楽天家な忍者   作:茶釜

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序章 -4-

 九尾の襲来があった日から既に7年、つまりナルトの年齢が7歳となった日、火影室で執務に勤しむ儂のもとにカカシからある報告が入った。

 

 

「ナルトの影分身が里を出たじゃと?」

 

 

 その報告に頭を痛ませながら詳細を聞く。何でも昨晩ナルトが寝る前に影分身の術を使い2人に分身した後、一人が里を出たそうだ。一体何の目的があってかは知らんが、取り敢えずカカシにナルトを連れてくるように命じておいた。

 

 思えばナルトは困った奴じゃった。いや、本人はいい子で心優しいのじゃが、問題はあの才能と発想力。

 幼少期より独自で修行を行っており、アカデミーに入学するより前に簡単な忍術を習得しておった。そしてアカデミーに入学してからも修業を重ねて、何とあやつは勝手に影分身の術を編み出したのじゃ。

 いきなり火影室に来たかと思えば「見てくれってばよ爺ちゃん」と言って影分身の術を使った。

 

 ナルトは自分で考えついたらしく、その術を分体の術と名付けていたが、まるっきり印も含めて影分身と同じじゃったから分体の術ではなく影分身の術と改名していたな。

 発想は恐らく影分身が出来たのと同じ様に、実体を持った分身があれば便利だと考えて色々と印も試行錯誤させつつ開発したのだとか……更にあやつはとんでもない忍術を開発していた。

 

 分体の術……いや、影分身の術・遠の陣

 

 自分以外の者や物を影分身させるというとんでもない忍術。儂の使う手裏剣影分身の術の完全上位互換と言った所か……

 いきなり儂の影分身が出現して心底驚いた。まだ完成はしていないらしく、人間の場合影分身は1体しか作れないそうだ。チャクラでゴリ押ししてるだけでチャクラ効率を上げればもっと増やせるとまで言っていたが……

 

 他にも儂ですら油断をすればやられてしまう危険な(おいろけの)術等も開発しておったが、あやつの真価は忍術への理解といった所かの……影分身に関しては己で開発した分随分と詳しく把握しておる。

 

 影分身の経験はそのまま本体へと帰ってくると言うことをあやつは理解しておった。

 

 

 本来であればチャクラが足りずに出来ない修行、影分身との分担をあやつのチャクラと九尾の回復力があれば容易に出来る。

 そうなればあやつの修行効率は影分身の数だけ倍になり、それだけ成長するということ……

 

 

 それだけであれば喜ばしいのだが、問題は里の忍たちの反応。やはり九尾の件が尾を引いているようで、ナルトが力を付けていくのを危険視している忍びも少なくない。

 

 それでもナルトの人柄を見て心を許している者も何人かいるようだ。

 よく嬉しそうにラーメン屋の話をナルトはしておる。本来であれば里の者からの迫害の方に気を取られ、瞳も曇るだろうに、ナルトは純粋にただただ楽しそうに笑っている。

 

 カカシに監視を任したのもナルトを思っての事じゃ。カカシの実力は木の葉の表でも裏でも信用されておる、更にあやつはナルト……師の息子を案じておる。

 

 一番適任じゃった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇

 

 

 カカシに連れられたナルトは眠そうに眼をこすりながら火影室に入ってきた。

 影分身を里の外に出したことを問うとナルトは普通に肯定する。

 

 理由を問えば修行のためだとか……

 

 あまり木の葉でナルトが修行をしているのをよく思っていないとナルト自身も気付いていたようで、ニシシと笑いながら迷惑にならないように修行は影分身に任せたと言っていた。

 

 

 ナルトは己がどのような存在かを薄々ではあるが気付いておるのだろうな。

 だが、その事についてナルトは儂らに聞いてこない。いつかは話さなければならないだろう……だが、こやつならばしっかりと受け止めてくれるはず……

 

 

 尚、影分身の方は一定時間で影分身を発動、解除をすることでナルト本体に経験を還元しているらしく、影分身がどこで何をしているのかはわかるそうだ。

 

 一体の影分身にしては些か可能に思えなかったが、何と昨晩にナルトのチャクラの8割方を消費して作り出した特別製らしく、ちょっとやそっとじゃ解除されないどころか、ナルト本人が2人いるような状態になっているとのこと。影分身が消えるのも、ナルト自身が死ぬくらいとは行かないものの、痛みで気絶するくらいのダメージを与えないかぎり消えないという。

 

 とんでもない物を思いつき作り出したナルトにため息を吐きつつも一応火の国からは出ぬように伝えておいてナルトを帰らせた……

 

 

 取り敢えず逐一ナルトには報告させねばならんな。流石に影分身の動向を知るためにカカシを木の葉の里から離れさすわけにも行くまい……

 

 

 相変わらず本人とは別に色々とやらかしてくれるな、ナルトは……まあ、それくらいがちょうどいいのじゃが……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ◇

 後日、ナルトの報告を聞いて思わず飲んでいたお茶を吹き出してしまった。

 

 何と影分身は現在自来也と行動をともにしておるようじゃ。外見的な特徴に名前まで言っておったのじゃが……よもや自来也と出会うとはな…

 自来也に修行を見てもらっているようで嬉しそうにナルトは話しておった。

 

 よもや親子揃って同じ師を仰ぐとはな……運命というのはあるようじゃな……

 

 取り敢えずナルトには自来也に修行が一段落済んだら里に来てもらうようにと伝言を頼む。

 直ぐ様ナルトは影分身を発動し解除することで影分身に今のことを伝えた。

 

 そしてその後、ナルトに影分身からの伝言でやなこったと自来也が言っておった事を聞き、ため息を吐く。

 

 早く新作を書き上げんか、馬鹿者が……

 

 




短いですがここまで

原作開始まで少し駆け足で進んでいきます。
後2話くらいで原作スタートする感じですかね……

あ、次回は影分身の視点で修行編となっております。
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