とある外道の少年探偵   作:過労死志願

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悪ふざけの塊といっていい話となっております。


閑話・クラレンスの里帰り珍道中でございます

「ん~? なに読んでんの犬神君?」

 

 危ない修学旅行から帰還し、いつもの業務形態へと戻った犬神アンダーグラウンドサーチで、助手どころか掃除婦がやってそうな家掃除をしていたマリーは、珍しく犬神が依頼状以外の文章を読んでいるところを発見した。

 

「ん? あぁ、僕らの修学旅行に合わせて里帰りしているクラレンスからの手紙だ。筆まめなのか続々ときていてな」

 

「あの人故郷なんてあったんですね。てっきり霞から生まれてきたものかと」

 

「てっきり、崑崙山の住人とばかり思っていた」

 

「思いっきり仙人やん、それ……」

 

 年少組二人も興味をひかれたのか、修学旅行のお土産整理をやめて手紙へと寄ってくる。そして三人はその手紙へと視線を落とし、

 

 

 

…†…†…………†…†…

 

 

 

「墳っ!!」

 

 里帰り一日目のことでございました。突如現れた敵の忍は素早く手印を結び、チャ○ラを瞬く間に練り上げました。私は何が起こるのか身構え、何が起こっても対応できる木○葉流・天衣無縫の構えでその時を待ちかまえます。

 

 瞬間でした。大地が激震し亀裂が入り、その中から灼熱の溶岩をあふれださせてきました。

 

「クラレンス! あつっ! 貴様はあつっ! 故郷のあつっ! 大地を踏めずあつっ! ここで死ぬのだ!!」

 

 敵の忍は高笑いを浮かべながら足にチャクラを集め溶岩の上に立っています。時々はねた溶岩がぶつかるのか、痛々しい悲鳴が聞こえましたが気にしません。

 

 何故なら私は、

 

「伊賀流忍者……蔵蓮守(クラレンス)。押してまいります」

 

「木ノ○流は!?」

 

 自分の故郷に帰るために、この場にたっているのですから!!

 

 

 

…†…†…………†…†…

 

 

 

「「「………………………」」」

 

 その手紙を読み思わず無言になる三人。マリーは顔をひきつらせ、ネギは何とも言えない顔をして、ヒメは飽きたのかマリーの背中にぺたりと張り付く。

 

「……なぁ、犬神君。これ、チャクラとか木ノ葉とかいろいろアウト臭い単語が載ってんねんけど」

 

「続報も続々きているぞ?」

 

「まじで?」

 

 

 

…†…†…………†…†…

 

 

 

 里帰り二日目。

 

 私はとある森の中を歩いておりました。私の今日は山間の隠れ集落でこのような道でしかたどり着けないのです。

 

 そんな時、

 

「お待ちいただきたい」

 

「ん?」

 

 一人の少女の甲賀忍者が現れました。

 

 こうがにんじゃは なかまになりたそうなめで こちらをみている。

 

「見てないでござる……。犬神アンダーグラウンドサーチの関係者殿とお見受けするが?」

 

「いかにも。私あちらの事務所で執事をさせていただいているクラレンスと申します」

 

「甲賀中忍、長瀬楓でござる」

 

 すこしお話よろしいかな?

 

 楓殿はそう言って、私に話しかけた後、なかまになりたそうな……。

 

「してないでござる!!」

 

「大方修学旅行でのヒメ様関連の話でございましょう?」

 

「…………」

 

「ならば話など聞かず監視をされればよろしいではないですか。私たちが、ヒメ様をどのように扱う人間なのかを」

 

 こうがにんじゃは なかまに なった。

 

 

 

…†…†…………†…†…

 

 

 

「ふははははは!」

 

 里帰りを始めてから三日目、わたしは薄暗い洞窟の中にいました。

 

 何者かがわたしの旅の仲間である楓殿をこの洞窟に拉致監禁してしまったからです。私はあわててその洞窟に急行しそこで懐かしい顔に出会ったのです。

 

「久しぶりだなクラレンス……」

 

「彼女を開放していただきたい、伯爵」

 

 その人物は漆黒の服をきて、好々爺然とした優しげな頬笑みの中に、飢狼のような凶悪な光を宿す瞳を隠した、

 

「から没落し、今やすっかり人間の手先になり下がってしまった、悪魔のヴィルヘルム・ヨーゼフ・フォン・へルマン元伯爵」

 

「黙っていてもらおうかクラレンス!!」

 

 なぜでしょう? 正確に相手の立ち位置を紹介しただけなのにひどく怒られてしまいました。

 

「ふふふ……。今日私がここに来たのはほかでもない、里を抜けた貴様を始末するためだクラレンス!!」

 

「もう数世紀も前の話でしょうに……。全くあなたは律義な忍びだ」

 

「忍でござるか!? 悪魔なのに!? そしてクラレンス殿、何歳なのでござるか!?」

 

 楓殿が何か騒いでいる気がしますが、気にしません。

 

「くっ……。まぁ、今はいいでござる。それよりクラレンス殿、早く逃げるでござる!! こいつ、かなりできるでござる!!」

 

「執事である私に女性を見捨てて逃げろと? それはできませんな」

 

 わたしはそう言いながら楓殿が不安を覚えないように微笑みかけました。

 

「なぜなら、そのようなことたとえ雇用主が許してくださっても」

 

 私の脳裏のゲル様が「いらん、捨ててこい」といっています。

 

「私の執事の師匠……セバスチャン殿がお許しになられませんので」

 

「セバスチャン!? え、それって黒……」

 

「いくぞクラレンスぅぅううううううううううううううううううううううううう!!」

 

「多重・影分身の術!!」

 

 激闘の火ぶたが切って落とされようとした、その時!

 

「ふっ……ヘルマン待て」

 

「その男は」

 

「我々、スライム三人衆の獲物だっ!!」

 

「「っ!!」」

 

 見慣れた3人のスライムの少女忍者が、私の前に姿を現しました。

 

 

 

…†…†…………†…†…

 

 

 

 三人衆との激闘の末、クラレンスは体内に封印していた化け狐の力を暴走。その凶悪な恨みの力に呑まれてしまい、自意識を失って暴走を開始した。

 

「そ、そんな……クラレンス殿ぉおおおおおおおおおおおおおお!!」

 

「あ、あれは……我々の里を滅ぼした、九尾の狐!」

 

「おのれクラレンスめ~。人柱○になっていたとは~」

 

「ひ~ん。出番これだけなんてひどいよ~」

 

 ぼろぼろになった三人衆はそんなことを叫びながら逃げて行った。

 

 もうこの場でクラレンスを止められるのは楓しかいない。

 

 楓は覚悟を決め、自分の全力をもって赤黒い狐のチャ○ラに包まれたクラレンスに向かってクナイを構えた。

 

 そのとき、

 

「お嬢さん、さっさとこの場所から離れるといい」

 

「っ! ヘルマン……どの?」

 

 決死の覚悟を決めた楓を止めたのは、悪魔にして忍者(?)のヘルマンだった。

 

「助けて……くれるのでござるか? どうして」

 

「なに、このまま私に倒される前に奴が自滅するのが気に食わない。それだけの話さ」

 

 そういったヘルマンは、小さく手を組み、

 

「見ろクラレンス……おまえは確かに特別だろうが、私はもっと特別だ!!」

 

 響き渡る電子音!!  シャバドゥビタッチヘーンシーンwwシャバドゥビタッチヘーンシーンwwシャバドゥビタッチヘーンシーンwwシャバドゥビタッチヘーンシーンww スサノヲプリーズwwwwスースーwwwスースースーwwww

 

 そんな気の抜ける音楽とともに、姿を現したのはっ!!

 

「そ、それは……」

 

「これぞわが最強瞳術《万華鏡写輪眼》最強の力……須佐能乎(スサノオ)だ」

 

 凶悪なチャクラで作られた巨人の姿。それが、暴走する九尾の衣と激突する!!

 

 

 

…†…†…………†…†…

 

 

 

 激闘のさなか意識を失ったのでしょう。冷たい水がぽつぽつと当たる感触を受けて、私は目が覚めました。

 

 私があたりを見回すと、そこには見るも無残に粉砕されてしまった雨の降る森と、泣きそうな顔で倒れた私の顔を覗き込む楓殿。そして、ぼろぼろといった様相でかろうじて倒れていなかった黒焦げの木に背中を預けたヘルマン殿でした。

 

「わたしは……」

 

 そう言って体を起こそうとした時、私はすべてを思い出しました。

 

 自分が暴走してしまったことを、ヘルマン殿が命懸けで暴走してしまった私を止めてくれたことを。

 

「……もうしわけありません」

 

「礼など言うなクラレンス。私は貴様と全力で戦うためにこうしたに過ぎない」

 

 今日はもう戦えないだろう。また明日、仕切りなおそう。ヘルマン殿はそう言って、傷ついた体を引きずりながら去って行きました。

 

 私はいまだに私を心配そうに見ている楓殿に笑いかけます。

 

「申し訳ありません……女性に暴走して傷を負わせるなど、執事以前に紳士として失格です」

 

「ほんとでござるよ……」

 

 彼女はそう言って少しぎこちない笑みを浮かべた後、

 

「でも、戻ってきてくれてよかったでござる」

 

 彼女がそう言ってくれるのを聞き、私は少しだけ安堵の笑みを浮かべて再び眠りにつきます。

 

「まったく、女性にそのような顔をさせるなど……」

 

 そして、脳裏に私の師匠、

 

「わが師……セバス・(チャン)に怒られてしまいますね」

 

「セバス・張!? え、中国人でござるか!?」

 

 あの胡散臭い中華服を着た恰幅のいいナマズヒゲの《アルアル語》師匠は、今のご健勝なのでしょうか?

 

 

 

…†…†…………†…†…

 

 

 

 そしてその翌日。

 

 私とヘルマン殿はふたたび向かい合っていました。場所は週末(・・)の谷と呼ばれる二人の巨人の像が作られた谷。

 

 私とヘルマンドのはここで最後の決着をつける。

 

「たたかわぬ……。というわけにはいかないのでしょうね」

 

「あぁ、私もお前も、たがいに大切なものを傷つけすぎた……」

 

「わかりました。数世紀も以前から続くの長き戦いに決着をつけると致しましょう」

 

 そして私は、

 

「螺旋丸!!」

 

 彼と出会ったころの私が使えた、最強の術を発動させる。それを見たヘルマン殿は「センチメンタルな奴め……」と苦笑を浮かべた後、

 

「千鳥!!」

 

 私の要望にこたえてくれた。

 

「サ○ケェ……」

 

「ナル○ォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!!」

 

 そして私たちは、幼少時代のあだ名を名乗りあいながら因縁の決着をつけるために、おのれの拳を振るいました!

 

 

そして、

 

 

「ついたんで……ござるな」

 

「えぇ……ここが私の」

 

 故郷です…………………。

 

 

 

 《FIN》

 

 

 

…†…†…………†…†…

 

 

 

 どうせ碌でもない嘘っぱちの手紙だろうと思いはしたのだが、結局最後まで読んでしまったマリーとネギは、なんというかとてつもない虚脱感に襲われながら、

 

「えっと……どっからつっこんだらええんやろ? ネギ君手つだって」

 

「いやですよ……。何か明らかにめんどくさそうなことになりそうじゃないですか……」

 

「いやいやそんなん言うたか、ていずれ誰かがつっこまなあかんねんで?」

 

 何やら仕事の押し付け合いをしている二人をしり目に、ゲルは最後の手紙投げ捨て虚空に向かって話しかける。

 

「まぁ、確かに……パクリばかりとはいえフィクションとしては良くできているな」

 

「おほめにあずかり恐縮です。私がいない間の暇つぶしにでもなればと思い……」

 

「「って、いたんかい!? そしてやっぱりフィクションか!!」」

 

 やはりというかなんというか、空間からにじみ出るように出現してきたクラレンスを見て、ネギとマリーは盛大に突っ込んだ。

 

「えぇ。情けない話ですがわが師匠の話以外はすべてフィクションです……」

 

「「え?」」

 

 今度はマリーたちが固まる番だった……。

 

 マジでいたんだ……セバス・張。

 

 マリーとネギの脳裏に「あいや~そりゃいくらなんでも失礼アルよ~」と笑う胡散臭い中国人の顔が流れて行った。

 

 

 

…†…†…………†…†…

 

 

 

 後日談、というか今回のオチ

 

 

《とある麻帆良の裏事情》

 

「これ……何じゃと思う?」

 

「悪魔……ですね?」

 

 クラレンスが事務所に帰ってきた数時間後、たまたま学園都市の周囲を見回りしていた魔法先生たちが、頭に巨大なたんこぶを作って気絶しているスライム娘三人と、伯爵級悪魔一体を発見することになるが、それはまた別の話……。

 

 

 

《楓の場合》

 

 

 

「あ、マリーどの!」

 

「ん? どないしたん楓?」

 

 翌日、休みが明けてマリーが学校へ登校してくると、どういうわけかひどく興奮した様子の楓がものすごい勢いで詰め寄ってきた。

 

「く、クラレンス殿は今ご在宅か!!」

 

「え、えぇ。まぁ、依頼入ってへんし事務所にいはると思うけど……なんかあったん?」

 

「何かあったではないでござるよ!! あれほど熟練の忍びが近くにいるならなぜ教えてくれないでござる!! さ、さっそく修行をつけてもらいにいかねば!!」

 

 いつも飄々としている楓らしくない興奮した声音でそうまくしたてると、楓はすぐさま窓からジャンプ。軽やかに地面に降り立って、犬神アンダーグラウンドサーチへと爆走していった。

 

「…………い、一応楓にあったことも本当やったんや」

 

「あの、どうでもいいですけどこれサボタージュですよね?」

 

 目の前で生徒が堂々と逃げ出したことにショックを受け、出席をとっていたネギはほんの少しだけ泣きながら、遠慮なくマリーの出席簿に「遅刻」のハンコを押した。

 

 

 

《とある師匠の親族関係》

 

 

 

「ん? 古菲、手紙でも来たん?」

 

 昼休み。普段は元気に遊びまわっているチャイナ娘が、おとなしく机に座って一枚の紙を読んでいるのを見て、マリーは好奇心が混じった質問をしながら紙を覗き込んだ。

 

 だが、その紙の文体はすべて中国語で書かれており、今のマリーに読むことはできない。

 

「あぁ、これアルか? うちのおじさんが元気でやってるかってって、時々手紙をくれるアル」

 

「ふ~ん。ええおじさんやん。名前は?」

 

「セバス・張」

 

 マリーの顔が盛大にひきつった。

 

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