IS~ただ一発の魔弾として~   作:ディアズ・R

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やっと投稿できたー
エタったと思った?
自分もエタったと思った。

公式外伝【インフィニット・ストラトス・アーキタイプ・ブレイカー】皆さんやってますか?
自分はやってます。
それが理由で遅くなったなんてことはありませんですことよ?

今回は、とりあえず物語を進めるためにご都合主義投入ですよ。
後オリジナル展開にするためのフラグをいくつか。
自分の原作知識はキャノンボール・ファスト前で止まっているという異常事態。
つまるところ、次回からはほぼオリジナルと考えてくださいな。
他の作者さんの二次作品を見てるのである程度なら続きを知ってるからほぼオリジナルです。

続きどうしよう?


第二十六話

「はじめまして、魅神癒螺(みかみ ゆら)さん♪」

 

そう言って話しかけてきたのはIS学園生徒会長、更識楯無(さらしき たてなし)ですね。

確かロシア代表でしたっけ?

あと、なんか、生徒会長について聞いた気がするんですけど……てか、寮の自室で寝て、起きたら椅子に座ってるって……不法侵入ワロス。

 

「何か御用でも?」

「あら?用がないと可愛い後輩に話しかけてはいけないのかしら?お姉さん悲しいわ~よよよ~」

 

わざとらしい悲しそうな表情をしてくる。

猫っぽい雰囲気がグッときますが、精神的に脆そうというか、処○ぽいんですよね。

ブチ抜いてあげようかしら?

 

「あ、あら?なんだか寒気が……」

「で?学園最強が未熟な一年生にどんな御用でしょう?」

「ホント冷たいわね~もっと、こう、ニコッ♪とできない?」

 

……よし、撃ち抜こう。

アリス、近接特殊兵装・ショックインパルスを起動なさい。

 

《近接特殊兵装・ショックインパルス起動》

「へ?……ちょっ!?」

 

カッ!ドォッン!!!

 

説明しましょう。

近接特殊兵装・ショックインパルスとは、ISのシールドエネルギーとは別の特殊なエネルギーシールド(性能はIS用ではなく人用のハンドガンぐらいなら防げる程度)を自身を中心とした二十メートル全域に物理的な衝撃として放つ攻撃のことである。

敵味方識別機能があるので使っても問題ないし、机や椅子、ベッド等の物には一切被害が出ない優れもの。

一瞬の輝きに、5トンクラスの衝撃。

一撃の威力、プライスレス。

使用後、一時間ほど絶対防御が機能しなくなるのが玉に瑕。

まあ、ISを普通に展開されたんで防がれましたけど。

というか、そのISが吹っ飛んだことで室内が荒れてしまいました。

 

「い、いきなりこんな威力の攻撃してくるなんて何考えてるのよ!?」

「不法侵入者への殺意でしょうか?」

「……ご、ごめんなさい」

 

わかればいいんです、わかれば。

それより、しょんぼりした会長カワ(・∀・)イイ!!

というか、よくよく考えると、他人の部屋に入ってくるってことは、そういうことも想定してるんですよね?

なんだ、そういうことなら早く言ってくださいよ♪

会長は私的にグッドです!

 

「あ、あの、なんで近寄ってくるのかしら?」

「フフ、わかっているのでしょ?」

「えっと、なにが?」

 

ホントに初心なのね~私色に染めたくなっちゃうわ♪

たっしーの腰を左手で抱き寄せ、身長の低い私を見下ろさせるように右手人差し指で唇をちょっとだけ押す。

顔を真っ赤にしちゃって、ホントに可愛い♪

 

「あらあらうふふ……大丈夫、優しくしてア・ゲ・ル♪」

「ま、待っんむぅ!?」

 

抵抗すらさせない自然な動作で唇を唇で抑える。

おしゃべりな口は塞ぐに限るわ。

戸惑い硬直する盾無さんの唇をキスしながら舐める。

 

「ふむぅ!?ふぅ!?むぐぅ!?」

「んちゅ、はむ、ん」

 

慌てているところに軽く足払いをし、ベッドへと一緒に倒れる。

そして腕だけISを展開してたっちゃんを拘束しつつ上に跨り、舌なめずり。

 

「うふふ、いっぱい愛してアゲル♪身も、心も、犯し尽して、壊しちゃう♪」

「ヒッ!?イ、イヤァァァァァァァァァァ!?!?!?」

 

 

 

~一時間後~

 

 

 

無っちゃんと一緒にシャワーを浴びてる。

一緒と言っても、縦梨さんは隅っこで蹲ってるけど。

誰にかはわからないけど、一応言っておくなら一線は超えてないです。

私が途中で正気に戻ったんで、セーフです。

 

「簪ちゃん……お姉ちゃん汚されちゃったよ……」

「全て曝け出した仲なんですから、体の洗いっこでもしましょう」

「曝け出したというより無理矢理剥いだのは貴女でしょ!?」

「耳に水が詰まったようです、ナニモキコエマセンデシタ」

「うぅ~」

 

凄く警戒してるにゃんこにしか見えない。

これからは、たてにゃんと呼ばせていただきましょう。

 

「そろそろ本題に入りません?」

「……そうね。本気で身の危険を感じるから下手に長引かせるのは下策ね。直球に言わせてもらいます。生徒会に入ってもらえませんか?」

「生徒会に?」

 

何故そんな面倒なことを……

 

「詳しくは言えないんだけど、結構な面倒事が起きていてウチに飛び火してきたときのために実力のあるIS操縦者の貴女を勧誘しに来たの」

 

ん?ちょっと待ってください。

たしか、のほほんさんが生徒会役員の一人だったはず……ハッ!?

 

「いいでしょう!入ります!」

「……なんだか凄い欲望に濁った眼をしてる気がするんだけど」

 

何を言っているんです?

私は純粋にのほほんさんと生徒会室でマニアックプレイをしたいだけです。

まずは犬耳と首輪をつけて犬の真似をしてもらって……いや、むしろ私が……素晴らしい!

 

「……やっぱりこの話はなかったことに」

「えぇ!?何故ですか!?」

「なんか、取り返しのつかないことになりそうだから……」

 

おのれ!私の幸福な時間を奪おうというのですか!

あ、この人生徒会長でしたよね?

……調教すれば、イケル。

 

「ッ!?きゅ、急用を思い出したわ!?今日のところは失礼!!」

 

服を着ずに引っ掴んで部屋から走り去っていくたてにゃん。

 

「む……逃げられましたか」

 

これは一線超えとけばよかったですかね?

身体を拭いて、裸のままベッドに腰かけボーっとする。

そしてノックもせずにごく普通に部屋に入ってくるいっちー。

 

「ユラ~ちょっと訓練を―――」

 

私の真正面に立ち、石化したように動きを停止させる一致ー。

運がいいのか悪いのか、その後ろからジャバウォックさんが部屋の中を覗く。

 

「一夏?ユラちゃんの部屋で何して―――」

 

こちらも石化。

視線を逸らそうともしないとは、やらしい人達です。

あ、そう言えばアスタロットさんの実家の件で父から報告受けてたんでしたっけ?

まだ男として入学してきた時に調べたらしいです。

女と分かって放置してたようですが、私と友人関係ということでこの前情報を貰いました。

それに、私にとっても重要な情報があるようですし、ね?

 

「シャイターンさん」

「シャルロットだよ!?というか隠してよ!?一夏もいつまで見てるの!?」

「す、すまん!?」

 

振り返ってすぐさま出ていこうとするいっちゃん。

おっと、貴方もすでに関係者なんで逃がしません。

 

「斑鳩君」

「織斑な。えっと、出た方がいいよな?」

「いえ、そのままで。ディバインハート社についてです」

「ディバ……デュノアのことか?」

 

ビクッと体が反応するシャイニングさん。

ご本人には問題しかない名前ですからね~

私には関係ありませんけど!

 

「ちょっと小耳に挟んだことなんですが、フランス政府は最初から男のIS操縦者など選んでないそうです」

「……え?」

「それはそうじゃないか?シャルは女だし」

「転校してきたときは男というテイでしたよ」

「あ!ホントだ!……ん?どう言うことだ?」

「つまり、フランス政府の書類上は女で、IS学園での書類上は男ということですね。女だとバレてIS学園に留まることが前提の途中編入だったということですね」

「んん?えっと、だから、なんだ?」

「簡単に言えば、ジャグリングさんをデュノワール社から遠ざけるのが目的だったみたいですね」

「え?……それって、もしかしてシャルを守るためってことか?」

「……ウソ……そんなの、ウソだよ……………ウソだ!!」

「シャル!?」

 

シャルロッテさんが走ってどこかへ。

おりむーも追い掛けてどこかへ。

私も着替えて食堂へ。

 

そして誰もいなくなった……と見せかけ、ベッドの下からラウラとセシリアが這い出てくる。

 

「「……」」

 

お互い何も言わず、部屋から出ていった。

いつから隠れていたのかは、二人だけの秘密である。

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

食堂にてそうめんを食べながら、デュノア社の情報をアリスに整理してもらう。

社長と本妻と愛人の関係。

本社の人伝に聞いた話では、愛し合う社長と本妻の間に無理矢理愛人が割り込み、子供を孕んだら雲隠れした悪女説。

社長と愛人のことを知っている知人から聞いた話では、社長側から告白して結婚を前提に付き合っていたらしくとても仲が良かったらしい。

結婚の前に第二世代機を完成させようとしていたが、失敗し経営不振に。

そのタイミングで子供を孕んだと分かったが、本妻が現れ資金援助を申し出る。

その資金援助のおかげで第二世代機、それも量産型として世界で使われるレベルのモノだった。

愛人は社長のことと社員のことを考え、社長に子供ができたことも言わずに人のあまりいない田舎に引っ越し。

知人達にはいなくなることを愛人から社長に言わない様に口止めがされていたようだ。

愛人が亡くなり、子供がいることが発覚。

社長はすぐに自身の下へ子供を呼び寄せるが、ここで社員に広がっていた噂が最悪な形で作用する。

泥棒猫の娘として虐めが発生。

社長は何とかしようとするも上手くいかず、本妻までその噂に踊らされ子供に暴言を吐き捨てる始末。

ちなみに本妻は社長に本気で惚れており、愛人の方が先に出会っていることを知らず、自身に隠れて出会っていたと思っているもよう。

子供の精神が限界まで疲弊し始めた時、男のIS操縦者が現れたのを利用し子供をIS学園に入学させようとする。

ただ、理由もなく送り込むことができないほど子供がISパイロットとして優秀過ぎたのだ。

そこで社長は子供を代表候補に申請し、IS学園に世界で二番目の男として送り込む。

バレてもバレなくてもIS学園に通っている間なら、途中編入でも最低二年は猶予ができる。

ただ、入学させてごく普通に卒業して戻ってきたのでは何の意味もないので、子供に対して一つの指令を出す。

世界初の男性IS操縦者の情報収集だ。

子供はこの指令を忠実に守り、何とか情報を手に入れようと男に接触するだろう。

何といっても世界初の男性IS操縦者、表裏問わず接触があって当然だ。

そんな男の近くにいればそれなりの伝手や経験を手にできるだろうと考えたのだ。

事実、他国の代表候補と知り合い、第二世代機で第三世代機と互角に戦え、実戦も経験している。

今すぐフランスに戻ったとしても邪険にされることはほとんどないだろう。

というか、臨海学校の時に当たり前の様に追加パッケージ届いてましたし。

捨てる気はさらさらないと言ってるようなものじゃないですか。

 

「ごちそうさまでした」

 

さて、私はどうしましょうかね。

一応友人ですし、手を貸してもいいのですが……勝手にやって嫌われたくありませんし。

私の性格上、この学園に来るまで友人は数える程度しかいないんですよね。

知り合いの同性愛者は多いんですけどね……

 

「ん?ラララさんにセシリンさん?」

「「……」」

 

何やら考えながら私の両隣に座る二人。

どうしたんでしょうね?

 

「……師匠、その、先ほど部屋でシャルロットのことを聞きまして」

「な、なにか手伝うことがあるならわたくし達も協力しようと」

 

あぁ、どうりで見えてる人数より気配が多かったんですね。

この二人、学校内だといつも傍にいるのでほとんど違和感を感じなかったです。

というか、手伝うことと言われても……

 

「そんなことを言われても、私から何かする気はありませんよ?シャロンさんが頼って来たなら別ですけど……」

 

よそに干渉すると騒ぎ出す面倒な輩っていうのはたくさんいますし、なによりこの情報だって私が調べようとして調べたモノではないですし。

一応は友人ですし、協力の一つや二つしますけど……

 

「「うぅ……」」

 

しかし、この二人も初めて会ったころと比べると大分変わりましたよね~

ツンケンしてたお嬢様と殺気立ってた軍人の二人。

それが今では、友人の為に何かできないか必死に考えている。

これが成長なんですね。

 

「ハァ……みんな笑顔で美味しいご飯を食べるために、少し協力願えますか?」

「「は、はい!!」」

 

さてさて、ちょっとした根回しとハッキングをしましょうかね。

 

 

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

 

 

織斑先生と山田先生に事情説明し盗聴対策なんかがしっかりされてる学校の一室を借り、ISでシャルルンさんを呼び出す。

待つこと数分、ワンちゃんに背中を押されてやってきたシャンパさん。

そして私の足元には真っ赤な顔をして口元を抑えながらプルプル震えているセコムさんとルールさん。

 

「いや何してたんだよ!?」

「何ってナニに決まってるじゃないですか言わせないでください恥ずかしい」

「真顔で言われたら恥ずかしがってるように見えない!?」

 

ワン夏君のツッコミを受けながら、面倒事はさっさと終わらせよう。

シャル杖さんに近寄る。

目の前まで来たが何も言わずに俯いたままなので、両手を使って胸を揉む。

 

「……ぇ?」

 

もにゅもにゅとコネてみると程よい弾力と柔らかさがあり、後ろから抱きしめつつ揉みたくなる胸ですね。

山田先生やモッピー程とは言わないが、地味に大きいのもグッドです。

数秒後、何をされてるのか脳が理解したのか耳まで赤くして胸を隠すようにしゃがむシャルンさん

 

「わひゃぁぁぁぁぁ!?いいいきなり何するの!?」

「胸を揉みました」

「なんでよ!?」

「特に理由はありません。ムラムラしてやった。今は反省している」

「嘘だ!!」

「嘘じゃありません。今もムラムラしてます」

「そこじゃないよ!?というか女の子がそういうこと言わないの!!」

「ナッツ君、そこの端末を使ってこの番号に連絡してもらえますか?」

「ん?あぁ、わかった」

「話を聞いて!?」

 

シャルロックさんが涙目で可愛いのを眺めつつ、夏一君が番号を入力してコールする。

数回のコール音ののちに、モニターにある人物が映る。

 

「はいは~い、パラシィですよ~」

 

我が家の変人技術者である。

ホントは我が家に頼ることなくデュノア社の社長室に直接通信を繋ぎたかったんですけど、ISを扱う軍事会社らしくセキュリティが万全で私の技量では不可能でした。

セッションさんはハッキング事態それほど得意じゃないですし、ライスさんは職業柄他国へのハッキングには慎重になってしまいますから頼めなかったんですよ。

 

「では先程説明した通り頼みます」

「かしこまり~」

 

画面が暗転して数秒後、画面に映るのは書類仕事をしている40代に見える男性。

シャシャンさんがその男性を見て青ざめながら体を震わせる。

それを見たイッチーがその男性が誰であるかを理解する。

 

「この人が……」

「ん?何故電源が、な!?」

 

男性が訝しげな表情で画面に目を向け、シャロさんを見た瞬間驚愕するがすぐに無表情になる。

 

「シャルロット・デュノア、何のつもりだ?」

「あ……僕は……」

「面倒なので完結に行きましょう」

「……君は誰かな?」

「魅神癒螺です」

「魅神?……ッ!?あの魅神か!」

 

どの魅神ですかね?

 

「世界で初めて第二世代機を二次移行(セカンドフェイズ)させ、さらにどうやってか三次移行(サードフェイズ)までしてみせた企業のトップの名が魅神……国ですら企業の全容を把握できず謎が多い、そのトップの御令嬢が私のような落ち目の人間に何の用が?」

「いえいえ、私が用があるわけじゃありません。アナタの娘であるシャンパンさん」

「シャンパン?」

「あ、シャルのことですシャルのお父さん」

「男が私をお父さん等と呼ぶな!!」

「なんで!?」

 

唐突にキレる若者のように怒鳴るデュノア社長。

ビビる弌夏君。

 

「色々調査した結果、貴方の真意を問おうと思った次第です」

「真意……」

「では、あとは娘と父親でどうぞ」

「「は?」」

 

流石親子、息ピッタリ。

聿夏君の手を引いて部屋の外へ。

 

「えっとさ、どう言うこと?」

「何時までも仲違いしてるのは迷惑なので、さっさと解決を図ろうかと」

「ん~まあ、なにもしないよりはいいのか?」

 

無言でついてきていたいつもの二人に手で合図する。

頷いた二人が離れてくのを眺め、いっちゃんのこれからについて言っておく。

 

「弌个君」

「なんだ?」

「二つ選択肢があるのですが……一つは今回の件について織斑先生に報告すること、もう一つがなにも聞かなかったことにすることです」

「……つまりどう言うこと?」

「前者は学園に対して重大な書類ミスがあったことを指摘することになります。そしてそのミスで一番責任を取らされるのが……」

「学年主任の千冬姉、か」

 

すごく渋い顔をするおりむー。

シスコン気味なおりむーには、この選択は辛いでしょうね~

 

「で、後者はヂュノワ社のトップ父子の仲は改善されるけど現状維持。ジャルさんは今まで通りデュアル社には戻れない。つまり、国に帰ることが出来ないってことです」

「そんなの!」

「ですが、どちらかを選ばなければいけないのですよ」

 

実はもう一つ選択肢があるのですが、準備が面倒ですし、元々一般人だったおりまー君には思い付かないでしょうね。

まあ、私的にはこの選択をさせるのが一番ありがたいんですけど。

 

「それで……どちらを選びますか?言い方を変えるなら、家族を見捨てるか友人を見捨てるか、ですよ」

「俺、は……どっちかなんて、選べない。千冬姉は大切だ……でも、シャルを見捨てるなんて、出来ない……ユラ、俺は、どっちも救いたい」

「なるほど、つまり第三の選択肢ですね」

「……多分だけど、その選択はユラに負担がかかるんだよな?なら、俺に……俺に出来ることがあるならなんでも言ってくれ!」

「残念ですが……何の権力も持たない一家君には、何もできません」

「……………そっか」

 

 

 

◇◇◇

 

 

 

視点・一夏

 

ユラに「何もできない」と言われ自分でも驚くほど納得した。

俺はISが使える世界で唯一の男だ。

それに世界最強の姉もいる。

でも、ソレだけだ。

俺には、何もない。

ISが使えるのは束さんがコアを作って国がくれたから。

世界最強なのはあくまで千冬姉だ。

じゃあ、俺は?何がある?どんな力を持ってる?

……………俺には、何もない。

 

「……ユラ」

「なんでしょう?」

 

隣に立つ強く、優しく、権力もある魅神癒螺《みかみ ゆら》。

同じ歳なのに、その時その時一番必要なモノを持っている彼女。

そこまで考えて気付く。

俺は初めて他人に嫉妬しているのだと。

 

「ユラは、何でも持ってるし、何でもできるよな……俺には、できないよ」

「……」

 

何を、言ってるんだろうな……

ユラの強さは与えられたものじゃない。

ユラの優しさは初めから持っていたもの。

ユラの力は、ただユラをナニかに縛り付けているだけ。

わかっている……わかっているはずなのに……

 

「何もない俺は、どうしたらいい?どうすればいい?どうしたら良かった?」

「……」

 

俺自身の問題なのに、ユラに答えを求める。

情けなくて、恥ずかしくて……でも、ユラなら教えてくれると期待して、それが余計自分を惨めにする。

いつかのユラは俺に期待していると、そう言っていた。

だけど、今の俺は情けなくユラにすがりつく。

ユラが何も言わないのは、そんな俺に呆れたからか……

爪が掌に食い込むほど強く拳を握る。

ユラは……何で……

 

「……私は、全部失いましたから」

「え?」

「一番失ってはいけない、一番大切なものを、一番最初に奪われた……」

「ユラ……」

 

初めて、ユラの秘密を知った気がした。

嬉しいと感じると共に、疑問が湧く。

こんなに強くて優しいユラから、奪った(・・・)

誰が?何の為に?どうやって?

 

「だから私は、取り戻すための全てを求めるんです」

「……」

「織斑一夏……アナタが求めるのは何か、ソレもうすでにアナタの中にある筈ですよ」

「俺が求める、何か……」

「さて、ではそろそろ終わらせましょう。一夏君、なにもしていないアナタに、結末を見届ける勇気はありますか?」

 

……ズルい言い方だよな。

 

「ここで引いたら勇気すらないって認めちまうじゃんか……ユラ、俺に見せて欲しい。シャルの選ぶ結末を」

「では、行きましょうか」

 

何時でも堂々としてて、真っ直ぐ前を見るユラ。

……俺はいつか、その隣に立てるだろうか?

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