無名な神と恵みの雨   作:夜魅

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始まりました。
今回キャラは少ししか出ません。
最後に少しだけ出るくらいです。


プロローグ
~とある青年の最後~


 

 

とある小さな村ではある儀式が行われていた。

この村はもう半年も雨が降っておらず、備蓄も尽きかけていた。

このままでは冬を越せないと考えた村長はあの手この手で他所の村から作物を分けてもらおうとするも、

どこの村も自分の村で手一杯だった。

 

仏の前になけなしの供え物をするも、雨は一向に降らない。

そこでとうとう村長は神に”生け贄”を捧げることを決意する。

 

その生け贄となる人物は、ある事情でたまたま村にやってきていた一人の青年だった。

青年は何も知らないまま村人に歓迎され、宴会を楽しく過ごし、眠り薬を盛られた食事を食べて眠る。

 

青年が眠ったところを確認して目を覚まさぬうちに村の男衆で海まで彼を運んだ。

この村は海神を信仰しているので、供え物は海に流すのだ。

 

儀式は粛々と始められた。

 

村で唯一の神主が祝詞を唱え始める。

 

すると、男衆は青年を柩に入れる。

せめて来世では幸せになれるよう願い、柩の中に花を敷き詰めた。

そしてとうとうその時がやってきて、柩をそっと海へと流した。

 

柩はあっという間に海の底に沈み、二度と上がってこなかった。

村人は青年のことを忘れぬよう村の帳簿に記録した。

 

 

神主の祝詞を唱える声だけがむなしく響き渡る。

 

 

青年は暁のうちに誰にも知られずひっそりと亡くなった。

 

 

 

 

時が経ち数年後・・・

 

 我が名は夜卜

 

 (いみな)を握りてここに留めん 仮名を以て我が僕とす

 

 名は(したが)いて(うつわ)は音に 我が命にて神器(しんき)となさん

 

 名は(あま) 器は()

 

  来い 雨器(うき)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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行くあてもなく彷徨っていた。

 

いずれ、あのような妖になるものだと

 

誰にも認識されず忘れられる存在

 

 

 

 そう、思っていた・・・

 

 

 

 

  来い 雨器(うき)

 

 

 

 

 

そんな名前ではなかったはずなのに

不思議とそれが自分の名だと思った。

 

そして人の身が転じて狼となり、声の主のもとへ駆け寄る。

そのまま、主を思われる者を襲おうとしていた妖を咬み殺す。

 

 

   「雨音(あまね)

 

 

そのあとどうしていいか呆然としていると名を呼ばれた。

不思議なことに狼から人の姿へと変わる。

 

 

「オレは夜卜、お前の主だ。

 彼岸より召し上げし、お前を神器とする。

 眷属よりも傍に永く請い従うことを許す・・・」

 

 

それが青年ーー雨音(あまね)ーーと夜卜の出会いだった。

 

 

 

 

 




はい、ということで、夢主と夜卜の出会いでした。
次から原作に入ります。
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