ソードアート・オンライン~死神と呼ばれた剣士~   作:畜生ペンギン

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今Partで遂にあの聖剣を獲得することに!

だが、無事平穏に終えることは出来るのか・・・

それでは本編をどうぞ!


Part150 解き放たれる伝説~エクスキャリバー獲得~

あの後階段から降りた皆は、エクスキャリバーが存在する間にいた。

 

「初会合かキリト、生エクスキャリバー。」

 

「いや、俺はこれが2度目だ。」

 

「なんだお前もか やっぱシステムコマンド?」

 

「ならテツヤも?」

 

「俺の場合腹に突き刺されたよ、あのゴミに。」

 

「何?そのシステムコマンドって。」

 

「君達しか使えないものなのかい?」

 

「まぁ色々とな。」

 

「あれはあの時だけの特別さ・・・さて、随分待たせたな 本物のキャリバー。」

 

フィリアやレイが質問してくるが、テツヤとキリトは簡易的に答えると キリトが意を決してエクスキャリバーに近づき引き抜こうとした

 

「んっ!?な、なんだこれ・・・・・・お、重い・・・・・・!!!!!!」

 

キリトが力を踏ん張り、顔を真っ赤にしながらも引き抜こうとするがエクスキャリバーはビクともしなかった

 

「ウルズの言ってたことは嘘じゃなかったな キリト。」

 

テツヤはそう言うとキリトの手を支えるように手を添えた。

 

「よし、やるぞキリト。」

 

「おう・・・・・・ふんぬらば・・・・・・!!!!!」

 

キリトはテツヤの協力の元再度挑戦した 先程は全くもってビクともしなかったエクスキャリバーだったが、今度は少しづつだが抜きかかっていた。

 

「ファイトキリト!ボク達応援してるよ!」

 

「気合いを入れろキリト!君の力はこんなものじゃないはずだ!」

 

「キリト君・・・!」

 

「アスナも応援してんだ・・・・・・伝説手にしてぇならもっと本気出しやがれキリト・・・・・・!!」

 

「この・・・・・・いい加減に・・・・・・!!!!!」

 

キリトとテツヤが格闘すること数分、エクスキャリバーの刺さった台座から眩い光が解き放たれたと同時にエクスキャリバーは遂に引き抜かれた。

 

テツヤとキリトは2人して勢いよく倒れ込んだが、彼らは顔を見合わせるとグータッチで健闘を称えた。

 

「抜いた!ってことはマジで天鎖斬月がエクスキャリバー獲得の為に必要だったってことか!?」

 

「どうやらそのようだ・・・・・・ってうおぉ!?」

 

エクスキャリバーを引き抜いたと同時に、先程まで突き刺さっていた台座から大木が伸び始め、皆が下った階段を壊しながら大木は巻き付くように伸びて行った。

 

「スリュムヘイムに起きてる現象みたい!キリトさん!悠長にしてる時間はないよ!」

 

「そんなこと言ってもユキちゃんどうすれば!?」

 

そうこうしてる内に皆の立つ足場も木から断裂寸前だった

 

「よ、よぉし任せろ!スパイカー壷井!ここであの沖縄の時の輝きを!」

 

「よ、良し行けクライン!」

 

テツヤがクラインの尻を後押しし、断裂寸前の木を掴ませようとしたが、住んでのところで掴めず クラインは落ちていった。

 

「あらら~?」

 

「あららじゃねぇんだよこの髭!?」

 

エクスキャリバーが眠っていた足場が落下していく 生身に襲いかかる圧は尋常ではなかったが皆何とか耐えていた

 

「て、テツヤ~!?卍解してるならこれどうにかしてよ!?」

 

「出来るか!?この量の人数運び出すのも無理だし・・・!!」

 

「そうだ!スグ!時間は!?」

 

キリトはリーファのメダリオンを見た、先程見た2つのままで止まっていた。

 

「どうやらこの崩壊は終わりの始まりじゃないようだな・・・」

 

「良かった~・・・!」

 

「よ、良くないよリーファちゃん!?このままじゃ・・・・・・ってあれ、なんか聞こえない?」

 

「んだよ姉ちゃん!こんな時に幻聴か!?」

 

「いや、私も聞こえる・・・これは・・・!」

 

2人が聞こえた謎の音、それはトンキーとトトの声だった。

 

「トンキー!それにトトちゃん!」

 

「渡りに船だ!コイツらに乗って脱出だ!」

 

トンキーには行きと同様のメンバーが

トトにはリナレイに加えテツヤ、ユウキ、フィリア、ショウが加えて搭乗することに。

 

「よろしくトト!よっと!」

 

ユウキはトトに挨拶をしながら背に上った トト組はこれで全員が背中に乗れた。

 

「キリト、お前も早く乗れよ。」

 

残すはキリト1人、なのだがキリトはエクスキャリバーを抱えたままその場で立ち尽くし、彼の黄金の剣を持つ手は震えていた。

 

「何してんだよ!早くしねぇとお前も落ちるぞ!?」

 

「いや・・・・・・テツヤ 元はと言えばお前の対抗心を燃やしてエクスキャリバーを取りに来たんだが・・・・・・俺にはまだ荷が重いみたいだ・・・・・・!」

 

「ど、どういうことだ?」

 

キリトは震える両手でエクスキャリバーを放り投げ、トンキーの背中に飛び乗った。

 

「な、何やってんだテメェ!?アレはお前が!?」

 

「良いんだ、俺にはまだ・・・」

 

「荷が重いだか知らねぇが諦めるなよなったく!!!!!!」

 

テツヤはそう言うとトトの背から勢いよく飛び降り、崩壊するヨツンヘイムの中に落ちていくエクスキャリバーの元へ向かっていった

 

だが、その落ちていくエクスキャリバーをもう1人 何とかしようとする人物がいた。

 

「約200メートル・・・いや、いける。」

 

「し、シノのん?何を?」

 

「黙って見てて。」

 

シノンは弓を構えながら魔法を唱え、その矢をエクスキャリバーに向け放った

 

キリトも無理かと思っていたが、いとも容易く落ちていくエクスキャリバーにその矢は当たり、魔法効果で紐の役割をになっていた為シノンが引っ張ると、エクスキャリバーが彼女の手元に落ちてきた

 

近場にいなかったテツヤ以外の全員、シノンの取った行動に驚きを隠せなかった。

 

「シノンさんマジかっけぇ~!?」

 

あのレイとショウですら、彼女の取った行動にそう言った それ程までにシノンの行為はミラクルな物だったのだ。

 

「ほらキリト。」

 

シノンはそう言うとキリトにエクスキャリバーを差し出した。

 

「シノン・・・・・・いいのか?」

 

「GGOの時貴方にしてしまった事を考えれば安いものよ あの時は本当にごめんなさい・・・・・・危うく貴方を・・・・・・」

 

「気にしなくていいんだ じゃあこれであの件の貸し借りは無しだ。」

 

「い、良いの?こんな簡単なことで・・・」

 

「簡単な事じゃない、かっこよかったよシノン もう気にしないでくれ。」

 

「キリト・・・・・・分かった、じゃあそうさせてもらうわね。」

 

「あぁ、じゃあシノン アイツのことも助けてやって欲しい。」

 

キリトの指差す先には、冷や汗をかいていたテツヤの姿があった。

 

「危ねぇ・・・おいキリト!!!テメェあれでまたエクスキャリバーがどっかしらやべぇところに刺さってたどうしてくれんだよ!?俺がいなきゃ抜けねぇんだぞ!?」

 

「わ、悪い悪い!」

 

「ったく!」

 

「アスナ スピードバフかけれる?」

 

「へ?かけられるけどなんで・・・」

 

「お願いしていい?」

 

「シノのんの頼みなら・・・」

 

アスナは不思議そうにシノンにスピードバフをかけた、すると彼女はトンキーの頭上に位置すると、矢をテツヤに向けて放った。

 

「危なっ!?な、なにしやがんだ!?」

 

「アスナ?」

 

「は、はい・・・」

 

シノンの圧に負けたアスナは盛れる分全部のバフをシノンにかけていた

それを見たテツヤは冷や汗が止まらなかった

 

「テツヤ・・・・・・覚悟はできてるかしら・・・・・・」

 

「え、あの、し、シノン?」

 

「敗北を告げる弾丸・・・・・・いえ、敗北を告げる弓矢・・・・・・とことん味わいなさいこのドスケベ男!!!!!!!!」

 

シノンがそう言うとテツヤに向け多数の弓矢を放っていた、その中には火矢、各属性スキル付き 爆薬付きとありとあらゆる弓矢がテツヤを襲っていた。

 

「だぁぁぁぁ!?な、何しやがんだ!?こ、殺す気か!?」

 

「お望みとあればそうしてやるわよ!女の子の尻尾掴んでおいてタダじゃおかないわよ!!!!!」

 

「そ、それが女神がすることかぁ!?」

 

「女神も痴漢には容赦しないわよ!!!このド屑死神!!!!」

 

テツヤは持ち前の俊敏性で避け続けていたがアスナのバフのお陰でシノンは通常の3倍以上の速度で矢を速射しており、避けるのにも一苦労だった。

 

「た、助けてぇぇぇ!?」

 

(ねぇねぇ、さっきキリト君が掴もうとした時シノのん・・・)

 

(はい、尻尾避けたうえビンタしてました。)

 

(・・・・・・まさかシノン、本当はテツヤに尻尾掴んで欲しかったんじゃないのぉ・・・・・・?)

 

(ってことはシノンちゃんのあれはツンデレってやつか?)

 

(多分そうなんじゃないのか?)

 

(シノンさんマジこわぁい・・・)

 

シノンの取った行動に対し、なるべく彼女に聞こえないようシノンについて話す6人

 

(ね、ねぇユウキちゃん さっき・・・ごにょごにょ・・・)

 

(えぇ!?な、なんでキリトのは避けた癖にテツヤには掴ませたの!?)

 

(さぁ・・・なんでだと思う?フィリアちゃん。)

 

(へっ!?いや、そ、それはその、シノンも疲れてたんじゃないのかな!?)

 

(だが、彼女はBOBで彼と優勝する程の実力者だぞ?ボス戦2連続の後とはいえたかが数時間のログインで尻尾に気がやれないほど疲れるものかい?)

 

(とりあえず今後シノンはテツヤ専任だな・・・シノン怒らせてああなるのは御免こうむる・・・・・・)

 

トト組もなるべくシノンに聞こえないような声量で会話をしていたが、この間にもシノンの矢の雨が止まることは無く、寧ろ自身の魔法を組み合わせ緩急も織り交ぜた変幻自在の矢を放っていた。

 

「だ、誰かそこの暴走女神止めやがれぇぇぇ!!!!!」

 

「これじゃあ埒が明かないや・・・ユウキ?一旦シノンとの喧嘩止めさせたいからテツヤのこと借りていい?」

 

「良いけど何するのフィリア?」

 

「任せてよ♪ねぇテツヤー!」

 

「な、なんだ!?シノのんの暴走止めてくれんのか!?」

 

「シノンがねー!今度テツヤと2人きりでALOでお出かけしたいんだってー!」

 

「なっ!?ちょ、ちょっとフィリア!?/////」

 

「一緒に行ってあげて欲しいなー!」

 

「い、行く!!!行くからこの矢止めろ!!!!」

 

「だってシノン!どうするの?」

 

「・・・・・・テツヤ インプ領で1番高いレストランに連れていきなさい それが条件よ!」

 

「わかった!なんなら!アルンの1食20万するフルコースディナーに連れてくから!!!奢るから!!!!頼むから弓止めてくれぇ!?」

 

「よし、言質は取ったわよ♪ユウキ?」

 

「はぁ・・・しょうがないなぁ・・・テツヤー?ちゃんとシノン連れて行ってあげるんだよー?」

 

「助かった・・・・・・!」

 

シノンがフィリアの方を見ると、声には出してないが

『楽しんでね♪』

と言っていたのを見て シノンも笑みを浮かべながら指で〇を作りフィリアへの返答をした。

 

(み、見たアスナ・・・あの巧みな交渉術・・・)

 

(うん・・・私だってキリト君に連れて行ってもらったことないのに・・・シノのん策士・・・!)

 

(しかもユウキちゃん公認だぜ・・・!?)

 

(い、いいのユウキちゃん!?また浮気よ!?)

 

(だってせっかくフィリアが止めてくれたのにボクが水差してまた始まるのも・・・ボクもシノン怖いし・・・)

 

(なんにせよ、また彼の財政が苦しくなるばかりだな・・・カノン様からのお給与全額使い果たしてないか不安になるよ・・・)

 

皆でシノンの話をしてる中、テツヤがトトの背中に戻ってきた。

 

「あぁ助かった・・・サンキューフィリア・・・でも高くつくなぁ・・・1食で40万飛ぶとは・・・とほほ・・・」

 

「ちょっとテツヤ、私だって普段されてること考えれば連れてってくれてもいいんじゃないの?」

 

「うるせぇ!んな貧相な身体のどこにいい飯食う必要あるんだよ!!」

 

「な、なんですってこの・・・・・・このぉ!」

 

リナはそう言うと、怒ってはいたがどこか嬉しそうにテツヤのことをヘッドロックしていた

 

「のわっ!?な、何すんだよ姉ちゃん!?いきなりヘッドロックはねぇだろ!?」

 

「うるさい!このバカ!離してやらないんだから♪」

 

先程までの寂しそうな顔とは違い心から嬉しそうにテツヤとじゃれているリナを見たリーファも、また嬉しそうにしていた。

 

「良かったね、リナちゃん♪」

 

「は、離せぇ!!!もう勘弁してくれ~!!!!」

 

「でも!こうやってわちゃわちゃしてるのがあたし達らしいわよね♪」

 

「はい♪」

 

「きゅるる♪」

 

~~~~~~~~~~

 

崩壊するスリュムヘイムからどんどんと遠ざかっていくトンキーとトト。

 

テツヤ達の視界には、先程までエクスキャリバーが眠っていたダンジョンが崩落する光景が映っていた。

 

「あのダンジョンはキャリバー取ったら終わる運命だったのか・・・」

 

「ボク達最後の最後しか参加できてないから残念だね・・・」

 

だが、ダンジョンの崩落と共に凍りついていた湖が溶け始め、本来の姿を取り戻していた。

 

「見てお兄ちゃん!湖が!」

 

それだけではない、世界樹の大樹も次々に伸び始め、湖に着水。

水を得た大樹の根からは、木々が芽吹き始めていた。

 

「おぉ・・・氷の世界が・・・!」

 

先程までは氷点下のフィールドだったヨツンヘイムが、スリュムヘイム崩落と共に木々が生い茂る、暖かな美しいフィールドへと変貌していた。

 

その様子に、トンキー達は揃って喜びの声を上げていた。

 

「トトが喜んでるわね、テツヤ♪」

 

「そうだな、良かったなトト。」

 

テツヤがトトの頭部を撫でる。

その彼の視線の先では、多くのトトの仲間達が復活し、彼らもまた喜ぶ様子を見せていた。

 

「トンキー見てご覧、友達がたっくさんいるよ!あそこにも、あんな所にも!」

 

「トト、私達が来れない時もあの子達がいるからもう寂しくないからね♪」

 

リーファとリナがトンキーとトトへの想いを零す。

 

それを聞いたキリトとテツヤもまた、嬉しそうに微笑んでいた。

 

その時だった、皆の前に暖かな光と共に、ウルズが現れたのは。

 

「ぬぉっ!?こ、こう急に現れると心臓に悪いぜ・・・」

 

「今回は黙って聞きなさいよ、スケベ師匠。」

 

『見事に成し遂げましたね。全ての鉄と木を斬る剣、エクスキャリバーが取り除かれたことにより、ヨツンヘイムはかつての姿を取り戻しました。』

 

「じゃあこれが本来のヨツンヘイムなのか・・・暖かい良い場所だな、ウルズ。」

 

『それも全てそなた達、そして死神のおかげです。』

 

「凄いでしょ!ボクのテツヤとアスナのキリトは!」

 

ユウキはえっへんと言いたげに腰に手を添えていた。

 

「クラインが黙ったと思えば今度はあんたらかい!」

 

「自重しろこの遅刻スケベ!」

 

「誰が遅刻スケべだこの野郎!?」

 

テツヤがレイに詰め寄るが、ウルズは気にせず言葉を続けた。

 

『私の妹達からも、そなたらに礼があるようです。』

 

ウルズが右側に視線を移すと、1人の人物が姿を表した。

 

『私の名はベルダンディー。ありがとう、妖精の剣士達。もう一度緑のヨツンヘイムが見れるなんて、夢のようです。』

 

更に、左側に視線を移すウルズ。

そこに現れた女性の姿に、クラインは息を飲んだ。

 

『私の名はスクルド。礼を言おう、戦士達。』

 

ベルダンディーの手にした光の粒子を、スクルドが皆に吹きかける。

 

それを合図に、皆の画面にはクエスト達成報酬のコンフィグが現れた。

 

『黒い妖精。そなたにはその剣・・・聖剣エクスキャリバーを授けましょう。』

 

ウルズの言葉で、キリトが抱えていたエクスキャリバーが光の粒子となる。

 

キリトの画面には、エクスキャリバー獲得のコンフィグが追加で現れていた。

それを見たキリトは小さくガッツポーズを取っていた。

 

『黒い妖精、それと死神。そなた達の持つその力、悪しきことには使わないでくださいね。』

 

「当然だ!寧ろまた、あのクソキングが悪さしたら俺達に言ってくれ!」

 

「俺とテツヤですぐボコボコにしてやるさ!」

 

『その日が来ないことを祈っていますよ。ありがとう妖精の皆、そして死神。また会う日までごきげんよう。』

 

ウルズ達が皆に別れを告げ、天に向かって登っていく。

 

その様子を見ていたクラインが、トンキーの頭上に乗って呼び止めた。

 

「あ!あの!スクルドさん!!!」

 

「く、クラインさん?何を?」

 

「連絡先教えてくださーい!!!!!」

 

それを聞いた一同が揃ってずっこけた。

 

「お、おめぇはどうして余韻をぶっ壊すんだこの髭侍が!!!!!」

 

「・・・今ので確信したわね、レイちゃん。」

 

「そうだね・・・やはりテツヤはクラインの血を色濃く継いでいる。」

 

「ど、どういうことだ?」

 

テツヤが疑問を浮かべる中で、呼び止められたスクルドはクラインのことを見つめていた。

 

『ふふっ。』

 

スクルドが可愛らしい笑みを浮かべながら、クラインに手を振る。

 

その手を振る中で、光の粒子がクラインの胸元に降り注がれると、彼はそれを愛おしそうに抱きしめていた。

 

『またね、お侍様。』

 

スクルドが先に向かったウルズとベルダンディーを追う。

太陽に包まれるように消えていくと、三人の姿は見えなくなってしまった。

 

「なんだか神秘的だね・・・テツヤ・・・」

 

「そうだなユウキ・・・それよりクライン、お前スクルドに何貰ったんだ?」

 

「へっ・・・武士は女性と交わした約束ってのは秘めるものなんだぜ・・・テツの字・・・」

 

「な、何言ってんだ・・・?」

 

「さて!お兄ちゃんもエクスキャリバーを取れた!トンキーやトトちゃんの友達も救えた!クラインさんも何か貰えた!目的完全制覇だね、お兄ちゃん!」

 

「そうだな、よし!じゃあ俺達を元の場所に戻してくれ、トンキー!」

 

「・・・ちょっと待ちなさいよキリト。」

 

リズベットが恐る恐るキリトに声をかける。

振り向くと、彼女は顔を青ざめさせていた。

 

「ま・・・まさか・・・帰りはあの階段登るの・・・?」

 

「あぁ、そうだな。」

 

「えぇ~!?降りであんだけ大変なのに今度は登り~!?」

 

「まぁまぁ、良いダイエットだと思えよリズ。」

 

「ここで運動したところでなんの意味も無いわよこのデリカシー無し!」

 

その後、トンキー、トトに運ばれ無事例の階段の傍に降り立った一同。

 

「さて、んじゃあ行くとするか。」

 

「ま、待ちなさいテツヤ!」

 

先陣を切ろうとしたテツヤを、リズベットが引き止める。

 

「な、なんだよ?」

 

「今日だけの出血大サービスよ!あたしをこのまま運びなさい!」

 

「はぁ?俺は走るぞ?」

 

「この野球バカ!試合後で疲れてるとか言いなさいよ!?」

 

「疲れてたらここまで来てねぇよ、ほら行くぞー!」

 

「待ったテツヤ。」

 

再度階段に向かおうとしたテツヤを、今度はシノンが呼び止めた。

 

「なんだよ!?一々呼び止めやがって!」

 

「さっきのお詫びも兼ねて運びなさい、命令よテツヤ。」

 

「い、いやそれはだから・・・」

 

「世の中お金では解決できないこともあるのよ・・・分かってるでしょテツヤ?」

 

「・・・はい・・・女神様を運ばせていただきます・・・」

 

「よろしい♪」

 

「だ、だったらついでにあたしも運びなさいよ!?」

 

「だめー!!!ボクが先決!!」

 

「テツヤ?姉を放っておく訳ないわよね?」

 

「ね、ねぇテツヤ?私も運んでくれたら嬉しいな!」

 

「まぁ、普段君にされてることを思えばタクシーになってもらわないとだね。」

 

「どうせなら私もたまには甘えちゃおっかな、テツヤ君に♪」

 

「アスナ!?だ、だったら俺も運べテツヤ!」

 

「ちょ、ちょっと待てお前ら!!!まさか、全員とか言うつもりねぇだろうな!?」

 

「俺は走るが、他の皆はお前をご所望みたいだぞ。」

 

ショウ以外の面々は、テツヤに詰め寄っていた。

 

「え、じょ、冗談だよな?シノン一人ならまだしも・・・この大所帯は無理だってぇぇぇぇ!?」

 

その後、テツヤは練習試合の100倍の疲労感を味わうこととなった。




無事に目的だったエクスキャリバーの獲得を果たし、ヨツンヘイムに緑をもたらした一行。

キリトは平穏にクエストを終えることができたが、シノンには数多の矢を放たれ、タクシー代わりにも使われる散々なテツヤだった・・・

次回もお楽しみに!
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