一話「着任」
「お疲れ様でした。」
夕焼けに染まる海、停泊している戦艦金剛の横に2つの影があった。
「それじゃあ、後はよろしくお願いします。」
制服に身を包んだ男は大きな荷物を受け取った。
「わかりました。」
「秘書艦は前話したとおり、明日にはここに到着するから。ちゃんと面倒見てあげてね。」
「任せてください。」
辺りに汽笛が鳴り響く。金剛は煙を揚げた。
「いけない、急がないと。じゃあ僕はこの辺で。」
「気をつけて。」
手短に敬礼を済ませ、男は金剛の中へと消えていった。
金剛の姿は少しずつ小さくなっていった。水平線の向こうへ消えかかる時、もう一度汽笛が鳴った。
波の音は無く、小鳥の声がよく聞こえる。
人気の無い鎮守府を、艦娘が1隻歩いていた。
「新しい提督ってどんな人かなぁ?早く会いたいなぁ~。」
軽くスキップしながら五月雨は歩いていた。目線の先には提督室があった。
提督室の前で立ち止まると、扉をノックした。
「はーい。どうぞー。」
五月雨は一呼吸し、ドアノブに手をかけた。
「失礼しま・・・」
床を激しく叩く音が響いた。五月雨はうつぶせのまま固まってしまった。
「大丈夫ー!?」
奥の方から足音が近づいてきた。
「いたたた・・・大丈夫で・・・。」
額を押さえながら五月雨は顔を上げた。途端に彼女は言葉を失った。
長いツインテール、水色の髪、メイド服。目の前にメイド服を着た女性がしゃがんで顔をのぞき込んでいた。
「えっ??何?この人??」
五月雨は目を丸くした。
「初めまして。私はここの提督になったメイドよ。よろしくね。」
小鳥のさえずりが部屋に響いた。
え?提督って制服に身を包んだ男の人じゃないの?というか、メイドなのに提督?どういうこと?
頭の整理がつかなかった。ただ草木の揺れる音が部屋を走っていた。
「工廠はここみたいですね。」
提督と五月雨は外を歩いていた。
「工廠?」
「あれ?提督ご存じないんですか?」
「何するところなの?」
「艦娘や装備を建造できる施設ですよ。」
「ふーん。つまりあなたの仲間が増やせるってことなのね?」
「はい、そうですけど。」
「仲間がいるのね。へぇー。」
提督室に入る前の高揚感はすっかり消えていた。隣にいるメイド いや、提督にまだ困惑していた。と同時に不安もあった。
「あなたの仲間は修理しないといけないの?大変ねぇ。」
入渠の前で提督は関心していた。提督の姿を見て顔をしかめた。この人、大丈夫なのだろうか?
佐伯湾泊地鎮守府に波の音が響き渡っていた。
続く
初めまして。口〇(カクまる)です。
普段は動画の制作をしております。今回せっかくなので現在YouTubeとニコニコ動画で投稿している艦これMMDドラマ「変な提督が着任しました」シリーズ(以下、変な提督)を小説化してみました。
文章力は致命的なので少々読みにくい部分があったかもしれませんが、今後ともよろしくお願いします。
なお原作(艦これMMDドラマ版変な提督)を見たことがある方は「あれ?なんか内容が違う・・・。」と思われるかもしれませんが気にしないでね。