オリジナル展開だとどうしても考えることが多くなっちゃいますね。
とりあえず本編どうぞ~
私こと魅神癒螺は、現在船に乗っている。
個人所有のフェリーだ。
そして向かう先は、同じく個人所有の島だ。
そう、私はこれから、実家に帰るのだ。
実家が島って、やっぱり変じゃない?
まあ、全世界が滅んだとしても普通に生きていけるだけの設備満載だから、引き篭もるにはちょうどいいんですよね。
それはさておき、侵入者へと向き直る。
「何をしているのですか?」
「師匠が御実家にお帰りになると聞いて、御一緒しようと思いました!」
「ラウラがユラちゃんについてくって言うから、心配で一緒に来ました」
「先生をより深く理解するためですわ!」
銀金金とゴージャスな三人が、悪びれもせずにドヤ顔で言った。
反省も後悔もしてない感じですね。
「御嬢様」
「あぁ、問題無いわ。この三人は私の友人よ。下がりなさい」
「はい」
無表情のメイドが数名居たが、私の発言で何事も無かったかのように去っていく。
「随分と感情の無いメイドを御雇になっているのですね?」
「我が家のメイド長の教育の賜物です。もともとは感情豊かな人達でしたよ?」
「……何をすれば、ああなるんですね?」
「軍でもああする時があるぞ?たしか、薬を使って―――」
「ラウラ!それ以上は言っちゃダメ!」
失礼な……うちのメイドは薬で如何こうなる様な存在じゃありませんよ。
仕えるべき者の前では人形みたいだけど、普段はごく普通の女性ですし。
まあ、全員百合っ子さん達なんですけどね。
男を作って仕事放棄したり情報漏えいさせないためとメイド長は言っていましたが……絶対メイド長の趣味だと思うんですよね。
とにかく、この三人はこのまま連れて行くしかなさそうですね。
「ここまで来てしまってはしょうがありません。あまり私から離れないようにしてください。死にたくなければ」
「えっと……ユラちゃんの実家、なんだよね?」
「えぇ、私の実家です。生きて戻りたいなら、私を見失わない様に、わかりましたか?」
「
「かしこまりましたわ」
「……もしもの時、見捨てないでね?」
母と父は元気なんでしょうね。
フェリーが実家の島に辿り着くまで、何しましょ?
◇◇◇◇◇
島に着き、船から降りたら父が私を抱きしめてきた。
「うおぉぉぉぉぉ!!!我が最愛の娘よぉぉぉぉぉ!!!よくぞ帰ってきてくれたぁぁぁぁぁ!!!パパはずっとこの日を待っていてぞぉぉぉぉぉ!!!」
非常にテンションが高く、とてもうるさいこの男、私の父である。
赤い短髪と碧の瞳、がっしりとした筋肉質な体型、見た目30代だが実年齢は50代である。
そして、そんな父の背後に無音で立っている女性は、私の母である。
私と同じ茶髪をツインテールにしていて、蒼い瞳を細めつつ無表情で父を見ている。
「……父、後ろ」
「……………」
父は無言で私から離れ、振り向いた瞬間土下座した。
「久しぶりに会ったので、とても興奮してしまいました。誠に申し訳ありませんでした」
プルプル震えながら母に許しを請う父。
父の頭をサンダルで踏みつける母。
私は母に近づく。
「母、ただいま」
「えぇ、おかえりなさい」
母は一旦父を踏むのをやめ、私を抱きしめる。
私も母を抱きしめる。
そんなに長く離れてたわけではないので、お互いにすぐに離れる。
母は土下座継続中の父の背中に乗って、私達のやりとりを口を開けて見ていたジャバオックさん達を見る。
「あの子達は、ユラのお友達かしら?」
「まあ、そんな感じのクラスメイトです」
「そう……初めまして。魅神癒螺の母、魅神
「り、了解であります!」
「お、お邪魔させていただきますわ!」
「よよよよろしくおねがいします!」
三人の返事を聞いて、父から降りた母は島に建っている豪邸に向かって歩き始める。
父はそんな母を追いかけながら、三人に「まあ、女友達ならいいか……娘と仲良くしてくれてありがとう」と言った。
私も母の後を追うように歩き出す。
「置いていきますよ」
それを聞いて、三人は小走りに私を追いかける。
相変わらず、無駄に豪華な家ですね。
IS学園ではなく藍越学園に通っていれば、二つの学校の間にある我が家所有の高級マンションからの通学で、父が毎日の様に家に来てたんでしょうね。
まあ、それはさておき、久しぶりの我が家ですね。
◇◇◇◇◇
ついてきた三人をメイド達に一旦任せ、ユラの自室へ入る。
ベッドとタンスと机が一つずつしかないユラの部屋。
机の上の写真立てを見る。
昔の父と母とユラ、そして
ユラは少女を指で撫で、写真立てをゆっくり伏せる。
「……」
窓を開け、部屋に風を入れる。
この部屋は二階で、海と崖が見える。
窓から飛び降りて、足だけISを展開して崖へ向かう。
崖の先端には一つの墓がある。
写真の少女の墓。
双子の姉妹の墓。
愛した家族の墓。
彼女が死んだ当初は共同墓地だったが、母と父がここへと移した。
墓石の前に座り、彫られた名前に触れる。
「……ただいま」
ユラは愛おしそうに、悲しそうに、嬉しそうに、辛そうに、語りかけた。
墓石に刻まれた名、魅神―――
「……また、来るから」
ユラはそう言って立ち上がり、屋敷へと戻っていった。
その後ろ姿は、悲しげに揺れているように見えた。
◇◇◇◇◇
ユラが自室に入った頃、シャル、ラウラ、セシリアはメイド長と出会っていた。
「ほぅ、貴女方がユラ御嬢様の御学友ですね?」
「は、はい!」
「違う!弟子だ!」
「先生としてお慕いしておりますわ!」
「ちょっと二人とも!?」
「なるほど」
金髪碧眼の絵に描いた様な美人外国人な見た目で、メイド服を着こなすメイド長の彼女はレミリス・ヴァ―ミリア・
三人を客室まで案内し、説明を始める。
「こちらは三人用の客室です。入って右側の扉は洗面所と浴室となっております。入って左側の扉は御手洗い室となっております。その隣は荷物置き場となっております。部屋の中は北側と東側に窓があり、東側の窓から朝日が入る位置にベッドが三つあります。それから、ベッドの脇にはメイドを呼ぶためのスイッチがありますので、何かご用がありましたら押してください。冷蔵庫の中身はご自由に。簡単にお部屋の説明をしましたが、何か質問はございますか?」
「緊急時の脱出ルートはあるのか?」
「ラウラ、そんなのあるわけ―――」
「あります」
「あるの!?」
「北側の窓の隣にあるレバーをあげてくだされば、下までのスロープが出る様になってます。他にも床下に緊急用のエレベーターがあります。地下のシェルターまで十秒です」
「流石は師匠の御実家だ……素晴らしい」
「えぇ……」
「ISの練習場はありますの?」
「ございます。屋敷裏の方にISの研究施設がありまして、その先の森や丘でISを使用できます。戦闘訓練をしたいのでしたら、地下の実験場へ行ってくだされば、バーチャルシュミレーションや的撃ちなどをすることができるようになっております」
「あらまあ……完璧ですわね」
「可笑しいよね!?明らかに個人所有してる規模を超えてるよね!?」
「気のせいですよ、シャルロット様」
この島のことなら何でも知ってるメイド長。
そんなメイド長の説明に、シャルは疲れ果てた。
ラウラとセシリアは、他にもいろいろと質問していった。
そんな光景を眺めていたシャルは、ユラは何をしているのか気になった。
「あの、ユラちゃんの部屋ってどこですか?」
「御嬢様部屋ですか?まさか……夜這い?」
「そんなわけないでしょ!?」
「じゃあ、寝てる御嬢様にあんなことやこんなことを?」
「じゃあってなに!?違いますから!ただ話がしたいだけです!」
「なるほど。言葉攻めですか。御嬢様は罵られるより罵る方が好きですよ」
「そんなのどうでもいいよ!?友人の性癖なんて知りたくないよ!!ただの会話だよ!!」
「そうですか。御嬢様の部屋は、この三階の部屋の下」
「やっとユラちゃんの部屋に行けそう」
「の右の部屋の斜め左の三つ隣のパスワード付きの関係者専用通路の一番奥の左の部屋の二つ隣にございます」
「凄く遠かった!?しかもその面倒な説明の仕方何!?パスワードを付けないといけないようなモノがあるの!?」
「核弾頭ですかね?」
「もう帰る!!」
「冗談です」
「そ、そうだよね……一個人が核弾頭を所持してるなんて、あるわけが―――」
「発射スイッチしかありません」
「―――あったぁぁぁぁぁ!?」
メイド長はパタリと倒れたシャルを見て、満足そうに頷いてラウラとセシリアに言った。
「とても面白い方ですね。それと御嬢様の部屋に案内したいところですが、もう少しだけ待ってあげてください。御嬢様には、必要な時間ですので」
「了解した」
「わかりましたわ」
二人の返事に少しだけ微笑むメイド長。
シャルの耳元に近づき、一言。
「スイッチ、押しますか?」
「押さないよ!?この人怖い!!」
シャルは復活したが、メイド長に恐怖するかのようにラウラの後ろに隠れる。
頭隠して尻隠さず状態だが、特に誰もツッコまない。
そんなこんなで騒いでいると、ユラがやってきた。
「楽しそうですね。私も混ぜてください」
◇◇◇◇◇
場所は変わって屋敷裏IS研究施設。
ユラ、ラウラ、セシリア、シャルの四人はそこで、ユラをして変人と言わせるIS研究者がいた。
「ユラおじょうさま~おひさしぶりです~」
「貴女はホントに変わりませんね」
「え?わかいまんま?うれしいこといってくれますね~」
「ホント脳みそ腐ってますね」
丸メガネにボサボサ髪、汚れたヨレヨレの白衣を着たまま、ユラ達を見てフラフラと近寄ってくる。
ユラの専用機
名前をパラシィ・パルフェステというが、知り合いからは変人と呼ばれているので、本名を知る知り合いは意外と少ない。
「ユラおじょうさま~うしろのかたがたはおともだちですか~?」
「学校のクラスメイトです。まあ、友人でもありますね」
「ほぇ~なんだかかわりましたね~」
それに答えずユラは近くの机の上に積まれている紙を手に取る。
そこには英語とカタカナとひらがなだけで書かれていた。
「貴女は何時になったら漢字を勉強するんですかね?」
「かんじをおぼえるよりすうしきをおぼえるほうがいいですね~まあ、ISかんけいのことならおぼえるのもやぶさかじゃないかもですね~」
「そうですか。あぁ皆さん、彼女はパラシィ・パルフェステです。私のISの整備やら武器開発やらを担当してます」
「師匠の整備士ということですね」
「先生のあの武装を作った方ですか」
「ユラちゃんの暴走の原因か……」
思い思いの感想を呟く三人。
パラシィは何かを思い出したかのように動き、ユラに両手を差し出す。
「ユラおじょうさま~せっかくですからISかしてもらえますか~?あたらしいのつくったのでつけますので~」
「ほぅ、今回はどんなのですか?」
「ぐんようISにしょかいの1かいだけとはとはいえ、あそこまでてひどくやられちゃったのはぼうぎょりょくぶそくだったとおもうんですよ~」
「ねぇラウラ」
「ん?なんだ?」
「あの人が言ってるのって福音事件だよね?」
「だろうな」
「……機密じゃなかったっけ?」
「シャルロットは馬鹿だな。師匠の昔からの関係者だぞ?ハッキングぐらいできて当たり前だろ?むしろ出来ない方がおかしい」
「……そうだね」
ガックリと肩を落として重苦しい空気を出すシャル。
そんなシャルは置いといて、ユラはISをパラシィに渡す。
ISを受け取ったパラシィはササッと機械に繋いで、構成データを弄る。
その速度は異常の一言で、モニターに文字が線の様に流れていく。
数分して、ISをユラへと返す。
「ちゃんとまいにちせいびしてるみたいですね~でもでも~データかんりがざつですよ~むだにしてるかしょがたたあったので、せいりしておきましたから~」
「ありがとうございます。でも、データ管理は専門外ですから。整備なら問題無いんですけど」
「まあそこまでできたら、わたしみたいなのはひつようなくなっちゃうんですけどね~」
「ですね」
和やかにそんな会話をする二人。
そんな二人を余所に、以前に見た大天才篠ノ之束の技術力に足を踏み入れている目の前の科学者を見て、自分のISを見せてみたい三人がいた。
それに気が付いたユラは苦笑いしながら話を振る。
「パラシィ」
「はいは~い」
「後ろの三人のISも見てもらえますか?あぁ、変な改造したりしちゃダメですよ?私のと違って個人所有ではなくあくまで国の物ですから」
「よろこんで~さぁさぁお三かた、ISをかしてもらえるかな~?」
「よろしく頼む!」
「お願いしますわ!」
「えっと、御言葉に甘えて」
この時、パラシィにISを渡さなければ、違う未来になっていただろう。
だがそのことに気付く者は、今も未来も現れることはないだろう。
◇◇◇◇◇
三人がパラシィにISを預けたので、摸擬戦が出来なくなってしまいました。
もともと摸擬戦をするために屋敷裏まで来たんですが。
「……ラッキーだな」
「……ですわね」
「……射撃ありだと手加減無しだからね」
「何か言いました?」
「「「いいえ何も言ってません」」」
「そうですか?」
なんだか失礼なことを言われた気がします。
まあいいでしょう。
しかし、この後どうしましょうか。
特にすることも無いですし、父と母にでも会いに行きましょうか?
「この後どうしますか?」
「格闘戦の練習がしたいですね」
「射撃技術をより洗練したいですわ」
「メイド長さんに呼ばれてるから逃げようと思う」
「なるほど。とりあえず最後は無理ですね」
「そうですね」
「え?」
「お迎えに来ました」
「……え?」
「さぁ、参りましょう」
シャナさんを連れて屋敷に戻っていくレミリス。
随分と気に入ったようですね。
残った二人を訓練所へ案内することにした。
まあ、訓練所と言っても大したことは無い。
ウチのメイド達の特訓場所みたいなものだ。
「それじゃあ、パラシィがISの確認を終えるまで自由にしていてください」
「了解しました」
「わかりましたわ」
さてさて、これでホントにやることが無くなりました。
とりあえず、ツャルさんがどうなったかでも確認してきましょうかね?
一夏はこの日箒と神社です。
翌日になったらもしかすると……
次回はユラについてきちゃった三人の強化回かも?
お楽しみに~