とある外道の少年探偵   作:過労死志願

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43話・蘇る魔法世界の危機

「くっ!!」

 

「逃がさん。疾くと犠牲になるといい……僕の金づる」

 

「御免こうむる!?」

 

 真っ二つになった時計塔から数キロ離れた家屋の屋根たちを、すさまじい速度で二つの影が交差し離れる。

 

 その光景はさながらDB。そのうちシュピーン・キュイーンというSEが聞こえてきそうだ!!

 

「って、あれホンマに人類の戦いなんか!?」

 

 それこそドラゴンボールにしか見えない、天空に出現した二人が分身したかのような速度でコブシやバットを高速で交し合う光景に、完全に観戦ムードとなっていたマリーは、

 

「安川マリーはクールに観戦するぜ……」

 

「いかないんだな、お前は……」

 

「いや、だってあんなんついていけるわけないやん……」

 

 どこかの屋台で買ってきたのか、ポップコーン片手にその光景を見ていた。

 

 そんな彼女の隣に降り立ったエヴァンジェリンは思う。

 

 いやいや……あの戦いを素で視認できているだけで結構なもんだぞ? と。

 

 実際エヴァンジェリンは、犬神たちの動きを見逃すことも多くなってきてしまったので、補助用に動体視力補正の魔法を目にかけている。

 

 彼女ほどの魔法使いであってもそうだということは、おそらくエヴァンジェリン級の近接特化の魔法使いでもない限り、彼らの戦いはとらえることすら困難な領域に達しつつあるということだ。

 

「まさしく、ドラゴンボールヤ○チャ状態!!」

 

「ヤ○チャに謝れ……」

 

 あいつだって一生懸命生きているんだよ……。と、DBを知る人間すべてにバカにされる、とある飲料の名前をした青年をエヴァがかばったとき、

 

「っ!?」

 

 状況が動いた。

 

 

 

…†…†…………†…†…

 

 

 

 サディストは突然やる気を出し界王拳状態に突入したゲルの姿に思わず舌打ちを漏らした。

 

 まったく、あの一文を入れたのは朝倉ちゃんかな? それとも、麻帆良の不敗の軍師殿? どっちにしろ余計なことを!!

 

 おかげで犬神とだらだら戦いながら、祭り終了まで適当に時間をつぶすということができなくなった。それどころか、犬神は確実にこちらを捕まえて拷問にかける気だ。

 

 あいにくこちらも暗殺者。今回の仕事は本業ではないとはいえ、依頼主の秘密をばらすような低い暗殺者モラルは持ち合わせていない。だがそれは裏を返せば、拷問にかけられてしまってもプライドが彼に秘密を明かすことを拒否するということ……。犬神が行う拷問が凄惨を極めることは必定だった。

 

 負けるわけにはいかない……。負けたら死ぬよりつらい目に合う……。

 

 だったらどうする? サディストは自分自身に自問自答する。

 

 はっきりと認めよう――現状の自分では犬神には勝てない。

 

 彼の暗殺の依頼を受けた時は、SMブラザーズ二人でかかって何とか追いつめることができた。つまり、自分の半身であるマゾミ(ノゾミよお兄様? といって、脳内に現れた彼女がサディスト殴りつけていった)がいないこの状況では、犬神には決して勝てない。

 

 現状で勝つことは不可能!!

 

 だが、

 

「だったら現状を変えればいい……」

 

 現状では勝てないのがわかっているなら、現状でも勝てるようにすればいい。

 

 どうするのか? 漫画やアニメではないのだ。この瞬間に自分の戦闘能力が突如上がる可能性は絶対にない。

 

 なら、

 

「相手を弱くしたらいいだろう!」

 

 瞬間、サディストは低く落とした体制からバットをふるい、下から上にかけて一直線に跳ね上げるような軌道を描かせる。

 

「何のつもりだ?」

 

 そんな下らん攻撃を? 犬神は言外にそう告げながら、バットが狙っていると思われる顎を守るように両手を交差させ防御態勢をとる。

 

 その両腕には豪気功がかかっており、サディストのバットの一撃をやすやすと防ぎとどめた。

 

 だが、仮にもサディストは世界最強の名を関する存在。

 

 その打撃は重く、完全に犬神の防御を実現させはしなかった。

 

 ダメージは通らない。だが、犬神のガードは跳ね上げられ、わずかながらに顔面へのスペースが空いた!

 

 狙い通りだ!! その光景に、サディストはほくそ笑み、低く落とした体を瞬時に回転。左足を、屋根をぶち抜くように踏み込み強制的に固定した後、股をほぼ180度という驚異的な角度で開き、

 

「ふっとべぇえええ!!」

 

「っ!!」

 

 開いたガードの隙間を通すように蹴り上げを放つ!

 

 当然敵はそれに瞬時に反応。蹴りが急所の一つである顎に当たらないよう、わずかに身をそらすことによって回避するが、それは想定済み。

 

 サディストの狙いはさらにその先の、

 

「もらったぜ!」

 

「なっ!」

 

 犬神の――メガネ!!

 

 

 

…†…†…………†…†…

 

 

 

「そこを狙うか!!」

 

 サディストの強力なけりをくらい、粉々に砕け散りながら天高く舞う犬神のメガネを見て、エヴァンジェリンは思わず感嘆のうめき声をあげた。

 

「確かに盲点だった……。ほかの戦闘でもあまりそういった選択肢はとらないから、思いつかなかったが……メガネキャラはメガネを砕かれたら弱くなるにきまってる!!」

 

「いや、エヴァちゃん……それ思いつかんかったんじゃなくて」

 

 誰もが汚いと思うから普通はやらへんだけなんと……。と言いかけたマリーに、エヴァは、

 

「はぁ? 何言ってんだマリー? あの外道にはどんな戦術を取ろうとも《汚い》のそしりは受けないんだぞ? 世界の常識だ。覚えておけ」

 

「犬神君の外道っぷりはすでに世界まで広まってんの!?」

 

 悪党の誇りはどこ行ったんや!? と、ちょっとだけ目が逝っちゃっているエヴァンジェリンの主張に突っ込みを入れつつ、マリーは、

 

「でもエヴァちゃん……考えてみて?」

 

「ん?」

 

 その戦術の有用性を、

 

「犬神君はあんだけ動くんやで? 戦闘中メガネ外れることもあるやろう。それやのにあのメガネかけてるってことは、あのメガネ……」

 

 否定する。

 

「ダテちゃう?」

 

 

 

…†…†…………†…†…

 

 

 

「……」

 

 サディストは渾身の一撃を持ってはなった策が失敗したのをなんとなく悟った。

 

「くっ!!」

 

 振るわれたバットはまたよけられ、代わりと言わんばかりに痛烈なカウンター。

 

 音速を超えかねない速度で振るわれたコブシが、情け容赦なく自分の体をとらえようとしたので、サディストはあわてて体制を入れ替え、屋根の上に倒れこむ。

 

 頭上を、轟音を立て通り過ぎるコブシに冷や汗を流しつつ、いまだに慣性の法則に従いわずかに前進する敵の動きを先読みし、相手の顔が通り過ぎるであろう場所にサディストは足を跳ね上げ、蹴りを放つ。が、

 

「ん」

 

 敵はその蹴りが通る軌道に入る前にあっさりと静止。蹴りが自分の眼前2ミリ先を通り過ぎたのを見計らい、

 

「死ね」

 

「捕まえるんじゃなかったの!?」

 

 いまだに屋根に残るサディストの上半身を、豪気功交じりの足で踏みつけ(スタンプし)ようとしたので、あわててサディストは上げた両足を高速回転。

 

 さながらカポエラのような連続蹴りを牽制として放ちつつ、犬神を一時的に遠ざけ、なんとか自分が立ち上がる時間を作り出す。

 

 そして、立ち上がると同時に……。

 

「あ、あの……。君ほんとにメガネ必要なの? もし必要ならニュータイプの類なの?」

 

「何を言う。だいたい眼なんか見えなくたって困らんだろう? 敵の攻撃なんてものは、敵が放つ気配や攻撃の風圧、場の雰囲気などでなんとなくつかめるだろう?」

 

「なんとなくでミリ単位の回避されてたんだ僕の攻撃!?」

 

 やはりニュータイプか貴様!? と、驚くサディストに、ゲルはフムと頷いた後、

 

「ニュータイプ風に言うなら……《たかがメインカメラをやられただけだ!》状態だな」

 

「いいやがったよ!? 誰もが思ったけど言ったらまずいかなって思っていたことを言いやがったよ!!」

 

 そんな風に世界の理不尽を嘆くサディスト。自分も大概理不尽な存在だが(おもに銃撃関係に関して)、彼の理不尽さは他の追随を許さないと……。

 

 だがそんなふざけきった空気も、

 

「ふむ。ではそろそろ時間もないことだし、決めさせてもらおう」

 

「え?」

 

 さらにふざけた理不尽な暴力によって途切れる。

 

 技を放つためか、天高く舞い上がった犬神は下に位置するサディストを打撃するため、彼が立つ建物ごとロックオン。

 

「豪殺居合拳・豪気功コラボレーション――」

 

「ちょ、え……まっ!!」

 

 犬神のポケットの収められた拳に、信じられない量の気がチャージされるのを見てサディストは思わずひく。

 

 おいおい、わかってるのか犬神君!? この下には……巨大な地下空洞が!!

 

 しかし、そんな物知ったことではないといわんばかりに犬神は迷うことなく拳をふるい、

 

「億条洛星――無音拳!!」

 

 流星の直撃に匹敵する打撃を、億近い数叩き込む!!

 

 

 

…†…†…………†…†…

 

 

 

「やぁ、ナギ。あなたの息子に話してきましたよ。あなたの遺言を……あなたの意思を」

 

 その頃地下空間では、氷の棺に包まれた漆黒のローブを着た人物に向かって、クウネル・サンダースことアルビレオ・イマが話しかけていた。

 

「これであなたの最後のお願いは終わりました……。次あなたが目覚めるときは……情け容赦なくあなたを殺しますよ」

 

「…………………」

 

 氷の棺の人物は返答を返しはしない。当然だ……そういう封印が彼には施されている。

 

「ナギ……」

 

 それでもアルビレオは、昔の戦友の声が聞きたくて、思わず言葉を重ねようとして、

 

「ん?」

 

 何やら地下に地響きが走っていることに気づいた。

 

「なんですか?」

 

 いったい? と首をかしげ上を見上げたアルビレオは、

 

「!?」

 

 突如、激震とともに崩落を開始し、地上の空を地下空間にお届けする屋根を見て目を見開いた!!

 

「なぁっ!?」

 

 上で騒ぎが起きているのは知っているが、まさか数百メートル地下にあるこの空間までぶち抜く攻撃が大地に叩き込まれるなどアルビレオは一切予想していない(当たり前)。

 

 当然彼は慌てふためき、氷の棺を傷つかせるわけにはいかないと思いだした瞬間、

 

「お、おぉおおおおおおおおお!!」

 

 自分の全魔力を使い重力魔法を発動。なんとか落石による棺の崩壊を阻止した。

 

 だが、

 

「い、いったい誰が!」

 

「ふむ。なんだここは?」

 

 アルビレオの受難は、

 

「……ほ、本気出しすぎじゃないかな犬神君!?」

 

「黙れ。僕が正義だ」

 

 始まったばかり……。

 

 

 

…†…†…………†…†…

 

 

 

「ふむ。なんだここは?」

 

 眼鏡を壊されてしまったせいで(実は犬神のメガネはダテではなく本物だった)ぼやけてしまう視界の中、どういうわけか攻撃を叩き込んだ瞬間地面が崩落し、姿を現した巨大な空間に犬神は首をかしげた。

 

 そういえば麻帆良の地下には、図書館島から続く巨大な書庫空間があると聞いていたが。と、いまさらながら学園長の「ちょ、あんまりガチで本気攻撃しないでね? 危ないから!!」という気持ちが込められた注意事項を思い出す犬神。

 

「ふむ……」

 

 これはもしかしてかなりまずいのではないか? とようやくそのことを悟りはするが、

 

「まぁ、この施設を守れという内容は契約に含まれていないから別にかまわんか」

 

「「かまえよ!?」」

 

「ん?」

 

 割とあっさり面倒事を無視することにした犬神の言動に、アルビレオとサディストは大きく怒声を上げた。

 

 当然突如増えたツッコミの声に、犬神は思わずといった低で驚き、

 

「貴様は麻帆良武闘会で戦った……激安先生!!」

 

「そのネタはもういいでしょう!! それよりいったいこれはどういうことですか!?」

 

 こんなことをすれば学園長が許しませんよ? と、アルビレオが内心で、「多分無駄だろうな……」と思いつつ、一応この施設を壊されないための予防線を張ってくる。

 

 当然、金に目がくらんだ犬神にそんな脅しなんか通じるわけもなく、

 

「安心しろ。学園長との契約書にはきちんと書いてある。『なお、この契約書に記載されている金即位事項以外の麻帆良に対する被害に関しては、当事務所は一切関知しない』と」

 

「『契約書ちゃんと読まんほうが悪いんちゃいまっか?』っていう、ヤクザバリに悪質ですね!?」

 

 というか、いくら学園長でも地下数百メートル近い位置にあるこの地下室まで地盤ぶち抜かれるなんて考えてもいませんよ!! と、アルビレオは魔力でがれきを必死に支えながらツッコミを入れるが、当然犬神は聞く耳を持たない。

 

 なぜなら彼の眼前には、

 

「さて追いつめたぞ金づる」

 

「くっ……」

 

 百万ドルの価値がある、金のなる木が存在するのだから。

 

「貴様もさすがにここまで来て逃げようとは思うまい。さぁ、おとなしく僕の糧となるがいい!!」

 

「え、笑顔が怖すぎるよ犬神君!?」

 

 ゾーマ様でも裸足で逃げ出しそうな真黒な笑みを浮かべる犬神に、逃げ場はないとわかっていても本能的に逃走を選ぶサディスト。そんな彼に犬神は思わず舌打ちを漏らし、

 

「仕方ない」

 

殺す!!

 

「いやいや、殺しちゃダメでしょう!?」

 

「ん? なんだいたのか激安先生。人の心をそうポンポン読むんじゃない」

 

「ノリませんよ!? ノリませんからね!」

 

「それは……フリ?」

 

「違いますからね!?」

 

 チッ……ノリの悪いやつめ。と、アルビレオの必死のツッコミに舌打ちを漏らしながら、

 

「ふん。そこか!!」

 

 サディストが逃げ込んだ何やら透明な物体に向かって、ポケットにおさめたこぶしを構えた。

 

 

 

…†…†…………†…†…

 

 

 

「って、ちょっと待ってくださいぃいいいいいいいいいい!!」

 

 それはさすがにまずいですって!! と、氷の棺にむかって居合拳の構えをとる犬神に、アルビレオは必死になって静止の声をかける。

 

 だが実力行使はできなかった。なぜなら、

 

「くっ……さすがにこの数のがれきを抑えきるのは……」

 

 そう。崩落の際できてしまった氷を傷つけかねない瓦礫たちを支えていたせいだ。別に支えきれない重量ではない。だが、犬神級の実力者を止めるのに余分な魔力を振り分けられるほど、余裕が持てる重量でもなかった。

 

「そ、それは待ってください犬神君!! い、いったい何する気ですか!?」

 

「ん? いい加減うっとうしいからな。障害物ごとサディストをぶち抜く」

 

「その障害物ってその氷の棺じゃないですよね!? ね!?」

 

「………………………」

 

「なんで答えてくれないんですかぁああああああああああああああ!?」

 

 や、やばい!! この子絶対にやる気だ!? と、いまさらながら恐れおののくアルビレオ。当然そんなことをされてはたまらないので、彼は必死にゲルに向かって呼びかけた。

 

「待ってください犬神さん! それだけは本当に勘弁してください!? その棺が壊れたら、魔法世界が大変なことに!」

 

 もう必死といっていい様子で懇願するアルビレオ。そこにはもはや飄々とした彼のキャラは存在せず、必死に大魔王に懇願する哀れな子羊の姿しかなかった。

 

 だが、

 

「そんなもの……」

 

 大魔王は、

 

 

 

 

 

「知ったことか」

 

止まらない。

 

 

 

…†…†…………†…†…

 

 

 

 数秒後、犬神が放った豪殺居合拳が氷の棺を貫通。

 

「ぎゃぁあああああああああああああああああああ!?」

 

 サディストを見事撃沈させ、

 

「―――っ!!」

 

 氷の棺から解放された漆黒のローブの人物が、

 

「ふははははははは! なんだかよく知らないがよくやった人間――」

 

「邪魔だ……」

 

「え、ちょ……まっ!?」

 

 犬神の目の前に降り立った瞬間、豪気功交じりの居合拳が叩き込まれ体を“く”の字に大きく折り曲げた。

 

 

 

…†…†…………†…†…

 

 

 

「お、おまっ……せ、せっかく俺がクライマックス来た時用にとっていたラスボスチックなセリフを!!」

 

「ナギ!? 封印されている間、何してんのかなと思っていたらそんなことしていたんですか!?」

 

「うるさい」

 

 何やらやかましく抗議を開始した黒ローブに対し、犬神は情け容赦なく洛星居合拳を三連打!

 

 何の遠慮も見せないままに、黒ローブを頭から地面にめり込ませたっ!!

 

「なぎぃいいいいいいいいいいいいいい!?」

 

「ちょ、おまっ……創造主に乗っ取られてるつっても、い、一応英雄である俺の体だし、もうちょっと優しく」

 

「やかましい。貴様など知らんし、体など知ったことか。あの賞金の話が出ていったいいくら時間がたったと思っている。もうすでに超が見つける人間がいるかもしれない。そうなればもらえる賞金は一気に減額……」

 

「え、ちょっとまって!? 魔法世界の危機そんな理由でタコ殴りにされてんの!?」

 

 黒ローブがそう言って思わず身を跳ね上げた時だった。

 

『ちゃ、超鈴音が見つかりました!! 上空千メートル……飛行船の上です!! なお、超氏をみつけた那波千鶴さんには後程金一封を……』

 

 という、アナウンスが聞こえてきて……。

 

「「「……………………………」」」

 

 あたり一帯に沈黙が下りた。そして、

 

「さて貴様ら……覚悟はできているんだろうな?」

 

「え、ちょ……ちょっと待てよ? 俺たち何も悪くないって!? 俺たち巻き込まれただけ……」

 

 瞬間。麻帆良地下にあった遺跡の一つが、激震とともに崩落した。

 

 

 

…†…†…………†…†…

 

 

 

 その頃、魔法世界のオスティア跡地にて。

 

「!? 創造主(ライフメイカー)の霊圧が……消えた!?」

 

 白い髪と肌をした少年が、愕然とした顔で氷結し、

 

「ぎゃああああああああああああああああああああ!?」

 

「!?」

 

 悲鳴とともに、転移魔法によって彼の眼前に創造主が現れた。

 

「は~は~!!」

 

 そして、荒い息をつく自分の主を、少年が心配そうに見つめた後、

 

「なんだあの化け物は!? 麻帆良あんな化け物飼っていてよく無事でいられるな!!」

 

「……」

 

 なんだ、また犬神君か。と、割とあっさりスルーして自分の仕事に戻った。

 

「ほらほら、主様も。休日からそんなごろごろしている暇があるなら散歩にでも言ってきてください。そこにいられると邪魔ですから」

 

「扱いぞんざいすぎねぇか!?」

 

 魔法世界の明日は、どっちだ!?

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