ソードアート・オンライン~死神と呼ばれた剣士~ 作:畜生ペンギン
ミスが1番怖いです・・・
「999・・・1000!」
最後の一振りを終え、
「ふぃ~・・・一セット目終了!今日はあと二セット!張り切っていくか!」
哲也は野球部に所属している。
今年の夏の大会。
最後の打者となった哲也は三振し、その瞬間にチームの夏が終わった。
もう二度と、あんな思いはしたくない。
その一心で、次の大会へ向けて毎日のように厳しいトレーニングを続けていた。
「あんまり気を詰めないようにしなさいよね~」
聞き慣れた声に、哲也が振り返る。
「・・・あれ? なんでこんな所にいんの?」
そこにいたのは哲也の母だった。
現在、哲也は両親と離れ、実家近くの格安アパートで一人暮らしをしている。
もっと野球に打ち込みたい。
家にいると甘えが出る。
そう両親を説得して始めた生活だった。
「いつも頑張ってる哲也にプレゼントを渡しに来たのよ。クリスマス兼だけどね。」
母が差し出したのは、クリスマス用の包装紙に包まれた大きな箱と、DVDケースほどの小さな包み。
「まだ11月の初日だよ?」
哲也は呆れたように母を見る。
「これ、すっごく高いんだからね!だからクリスマス兼用!手に入れるのも大変だったんだから!」
(すっごく高いって・・・なんだよ。新作のゲーム機か?)
2022年現在、ゲームは大きく進化していた。
中でも注目を集めているのが、ゲームの世界そのものへ入り込む《フルダイブ》技術。
哲也自身はパワ〇ロくらいしかゲームをしたことがなかったが、ゲームの世界に入れるという話には少なからず興味を持っていた。
「わぁったよ。んじゃ、一旦部屋戻るわ。ここで開けてゴミ散らかしたら管理人に悪いし。」
哲也は母からプレゼントを受け取り、アパートへ戻った。
「それじゃあね。また今度来るからね、哲也。」
「はいはい、またね母さん。」
母を見送り、哲也は自分の部屋へ入る。
「さて・・・開けてみるかな。」
まず手に取ったのは、小さい方の包みだった。
ハサミで包装紙を切っていく。
中から現れたのは、一つのゲームソフト。
「ソードアート・オンライン・・・?」
哲也は首を傾げた。
《ソードアート・オンライン》。
茅場晶彦が開発した、世界初の本格的VRMMORPG。
つい最近までβテストが行われていたゲームだ。
(なんだろ、このゲーム・・・対応機種は?)
パッケージを裏返す。
そこに書かれていた文字を見て、哲也はもう一つの箱へ目を向けた。
「ナーヴ・・・ギア?」
聞き覚えのある名前だった。
哲也は大きな箱の包装紙も剥がしていく。
「やっぱり・・・」
現れたのは《ナーヴギア》。
これを使えば、意識そのものを仮想世界へ送り込むことができる。
いわゆる《フルダイブシステム》だ。
「ナーヴギア・・・ソードアート・オンライン・・・んー・・・」
何かを思い出しかけている。
「なんだっけ・・・?確か最近よく聞いてたような・・・」
数秒考え込み─
「あ、そうだ!あいつがβテストに受かったって言ってたな!」
哲也は携帯を取り出し、友人へ電話をかけた。
『もしもし?』
「あ、翔か?俺だよ。」
『なんだ、お前か。何の用だ?』
電話の相手は
哲也の友人であり、同じく野球をしている少年だ。
そして《ソードアート・オンライン》のβテスターでもある。
「俺もついに買ったぞ!ソードアート・オンライン!」
『へぇ~。お前もついにSAOデビューか。』
「これ、今からでもできんのか?」
『いや。正式サービス開始は11月6日の午後1時からだ。』
「6日・・・午前練習だけか。それなら早くできるな」
『じゃあ6日、家に帰ったら先に入っとけ。多分初期設定とか面倒だから。』
「了解。」
『詳しいことは明日の練習で教えるわ。』
「おう。じゃあまた明日な。」
通話を切る。
そして――五日後。
11月6日、12時59分。
「シャワーも浴びた。服も着替えた。ログアウトしたらすぐ飯食って、また入れるようにおにぎりも買った・・・」
ベッドの横にはナーヴギア。
時刻を確認する。
「よし!準備万端!」
哲也は勢いよくベッドへ倒れ込み、ナーヴギアを頭に被った。
そして――
「リンクスタート!」
この時の哲也は、まだ知らない。
自分がこれから足を踏み入れる世界が、
ただのゲームでは終わらないことを――。
とゆうわけで今回はプロローグ的な感じでした
次回!ヒロインの彼女が登場!
乞うご期待!