これが初となるのでどこかおかしなところがあればご指摘していただけるとありがたいです。
Act1 -Chapter1-
―――――『イミュルシオン』
―――――そう呼ばれる液体はそれから直接エネルギーに変換ができるという夢のような燃料だ。これの発見により惑星『セラ』人類は安価で無尽蔵のエネルギーを得ることができた。
―――――だが新たなエネルギー開発への過剰な投資と旧来の化石燃料を使う技術の開発破棄は経済界を直撃。世界経済は破綻してしまう。
―――――イミュルシオン非産出国の嫉妬は当然のように産出国へと向けられていった。そしてその感情は爆発し、世界戦争を引き起こした。
―――――79年。セラの人類はこれほどの長きに渡る時間をこの世界戦争に費やした。
―――――しかしこの戦争は『ある日』をもって終結した。
―――――『エマージェンス デー』縮めて『Eデー』とも呼ばれるその日、突如として大地が裂け、そこから異種族『ローカスト』が現れたのだ。
―――――最初の出現から24時間でセラに住む人類の25%を虐殺したローカストは、その勢いのまま世界の国々へと総攻撃を開始した。
―――――世界大戦で疲弊していた各国は強力な火器を携え巨大な生物兵器を操り、地底から自在に、そして無制限に現れるローカストの大軍を前に次々と滅ぼされていった。
―――――そんな中一つの組織がすばやく行動を起こした。『統一連合政府』略称の『
―――――そしてCOGはローカスト殲滅を実現するため大量の化学兵器と静止軌道上にある衛星兵器『ドーンハンマー』を使ってセラの地表90%以上を焼き尽くしたのだ。
―――――
―――――それから14年が経とうとしていた。
―――――結論から言うと焦土作戦は
―――――相対的に人類は追い詰められていた。焦土作戦により問答無用で都市を、そして自分達を焼き払ったCOGを、難民――その庇護下にない市民達のこと――は激しく憎悪しており、協力体制を築く事を拒んでいる。
―――――そのため人材が不足しており、指揮官はもとより兵士の数すら安心できない状況だ。
―――――それは現在COGは刑務所にて服役中の囚人を兵士となる事を条件に釈放した事、そして・・・
ティアナ・ランスターの手記より
「・・・・・・私達、魔導師を囲っていることが証明している、と」
ふぅ、と息をつき周囲を見回す。少し離れたところで一人の屈強な男が耳に指を当て通信機に向けて話しかける
「ええ、では二等兵として復帰させることで。・・・・・・了解」
どうやら説得は成功したようね。そう判断した彼女――ティアナ・ランスター――は柱に立てかけていたハンマーバースト ローカストライフルを手に取る。
自分達より遥かに強靭なローカストのために作られたライフルはズシリとした重さがあり、ともすればよろけてしまいそうだが・・・・・・『それなり』に戦場を駆けたティアナは自分に近づいてくる男よりも華奢でありながらそのような様子は微塵も見受けられない。
そんな自分を嫌悪するもう一人の自分がいるのだが、それは強引に頭の奥に押し込んでおく。
「それで、私達はその098356-GXを助けに、ローカストで賑わっているあそこに乗り込むわけね?ドム」
そういって指差すのは少し前まで囚人達で賑わっていたであろう収容所だ。もっとも今では彼女が言うようにローカストがうじゃうじゃ居るだろうが。
それに先程「ドム」と呼ばれた男が声を返す。
「あぁ。・・・そう不機嫌になるなって。侵入のルートはお前に任せる。敵のど真ん中を突っ切ろうが、発見されないよう行こうがお前の考え次第さ」
笑いながら言うドム。本名ドミニク・サンチャゴはかなり陽気な性格をしている。だがその高い身長とCOGアーマーに覆われていない腕の太さを見ればそれだけで彼が只者ではないと気付くだろう。それもそのはずで、彼は世界大戦から活躍している歴戦の勇士なのだ。
そして今回彼らが助け出そうとしている098356-GXもまた以前は兵士として、非常に多くの勲章を授与された英雄なのだが・・・・・・。
「それより、ちゃんと名前を呼んでやれよ。さっき教えただろ?」
「えぇ、『マーカス・フェニックス』よね。でも
このようにティアナにとって会ったことのないその囚人は、不安と不満を晴らす捌け口として使われている。ドムは誰にともなく肩を竦め、首を横に振る。彼女が頑固だという事は既に承知している。いくら言っても聞きはしないだろう。
「それよりどうやって侵入するんだ?そろそろプランを聞きたいんだが」
「そうね。幻術魔法でローカストに化けて見れるか試してみたいのだけど・・・」
「連中は鼻が利く。あの狭い刑務所内じゃ、脇を通ったら気付かれるな」
「ん・・・。幻術魔法を使うには私の魔力量も少し心もとないし、防御魔法用にリソースを確保しておきたいから・・・、普通に行きましょ。普通に」
了解だ。ドムは簡単に返事を済ませると、バックを一つ肩にかけた。それにはCOGアーマーといくつかの武器が仕舞われていることをティアナは知っていた。それら一式をそろえたバックが軽いわけがない。目には見えないがドムの負担軽減のためにもローカストを誘き出し、短いルートを『作って』行くのは悪い考えではないはずだ。
それに―――と、ティアナは一枚の金属で出来たカードを取り出す。
「あなたもそろそろ『出たい』んでしょ?クロスミラージュ」
すると金属のカードはみるみるうちに姿を変え1挺の拳銃が変わりに姿を現した。彼女の魔導師の証とも言えるインテリジェントデバイス、クロスミラージュだ。
「相変わらず、どういう理屈なんだよ、それ」
何度もそう言ってきたのだろう、少し呆れのまざった声をドムが発する。
「魔法よ」
それに対してティアナもまたそう答えた。
彼女がデルタ部隊に入隊してから、戦闘前にいつも交わす言葉。
かたや苦笑い、かたや微笑を浮かべながら視線を合わせる。
そして同時に頷くと二人は駆け出した―――。
上手くまとまめられたかな・・・?凄い不安。