無名な神と恵みの雨   作:夜魅

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~前回のあらすじ~
ひよりさんが事故にあいそうな夜卜をかばいました。
なので夜卜と二人でお見舞いに行きました。



第三話 少女と雨の邂逅 下

翌日

 

今日も朝からウエサマを探しているが一向に見つからない。

いくらなんでもそんな遠くへ行ってはいないはずだけど・・・

 

「だーもう!どこにいんだよウエサマは!

 こうなったら!!」

 

そういって夜卜が取り出したのは釣竿とマタタビだった。

 

「これでどうだ!

 ふふん、我ながら素晴らしいアイディアだ!」

 

釣竿の先にマタタビを括り付けてウエサマを呼ぶ夜卜。

 

・・・うん、言いたいことはいろいろあるよ?

釣竿やマタタビをどこで買ったのかとか、

魚釣りでもあるまいし、猫がそうホイホイ来るわけないだろう、とか、

 

でも満足しないとやめないのは目に見えているので5m以上離れたところから付いていく。

 

「夜卜神様、私は別のところを探してきますよ?」

 

「頼む!猫探しなんかさっさと終わらせたいからな!」

 

「はぁ~、妖に襲われても知りませんからね。」

 

「だーいじょうぶだって!なんせ俺は武神だからな!」

 

いや、あなた伴音さん放ったばっかりでしょ。

まぁ、彼女(・・)もいるし今回は大丈夫か・・・

 

 

 

 

夜卜から離れてすぐ、風が吹いた気がした

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

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夕暮れ時、

風がしきりに吹いているのを見て本格的に時化てきたのを察する。

 

「(そろそろかな?)」

 

夜卜神様のもう一人の唯一無二。

 

 

遠くでかすかに音が聞こえ始めた。

 

 

「(始まった。)」

 

片手を矛の形にして夜卜に呼ばれないギリギリの位置へ移動する。

 

境界は保険だ。

 

二人仲良く手をつないで逃げる姿は場所が違えばほほえましい。

 

そして、

 

「ジャングルソバットォオ!」

 

この声と共に妖は怯んだのか散っていった。

 

漫画でも思いましたけど見様見真似であれはすごいですね・・・

彼女、そっち方面でも才能あるんじゃないでしょうか?

 

「お前はなんつー招き猫だよ・・・」

 

「ご無事ですか?夜卜神様。」

 

「おせーよ雨音!」

 

「私はちゃんとあなたに確認したでしょう。

 それを『武神だから』の一言で済ませたのはあなたですよ。

 神器がなければ無能だといい加減理解してください。」

 

「まさかお前、わざとか?」

 

「さて、何のことでしょう?」

 

「・・・・・・・、いい性格してんなほんと。」

 

ため息をつく夜卜を見て私の言いたいことは理解していただけたようだ。

まあ可愛い子には旅をさせよと言いますしね、

あれ、少し違うか・・・

 

 

         雨器(うき)

 

 

夜卜に()を呼ばれたとたん大狼の姿に変化した私は夜卜とウエサマを背中に乗せる。

 

『彼女、どうしますか?』

 

「こいつは二度も俺を助けた。

 それに、こいつの願いを聞いたからな。」

 

『別に一人も二人も変わりませんよ、連れていきましょう。』

 

彼女も背負って駆ける。

目指すは圭一君の家だ。

 

 

 

 

 

 

 

ピンポーン

 

 

圭一君のチャイムを鳴らす。

あとはウエサマが勝手に帰るでしょう。

 

『夜卜神様、ありがとうですって。』

 

「ふん。」

 

照れ隠しなのか、こちらを見ずに鼻で笑った夜卜。

ただ耳が赤いので照れてるんでしょうね。

 

こういうところはかわいいのに・・・

 

圭一君の嬉しそうな顔はきっと夜卜にとって忘れられないものになるでしょう。

たとえ彼が忘れてても・・・

 

 

 

圭一君にウエサマを帰した私たちは人気の少ない道に足を降ろす。

夜卜が下りるとすぐに彼女が目を覚ました。

 

 

「やだっ、離して変態!!!

 っていうか狼!?なんでこんなとこにいるの1?」

 

「ぎゃぁ!ちょっ・・・()って!」

 

「な、何するの!!

 警察呼びますよ!?」

 

「助けてって言ったのはそっちだろ!?

 なんだその態度!!オレは神だぞ!!」

 

『夜卜神様、事情を話さないと・・・』

 

「警察ですか!?助けてください!

 神とか言っている変な男にっ・・・」

「ちょぉ待てコラ!!」

 

『だから言わんこっちゃない・・・』

 

とうとう我が主も前科持ちか・・・、

そう考えたとき、

 

「壱岐ひより!」

 

「な、なんで私の名前・・・」

 

五円玉をはじきながら夜卜が言う。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「お前の願い、確かに聞き届けた。」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

彼女には心当たりがあったらしい、携帯を閉じた。

 

よかった、前科持ちにならなくて・・・

 

 

 

「あなた、名前は・・・?」

 

「夜卜」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「 あなたにご縁があらんことを 」

 

 

 

 

 

こうして彼女、壱岐ひよりと夜卜の縁が結ばれたのだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「あとはいこれ、おつり。返す。」

 

「どろぼう!」

 

 

 

 

 

 

「夜卜神様、ちょっとお話が(^^)」

 

「すみませんでした!」

 

 

 




はい、三話目が終わりました。
まさか二つに分けることになるとは思いませんでした。

一つにまとめるか考えたんですけど、どうも中途半端だったので・・・

今回少し間が空いてしまって申し訳ないです。
ワールドトリガーの方も手を出してしまったのでこれからさらに遅れるかもしれませんが見捨てないでくださるとうれしいです。
こちらから書き始めたので、基本こっちがメインになると思われます。

こっちの話が思いつくのが理由ですが・・・


とりあえず、おじいちゃんポジション?お兄さんポジション?の主人公がいつの間にか毒舌敬語キャラになりかけていて焦っている夜魅です。



次回はみなさんおまちかね?の彼が出ます!出します!
待っていてくれると嬉しいです!
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