・・・悪かったな男女でスケべで!」

 

シノンのテツヤへ向けられた怒りに対し、テツヤはシノンの尻尾を握り返すことで抵抗した

 

先程キリトにやられかけた時は避けて尚且つ尻尾ビンタまでしたと言うのに、シノンは何ら無抵抗でテツヤに尻尾を握られていた。

 

「にゃぅっ・・・!?/////」

 

シノンの艶かしい声を聞いたテツヤは、まずいと思いシノンの尻尾を離したが彼女の怒りは沸騰していた。

 

「このっ!待て!この変態!」

 

シノンはケットシーらしく爪で攻撃をしかけるが、浮いてるテツヤは余裕でそれを避けていた。

 

「アンタ!次やったら鼻の穴に火矢ぶっ込んでやるから覚悟しなさいよ!!!!!」

 

「やれるもんならやってみな~女神ちゃん♪」

 

「コイツ・・・・・・絶対後で殺す・・・・・・!!!!」

 

「恐れってもんを知らねぇのなオメェは・・・・・・」

 

クラインがテツヤに呆れている中、リナがキリトに小声で話しかけていた。

 

(ね、ねぇキリト君 さっき君がテツヤと同じことをやろうとした時、シノンちゃん避けてしかも尻尾でビンタしてたわよね?)

 

(あ、あぁ そうだったな。)

 

(なんでテツヤの時は避けないのかしら・・・?)

 

(さぁ・・・・・・?)

 

「さぁ後ちょっとだよお父さん!キリトさん!」

 

いよいよエクスキャリバーは間近 無事キリトはエクスキャリバーを獲得出来るのか。




遂にテツヤら野球部組が合流し、今度こそスルムの討伐を成し遂げた一同。

残すは目的のエクスキャリバー獲得のみ!無事に獲得なるか!

そして、シノンの尻尾を掴んだテツヤの運命や如何に!

次回もお楽しみに!
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