楽天家な忍者   作:茶釜

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途中からナルト視点


-3-

「という訳なんじゃ」

 

「そ、そんな馬鹿な話がありますか!?」

 

 

 日も沈んだ木ノ葉隠れの里。三代目火影の猿飛に食ってかかるのはアカデミーの中忍教師、イルカであった。

 他に同じ部屋にはおにぎりを頬張っているナルトと気絶したミズキもいるが、ナルトは特に二人の話には興味を示していなかった。

 

 ナルトは鎖で縛られ、転がされているミズキに腰掛け、ボーッとした様子で窓の外を眺める。

 

 

「まだナルトは下忍ですら無いんですよ!?ミズキを捕縛するなど、普通に考えれば無茶な話です!」

 

「承知しておる。じゃが、ナルトは既に下忍レベルではないのじゃよ」

 

「………確かに、あれほどの封印術。下忍では使えないと思います。しかし!」

 

「本来であれば、お前にも話すつもりはなかったのじゃが……ミズキではナルトには敵わんよ」

 

 

 その言葉がイルカには信じられなかった。確かにアカデミーにおいてナルトは"優秀"な生徒である。しかし、過去の3忍やうちはイタチ等のように早期に卒業する範疇ではなかった。

 イルカの心情は疑惑に支配され、ナルトへと視線を向ける。

 おにぎりを食べ終わったのか、勝手に火影室の戸棚からお茶の葉を取り出し、煎れようとしているナルトの姿がある。

 

 

「ナルトの力を里の皆に教えるわけにはいかなかった」

 

「それは……」

 

 

 意味はわかる。ナルトが強力な力を持っていると知れば、今でさえ迫害を受けている身なのに、その力を恐れて迫害が増加することは目に見えている。

 

 

「既に九尾が暴走する心配も無いのじゃが……信じない忍も少なくはないと予想できる」

 

「暴走の心配がない?」

 

「ナルトは九尾の力を完全にコントロールしておる。いや、和解しているといったほうが正しいか……」

 

 

 イルカは開いた口が閉まることすら忘れ、お茶を飲むナルトを見つめる。

 ナルト自身が九尾の封印について知っていることはまだ許容できた範囲ではあったが、その力を自分のものにしているということはとてもじゃないが信じられなかった。

 

 

「この事は内密に頼む。下忍となれば担当上忍には話をつけるが、今現在里の中でこのことを知っているのはお主と儂、あと二人くらいじゃよ」

 

「……なぜ私に教えてくださったのですか?」

 

 

 何とかその言葉を絞り出す。

 一番の疑問点。イルカ自身はナルトの担任ではあるが特別な存在ではない。戦闘能力に秀でているわけでもないのにこのような重要情報、否、禁忌情報を教えられるのは些かおかしいと感じる。

 

 

「……お主がナルトにとっての良き理解者でもあるからじゃ。ミズキとの戦いも見られたのも理由ではあるが、それよりもナルトの拠り所になれる存在だからじゃよ」

 

 

 ………納得はできた。しかし、それでも……

 

 

「なあ、そろそろ帰っていい?ちゃんと睡眠しないと怒られるんだってばよ」

 

「む?そうじゃな。すまんかったな、ナルト。今日は助かったぞ」

 

「全然大丈夫だってばよ!組手に比べたら軽い軽い」

 

「今日はゆっくり休め」

 

 

 ナルトは一度頷くとそのまま消えた。

 イルカは転がるミズキを一瞥した後、真剣な眼差しで三代目火影を見つめた。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇

【数カ月後】

 

 

 卒業式も終わり、俺達アカデミーを卒業した生徒たちはアカデミー内の教室に集まっていた。

 何でも下忍になる際の注意事項を説明するとの事。

 

 俺も卒業の際に渡された額当てをつけ、教室の椅子に座って隣りにいる人物へと話しかけていた。

 

 

「なあサスケ。俺ってば大変な事を思いついちまったぞ」

 

「なんだ?今度はどんなとんでも忍術を編み出したんだ?」

 

「いや、忍術は別に無いんだけど……自来也のおっちゃんが書いたイチャイチャシリーズの新作を三代目の爺ちゃんに渡したら、すごい忍術教えてくれるんじゃないか?」

 

「………一理あるな」

 

「やってみる価値はあると思うってばよ」

 

「だが失敗すればどうなるかわからないぞ?」

 

「……いや、失敗しても別にどうってことはないと思うんだけど……」

 

 

 サスケは俺の言葉にふむ、と呟いた後腕を組んで真剣な眼差しで口を開く。

 

 

「よく考えろナルト。三代目はあの自来也を教え子にしていたんだぞ?」

 

「……つまり?」

 

「三代目の事だ。俺達に忍術を教える前に、力づくで奪いに来るかもしれん。そうなればこちらの交渉カードを奪われることになるんだぞ?」

 

「確かに!」

 

 

 とまあ、今話してる内容も7割方冗談で話しているが、そうやって時間を潰しているうちにイルカ先生が教室に入ってきた。手には資料らしきものを持っている。

 取り敢えず姿勢を正し、正面を向いた。

 

 

「ごほん。今日から君達はめでたく一人前の忍者になったわけだが……しかしまだまだ新米の下忍。本当に大変なのはこれからだ!

 えー……これからの君達には里から任務が与えられるわけだが、今後は3人1組(スリーマンセル)の班を作り……

 各班ごとに一人ずつ上忍の先生が付き、その先生の指導のもと、任務をこなしていくことになる」

 

 

 3人1組、予想通りというか父ちゃんの言うとおりか。俺の担当は誰になるんだろ。父ちゃんの時は3人1組じゃ無かったらしいけど、上忍から指名されたんだっけ?

 俺達は言われた班になるとは思う。誰と一緒になっても仲良くしたいなぁ。まあ、九喇嘛の事もあるし、怖がらせないようにはしないといけないけど……

 

 

「(3人1組、ナルトがいれば連携に支障はないが、それ以外だと足手まといになるな)」

 

 

 サスケが何かつぶやいてるけどこういう時は気にしないでおこう。

 

 

「班はある程度力のバランスが均等になるようにこっちで決めた」

 

 

 やっぱり。しかし均等かぁ……アカデミーでの成績で判断するといった所かな。

 まあ、俺は納得してるけど、他のみんなは少し不満があるみたいだった。まあ、仲がいいやつと組みたい気持ちは解るなぁ。俺だったらサスケくらいしかいねえけどさ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇

 

「じゃ、次。7班。うちはサスケ、春野サクラ」

 

「しゃーんなろー!!」

 

 

 うぉ、びっくりしたぁ。サクラ随分と大きな声出したけど、どうしたんだろうか。

 

 

「それと……犬塚キバ」

 

「チッ」

 

 

 ……あの、サスケ?何で舌打ちしたんだ?キバとは同じ班になりたくなかったのか?それにしても舌打ちは良くないと思う。サクラの声でキバには聞かれてなさそうなのが幸いだけど。

 

 

「それでは次。8班。日向ヒナタ、油女シノ、そして。うずまきナルトだ」

 

 

 お?俺か。ヒナタとシノかぁ。成績は別に悪く無いどころか、上位に近かったはずだけど、偏ってない?

 

 まあ、それからも順調に班分けは進んだわけだけど、シカマルといのとチョウジが同じ班……ある程度例外はあるってことかな。流石にバランス均等でこの三人が同じ班になるっておかしい話だし、各々が実力を発揮しやすい班構成とかかな?

 

 

「じゃ、みんな。午後から上忍の先生達を紹介するから、それまで解散!」

 

 

 イルカ先生の言葉にみんな席を立ち上がり教室の出口へと向かっていく。

 外で弁当でも食べるのかな。俺もおにぎり作ってきたし、適当に風通しの良いところで食べるかぁ……

 

 

「おいナルト。一楽行くぞ」

 

「は?」

 

「いいから付き合え。一杯くらいおごってやる」

 

 

 まあ、サスケがそう言うならついていくか。おにぎりは……後で食べよう。

 取り敢えず、飯食べながら今後の予定というか心構えを考えるかぁ。まあ、適当でもいいと思うけど……

 




原作との違い


サクラを呼び捨て
恋心持てなかったんだよ!恋よりも修行大好きなナルトです

言葉を続けない
理解者は少ないながらも自来也やサスケがいる為人に聞いてもらうための口調ではない。
原作においては人に話を聞いてもらうため、基本的に言葉を二回続けて声をかけている
(例:あのさ!あのさ!)

班分け
猿飛「サスケとナルト、一緒にしたら問題起こすのは目に見えているわい」




因みに、実はイルカ先生に嫌われてる設定も考えてました。
原作と違いナルトの成績がいいため嫉妬のような感情を持たせて……

でもイルカ先生っぽくなったから没になりました。
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