ゼロの使い魔~呼び出されしは南斗の将星~   作:黒塩

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第2話 将星の道

「サウザー。聞こえるか?サウザーよ」

 

サウザーは呼びかける声に反応し目を覚ます感覚に襲われた。

 

「こ、この声はお師さん!」

 

「目覚めたかサウザーよ」

 

「こ、ここは?どうしてお師さんが!」

 

「どことも言えぬ、しかしどこでもとも言えよう。しかし再びお前に会うことができるとは思わなかった。立派になったな」

 

「お師さん・・・・」

師の優しい言葉に思わず涙がこぼれるサウザー。

 

「馬鹿者。南斗鳳凰拳の伝承者が涙を流すでない、とはいえ致し方あるまい。別れが別れであった故にな」

師オウガイが思わず笑みをこぼした。

「・・・・申し訳ありません。北斗神拳伝承者に敗れこの命散らしてしまいました」

 

「心優しきお前が私の死によって心を病んでしまったのはすべてはこの師オウガイの責。気に病むことはない」

 

「・・・・・」

サウザーはうつむいたまま動かない。

 

「だが南斗の将星の運命はまだ終わってはいなかったようだ」

「え?」

「サウザーよ、おまえは今一度生を得たのだ」

目を見開きオウガイを見つめるサウザー。

「どういうことですか!?」

「南斗鳳凰拳伝承者としてその力を今一度振るうのだ。おまえは南斗の将星。その目に南斗十字星を湛える男なのだ」

「・・・・」

「行くがよい。すべてはこれからお前が自分で知るのだ」

「はい、今度こそこのサウザー伝承者としての責務を!」

「ではしばしの別れだ。さらばだ、サウザー」

カッ!と光ったかと思うと光に満たされ何も見えなくなった。

そして何か感覚が戻ってきたときサウザーは地面に横たわっていた。

 

「こ、ここは・・・・」

頭を振りながら体を起こす。

 

「お、起きたようね」

そばには桃色の腰あたりまで髪を伸ばした少女がいた。

そして周りにも似たような格好をした少年少女が多数いた。

その中で頭抜けて背の高い男性が近づいてきた。

「突然の召還、申し訳ありません。私はジャン・コルベール。このトリステイン魔法学院で教師をしている者です」

名乗った男は丁寧に自己紹介をしてきた。

「あなたが眠っている間に申し訳ないのですが使い魔としての契約をさせていただきました」

 

「使い魔・・・だと?」

サウザーはいきなりのことに驚いた。死んだと思えば光に包まれオウガイに会えた。その上今度は使い魔になったという。

「面白いことを言う」

サウザーは立ち上がった。

 

「な、なによ!平民のくせに貴族であるこのヴァリエールが末妹ルイズの使い魔となれたのよ?!光栄に思いなさい!」

桃色の少女が隣で声をあげる。

「ほぅ・・。小娘・・・貴様がこのサウザーを使役するというのか。面白い。その言葉、後悔させてやろう!」

闘気を纏おうとしたところ力が入らずに膝をついてしまう。

「ぐっ・・・・。ケンシロウに突かれた秘孔のせいか」

「ふんっ。平民が無理はしないことね」

(体が回復するまで無理はできんか・・・・。しかしここはどこだ?)

サウザーは思考を巡らせる。

が、答えが出ようはずもない。

そこに声がかかる。

 

「いきなりの召還で体が本調子でないのでしょう。契約は行われたので体を休めてください」

コルベールと名乗った男に言われる。

「聞きたいことがある。ここはどこだ?なぜこれだけも緑溢れる場所があるのだ」

「ここはハルケギニアのトリステイン魔法学院です」

「ハルケギニア?トリステイン?魔法学院?」

聞いたことのない単語に戸惑うサウザー。

ふとそのサウザーの左手にある紋章に目が行くコルベール。

(あの紋章は・・・・どこかで見た気がする・・・)

「ふざけているのか?聞いたこともないぞ!そのような名前は」

 

「あんたこそどこから来たのよ!それに名を名乗りなさいよ!」

桃色の少女に言われる。

「小娘・・・・この帝王にそのような口を聞くとは命が惜しくないようだな?」

 

「二人ともやめなさい!」

コルベールが声を荒げる。

 

(ほぅ・・・この男少しは覚えがあるようだな)

サウザーはコルベールが発する魔力(?)を感じ取る。

 

「でもミスタ・コルベール。この平民が・・・」

 

「ミス・ヴァリエール。例え相手が平民だとしてもそして使い魔として契約したとしてもあなた方は信頼をお互いにする関係を作り上げなければならないのですよ?それに突然召還してしまった非礼を詫びることも必要でしょう」

ルイズはコルベールに諭され渋々サウザーへ向き直り挨拶を始める。

「悪かったわね。確かに突然の召還に驚いたでしょうし契約もさせてもらったことは謝るわ。私の名はルイズ・フランソワーズ・ル・ブラン・ド・ラ・ヴァリエールよ。あなたの名は?」

 

「わが名はサウザー。南斗の将星!帝王の星を宿命に持つ南斗鳳凰拳伝承者だ」

静かにだが力強く答えるサウザー。

 

「南斗?帝王?何を言ってるのかさっぱりね。名前はサウザーね」

ルイズは臆することもなく悪びれず言う。

「とりあえずはよろしく頼むわ。やっと成功した魔法なんだし」

 

「この帝王にこのような小娘に下につけというのか。笑えない冗談だ」

サウザーは腕を組みルイズを睨み付ける。

さすがにサウザーに凄まれて気おされたのか一歩下がるルイズ。

 

「サウザーさん。ここは大人しく従ってもらえないでしょうか?どうもあなたはここの人間ではないようだ。右も左もわからない状態でいるよりはとりあえずの衣食住やこの場所についての説明を受けたほうがよいのでは?」

コルベールの提案に一理あるとサウザーは判断した。

「ふ、いいだろう!だが指図は受けぬ!俺は俺の判断で動く」

「な、何を言ってるの!あなたは私の使い魔になったのよ!?左手にその証があるでしょう!?」

ルイズがまたまた声を張り上げる。

サウザーは自分の左手の甲に妙な紋章があることに気づいた。

そしてなんだかぬくもりを感じることにも。

「これは・・・・」

「それは使い魔の証よ!あなたは私の使い魔になったの!」

「・・・・・ふん」

「キーッ!私はあなたの主人なのよ!?」

「うるさい小娘だ、だまれ」

話がまとまったようなまとまってないような状態でgdgdなところをあっけに取られて見守る他の生徒たち。

 

「変なの呼び出したわねえ。ルイズのやつ」

赤毛で妖艶な雰囲気を持つ少女がつぶやく。

「・・・・」

二人のやり取りを見るのに飽きたのか無言で読んでいた本に目を戻す薄青髪の少女。

「タバサはどう思う?あの使い魔。体格はすごくいいけど魔力は感じないわねえ」

赤毛の少女は薄青髪の少女に尋ねる。

タバサと呼ばれた少女は顔を上げて答えた。

「未知数。キュルケは?」

キュルケと呼ばれた赤毛の少女は

「ん~?今度誘ってみようかなあ?面白そうだし」

などとやり取りしている間にどうやら話がついたらしいルイズとサウザーがコルベールとともに歩いていく。

 

「とりあえず学院長に聞いてみましょう」

「いいだろう、この小娘では話にならん」

「私の名前はルイズよ!何度言ったらわかるのよ!」

騒ぎながら学院に歩いていく三人。

 

サウザー自身気づいてはないがかなり態度や性格に変化が出ていた。

ケンシロウに諭されたせいか、夢うつつのうちにオウガイに会えたせいか。

元々南斗鳳凰拳伝承者としてオウガイが見抜いたサウザー自身を取り戻そうとしているかのようだった。

 

 

 

 




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